ハイスクールD×D 荒ぶる神を宿す者   作:初代凡人

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引きこもりなのに女装趣味のある男の娘参戦! 竜真はどう対処するのか!?

本編などない!(あります)


第二十五話 ハイスペックな後輩

竜真side

 

授業参観の翌日の放課後。俺たちオカ研のメンバーは全員、旧校舎のとある部屋の前にいる。

 

その部屋は『KEEP OUT!!』と書かれたテープが幾重にも張られ、封印用の魔方陣も描かれている。此処は通称<開かずの部屋>と呼ばれ、以前から気になってはいた場所でもある。

 

しかし、まさかこんなところに――

 

「もう一人の<僧侶>がいたなんてな…」

 

「ええ。彼は普段この部屋にいるのよ。一日中ね」

 

一日中…。普通だったら頭おかしくなりそうだな。

 

サーゼクスさんから聞いた話をまとめると、以前からいたというその<僧侶>は強力な力を持っていたらしく、まだ主としては未熟なリアスさんには制御できないと悪魔のお偉いさん方が判断し、この部屋に封印するよう命じられていたらしい。

 

だがお偉いさん方は、以前あったフェニックス家との一戦、ならびにコカビエル撃退で、今のリアスさんにならその<僧侶>も制御できるだろうという判断が出て、解放の許可が下りたそうだ。

 

「しかし、よく一日中部屋の中にいられるな。俺だったら壊れちまいそうだ……」

 

「大丈夫だイッセー。お前じゃくても普通の奴なら精神が崩壊する」

 

「一応深夜だけ封印が解けるから、その間は旧校舎限定で自由にしていいことになっているのだけど、本人がそれを拒否しているのよ」

 

リアスさんが朱乃さんと一緒に魔方陣を解除しながら答えてくれた。祐斗もテープをはがしている。

 

にしても、自分から拒否って……。普通ならようやく得た自由への嬉しさに、ハッピー嬉ピーよろピくねー状態に――なんねぇな、うん。

 

そんなアホなことを考えていると、朱乃さんが意外なことを教えてくれた。

 

「ですが、この中にいる子は眷属の中で一番の稼ぎ頭でもあるのですのよ?」

 

「えぇ!? でも、引きこもりなのにどうやって?」

 

「パソコンを介して契約しているのですわ。相手によっては、直接私たちに会いたくないって人間もいます。そういう人間とは普通とは別の形で交渉をして、契約をするのです。パソコンでの取引率なら、新鋭悪魔の眷属の中で上位に入るほどの数値を出していますわ」

 

なるほどな。一日中部屋にいるから、確かにパソコンもし放題で、契約も多くできるってわけか。

 

朱乃さんの話が終わってすぐ、扉の拘束は全て解除された。

 

「それじゃあ、開けるわよ」

 

リアスさんが扉を少し開ける。

 

 

 

 

 

『イヤァァァァァァァァァ!!』

 

 

 

 

 

その直後、凄まじい悲鳴が中から聞こえてきた。今のはビビった……。つーか、声からしてもう一人の<僧侶>も女か?

 

リアスさんは悲鳴を聞いてため息をつきながらも部屋の中へと入っていく。朱乃さんもそれに続いた。

 

『ごきげんよう。元気そうでよかったわ』

 

『な、何事なんですかぁぁぁぁ?』

 

中から聞こえてくる声は完全に怯え切っている。……まだ何もしてねぇよな?

 

『あらあら。封印が解けたのですよ? もうお外に出られるのです。さあ、私たちと一緒に出ましょう?』

 

朱乃さんが怖がらせないように優しい声で語りかける。

 

『やですぅぅぅぅ! 此処がいいですぅぅぅぅぅ! 外に行きたくないぃぃぃ! 人に会いたくないぃぃぃぃぃぃ!』

 

しかし、朱乃さんの言葉を聞いても、中にいる人物は拒絶反応しか見せない。………引きこもり以前に対人恐怖症じゃねぇかよ。

 

俺たちは戸惑いながらも部屋の中に入る。部屋のカーテンは全て閉められ、全体的に薄暗い。だが、かわいらしい装飾が施された物が多く、女の子の部屋という印象を受ける。

 

そして、そんな風景とはかけ離れた棺桶が一つだけある。リアスさんと朱乃さんがその前に立っていることから、件の<僧侶>はそこにいると考えられる。

 

棺桶に近づくと、その中に腰を抜かして震えている女の子がいた。小猫みたいに体は小柄な方で、短めの金髪の持ち主は、その赤い両目に涙を溜めて今にも泣き出しそうだ。

 

「おおっ! またしても金髪美少女!」

 

イッセーはもう一人の<僧侶>もアーシアさんと同じ金髪美少女であることに喜んでいる。しかし、そんなイッセーに、苦笑いしてるリアスさんから非情なる事実を告げられる。

 

「見た目は確かに女の子だけど、この子は紛れもない男の子よ」

 

その言葉を聞いた時は、俺も一瞬リアスさんが何を言ってるかわからなくなりそうだった。………マジで男の子――いや、男の娘なのか?

 

イッセーは特に信じられないようで、変に明るく否定しようとしている。

 

「いやいやいや。どう見ても女の子じゃないですか。こんな女の子してるじゃないですか。…………え、マジで?」

 

「女装趣味があるのですよ」

 

真実を否定したいイッセーに、朱乃さんが容赦なく追い打ちをかける。女装って……。似合ってる分、余計たちが悪いな。

 

「えええええええええええええええ!?」

 

イッセーはとうとう現実を無視できなくなり絶叫する。

 

「ヒィィィィィ!! ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!」

 

ちなみに、女装くんはその叫びにビビって叫んでいる。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

イッセーは絶望しすぎて頭を抱え、その場に膝をつく。

 

「そんな……。こんなことがあっていいのか…。こんなにかわいいのに、チ○コがついてるなんて……」

 

「イッセー。此処にいる半数以上が女性なんだからそういうことを言うな」

 

「全くです」

 

俺の言葉に小猫も同意した。

 

「だがよ、なんで引きこもりなのに女装してるんだ? 普通誰かに見てもらいたいから女装するもんじゃないか?」

 

俺は気になっていたことを呟くと、女装くんが答えてくれた。

 

「だ、だって、女の子の服の方がかわいいもん」

 

……至ってシンプルな答えなんだが、ツッコミどころがありすぎて困るな。

 

女装くんの返事を聞いていたイッセーがキレる。

 

「もんとか言うなぁぁぁぁぁ!! クソッ! 俺の夢を壊しやがって……! 俺は一瞬だが、お前とアーシアの金髪美少女<僧侶>コンビを夢見たんだぞ!」

 

「小猫。人の夢は?」

 

「……儚い」

 

「ザッツライト!」

 

「ザッツライトじゃねぇぇぇぇ!! 楽しんでんじゃねぇよ竜真!」

 

え? 別に、全然楽しんでなんていないぞ?

 

「酷い言いがかりだなイッセー。待ってろ。今携帯で写真撮るから」

 

「何!? 今の俺の写真を撮ってどうする気だお前!?」

 

「もちろんただの…………………記念だ」

 

「今の間はなんなんだよ!? というか、記念に撮ってなんになるんだよ!?」

 

「からかいのネタ」

 

「この外道!!」

 

多少は自覚してるから、痛くもかゆくもねぇな。

 

「と、ところで、そちらの方々は誰なんですか?」

 

女装くんが俺たちの空気に若干圧されていたが、恐る恐るという感じでリアスさんに質問した。

 

「この子たちは私の新しい眷属よ。皆、挨拶して」

 

リアスさんの指示に従い、俺とイッセーとアーシアさんとゼノヴィアで簡単に挨拶をするが、向こうは悲鳴を上げてビクつくだけだった。………これは重症だな。

 

「あなたはもうこんな場所に閉じこめられなくてもいいのよ? だから、此処から出ましょう?」

 

リアスさんが女装くんに優しい声で語りかける。

 

「嫌ですぅぅぅぅ!  外に出たって迷惑をかけるだけですぅぅぅぅぅぅ! 一生此処で暮らしますぅぅぅぅぅ!」

 

それでも女装くんは外に出ることを拒む。それを見ていてしびれを切らしたイッセーが女装くんに近寄る。

 

「ほら! 部長が出るって言ってんだからさっさと――」

 

イッセーが女装くんの腕を掴む。

 

「イヤァァァァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

――その瞬間、女装くんの両目が光った気がした。

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

それを認識するとほぼ同時に、勝手に籠手が出現した。

 

今は夏服で半袖のワイシャツだ。左腕は嫌でも隠せない状態。これじゃあ皆に俺の体の変化がバレる…!

 

もうダメかと思いながら恐る恐る後ろに振り返る。

 

――が、皆は微塵も驚いてなかった。だが、俺はすぐに違和感を感じ、近くにいるリアスさんの前に近づく。

 

顔の前で手を振ってみるが、目すら動かさない。

 

どうなってんだ? 他のメンバーも固まったように動かない。動けるのは俺だけ。………いや、もう一人いるな。

 

俺はイッセーの方に目を向ける。イッセー自体は、皆と同じで固まって動かない。

 

――だが、さっきまでイッセーが捕まえていたはずの女装くんがそこにはいなかった。

 

女装くんは、部屋の隅の方で震えている。…………この異変を起こしたのは、たぶんあいつだろう。得体の知れない能力だが、俺にはなぜか効かないようだし、ちょっと問いただすか。

 

俺は腕を元に戻して、女装くんの近くに行き声をかける。

 

「おい。お前何したんだ?」

 

「――っ!? ヒヤァァァァ! なんで動いてるのぉぉぉぉぉ!?」

 

「わかったわかった。少し静かにしてくれ。こんなに近いと耳に響く」

 

にしても、今の反応を見た感じだと、能力についてはこいつも認識しているようだな。………()()()か…。つまり、普通なら俺も動けなくなってるということ。

 

念のため、体に変化がないか見てみる。すると、ある物に些細な変化があった。

 

――腕時計の針が停まっている。分針はもちろん、秒針も完全に停まっているのだ。

 

この腕時計はまだ一年くらいしか使ってないから、故障は考えられない。第一、さっきまでちゃんと動いてた。まるで時間が停まったかのように……。

 

俺はそこである結論に行き着き、部屋のカーテンを開ける。

 

「開けないでくださいぃぃぃぃ! 光が入ってくるぅぅぅぅぅ!」

 

「日の光じゃないから我慢しろ」

 

女装くんがわめくのを軽く流して、グラウンドにある時計に目を向ける。……しっかり動いてるな。

 

異変が起きたのは、さっき女装くんの目が光った瞬間。やはり、こいつの能力は…。

 

「あ、あれ? どうなってんだ?」

 

「何か、今違和感が……」

 

「……何かされたのは確かだね」

 

お、どうやら全員お目覚めのようだ。

 

だが、驚いてるのは今声を出したイッセーとアーシアさんとゼノヴィアだけで、他は特に驚いた様子はなかった。――いや、俺の方を見て驚いた顔になった。

 

「竜真……。あなた、まさか動けたの?」

 

「ええ、特に問題なく。ってことは、やっぱりこいつの能力は、視界に映したものを動けなくする能力――いや、時間を停める能力なんですか?」

 

俺の言葉を聞いて、皆は更に驚いた顔をする。仮説は当たったようだな。

 

「……凄い推理力ですわ。――その通り。その子の神器は、視界に映したものを一定時間停止させる能力を持っているのです」

 

「だけど、制御ができないから、上から危険視されて封印されていたんだよ」

 

朱乃さんに続いて、祐斗が説明してくれた。まあ、そんな強力な能力が制御できないのは危険極まりないから、封印されてもしょうがないか。

 

リアスさんは女装くんの後ろに行くと、優しく抱き締める。

 

「――この子は、ギャスパー・ヴラディ。駒王学園の一年所属。転生前は人間と吸血鬼のハーフよ」

 

どうやら、かなりハイブリッドかつ、癖のある後輩のようだ。

 

 

 

――――――――――

 

「――<停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)>。それがギャスパーの神器ですか」

 

「ええ。さっき朱乃も言っていたけど、視界に映ったものを一定時間停める能力を持った強力な神器よ」

 

開かずの教室から場所を移し、此処はオカ研部室。

 

リアスさんから、改めてギャスパーのことを教えてもらっていた。なんでわざわざリアスさんからなのかって? ……本人が話そうとしないからだよ。

 

その本人は、ダンボールの中じゃないと外は無理と言って、ずっとダンボールの中にこもっている。せっかく出たのに、前より狭い空間にいるよこいつ。

 

「にしても、時間を停めるなんて反則すぎる能力じゃないですか?」

 

「そうだよな。しかも吸血鬼って……。何? こいつは最高にハイでWRYYYYなお方でも目指してるのか?」

 

「反則なのはあなたの神器の倍加も同じよ、イッセー。あと、無駄無駄ラッシュをするスタンド使いとは関係ないわよ、竜真」

 

いえ、わかってますよ。ただ、リアスさんがこのネタをわかってくれるとは思わなかったから、少し驚いた。

 

「ギャスパーは魔術面にも秀でていて、吸血鬼の能力もあるから、スペックだけで見たら朱乃に次いで二番目くらいじゃないかしら」

 

「そんなにですか? でも、それだけの高スペックなのに、よく<僧侶>の駒一つで足りましたね」

 

俺がその疑問を口にすると、リアスさんは一冊の本を出し、とあるページに書いてある駒を見せる。えーと、<変異の駒>?

 

「ギャスパーを転生させる時に使った駒はこれよ。これは本来ならいくつも駒を使わなければ転生させれない個体をこれ一つで転生させてしまう特殊な駒なの」

 

「……そんなぶっ壊れた駒があるんですか。ズルくないんですか?」

 

そんな駒がいくつもあったら、最強チームが簡単に作れる気が……。そんな疑問に、祐斗が答えてくれる。

 

「壊れてるっていうのは、ある意味的を得ているよ。これは<悪魔の駒>のシステムのバグのようなものだからね。でも、製作者側が面白いからということで処理はしなかったそうだよ。上の方々も反対していないし、<変異の駒>自体はあまり多くないから、上級悪魔の十人に一人くらいしか持っていないよ。だから、不平等と叩かれることもないんだ」

 

ふーん。なら、いいんだけな。

 

「っていうか竜真。お前は人のこと言えねぇだろ」

 

「は? なんでだよ?」

 

突然イッセーが訳のわからないことを言い出す。しかし、次の言葉に俺は驚愕した。

 

「いや、なんでって――お前も<変異の駒>で転生しただろ?」

 

「……………は?」

 

俺も<変異の駒>で転生した? いや、まさか……。

 

「………もしかして、まだ部長から聞いてなかった?」

 

「……リアスさん」

 

軽くリアスさんを睨みつけると、慌てて謝り始める。

 

「ご、ごめんなさい。話そうとは思ってたのだけど、タイミングがなくて……」

 

「……………はぁ。まあ、いいですけどね。ただ、今まで<兵士>一個分の価値しかないと思ってた自分がバカみたいに思えてきますね……」

 

イッセーにも負けてると思ってたからな……。実はそれが結構悔しかったりした。

 

「ほ、本当にごめんなさい! そこまで気にしていたなんて知らなかったから…」

 

「いいですって。悪気があったわけでもないんですし、自分にも結構価値があるってことがわかったので充分です。――それに、<変異の駒>で転生した者同士で、仲良くできそうですしね」

 

ダンボールを軽くポンポンという感じで叩くが、ギャスパーは「ヒィィ!!」と悲鳴を上げる。やれやれ……。解放されても本人がこんな調子で能力の制御なんてできるのか?

 

「ところで、部長。こいつ吸血鬼なんですよね? 日の光とかって大丈夫なんですか?」

 

イッセーの質問は最もだ。吸血鬼は太陽に弱い。それこそフィクションでもあるように、最悪灰になって死ぬかもしれない。

 

悪魔も基本、日の光は苦手なのに、悪魔で吸血鬼のギャスパーが日射しを浴びて大丈夫なのだろうか?

 

「それは大丈夫よ。ギャスパーの吸血鬼としての種族は、いわゆるデイウォーカーというものに当たるの。デイウォーカーは日の光の下でも活動できる種族だから、ギャスパーも普通に行動できるわ。苦手ではあるようだけど」

 

ああ、吸血鬼の映画でもデイウォーカーが出てくることあるな。確かに、あれと同じなら大丈夫そうだ。

 

「日の光嫌ぁぁぁぁぁぁぁ! 太陽なんてなくなっちゃえばいいんだぁぁぁぁぁ!」

 

「おい、デイウォーカーが何を贅沢なこと言ってんだ。D○Oの一番の天敵である太陽を克服してるくせに。謝れ。主にDI○に謝れ」

 

ダンボールを持ち上げて上下左右に揺すってやる。さっきの大丈夫そうというのは撤回させてもらおう。ダメだこいつ。

 

「ヒィィィ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

 

「――そういえば、吸血鬼関連で思い出しましたが、血とかはどうしてるんですか? やっぱり、若い女性の生き血を吸わせてるんですか? えげつないことしますね……」

 

「質問しておいて勝手に自己完結しないでちょうだい……。ハーフだから、そこまで血に飢えているわけではないの。十日に一度、輸血用の血を補給すれば問題ないわ。最も、本人は苦手なのよね…」

 

「血、嫌いですぅぅぅぅ! 生臭いのだめぇぇぇ! レバーも無理ですぅぅぅぅぅ!」

 

「「お前もう吸血鬼を名乗るな」」

 

イッセーと一緒にそう言ってしまう。いや、だって、吸血鬼なら当たり前のこと全て苦手ってどういうことだよ…。

 

「……へたれヴァンパイア」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁん!! 小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅ!」

 

小猫も容赦なく毒舌をかます。いつもならフォローの一つでもするんだが、これは無理だ。

 

「少し話を戻すけど、ギャスパーは力が高いのが問題なの。自分の意思とは関係なく、神器の力が年々上がっていってるのよ。そのせいで、近い内に禁手に至ると上からも危険視されて封印された」

 

「なるほど。制御もできてないのに禁手になったらどうなるか、想像するのは簡単ですね」

 

イッセーや祐斗のですらかなりの力をほこったんだ。時間停止能力なんてどうなるかわかったもんじゃない。

 

にも関わらず、制御が効かずに暴走なんてのはシャレにならない。封印されてたのも納得できる。

 

「それで、イッセー、竜真、アーシア、ゼノヴィア。あなたたちにお願いがあるの。私と朱乃と祐斗はこれからお兄様の元に行かなければならないから、その間ギャスパーの面倒を見てあげてほしいのだけど、頼めるかしら?」

 

朱乃さんはリアスさんの付き添い、祐斗は多分禁手について話さなきゃならないんだろうな。

 

確かに三人が出かけてる間、少しでもギャスパーを鍛えて神器を扱えるようにしておいた方がいいだろう。

 

「もちろんです! 先輩として、しっかり面倒見てやりますよ!」

 

イッセーは迷うことなく引き受ける。アーシアさんとゼノヴィアも嫌とは思ってないようだ。

 

………俺は正直言うと、あまり気が進まない。別に面倒を見ることに関してはいい。

 

――問題はギャスパーが神器を使った瞬間、あの腕が勝手に出てくることだ。多分俺が停まらないのは、俺の中にいるあの腕の持ち主のせいなんだろう。

 

なんらかのショックを受けた時以外にもランダムで停止能力が発動してしまうようなら、最悪俺だけが能力の対象になって腕が出て、他のメンバーに目撃されてしまうことになる。それだけは絶対に避けなければならない。

 

説明ができるのならいいが、俺自身が()()の正体を知らないというのに、どうやって他人に説明すればいいのか?

 

……あと少しだけなんだ。あと少しで、皆にこのことを明かせる。――()()の正体を知ることができる。

 

……だがここで嫌だなんて言えば、それについて追及されて、ギャスパーを傷つけることになりかねない。危険ではあるが、ここは素直に引き受けておこう。

 

「まあ、小猫が後輩としてできすぎて指導することが何もなくてあれだったので、いい機会です。しっかり鍛えてやりますよ」

 

「……竜真先輩。それは私にダメになれと言ってるんですか?」

 

「いやいや、そうじゃねぇさ。ただ、もう少し欠点があってもいいんじゃないかと思うだけだ。お前はそのままでいいさ」

 

そう言いながら、俺はギャスパー入りダンボールを肩に担ぐ。

 

「ヒィィ! な、何をするんですかぁぁぁぁ!?」

 

「何って、特訓に決まってるだろ? 思い立ったら吉日。やろうと思ったことはすぐさまやる。おら、行くぞ」

 

「嫌ですぅぅぅぅぅ! 降ろしてくださいぃぃぃぃぃぃ!」

 

「黙っとけ。ダンボールのふた引き剥がして、大量のニンニクぶち込むぞ?」

 

「ヒィィィィィィィ!! ガーリックはらめぇぇぇぇぇ!」

 

「おい、ゼノヴィア、小猫。二人には早速やってもらいたいことがあるんだが……」

 

叫び続けるビビリ吸血鬼は無視して、ゼノヴィアと小猫に声をかける。ゼノヴィアはヴァンパイアハントとかで吸血鬼の嫌がることは認識してるだろうし、小猫もギャスパーとのつき合いは長そうだから扱いには慣れているだろうから、最初の特訓は主にこの二人にやってもらおう。

 

「ああ、私は別に構わないよ。久々にヴァンパイアハントといこうじゃないか」

 

「……わかりました。同じ一年として、容赦なくいきます」

 

「サンキュー、二人とも。だがゼノヴィア、本当にハントするなよ? やる気だけハントの時と同じにしろ」

 

「……殺る気?」

 

「小猫。お前わかって言ってるな?」

 

「冗談です」

 

小猫は普段冗談を言わないから、判別しにくいな……。

 

「よし、じゃあ行くぞ。ギャスパー、頑張って耐えろよ?」

 

「ヒィィィィィ! 誰かヘルプゥゥゥゥゥゥゥ!」

 

そんなギャスパーの願いは叶わず、俺によって外に連行される。

 

 

 

――――――――――

 

「ほら、もっと速く走れ。消滅したくはないだろう?」

 

「ヒィィィィ!! デュランダルを振り回しながら追いかけないでぇぇぇぇぇ!」

 

外に出てから、早速ギャスパーの特訓を開始した。

 

まずはその臆病な性格を改善しないことには、神器にいつまでも恐怖して、うまくコントロールすることはできないと判断した。

 

そこで、健全な精神は健全な肉体からと、まずはランニングをさせている。これはゼノヴィアの発案だが、あながち間違ってもいないので、採用することになった。

 

追いかけ役はゼノヴィアに任せている。………デュランダルを遠慮なく振り回しているので少し不安だが…。

 

「……ギャーくん。ニンニクを食べれば健康になる」

 

「いやぁぁぁぁん! 小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅぅ!」

 

ちなみに、小猫もギャスパーを追いかけ役になっている。自分から立候補しただけあって、いつもよりいきいきしているように見えるな。

 

「同じ<僧侶>として、仲良くなりたかったのですが、顔すら合わせてくれませんでした……」

 

隣にいるアーシアさんが少し落ち込んだ様子でそう言った。その隣にはイッセーもいる。

 

まあ、ああいうタイプは話し合えるようになるのに時間が必要だ。仕方ないっちゃあ、仕方ない。

 

だからイッセー、怒った顔をするのはやめろ。ギャスパーも悪気があったわけじゃねぇんだから…。

 

と、こちらに一つ気配が近づいてくる。これは……悪魔の気配か。

 

「お、やってるな」

 

来たのは匙だった。ジャージを着て、軍手をし、その手には小さなシャベル。………どう見ても花壇整理していたな。

 

「おお、匙! ……その格好はなんだ?」

 

「見ての通り、花壇整理だ。ほら、近頃お偉いさん方が来るだろう? だから、見栄えもよくしておかないといけない。それで、会長から花壇整理を頼まれたってわけさ!」

 

やたら誇らし気に言う匙。…………言っちゃあ悪いが、それって雑用じゃねぇか?

 

「それで、解放された<僧侶>ってあれか? おお、金髪美少女!」

 

匙はギャスパーを見て喜ぶ。まあ、何も知らないとそう見えるよな……。

 

「残念だけど匙、あいつは女装野郎だ」

 

「しっかり男のアレもついてるようだぜ」

 

俺たち二人の言葉を聞き、匙はorzポーズで崩れる。

 

「そりゃ詐欺だろ。ていうか、女装って誰かに見せたいからやるもんじゃないのか? それなのに引きこもりってなんなんだよ……」

 

「「やっぱりそう思うよな」」

 

うん。俺たちの認識は間違ってなかったな。

 

そんなやり取りをしてると、再びこちらに向かってくる気配があることに気づいた。だが異様にでかい気配にも関わらず、こんなに近くに来るまで俺が気づかないとは、何者だ?

 

そちらに視線を向けると、その答えが見えた。

 

「ほぉ。悪魔さん方は此処に集まってお遊戯してるのか?」

 

「なっ…!」

 

イッセーもその人物を見て驚いている。無理もない。

 

「よお、赤龍帝に鬼城竜真。あの夜ぶりだな」

 

――なんせ、その相手は前に俺とイッセーに接触してきた堕天使の総督、アザゼルだったからだ。

 

「アザゼル!」

 

イッセーはすぐさま神器を出して臨戦態勢をとり、アーシアさんを守るように前に立つ。

 

それを見たゼノヴィアや小猫も追いかけっこを中断して構える。ギャスパーは近くの木に隠れた。

 

匙は戸惑いつつも、周りの反応を見て神器を出す。

 

「お、おい兵藤! アザゼルって……」

 

「……ああ。こいつは堕天使の総督アザゼルだよ。前に会ったことがあるから間違いない…!」

 

それを聞いた匙は戸惑いの色をなくして、引き締まった顔になる。

 

それらを見ていたアザゼルはまいったように頭をかく。

 

「おいおい、落ち着け。俺は下級悪魔をいじめる趣味はねぇよ。そもそも、お前らが束になってかかっても俺には勝てないことくらいわかるだろ?」

 

確かに、こいつは堕天使の総督。コカビエルより上の立場だ。おそらく、奴よりも強いはず。そんな相手をコカビエルに苦戦してた俺たちが倒せるはずがない。

 

俺はアザゼルに歩み寄る。イッセーたちが呼び止めるが、それを無視して奴の前に立った。

 

「……何か用か? 聞ける範囲のことなら聞くから、穏便に話を進めてくれるとありがたいんだが……」

 

「は!? お、おい竜真!」

 

俺の発言に驚いて、イッセーが声を荒げる。皆も声こそださないが、俺に対する視線が鋭くなったのを感じる。

 

「ああ、元からそのつもりだ。言ったろ? 下級悪魔をいじめる趣味はねぇってな。――聖魔剣の奴はいるか?」

 

「今、祐斗は――」

 

「木場ならいないさ! 何かするつもりなら容赦しねぇぞ!」

 

俺が返事をしようとしたが、途中でイッセーが敵意むき出しで割り込んできた。ったく……。

 

「イッセー、そんなに敵意むき出しにするなよ。皆も、警戒するなとは言わないから、武器だけでもしまっておけ。せっかく向こうにやる気がないってのに、俺たちが敵意を向けて気が変わったらシャレにならないだろ? この前、俺が同じことを白龍皇にして、戦闘になりそうだっただろ? ――俺と同じ間違いはしないでくれ」

 

俺の言葉を聞いて、全員おとなしく武器をしまう。敵意もさっきに比べてだいぶ弱くなった。

 

「そうそう、ようやくわかってくれたな。しかし、そうか。聖魔剣使いはいねぇのかよ。つまんねぇな」

 

アザゼルは頭をかきながらそう言った。そして、おもむろにギャスパーを指差す。

 

「そこのヴァンパイア、<停止世界の邪眼>の持ち主だな? そいつは使いこなせなきゃ害悪になる代物だ。五感から発動するタイプの神器は本人のキャパシティが足りないと勝手に発動しちまうから危険極まりない」

 

アザゼルの言うことには、かなり説得力があった。それに、悪意をまったく感じない。純粋な興味から発言しているんだろう。

 

ギャスパーを見終わると、次は匙に指を向ける。

 

「お前、さっき出してたの<黒い龍脈(アブソーブション・ライン)>か? もしそこのヴァンパイアの<停止世界の邪眼>を使った訓練をするなら、それをヴァンパイアに接続しな。神器の余分なパワーを吸い取りながらやれば、多少は暴走する可能性を抑えれるだろう」

 

「お、俺の神器ってそんなこともできたのか? ただ単に相手の力を吸い取るだけかと……」

 

「ったく。これだから最近の神器所有者は自分の神器の特性も理解しないで使う奴らばかりなんだ。<黒い龍脈>は五大竜王の一体――ヴリトラを封じた神器の一つだ。まあ、これを知ったのは最近だけどな」

 

五大竜王の一体って、匙の神器も結構凄い物なんだな。

 

「……それじゃあ例えば、俺のラインを兵藤に繋げて、パワーの強化を俺の方に回すこともできるのか?」

 

「ああ。ある程度鍛える必要もあるだろうが、成長すればラインの数も増やせる。そうすりゃ更に力を上げれるぞ」

 

匙の質問にも普通に答えてくれるアザゼルだが……。

 

「そんなにアドバイスもらっていいのか? 一応あんた敵だろ?」

 

「別に構わねぇさ。これくらい、俺たち堕天使の持つ情報のほんの一部だ。なんの問題もない。――あとはそうだな。この前来たうちの白龍皇についてのせめてものわびだと思ってくれ」

 

そう言ってアザゼルは後ろを向いて立ち去っていく。そこにイッセーが声をかける。

 

「契約相手だと騙して俺に接触してきたことは謝んねぇのかよ?」

 

「――それは俺の趣味だ。謝らねぇよ」

 

フリーダムだな……。こいつの下の者たちは苦労してるんだろうな。

――と、俺も一つだけ聞いておくことがあった。

 

「なあ、最後に聞きたいことがある」

 

「ん? なんだ? そんなに真剣な顔して。――聞いてほしいならこっちまで来な」

 

わざわざ立ち止まったと思ったらそんなことを言ってきた。

 

「た、竜真! 行ったらダメだぞ! 絶対罠だ!」

 

イッセーは俺にそう叫んでくる。だが、俺はそう思わなかった。アザゼルが今いるところは、俺たちからだいぶ離れている。声をはらなきゃ聞こえない距離だ。

 

――アザゼルは、他に聞かれないように気遣ってくれたのでは?

 

そう判断した俺は迷うことなくアザゼルに近づく。

 

 

 

 

 

「ストップだ。互いにそこを動くな」

 

 

 

 

 

――その直前に、間に割って入る人影が一つ。

 

「海斗さん!? いつから近くにいた!?」

 

その正体は、海斗さんだった。

 

驚いた俺を気にせず、海斗さんはいつもの調子で話す。

 

「ずっとだ。お前らに気づかれないように気配を消して、家を出ている時以外は基本的に近くにいたぞ」

 

マジかよ……。改めてこの人の気配遮断スキルは半端ないことを思い知らされた。

 

アザゼルは海斗さんを見て、さっきまでは少しもなかったはずの警戒心を出した。

 

「……お前、やっぱり悪魔側の奴だったのか。しかもまた気づかない内にこんな近づかれるとは、本当に何者だ?」

 

「ただの悪魔で、今はこいつらのボディーガードだ。――あまり勝手な接触は困るんだよ、堕天使の総督。まあ、俺じゃなくて上の奴らがだけどな」

 

前に会ったことがあるのか? というか、堕天使の総督にすら気配を察知させないってどんだけ……。

 

海斗さんとアザゼルの睨み合いが続いたが、しばらくしてアザゼルがため息をついて背中を向ける。

 

「……ちっ、此処で騒ぎを起こすのも面倒だな。――わかった。おとなしく帰ってやるよ。元々、近くに来たから寄っただけだしな」

 

そう言ってアザゼルはこの場から去っていった。

 

――って、結局質問できなかった! ああ、クソ! 海斗さんが乱入してこなきゃ……!

 

「……海斗さん。なんで邪魔したんですか?」

 

「邪魔とは酷い言いぐさだな。堕天使の総督に安易に近づくお前を止めるのは当たり前だろ?」

 

確かにそうだが…。

 

「それにな、俺はサーゼクスからお前らの護衛を頼まれてるのは知ってるだろ? お前に万が一があってお叱りを受けるのは俺なんだからな」

 

「そんなの慣れてるんでしょ?」

 

「とにかく、今後はさっきみたいな軽率な行動はやめろよ? じゃ、俺は行くぜ」

 

あ、逃げやがった。海斗さんはそのまま立ち去っていく。

 

……海斗さんの言ってることはわかる。だが、あんたには軽率な行動に見えたんだろう。

 

――でもな、これは俺にとって重要な問題だったんだ。それをあの人は……!

 

俺が静かに心の中で怒りを堪えていると、黙っている俺を不思議に思ったのか、イッセーが声をかけてくる。

 

「お、おい、竜真?」

 

「……悪い。訓練につき合うのはここまでにするわ。あとは頼んだ」

 

こんなに落ち着かないんじゃ、足を引っ張りかねない。余裕もないしな。

 

後ろからイッセーの声が聞こえてたが、それを無視してその場から去った。

 

 

 

――――――――――

 

「で、祐斗。ギャスパーは出てきそうか?」

 

「イッセーくんがなんとか説得しようとしてるみたいだよ。もう一時間くらい経つけどね」

 

「あいつは説き伏せるのは得意じゃないからな…。少し心配だな」

 

あのあとイライラしながらも、依頼者からの召喚があったので応じたのだが、依頼内容はいつも通り不良をぶちのめすものだった(おかしな点などない)。まあ、イライラ解消には丁度よかったからいいが。

 

それで戻ってきたら、ギャスパーがまた引きこもってしまったと聞いた。

 

なんでも、イッセーの仕事についていったら、契約相手が変質者としか思えないことを口走ったせいでギャスパーが怖がり、その際にイッセーと契約相手を停めてしまったそうだ。

 

そして帰ってくるなり、やっぱり迷惑をかけると思ったのか再び部屋に引きこもったという。イッセーが今のところ対応しているようだ。

 

「まあ、あいつは説得力こそないが、人を惹きつける才能は結構あるみたいだから、なんやかんやでギャスパーとも打ち解けてるかもな」

 

「あ、やっぱり竜真くんもそう思うかい?」

 

()ってことは、お前もか?」

 

「うん。だって、こんな僕を救ってくれたんだから、きっとギャスパーくんも救ってくれると思っているよ」

 

いいセリフなんだが、やたら目が熱っぽいのは気のせいか?

 

そんなことを話してる内に、開かずの教室の前に着いた。だが、此処にいるはずのイッセーの姿がない。

 

「どこ行ったあいつ? トイレか?」

 

「竜真くん、ちょっと静かにして」

 

祐斗はそう言うと、扉に近づいて耳を当てる。俺もそれに続いて耳を当てると、中から二人分の声が聞こえてきた。どうやら、イッセーとギャスパーのもののようだ。

 

俺と祐斗は耳を離し、扉を開ける。

 

「よお、お二人さん。仲良くやってるみたいだな」

 

「うん、流石はイッセーくん。もうギャスパーくんと打ち解けるなんてね」

 

入りながらそう言ったが、俺たちを確認するなりイッセーがやたら真剣な顔で話しかけてきた。

 

「竜真、木場。俺とお前らとギャスパーはグレモリー眷属の男子チームだ」

 

「ああ、そうだな。で、それが?」

 

「俺たち男子チームで行える連携を考えた」

 

「……それは興味があるけど、なぜか嫌な予感がするよ」

 

奇遇だな、祐斗。俺も嫌な予感しかしない。

 

「まず、俺がパワーを溜める。そして、それをギャスパーに譲渡して周囲の時間を停める。そうすれば、俺は停止した女子を触り放題だ」

 

ああ、大体予想通りだった。

 

「……また、エッチな妄想をしていたんだね。でもそれだと、僕と竜真くんの役目がないんじゃないかな?」

 

「いや、ある。お前は聖魔剣を使って、竜真は自慢の体術で俺を守れ。もしかしたら、エッチなことをしている間に敵が襲ってくるかもしれないからな。いいか、これは大事な連携なんだ。各々が自分の役目をしっかり果たしてこそ、この連携はなりたつ――」

 

「わかった。俺はお前を始末する役目を果たそう。今、此処で」

 

籠手こそ出さないが、右拳に炎を纏い、左手で胸元を掴んでイッセーを持ち上げる。イッセーは慌てて止める。

 

「ま、待ってくれ竜真!」

 

「なんだ? ようやく謝る気に――」

 

「――お前の役目は俺を守ることだって!」

 

「散れ」

 

「ごばっ!?」

 

容赦なく腹に拳を叩き込む。それと同時に放すと、イッセーは呆気なくその場に崩れ落ちる。

 

イッセーよ。俺はお前を守る役目は確かにある。――だが、それ以上に、お前が暴走する前に始末する役目があるんだ。

 

「イ、イッセー先輩!?」

 

「ああ、気にしなくていいぞギャスパー。いつも通りのことだからな」

 

「いいい、いつもこんなことしているんですか!? イッセー先輩しんじゃいますよ!」

 

「大丈夫だ。こいつは頑丈だからな。それに、このまま<赤龍帝の籠手>の力を変なことに使い続けるようなら、いっそ死んでしまった方がドライグさんのためでもあると思うし」

 

『鬼城、その時は頼むぞ』

 

ドライグさんも真剣な声で頼んできた。既にプライドが傷つき始めてるんだろう。哀れだ…。

 

「ぐっ……。お前のことを、理解したと思ってたんだが……そんなことなかったか…!」

 

イッセーがフラフラしながらも立ち上がる。ふむ、やはり悪魔になってタフになってきてるな。……次からはもう少し本気で打ち込んでやるか。

 

「よし! こうなったら、男同士、腹を割って話そうぜ! ――第一回女子のこんなところが好きだ選手権! まずは俺からだ! 俺は女子のおっぱいと脚を見る!」

 

それはもう知ってる。

 

こうして、イッセーが突然始めたわけのわからない暴露会に全員参加することになった。……まあ、ギャスパーも少しは打ち解けれたようだからよしとしよう。――だがな、紙袋を被るのはやめろ。不審者にしか見えん。

 

ちなみに、祐斗も意外とスケベなことがわかった。




あまり竜真と絡ませることができなかった…。

なんで説得をイッセーと一緒にしなかたかって? 書いてる内にネタバレしそうだったからです。……そういうことにしておいてください。決して量が多くて力尽きたわけではないです。ええ、もちろんですとも。

それではこの辺で。さようなら。
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