こっちはスラスラ書けるのにもう一つの方が行き詰まってヤバいですね…。
それはともかく、本編を召喚!
竜真side
「おはようございます。リアスさん」
「ええ。おはよう竜真」
今は既に登校時間。俺はいつも通りイッセーとの待ち合わせ場所に行ったが、そこにはイッセーだけではなく、リアスさんもいた。
まあ、事情は知ってるから特に驚かないが。
というのも、あの後リアスさんがイッセーの治療をしてくれると言ったが、イッセーの家で治療をしたいと言うことなので、どうせ帰り道も同じだったから案内をした(姫島先輩と塔城は帰った)
その道中で、二日前から俺たちを殺そうとしてる存在とリアスさんたちが何者なのかの説明を受けた。
…ちなみに、途中でリアスさんがグレモリー先輩という呼び方はよそよそしいから名前で呼んで、と言ってきたため、今はリアスさんと呼んでいる。
「…竜真。お前驚かないのか? 俺とリアス先輩が一緒にいるなんて――」
「まあ確かに、普通だったら十発殴った後で事情を聞いていたな」
「せめて殴る前に事情を聞いてくれよ! 鬼かお前は!?」
鬼…。鬼ねぇ…。それは違うんだなぁ。
俺はリアスさんに視線を向ける。リアスさんはそれにニッコリ笑って応えた。
……違ぇよイッセー。リアスさんも、俺もお前も。この場にいる
――悪魔なんだよ。
――――――――――
あの後色々あった。
学園のアイドル、リアス・グレモリーが学園一の変態の一人として有名な兵藤一誠と一緒に歩いてるのを他の生徒が見て、あちこちで悲鳴が上がっていた。
ちなみに俺は特に何も言われなかった。まあ、これでイッセーみたいな扱いだったら、言った奴らを片っ端からぶっ潰していたけどな。
校舎に入ると、リアスさんと俺たちはすぐにわかれて教室へ向かった。まあ、学年が違うから当然だが。
教室に着いたら着いたで、松田はイッセーに殴りかかってくるし、元浜は見た感じ冷静でも凄いプレッシャーを放ってきた。
俺は「イッセーのところに行ったら一緒にグレモリー先輩がいた」と言って質問の対象をイッセーに絞らせた。……その質問に対する返答が「生乳見たことあるか?」だったのでシバいておいたが。
そんなこんなで時間が経ち、今は放課後。
リアスさんが俺たちと別れる時に、あとで使いを出す、と言ってたのでいつ来るかと思っていたが、今のところそれらしい人物は全く来てない。
「なあ、竜真。本当に使いが来るのか?」
「俺が知るか。だが、リアスさんがあんな嘘をつくとは思えない。もう少し待ってようぜ。そうすりゃきっと誰かが――」
「「「「「「「「キャァァァァァァァァァ!!」」」」」」」」
昨日も聞いた女子たちの黄色い悲鳴。今度はどんな有名人が出たんだ?
悲鳴が聞こえた教室のドアの方に目を向ける。
「「「「「「「「木場くーん!!」」」」」」」」
そこには、この学園のイケメン代表といっても過言ではない男子生徒――木場祐斗がいた。
ああ、なるほど。あいつが使いか。
「イケメン王子かよ…。ケッ! くたばっちまえ!」
「…お前はイケメンってだけで木場を敵視するのは止めたらどうだ?」
どうしようもないな、こいつ。
そんな風に思っている内に、木場がこっちへ来た。
「やあ、どうも。兵藤くんと鬼城くんだよね?」
「あ? だったらなんだよ?」
「お前は少し黙っておけ」
「ほげっ!?」
敵対心丸出しで話が進む気がしないので、頭を掴んで机に叩きつける。変な声を出してイッセーは気を失った。
「えっと……。そんなに乱暴にして大丈夫なのかい?」
「気にするな。昔からやられてるから多少の耐性はついてるだろ。……それに、悪魔だしな」
最後の言葉は周りにギリギリ聞き取れない声量で言う。
「その言葉が出てくるってことは、僕がリアス・グレモリー先輩の使いと理解してくれたってことかな?」
「ああ。というか、そのことは昨日本人から教えてもらったからな。それで? 俺たちはどうすればいい?」
「僕についてきてくれるかい? 案内するよ」
「わかった」
歩き出す木場の後ろをイッセーを引きずりながら歩く。あまりの扱いに木場は苦笑いしていたが、別に今に始まったことじゃないから俺はいたって冷静だ。
「そんな!? 鬼城はともかく、エロ兵藤と木場くんが一緒に歩くなんて!」
「汚されてしまうわ、木場くん!」
「これは木場くん×鬼城かしら?」
「ううん。鬼城×木場くんよ!」
「むしろ途中で兵藤が復活して三人で――」
後ろから聞こえた不吉な声は途中から聞かないことにした。
……というか、あいつらにはイッセーの今の状態が一緒に歩いてるように見えるのだろうか?
――――――――――
しばらく歩くと、着いたのは旧校舎だった。
パッと見た感じだと確かに古いが、ちゃんと見てみると隅々まで掃除されている。オカルト研究部の人がやってるのか?
進んで行くと一つの部屋に着く。よく見ると、<オカルト研究部>と書かれてるプレートがかけられていた。
何もないところだと思ってたが、オカルト研究部があったなんて驚いたな。
「部長。二人を連れて来ました」
「入ってちょうだい」
リアスさんの返事を確認して、木場は扉を開ける。
部屋の中には魔法陣のようなものがあちこちに書かれているが、旧校舎の割にはかなりしっかりした造りになっていた。
部屋の真ん中に机があり、それを挟むように赤いソファーがある。そのソファーに昨日会った塔城が座って羊羮を食べていた。
向こうもこちらに気づき頭を軽く下げる。俺は返事として右手を軽く振る。
ガンッ!←イッセーが頭を床に打ちつける音
「いってぇ!?」
あ。そういやイッセーを右手で引きずってたの忘れてた。
「あれ?此処は…?俺何してたんだっけ?」
「此処はオカルト研究部だ。リアスさんが部長をやっている、な」
と言ったが、イッセーは塔城が視界に入るなり、凄い勢いで立ち上がる。
「こ、この娘は一年の塔城小猫ちゃん!」
目を覚ました直後からうるさい奴だな…。
「小猫ちゃん。こちら、兵藤一誠くん」
「………(ペコッ)」
「あ、どうも」
見た感じでは普通にしてるが、イッセーの心の中はハイになっているだろう。
そういえば、リアスさんはどこだ? さっき返事が聞こえたからいるはずなのに、姿が見えない。
そう思って部屋の中を少し見渡す。すると、すぐに答えが見つかった。
「ちょ――!?」
俺は慌てて視線を逸らす。なぜならそこにシャワー室があり、カーテンに女性の肢体のシルエットが浮かんでいたからだ。
あれってリアスさんだよな!? なんでシャワー浴びてる最中に男を入れた!?
「うお!? あ、あれは――」
「物理的バルス!!」
「うぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!? 目があああぁぁぁぁぁ!!」
早速気づいてガン見しようとしたイッセーの視界を勝利のピースで奪う。イッセーは両目を押さえてその場で転がっている。
ふぅ…。ギリギリセーフ。……あれ?でもイッセーの奴、もう今朝リアスさんの裸を見たんだっけか?
「あらあら。二人とも元気そうでなによりですわ」
イッセーに対する怒りが高まりそうになっていると、シャワー室があった方から姫島先輩が歩いてきていた。
「あ、姫島先輩。こんにちは」
「こんにちは、竜真くん。昨日の傷は大丈夫ですか?」
「ええ。自分でも信じ難いんですが、この通りピンピンしてます」
そう。今言ったように、結局昨日受けた傷は家に着く頃には完全に塞がっていた。それどころか、ダメージも回復していた。
……まあその代償かどうかはわからないが、異様に腹が減ってしまい、寝る前だというのに食事を十人前は食べてしまった。
お陰で今月分の食糧がピンチだ。クソ…。買うにしても予算をそんなに使う訳にもいかねぇし……。
「……ま。き……る…? た……!」
仕方ない。何か手頃なバイトを見つけてやるしか――
「竜真!!」
「はいぃぃ!?」
突然大声が聞こえて驚いて前を見ると、リアスさんが若干怒った顔でこちらを見ていた。え、何?
「さっきから声をかけているのに、反応すらしなかったわよ? どうかしたの?」
「あ、いえ。ちょっと自分の家計について考えてまして…。気にしないでください」
「そう? なら、必要なのは全員揃ったからあなたも座って」
「了解です」
俺はイッセーが座っているソファーの隣に腰掛ける。おお。座り心地良いなこれ。
「それじゃあ、まずは…。ようこそ、イッセーに竜真。私たちオカルト研究部はあなたたちを歓迎するわ」
「ああ、どうも…」
「――悪魔として、ですよね?」
「ええ」
俺の発言に部長は当然のように答えるが、隣のイッセーは驚愕の表情でこっちを見た。
「た、竜真? 何言ってるんだ?」
「竜真は何もおかしいことは言ってないわ。彼の言う通り、私たちは悪魔なの」
「は、はあ……。なんかいきなり会話について行けないんですが…」
「昨日あなたたちを襲った黒い翼を持つ男。あれは堕天使。神に仕える天使でありながら、邪な感情を持ったせいで冥界に堕ちてしまった者たちよ」
「元々は聖なる存在だったから、光の槍を出せたんですよね?」
「ええ、そうよ。彼らは人間を操りながら、私たち悪魔を滅ぼそうとしているの。太古の昔から冥界の――人間界で言うところの地獄の覇権を巡ってね。堕天使以外にも、神の命を受けて悪魔を倒しに来る天使も入れて、三すくみの状態ってこと。ここまでは理解できた?」
俺はイッセーの顔を横目で見る。
……ダメだな。これは話をわかってない顔だ。
「え、え~と…。普通の男子高校生には少し難易度の高いお話っていうか……」
「――天野夕麻」
「っ!?」
その名前を聞いた瞬間、イッセーの表情が険しくなった。
「忘れてるはずないわよね? デートまでしたんだから」
「……それは竜真から聞いたんですか? …すいませんけど、そのことをオカルト云々で話されるのは困るというか、正直不愉快なんです。……お邪魔しました」
イッセーはそのまま立ち上がって部屋を出て行こうとする。
「待てイッセー」
だが、その腕を俺が掴んで止める。
「……なんだよ竜真。悪いけど、これ以上此処にいたくない」
「お前の気持ちはわかる。だが、それでリアスさんに怒るのはお門違いだ。もう少し聞いていけ。そうすれば、今回の件についてリアスさんが詳しく教えてくれる。リアスさん。これ以上焦らしてもこいつがイラつくだけです。早く証拠の物を見せてやってください」
「わかったわ。イッセー、この娘よね? 天野夕麻ちゃんって」
そう言ってリアスさんは懐から一枚の写真を出す。
それに写っているのは楽しそうに笑うイッセーと、俺たちを殺した天野夕麻の姿だった。
「夕麻ちゃん…!」
「彼女は、…いいえ。これは堕天使よ。昨日の男と同質の存在」
「で、でも! 俺と竜真以外誰も夕麻ちゃんのことを覚えてませんでしたよ!?」
「力を使ったんだとさ。リアスさんが父さんと母さんを説得する時に似たようなのを使ったと聞いたが?」
そう言うと、イッセーは少し納得した表情になる。
使った力は記憶と記録の消去と暗示の類い。種類は違えど、普通の人間にはそう簡単にできることじゃない。
「その堕天使は目的を果たしたから、あなたの周囲から自分の記録を消したのよ」
「…俺を殺すこと……ですか?」
「ええ、そうよ。あなたの身に神器が宿ったためにね。わざわざ接触してきたのは、反応が曖昧だったんじゃないかしら? そして入念に調べた結果、宿していると確認されたからあなたは殺された」
「あの女も、去り際に神器がどうのこうの言ってましたね。それで? その神器っていうのはなんなんですか?」
これは俺がずっと気になっていたことだ。
昨日リアスさんはある程度のことは話してくれたが、家に着くのにもそこまで時間がかかった訳でもないので聞ける量には限界があった。神器についてはまだ詳しく聞けていない。
「神器。特定の人間に宿る規格外の力。歴史上に残る人物の多くが所有していたと言われているわ。時には悪魔や堕天使の存在を脅かす程の力を持つものもあるわ」
「そんなものがイッセーに…」
「と言っても、まだどれだけのものかはわからないわ。イッセー、手を上げてちょうだい」
「え? は、はい、こうですか?」
「そうよ。そのまま立ち上がって」
イッセーはリアスさんに言われた通りにソファーから立ち上がる。
「目を閉じて、一番強いと思う何かの姿を思い浮かべて」
「え、え~と…。ドラグ・ソボールの
ああ。イッセーが好きな漫画の主人公だったか?
絶対面白いから見ろって言われて俺もそれなりに好きになったんだよな…。
「それじゃあ、そのものの一番強いと思う姿を想像して。そしてその姿を真似るのよ。軽くではダメよ? 強く思い浮かべて真似るの」
……それってつまり、ドラゴン波を真似ろってことか? こんなに皆に見られてる状態でそれは公開処刑と変わらない。そんなの……!
――最高に笑えるじゃねぇか!!
「イッセー!! リアスさんがお待ちだ! さっさとやれやオラァ!!」
「お前絶対悪ノリしてるだろ!?」
何を言ってる! 俺は一刻も早くこの地獄を終わらせてやろうと思ってるだけだ!
「いいからやれ! どちらにせよ避けれない道なんだ!」
「くっ…! わかったよ! やればいいんだろ!?」
そしてイッセーは構える準備をする。
「ドラゴン……波!!」
そしてイッセーはドラゴン波のポーズを決める。
高校生にもなって複数の人の前でドラゴン波の真似をする。……ヤベェ! やっぱり笑いを堪えれない!
「はははは! あはは、はは、はーっははははは!!」
「目を開けてイッセー。あなたの神器が出るわ」
大爆笑してる俺を放っておいて、リアスさんがそう言ってイッセーが目を開ける。
カッ!
すると、イッセーの左腕が輝き始めた。その光は少しずつ形を作り、やがて赤い籠手のようなものとなった。
「な、なんじゃこりゃああぁぁぁ!?」
「げほっ! …こ、これが神器ですか?」
笑いすぎて若干むせながらもリアスさんに質問する。
「ええ、それこそが神器。ちゃんと発現ができたから、以後はイッセーの意志でいつでも出せるようになるわ」
これが神器か…。思っていたよりぶっ飛んだ見た目はしてないんだな。
そんなことを思っていると、イッセーが凄く楽しそうな顔で俺を見てきた。なんだよ?
「さぁて、俺が終わったんだから次は竜真の番だよな。さんざん笑ってくれたんだ。俺も大笑いしてやる…!」
ああ、そういうことか。だけどまあ、なんというか…。
「悪いなイッセー。俺はそんなことする必要がない」
「はあ? なんでだよ? ……まさかもう既に発現してるのか!?」
「違ぇよ。発現してるしてないの問題じゃない。それ以前の問題だ」
俺がそう言うが、イッセーは理解してないのかうんうん唸ってる。
それを見かねたリアスさんが説明に入ってくれた。
「イッセー。竜真は神器を持っていないわ。昨日私が確認したの」
「という訳だ。残念だが、お前のように皆の前で恥ずかしいことはしないぜ」
「なんでだよ!? それじゃあ俺が仕返しできねぇじゃねぇか!?」
「知ったこっちゃないな。それよりリアスさん。話の続きをお願いします」
「なんで俺だけがあんなこと――がふっ!?」
色々喚いてうるさいイッセーを黙らせる。
「え、ええ。イッセーはその神器を危険視されてあの堕天使に殺された。そしてイッセーは死ぬ直前にこのチラシから私のことを呼んだのよ」
そう言ってリアスさんが出したチラシは、あの時イッセーが持っていたものと同じだった。『あなたの願いを叶えます!』という胡散臭い言葉が書かれてるが…。
「このチラシは私たちが配っているものなの。最近だと魔方陣を描いてまで悪魔を呼ぶ人はいないから、こうやってチラシにして召喚してくれそうな人に配っているの」
「なるほど。ですが、それだけで俺たちを助ける理由にはなりませんよね? 何かあなたにとって得があったんですか?」
「あら、中々鋭いわね。そうね。何もないならあのまま見捨てていたと思うわ。それでも私があなたたちを救ったのは、私の役に立ちそうだったからよ」
役に立ちそう、ね…。流石にまだ明確な理由は教えてくれないか。
だからって、勝手に人外にするのはどうかと思うけど…。
「だから私はあなたたちの命を救った。……悪魔としてね。イッセー、竜真。あなたたちは私、リアス・グレモリーの眷属として生まれ変わったの」
リアスさんの背中から、あの時見たコウモリのような――悪魔の翼を出す。
他の三人も次々に出していく。イッセーもそれに自然と体が反応したのか、翼が生えていた。
とか冷静に言ってる俺の背中からも、生えてるんだけどな…。昨日家に帰って見たからそこまで驚かない。
「改めて紹介するわね。祐斗」
「僕は木場祐斗。二人と同じ二年生ってことはわかっているよね?えーと、僕も悪魔です。よろしく」
爽やかなスマイルで挨拶する木場。この自然とできる笑顔がモテる理由の一つなんだろうな…。
「……一年生の塔城小猫です。よろしくお願いします。……悪魔です」
少しだけ頭を下げて挨拶する塔城。もの静かな感じでは、確かに癒し系かもしれないな。
「三年生、姫島朱乃ですわ。オカルト研究部の副部長でもあります。今後もよろしくお願いします。これでも悪魔ですわ。うふふ」
笑いながら挨拶する姫島先輩。二大お姉さまと呼ばれるだけあって、その仕草の一つ一つがとても上品に見える。
「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね、イッセー、竜真」
堂々としながらも、優しい笑みを浮かべて挨拶するリアスさん。
やれやれ…。面倒なことが起きなければいいんだがな。
早く戦闘パートに入らせたいと思う今日この頃。というよりは、早く竜真にも覚醒してもらいたいですね。……まあ、それを書けるのはまだ先ですが…(泣)
同年代の男子がいるとコントが書きやすいですね。イッセーくんにはもっと弄られてもらいましょう(笑)
それではこの辺で。<こうそくいどう>!!
ヒュン!←高速で走ってる音
ヒュン!←風を切りながら走ってる音
ガンッ!←高速のまま壁にぶつかる音