ハイスクールD×D 荒ぶる神を宿す者   作:初代凡人

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今回若干竜真のキャラが崩壊してる…。

特に最後の方が酷いですね。自分で書いてて「これ竜真だよな?」って思ってしまいましたwww

それでは、本編に行きましょう!


第七話 秘められた力

竜真side

 

堕天使三人を倒して、その死体をリアスさんが魔力で跡形もなく処理したあと、リアスさんと朱乃さんが教会の中にジャンプした。

 

そこにいるであろうエクソシストたちを殲滅するために。

 

俺はまた不完全燃焼になるのはごめんなのでついて行かず、教会に向かって歩いていた。

 

――にしても、これは本当になんなんだ?

 

左手に意識を集中させる。すると、先程の籠手が出た。改めて見ても不気味なデザインだ。

 

俺は神器を宿してはいない。それはリアスさんにも確認してもらったし、なにより俺にも神器が宿っていたら、イッセーの神器について調査していたレイナーレがすぐ近くにいる俺に気づかないはずがない。

 

今のところわかっているこれの能力は、俺の身体能力の強化。あとは炎を出せるということくらいか。

 

わかんねぇことばっかだな…。これについてはリアスさんも知らないみたいだし…。

 

とりあえず、今はしまっておこう。

 

そんなことを考えてる内に教会が見えてきた。

 

「あ?」

 

ついでに、教会のステンドグラスが割れて何かが飛び出してそのまま地面に落ちたのも見えた。なんだ今の?

 

そう思いつつ近くに寄ると、その答えがわかった。

 

「なんだ、こいつか」

 

そこに倒れていたのは、ボンテージ服を着て黒い翼を生やした堕天使、レイナーレだった。

 

どうやら気絶してるみたいだが、こいつがぶっ飛んできたということは――

 

「……勝ったんだな。イッセー」

 

なんやかんやでちゃんとケリはつけたみたいだな。安心した。

 

とりあえず、こいつをどうするか…。そう考えていると、教会の中から小猫が出てきた。

 

「……竜真先輩」

 

「よお、小猫。どうした?」

 

「それの回収です」

 

そう言いながら俺の足元のレイナーレを指差す。それって……。最早もの扱いか…。

 

まあ、そういうことなら話は早い。

 

「小猫。俺がこいつを運ぶからいいぞ」

 

「でも――」

 

「いいから任せろ。俺がやりたくてやることだ。お前が気にすることじゃない」

 

「……それじゃあ、お願いします」

 

意外と素直に譲ってくれた。

 

早速レイナーレを担ぎ、そのまま小猫と一緒に教会に入る。

 

「リアスさん。今回の元凶一人前、お持ちしました」

 

「ありがとう。此処に置いて」

 

俺の冗談に苦笑しながら指示するリアスさん。言われた通りにリアスさんのすぐ前にレイナーレを置く。

 

「それじゃあ、起きてもらいましょうか。朱乃」

 

「はい」

 

「ちょっと待った!」

 

レイナーレを起こそうとする二人を止める。

 

「どうしたの竜真? まさか、今更助けるなんて言わないわよね?」

 

「言うわけがないでしょう。ただ、どうせ起こすなら俺に起こさせてください。そしたらあとはおとなしくしてるんで」

 

「……そういうことね。わかったわ。勢いあまって殺さないようにね?」

 

「わかってますよ」

 

さて、リアスさんから許可はもらったし、とっとと起こすか。

 

俺は右足を上げ、そのまま振り下ろして背中を踏みつける。

 

「ぐああっ!?」

 

その痛みでレイナーレは目を覚ます。感覚的に背骨まではイけてないか。……チッ。

 

俺はレイナーレの髪を掴んで持ち上げ、無理やり顔を上げさせる。

 

「どうも、夕麻さん。久々ですね」

 

「……ドーナシークから二人組の転生悪魔という報告を聞いて嫌な予感はしたけど、まさかあなたまで悪魔に転生したとはね…!」

 

「お陰さまでな。我が主からお前に話がある。心して聞け」

 

レイナーレをリアスさんの方に向かせる。

 

「ごきげんよう、堕天使レイナーレ。私はリアス・グレモリー」

 

「グレモリー家の娘か…!」

 

「お見知りおきを。と言っても、短い間でしょうけどね」

 

余裕のある感じで話すリアスさん。だが、レイナーレはむしろそれを見て不敵に笑う。

 

「勝ったつもりでいるんでしょうけど、私にはこの作戦に協力している他の堕天使がいる。すぐに助けに――」

 

「それは無理よ。だってその堕天使たちはもうこの世にいないもの」

 

「…バカ言わないで! 既に殺したとでも言うの!?」

 

「そうよ。ちなみに私じゃなくて、あなたを踏みつけてる子が一人で殺ったわ。竜真、あれを見せて」

 

あれって――ああ。堕天使の羽か。俺は懐にしまっていた黒い羽を三枚取り出す。

 

こちらを睨みつけていたレイナーレは、その羽を見て目を見開いた。

 

「堕天使は同族の羽を見ただけで、それが誰の羽なのか判断することができるの」

 

なるほど。だからこんなに驚いてるのか。

 

「マジか? 本当に竜真が殺ったのか?」

 

「ああ。まあ、あいつらと戦った感想だが……口だけが達者で張り合いのねぇカラスどもだったぜ。あんな奴らに頼るとは、お前の実力の程度が知れるな」

 

こちらを見るレイナーレをあざ笑うように言う。レイナーレは悔しそうに睨み返してくる。

 

「なんだよ? お前は俺が言ったのとは違って本当は強いとでも言いたいのか? イッセーに負けた時点でそれはねぇよ」

 

「さりげなく俺が弱いって言ってないか!?」

 

なんか間違ったこと言ったか? そう言ってやろうとイッセーの方に顔を向ける。

 

だが、イッセーを見た時に少し変わったところがあることに気づいた。

 

「イッセー、その籠手の紋章なんだ?」

 

イッセーの神器である籠手の宝玉にドラゴンの顔のような紋章が浮かんでいた。

 

少なくとも、前に見た時にはあんなのはなかったはず。

 

「ん? ああ、いつの間にか浮かんでたんだ」

 

「赤い龍…。……そう、そういうことなのね」

 

リアスさんはそれを見て納得したという感じでそう言っていた。

 

「堕天使レイナーレ。この子が持つ神器は、ただの<龍の手(トゥワイス・クリティカル)>じゃないわ」

 

<龍の手>? 確かありふれた神器の一つで、能力は持ち主の力を倍にするって代物だったよな?

 

それとは違うってことは何か特別な神器なのか?

 

「持ち主の力を十秒ごとに倍にし、極めれば神すらも超えることができると言われる<神滅具(ロンギヌス)>の一つ…、<赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)>」

 

――<ロンギヌス>。神を殺せると言われる聖槍の名前。神をも超えることができる神器だからロンギヌスって例えているのか。

 

にしても、一つってことはあといくつかあるってことだよな…。そんなヤバいものがいくつもあるのかよ、恐ろしい。

 

「とは言っても、強化には時間がかかるから万能とは言えないわね。今回は相手が油断してたから勝てたけど」

 

「要するに、全てはこいつの慢心による敗北ですね。同情の余地はありません」

 

こいつがさっさとイッセーを始末していれば、負けることもなかっただろう。

 

「さて、自分が負けた理由がわかったところで、消えてもらうわ」

 

リアスさんはそう言って手を構える。

 

「わ、私はこんなところで死ねない! 私はこの神器を手に入れて、アザゼル様とシェムハザ様に愛される権利を得たのよ! あなたたちなんかに――」

 

「おい。人の親友を恋愛事で騙しておいて、テメェだけ誰かに愛されようとしてんじゃねぇよ」

 

足に力を入れ、更に強く踏みつける。それにより、骨が悲鳴を上げてるのが足裏から伝わってくる。

 

「ああっ!?」

 

「悲鳴を聞くのも嫌だな。リアスさん。とっとと消し飛ばしちゃってください」

 

「ええ。私もこれ以上は我慢できないわ」

 

俺はレイナーレから足をどけて、皆の近くに行く。じゃなきゃリアスさんの魔力で俺も消し飛ぶわ。

 

だが、レイナーレはいつの間にか天野夕麻の時に着ていた服に着替え、イッセーを見てこう言い出した。

 

「イッセーくん! お願い、私を助けて! この悪魔が私を殺そうとしてるの! あなたを殺したのは悪かったと思ってるわ! 堕天使の任務でどうしてもやるしかなかったのよ!」

 

今更命乞いか? 見苦しいにもほどがある。

 

というか、いい加減その口をマジで閉じてほしい。怒りでどうにかなりそうだ。

 

「私はあなたのことが好きよ! 愛しているわ! だから、一緒にこの悪魔たちを倒しましょう!」

 

命乞いを続けるレイナーレを見て、イッセーは静かに口を開く。

 

「……あばよ、俺の初恋。部長、お願いします…」

 

そう言ってイッセーは背中を向ける。

 

リアスさんは冷徹な表情でレイナーレに言う。

 

「私のかわいい下僕に言い寄るな。――吹き飛べ」

 

リアスさんの手から紅い魔力が放たれ、容赦なくレイナーレを呑み込む。辺りに黒い羽根が散った。

 

にしても、本当にリアスさんの魔力の一撃は凄いな…。

 

「部長は別名<紅髪(べにがみ)滅殺姫(ルイン・プリンセス)>と呼ばれるほどの実力を持っているからね」

 

「あの滅びの魔力はグレモリー家特有のものですわ」

 

俺の心を読んだのか、祐斗と朱乃さんがそう説明してくれた。滅びの魔力か。だから文字通り跡形もなく消し飛ぶのか。

 

ていうか、俺のなんて目じゃないくらいの怖い別名じゃないですかヤダー。

 

そんなアホなことを考えていると、レイナーレが消し飛んだ跡には、淡い光を放つ指輪が残った。あれが<聖母の微笑み>か。

 

「さあ、これを彼女に返しましょう」

 

そう言うリアスさんの視線を追って振り返ると、あの金髪のシスターが長椅子に静かに横たわっていた。

 

……そうか。神器を抜き取られたってことは、もう彼女は死んだのか…。

 

「部長、皆…。すいません…。せっかく協力してくれたのに俺、アーシアのこと………助けることができませんでした…!」

 

イッセーは泣きながら謝罪する。

 

リアスさんはそんなイッセーの頬を優しく撫でる。

 

「イッセー。泣くことはないわよ。今のあなたの姿を見て咎める人はいないわ。あなたはまだ悪魔としての勉強が足りなかっただけ。これから少しずつ学んで強くなればいいわ」

 

「……はい…!」

 

イッセーは泣きながらも頷く。

 

ああ、一つ訂正させなきゃな。

 

「おいイッセー。さっき協力してくれたと言ってたが俺はお前には一切協力してないぞ」

 

「え? でも竜真くん堕天使を倒したんじゃないのかい?」

 

「祐斗。俺はリアスさんたちのカラス狩りを手伝っただけだ。この教会にいる敵を殲滅することに関しては協力した覚えはない」

 

「あらあら、素直じゃないですわね」

 

「……ツンデレ?」

 

「違う!」

 

事実を言っただけだろうが!

 

「それじゃあ、竜真のツンデレタイムは置いといて」

 

「違いますってば!」

 

「イッセー。これ、なんだと思う?」

 

俺の言葉を無視してリアスさんはポケットから紅いチェスの駒を出す。もしかしてあれが<悪魔の駒>か?

 

「えっと、それは?」

 

「これは<僧侶>の駒よ」

 

「へ?」

 

イッセーはその言葉を聞いて疑問符を浮かべていた。

 

まあイッセーのことだから、リアスさんの<僧侶>はもう既に決まっているのを前に聞いたから<僧侶>の駒はもうないと思い込んでいたんだろう。

 

「イッセー。リアスさんが何回も言ってたろ? <悪魔の駒>はチェスを元にしたってな。だったら駒の数もチェスと同じで<王>と<女王>が一つずつ、<騎士>と<戦車>と<僧侶>が二つずつ、<兵士>が八つに決まってるだろ」

 

「そういうこと。<僧侶>の駒は既に一個使ったけど、まだもう一つだけ持っているの。前代未聞だけど、これでシスターを悪魔に転生させるわ」

 

「え!? でも、いいんですか?」

 

イッセーの言うことは最もだ。貴重な駒をこんな簡単に消費していいのだろうか?

 

……いや、別に生き返らせるのがダメなわけじゃないが…。

 

「ええ。<僧侶>は眷属のフォロー。この子の回復能力は見逃せないわ」

 

そう言うと、指輪と駒をシスターの胸の上に置き、呪文を詠唱する。それが終わると、指輪と駒はシスターの胸の中に入る。

 

すると、ゆっくりとシスターの目が開いた。現状の把握はできていないようだが、その目はイッセーをしっかり見ていた。

 

「……イッセーさん?」

 

その言葉を聞いた瞬間、イッセーはシスターを抱きしめる。

 

もう二度と放さないとでもいうように。

 

「…帰ろう。アーシア」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

一誠side

 

「おはようございます、部長」

 

次の日、部長に部室に来るように言われ、まだ授業が始まってない時間に部室に訪れた。

 

「おはよう、イッセー。ちゃんと来たわね。傷の方はどう?」

 

「アーシアのお陰で完治しました」

 

そう言いながら部長が座っているソファーの対面のソファーに座る。

 

「そう。早速<僧侶>として働いてくれたみたいね。堕天使が欲しがってたのも頷けるわ」

 

部長は嬉しそうに言う。

 

……こんな時に聞くのはあれかもしれないが、やっぱりどうしても気になる。

 

「……あの、部長。ちょっと聞きたいことが」

 

「何?」

 

「<悪魔の駒>はチェスと同じ数あるって言ってましたよね?」

 

「ええ、そうよ」

 

「ってことは、俺と竜真以外にもあと六人<兵士>が増えるってことですよね…?」

 

<兵士>の駒は八個ある。そして俺と竜真は<兵士>として転生した。

 

それでもまだ六個も残っている。竜真だけでもライバルとしては強敵なのに、更に六人も<兵士>が増えたら俺の立場がなくなっちまう…。

 

「いいえ。私の<兵士>はイッセーと竜真だけよ」

 

「え?」

 

部長の予想外の返答に間抜けな声を出してしまう。

 

そ、それって告白――竜真と一緒に言われてるのにそれはないか。

 

「<悪魔の駒>を使って転生させる時、その者の潜在能力によって消費する駒の数が変わってくるの」

 

部長はそう言いながら立ち上がって俺の座るソファーの近くまで歩いてきて、そのまま包み込むように優しく後ろから抱きついてくる。

 

背中におっぱいの柔らかい感触が!

 

「イッセーを転生させる時、私の持っている<兵士>の駒を七つ使わなければあなたを転生することができなかったの。それだけの潜在能力を持つ人間はそういないわ。だから私はそのことがわかった時から絶対にあなたを眷属にすると決めたの。<赤龍帝の籠手>を持つイッセーだからその価値があったのね」

 

マジか…!?

 

その原因が俺の神器――<赤龍帝の籠手>。神をも滅ぼせる神器。俺に宿ったとんでもない力。

 

……でもその話が本当なら、竜真は<兵士>の駒は一個しか使ってないことになる。つまり、俺は竜真よりも潜在能力が上ってことか!

 

あいつには負けてばかりだった。だからこのことに俺は心の中で歓喜した。

 

「イッセー。残念だけど、竜真の方があなたより潜在能力は上よ」

 

そんな俺とは裏腹に苦笑しながらそう言う部長。

 

え? だって竜真は<兵士>の駒一つしか使ってないんじゃ…。

 

「チェスでは駒に価値基準があるの。<女王>の価値は<兵士>九つ分、<戦車>の価値は<兵士>五つ分、<騎士>と<僧侶>は<兵士>三つ分、という感じにね。<悪魔の駒>でもそれは同じよ」

 

へえ。初めて知った。ていうことは、朱乃さんは俺よりも上なのか…。

 

「そして竜真にも残りの駒で転生させられないか試したの。でも全ての駒を使っても、彼のことは転生させられなかった。だけど、突然<兵士>の駒が<変異の駒(ミューテーション・ピース)>に変わったお陰で彼を悪魔に転生させられた」

 

「ミューテーション・ピース?」

 

聞き覚えのない単語に首を傾げる。駒の一種だとは思うけど…。

 

「<変異の駒>は、本来なら転生させるために複数の駒を使うほどの素質を持つ者を一個で転生させてしまう特殊な駒よ。私も<僧侶>の駒で一個持っていたのだけど、<兵士>の駒が急に変わったのには流石に驚いたわ」

 

「え? それってつまり…」

 

「そう。竜真の潜在能力は、少なくとも<戦車>と<騎士>と<僧侶>と<兵士>を総合した以上ということよ」

 

ってことは、<戦車>が五で<騎士>と<僧侶>が三ずつで兵士が一だとすると………十二!? <兵士>十二個以上の潜在能力を持ってるってことか!?

 

勝ったと思ったのに惨敗してるじゃねぇか…。

 

「ふふ、そんなに落ち込まないの。あなたも頑張り次第では竜真以上になれる可能性は充分にあるわ。ただ、油断をしちゃダメと言いたかっただけよ」

 

そう言って部長は俺の頬を指で撫でる。

 

「<紅髪の滅殺姫>と<赤龍帝の籠手>。紅と赤で相性はバッチリ。イッセー、とりあえずあなたは最強の<兵士>を目指しなさい。それこそ、竜真に指一本で勝てるくらいの存在にね。あなたにならできるわ。私のかわいい下僕なんだもの」

 

最強の<兵士>…。いい響きだ!

 

そうだ! 竜真なんて目じゃねぇ! いずれあいつより上の立場になってコキ使ってやるぜ!

 

「わかりました部長! 俺、絶対最強の<兵士>に――」

 

そう言いながら部長の方に顔を向ける。

 

すると、部長は俺に顔を近づけてきて…。

 

 

 

 

 

――額にキスをした。

 

 

 

 

 

……え? 嘘、マジか!? キスされた!? 額にだけど俺部長にキスしてもらったのか!?

 

「お(まじな)いよ。頑張りなさい、イッセー」

 

人指し指を唇に当てて言う部長。

 

ええ、やります! やってみせます!! 兵藤一誠、必ずや部長が誇れる最強の<兵士>になります!

 

「と、あなたをかわいがるのもこの辺にしておかないと。新人の子に嫉妬されてしまうわ」

 

え? 新人?

 

「イ、イッセーさん…!」

 

後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきたので振り向く。

 

そこには少し涙目になり、頬を不機嫌そうに膨らませているアーシアがいた。あれ? ひょっとして怒ってる?

 

「そ、そうですよね…。リアス部長はお綺麗ですから、イッセーさんも好きになってしまいますよね…! って、ダメですこんなこと思っちゃ! ああ、主よ。罪深い私をお許しに――あう!」

 

なんか一人で葛藤してる内に頭を押さえてその場にしゃがむアーシア。

 

「どうした、アーシア!?」

 

「うぅ……。急に頭痛が…」

 

「それはそうよ。あなたは悪魔になったんだから、神に祈ったりしたらダメージを受けるわ」

 

ああ、そういえば俺も前に部長から聞いたな。お経とかを聞いてもダメージを喰らうらしい。

 

「あう…、そうでした…。私、悪魔になっちゃったんですよね……」

 

「後悔してる?」

 

悪魔になったことを改めて認識して若干落ち込んでいるアーシアに部長が聞く。

 

「いいえ。どんな形であれ、こうしてイッセーさんと一緒にいれるんですから、幸せです!」

 

そう言って笑顔を見せるアーシア。な、なんか照れるな…。

 

と、じっくりアーシアを見ていて俺はようやくあることに気づく。

 

「アーシア、その格好って…」

 

「あ、どうですか?」

 

アーシアはなぜか駒王学園の制服を着ていた。

 

いや、もちろん似合ってるんだが…。どうしてアーシアが?

 

「彼女はこの駒王学園に通うことになったの。私の父がこの学園の経営に関わっているから、このくらい容易にできるわ」

 

マ、マジですか!? 知らなかった…。

 

「おはよう、イッセーくん」

 

「……おはようございます、イッセー先輩」

 

部室の扉が開き、木場と小猫ちゃんが入ってきた。二人ともちゃんと名前で呼んでくれてる。

 

「あらあら。皆揃いましたか?」

 

そして部室の奥から朱乃さんが何かをカートに乗せて出てきた。見てみると、大きなケーキだった。

 

「あ、朱乃さん。そのケーキは?」

 

「新入部員三人の歓迎会用のケーキですわ。ちなみに部長の手作りですわよ?」

 

「ま、まあイッセーと竜真の歓迎もまだしてなかったし、たまにはこういうのもと思ったのよ」

 

照れ臭そうにそっぽを向いて言う部長。超感激です! 部長の手作りケーキを食べれるなんて!

 

「あら? そういえば竜真は?」

 

部長がそう声を上げて気づく。そういえばいないな。どうしたんだ?

 

そう考えていると、再び扉が開く。噂をすれば来たみたいだ。

 

 

 

 

 

「お、はよう…ござ……いま…す……」

 

 

 

 

 

竜真はそう言うとその場に倒れる。ええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

 

「竜真、どうしたんだ!?」

 

俺は竜真を仰向けにして声をかける。うわっ!? よく見たらめちゃくちゃ顔色悪いじゃねぇか!?

 

「イ、イッセーか……。ありのまま家で起こったことを話すぜ……。また食欲がヤバいことになって無我夢中で家にある食料を食べたら全てなくなり、近くのスーパーで食料を買い込んで食費どころか家の全財産を使い果たし、それを食べてもまだ腹が減ってる……。もう俺自身、何を言ってるのかわからない……」

 

………ええー、そんな理由かよ…。

 

「そんな大げさな――」

 

「大げさだぁ!? テメェ俺の顔見てよくそんなこと言えんなゴラァ!!」

 

竜真は凄まじい形相で掴みかかってくる。だが、いつもより力が弱い。確かに結構ヤバそうだ…。

 

「っ!? あのケーキは!?」

 

竜真はケーキに気づき、今にも食らいつきそうな顔で近づく。

 

って、うわ! 今凄い大きな腹の虫鳴ったぞ!?

 

「これは竜真くんとイッセーくんとアーシアちゃんの入部を祝うために部長が作ったものですわ」

 

「ありがとうございます、リアスさん!! あなたは救いの女神だ!」

 

竜真は朱乃さんの説明を聞き終わると部長の前に一瞬で移動してその手を掴んだ。

 

「え~と……。ありがとう、でいいのかしら…?」

 

それに対して部長は少し苦笑して答える。

 

そっか。悪魔にとっては敵である神に例えられたから複雑な気分なのか。

 

「それじゃあ、我慢できそうにない子もいるし、食べましょう」

 

「遠慮なく(全部)頂きます!」

 

「竜真くん。皆の分もちゃんと残しなよ?」

 

「部長の手作りを独り占めはさせねぇ!」

 

「……それは譲れません」

 

「な、なんでイッセーさんたちは戦い始めてるんですか?」

 

「あらあら。部長の手作りケーキは大人気ですわね」

 

「もう…。イッセー、竜真、小猫! せっかくの歓迎会で争っちゃダメよ!」

 

結局部長に止められ、ケーキは八等分にした。

 

ちなみに食べ物に飢えてる竜真を見かねた部長と朱乃さんから一つずつもらい、残った一つも食べたので合計で四つ食べていた。お姉様たちからもらえるなんて羨ましいぞ、こんちくしょう!

 

 

 

一誠side out




はい。自分で書いてて竜真の強さがこんなになりましたが、パワーバランスが崩れないか心配です…。

あと、今更ですがありきたりな変更ですね。一誠は本来八つの<兵士>を使ってたのを七つに減らして残りの一つを<変異の駒>にして竜真を転生させたことにしました。

竜真の異常な食欲は覚醒した反動のようなものなのでしばらくすれば直ります。まあ、多少食事の量は増えますが(笑)

ああ、早く暴走させた――ゲフンゲフン。

次回から二巻に突入します。ライザーの眷属とどのような戦いを繰り広げるか楽しみにお待ちください!

それでは、この辺で。ウェェェェェェイ!!
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