なんとかしようと思います。一般兵です。
ですが武器、ありません。
足もありません。ブレスは回避不可能です。
まずは、岩陰に隠れようと
───
「ダルム…?」
「マディ。どうした?寝付けないのか?」
「…うん。なんか…取り返しのつかないことが、始まってるような…。」
「明日も修行だぞ。寝ておけよ。」
「…そうする。」
だが───轟音、轟く。
「マディ!危ない!」
───
「魔術、限界起動───正義は!必ず!勝あぁぁぁぁつ!!」
【海波魔術】が起動し───ラインハルトの渾身の一撃を6重に束ねた必殺剣が、ガブリエールの首を切り裂いた!
ガブリエールは痛みに耐えかね───耳を劈くほどのとんでもない音量の悲鳴がガナ公国に轟いた。
「…死ぬ時も元気だなァ!魔竜!」
「やりましたね!ラインハルト殿!」
「厄介なブレスでした…うっ!?」
「ランドマ!?」
なんと、宣教師のランドマが倒れてしまった。
介抱するラインハルト。
「…ガブリエールの鱗粉を近くで吸いすぎたんだ。俺たちも危ないかもしれない。ランドマはまだ処置をすれば治るかもしれんが…。」
「わかりました。撤退ですね?」
「…増援が来るまで、俺は残る。ガブリエールは複数存在するのが予測されているんだ。今、ガナ公国にいる宣教師の中にエリクソンが居たはずだ。もしもの時は、あいつがいれば最悪なんとかなるだろう。」
「ヒヒィィィン!!」
「!」
二足歩行で街への道を走るマグナガ・マフィンをラインハルトは捕まえる。
「おい!止まれっ!お前!」
「!?せ、せせせせ拙僧に何か御用ですかな!?」
「ダルム・リング…お前が背中に乗せていた男はどうした。」
「…か、かかっ、彼は、拙僧を庇って、"三体"のガブリエールの相手を…。」
「さ、三体!?」
「……。」
ラインハルトは黙り込んだ。
間違いなく、ダルム・リングは死んだ。
ダルムとほぼ互角の実力を持つ自分が、ガブリエールにこんなにも苦戦したのだ。確信できる。
「一般兵くん…いや、ダルム・リング…。」
「…ベクカ!マグナガと一緒に、ランドマを連れて街へ戻れ!治療を受けさせるんだ!」
「ラインハルト殿は!?」
「さっき言っただろう!ここで3体のガブリエールを見張る!それと───聖剣砲弾の使用を許可する!事後承諾だが、ガブリエールが相手だ!それを後から来るミネルバ達に伝えろ!」
「聖剣砲弾を───はいっ!了解致しました!」
───
黒焦げの死体。
近づくは、マルドク・ラハーラと───。
彼の娘。アストラ・ラハーラ。
───
「ハッ、ハッ、ハッ…こ、これはどういうこと!?」
宣教師のミネルバは困惑する。
「なんでガブリエールが街の中に!?」
焼けた街の中に───6体のガブリエール…!