城抜け一般兵   作:K+#ガソ林

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17話

 どうも、一般竜です。

 やっとクロのいるところを見つけました。合金の障壁が貼られているので腕力と炎でこじ開けます。

 はい、成功ですね。

 おーい!クロ!久しぶりだな!兄ちゃんが助けに来てやったぞ!

 そのような意図を込めて咆哮します。

 すると…クロも小さく返事しました。

 なになに…体に刻まれた術印で、体が痺れて動けない?

 しょうがないやつですな。炎で術印を焼いて効果をなくします。

 クロはすっかり体の痺れが無くなってはしゃいでます。可愛いやつ。

 …?クロ?どうした?なんかあったか?

 いつもの兄ちゃんと違う?は?え?

 何が違うって?…根底の部分が…?

 ………。なんか、混ざったのか…?

 そういえば、身体が人間だ…。

 …………。

 ダルム・リング…?こいつの記憶のせいか…?

 

 

───

 

 

「ダルム・リング。黒き竜と接触した後、動きません。」

「現在6時間経過中です!」

「…そうか。」

 ガブリエールの能力のおかげで、マルドクは短時間の睡眠でも脳の疲れを回復できるようになった。瞼を開け、教団員に指示をする。

「くれぐれも、刺激を与えるなよ。」

「はっ!」

 マルドクは考え込む。

(…ダルム・リング…。奴のせいで結果的にラインハルトが生き残り、【海の教団】残党は大きな戦力を保有したままとなった…。)

「…イブヨ・トロンの置き土産、ダルム・リング…。過去、お前が言った薪とは───この私のことか?」

 

 

───

 

 

 地獄の夜は終わり───人々に朝がやってきた。

 一夜にて始まり、そして終わったガブリエールの進撃…。

 犠牲になった人々は1500人にまで届いた。

 天使の教団、マグナガ・マフィンはアシュラやミネルバと言った海の教団員と話し合っていた。

「…?海の教団の者達が、ガブリエール襲撃の際に暗殺を受けた?天使の教団に?」

「そうなんです。貴方も宣教師、無関係ではいられませんよね。」

 ミネルバは鋭い追求をし、マグナガを追い込もうとする。

「拙僧は…つい4日前までリンドベルにて説教を行っていました。申し訳ないのですが…こちらの話は、パウリとキルビムの方が詳しいかと…。」

 マグナガは翼が生えた犬の亜人二人組を指差す。

「あいつら、なんか胡散臭ぇんだよなぁ。」

 アシュラはぼやいた。

 

 

───

 

 

 カース・リーは路地裏に行き、周りに人がいないことを確認して、地下に続く扉を開ける。

「…なんとか、確保できてよかったわ。」

 扉を閉め、階段を降りる。

 降りた先には…ベッドに横たわる、宣教師達の姿があった。

「ラギア、ミラー、カツラム、リリィ、エリクソン、アラド…。」

 一人一人の名を呼ぶカース。

「…まさか、獣化の術を身につけている貴方達がやられるなんて…。敵は強大ね。」

 カースの術式は失伝して久しい禁忌の魔術…【回生魔術】。

 患部に対して時間遡行を行い、怪我をなかったことにする魔術。

 その代償として、自身の寿命が縮む。

「…。明日か、明後日かわからないけれど…あなた達に活躍してもらうわ。早く起きてね。」

 点滴の量を確認し、入ってきたところとは別の扉から外に出るカース。

(ラインハルト…。何処に…いや、多分彼のことだから、生きてるとは思うけど…。)

 

 

───

 

 

 ラインハルトは圧倒的な力でアークを倒した後、街への帰路を急ぐ。

「…霊峰の近くでよかった。精霊の力を引き出しやすくてな。」

 だが、ラインハルトは視界の端に、あるものを見つけた。

「…断層…?地脈のエネルギーをいじったからか…。こ、これは…地下施設か!?」

 それは───地下施設だ。おそらくは、【天使の教団】のものと思われる施設が、大地の裂け目から姿を現していた。

「…あとで聖剣弾頭を持ってくるか。しかし、天使の教団…あんな施設まで作っているとは…。調査の前に、あのひよっこ達の修行もあるが…。」

 

 

───

 

 

 黒きガブリエールと、赤い翼が生えた人間が向かい合っている、

 人間は目を閉じ、瞑想を行なっているようだった。

 黒きガブリエールは、それをただただ見つめるのみ。

 

 

───

 

「マディ、達…きてくれたのか。うっ!?ぐ!ああ!あ!」

 マディ一行のうちの1人、マーローは苦しみに喘いでいた。

 全身の皮が焼かれているのだ。とてもでは無いが正気ではいられない。

「マーロー!?」

「痛い!痛いいい!!」

「くそ…!マーロー…!」

「看護師さん!マーローさんは…。」

 【海の教団】所属のパンダの亜人は如何ともしがたいと、首を振った。

「彼にだけ特別な処置はできない…。鎮痛剤は痛みに苦しむ他の市民に与えてしまった。これ以上の追加注入は危険だし、何より薬がない。…納得してくれるかね?」

「…はい。」

「マーロー…。」

「…くっ…。」

 痛みでついに気絶してしまったマーローを、3人は心配する。

 

 

───

 

 

 あっという間に時は進む。

 神捧祭が始まる、その一日前に───少女は、目覚めた。

「君のことは、なんと呼べばいい?」

「あら、【今まで通り】───アストラでいいわよ。お父様。」




小話
じつは天使の教団のキメラ兵は、暴走して教団員に危害を加えないように、キメラになる前、魔術によって洗脳を受けています。
知能は基本的に人間側にしかないので、ガブリエールの方は洗脳してません。
ダルムはキメラ兵になる前に死んでいたので、洗脳がかけられませんでした。なので代わりに赤のガブリエールが洗脳を受けています。
ですが赤のガブリエールは世界一のアホな上に知能もないのであまり効きませんでした。
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