どうも、一般兵です。
南に向かう途中で、補給が必要になったから実家に帰りました。
砦の食料は流石にくすねることはできなかったです。撤退組に持ってかれちゃった。トホホ…。
そして辿り着いた実家はというと、滅んでました。マジか。
家とかにでっかい爪で引っ掻いた後があったので、若者がみんないなくなったせいで、魔物に襲われ放題だったぽいですね。兵士たちは何やってんだ?
しかし本当に人っ子一人いないので、芋やらを詰めれるだけ袋に詰めときました。収穫期の前に襲われたんだろうなぁ、かわいそうに…。
芋詰めて南に出発です。馬が重さに悲鳴上げてるっぽいですが無視。
───
マクワイン魔帝国の魔物に対抗するため、リンドベル王国では、魔物とは違うアプローチでの生物兵器の開発が進んでいた。
リンドベルの生物兵器は、強さと殺傷力を高めた魔物とは別の道を行く。知能の高さによる狡猾さ、汎用性の高さを重視し、特殊な運用が可能な生物兵器だ。
完成例としては、人間を素体に、コウモリの羽をつけて偵察を可能としたキメラ兵や、魚と合成して、水中での行動を可能としたキメラ兵などが開発されている。
「キメラ兵研究もそろそろ佳境に入る。今回行うのは魔物と人間の合成だ。…リンドベルの未来のために!」
「リンドベルの未来のために!」
リンドベル生物研究所所長、イブヨ・トロンと研究員達はキメラの研究に専念する。
「頼む!頼む!助けてくれええええええええ!!」
「殺されたくない!死にたくない!誰でもいいから助けてよぉぉおおお!」
キメラとなる人々の悲鳴を無視してでも、魔帝国に勝つために。
───
リンドベル練兵所。
そこの近傍に存在する、リンドベル兵士療養所。
ヴァラ砦から帰還した兵達は、そこで自身の傷を癒していた…。
「魔物のせいで村が滅びてるって本当ですか?」
「ああ、おかしいよな。徴兵のおかげで兵士は増えた筈だ。練兵途中の俺たちだって実戦経験とかなんとかの理由をつけられて駆り出される始末なのに。」
マーローは顔を俯かせた。
なにやら思い詰めているようだった。
「…父上…。やはり、人体研究を…。」
「…!?人体、研究?マーロー、何か知ってるの?」
「俺の父上…イブヨ・トロン…。父上は、国からの命令でキメラの研究をやらされてるって話だ。リンドベル生物研究所には、黒い噂が絶えない…。」
「…確かめるべき、でしょ。私たちは今、療養中だけど…。今行かないと、この先何も出来ないわ。」