はい、南に着きました。一般兵です。
身バレを防ぐために口調変えました。今後ともに敬語で行くことにします。まぁ、多分気休めにもならんだろうけど。
そして、ここがリンドベルの南端、マシド港です。
港には人がいっぱい!歩いてると人の流れに押し流されます。
教官が言ってた楽園みたいな国ってのは、この港からさらに南に行ったところにあるようです。
たしか、ガナ公国だったかな?温厚な亜人種が治めている平和な国だそう。
ですが、ここで問題が起きました。お金がありません。砦から持ってきた武器やらを売るのは論外ですし、芋はお金になりません。詰みです。
こういう時は職業斡旋所に行きます。
おっ!良い依頼がありました!研究所の警備だそうです。内容によると人員は無限に必要みたいなので、俺が行っても問題なさそうですね。
研究所に着くと、中に案内されました。研究者みたいな人から、出身地や経歴、得意な武器などを簡単に質問された後、さらに奥に通されました。
何やら、無償で武器などを貸してくれるそうです。ありがたい!超凄そうな槍と鎧をもらいました!これで負けなしだと思います!
…?健康検査?なんかわからないですが、尿と血を取られるようです。都会って変ですね。血は…魔術に関連がありそうですが、尿はどうすんでしょうか。
───
「…ダルム・リング…予想以上だな。」
イブヨ・トロンは、今日飛び入りで研究所警備に滑り込んだ青年に興味を向ける。
「RCC数値が80以上というのは本当か?」
「はっ。間違いありません。魔物とのキメラ───現実味を帯びてきましたね。所長。」
RCC数値とは、人が元来持つ再生力の数値だ。
一般人は5程度のものを、ダルムは80も持っていた。驚異的な再生能力の持ち主であるという証である。
「RCC数値が多ければ多いほど…人の形を保ったままキメラと成すことができる。彼を解析し、RCCの秘密を知ることができれば、キメラ研究は更なるステージへ行くことができる。尿検査と血液採取を急いでくれ。」
「はっ!」
───
「着いたわ!ここがマシド港ね!マーローのお父さんの研究所があるところ!」
「お、おい。マディ。あまり騒ぎすぎるなよ。ここでもうちの父上は嫌われてるんだから…。」
「アンタの父さんってすっごく嫌われてるわね〜。」
「言うな!」
「マディさん。マーローさん。研究所はこちらですよ。」
「早く行こうぜ。マーロー!…中に入り込むのは、どうするんだ?」
「マルツド…いや、いい。ここで確認だ。まず、俺の立場を利用して研究所に入ってだな、後は俺が父上の気を引いているうちに各々で潜入だ。わかったな?」