一般兵です。どうも。
健康検査が終わったので、業務内容の資料をいただきました。
…なるほど、俺は研究所内部の、一般人が侵入不可な場所の見回りをするらしいですね。了解です。
あとなんか、内部には猛獣やらいて危険だけど、槍についた電気ショックで何とかしてと言われました。ひどい職場…。
で、なんか回ってたんですけど、ダルム!ってなんか言ってるライオン的な猛獣に襲い掛かられました。
テキトーに電気ショックしたんですが、なんか覚えのあるような声でしたね…。名前を知ってたのは俺が名札をしてたからでしょう。多分。
残心を怠らず、猛獣の近くで周囲を見回していたら…ム、侵入者発見。なんかこちらを見ている覆面ヘルムの者達4人組です。
適当にのして、牢屋にぶち込むとしましょう。
───
「俺たちにも仲間がいたんだ。ダルム・リングって言う…。スッゲーかっこいいやつでさ…。」
「おお、君らはダルムの友達なのかい?」
「え!ダルムのことを知ってるんですか!?キメラさん!」
マディ達は何とか研究員たちの監視を振り切り、一般人侵入不可の場所を守っていた見張りを打ち倒して、研究所の内部へと至っていた。
「ダルムは私の息子さ。私の名はドル・リング。元人間だよ。」
「…なっ!?」
「そ、そんな…本当に人体実験が…父上…!?」
マディ達は、衝撃を隠しきれない。
「…君たち…そうか、君たちは研究員でないのか…。…この奥へ行きなさい。ここを脱出するんだ。最強のキメラ…アシュラ。彼の力を頼れ。私は君たちのことを黙っているから、早く。」
「ライネ、どう思う?奥に行くべきと思うか?」
「…探知の魔術を使いました。私達が来た方向に人が沢山います…。奥に行くしかありません。私たちが生き残るためには…。」
「わかった。ドルさん。ありがとうな。」
「…早く行きなさい。あと、顔は隠したほうがいい。表の世界で生きられなくなるから。」
ドルの声を背中に受け、走り出すマディ一行。
「…!ダルム!おい!ダルムだろう!私だ!ドル───ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
覆面ヘルムを身につけつつ走る一行は、背後からの悲鳴に気を取られてしまった。
「ダ、ダルム…!お、ま、え、は…。」
ライオンの巨体が倒れる。
ずしりと。
巨体を退けて出てきたのは、マディ達がよく見知った顔───ダルム・リング。
「………。」
周囲を見渡しているようだ。
「…どうする。マーロー。」
マルツドはマーローへと指示を仰ぐ。
できれば、よく生きてたなとか、お前は誰だ、とか、言ってやりたいところであったが。
「逃げるぞ───マディ。魔術を。」
「…うん。」
今は、事情が事情だ。