長編版 転生したらスーパー戦隊になっていた件 もう一人の魔王と英雄編 作:盈月さん
ジュラの大森林の何処か
大陸の中央に大きく広がる森林の森の中、周りが不気味なほど静かな場所に1つのオーロラのようなものが突如として現れては、そこから二人の美少女が出て来た。
美少女は長髪に赤みがかった黒い髪色に赤い瞳、そして赤と黒色の衣装で身を纏っている。
もう一人の美少女は、黒銀色の長髪に黒い瞳、服は門矢士の服装とよく似ているが、何処か禍々しさを感じる。
「…おいおい、随分と平和そうな世界だな。もっといい世界は無かったのかよ?」
「あのなぁ…他の世界への転移は完全にランダムなんだよ、嫌なら自分でやれ」
「はいはい」
黒の美少女が、不満そうに黒銀の美少女に文句を言うが、黒銀の美少女がめんどくさそうに答え、黒の少女はダルそうに返事をしつつ、森の中をブラブラと歩き進める。
《告。ここから数十㎞先に強大な魔力を感知しました。》
適当に歩き進める二人に、大賢者が辺りを捜索した結果を報告した。
「おっ、いい感じのが居るじゃねぇか…」
「案外当たりだったな」
二人は会話をしながら、強大な魔力が感知される方へと歩み進めた。
そのため、二人は後からオーロラから出て来た者に気づくことはなかった。
────────────
その国の首都であるリムルは、西方聖教会と同盟を結んだことにより、人と魔物が関係なく行きかう場所となっていた。
そんな首都を一望できる丘の上に、俺は前世からの親友であるリムルと共に来て町を見ていた。
俺はエムル=テンペスト、一人の魔人だ。
電車に引かれ、死んだと思ったらこっちの世界に不死の人間として転生して、そこで前世の親友であるリムルと再会したり、大好きなスーパー戦隊に変身したり、リムルと共に魔物の国を作ったり、大切なものを取り戻すために強くなったりした。
つい最近まではとある教会と対峙していたが、今となっては良い交流関係を結べることができ、ようやく一段落が着いたところだ。
「さ~て、これでゆっくりできるな」
「だな…!……でも、仕事は普通にあるんだよなぁ」
「前世よりかはマシだと思え…」
町の見下ろしながら、俺はそう何気ない会話を交わしていた。
しばらく町を見下ろしたのち、俺らは伸びをした後、仕事に戻ろうとしたその時だ。
「リムル様、エムル様、包囲網を何者かが掻い潜りました。」
リムルの影からソウエイが出て来ては、警戒網をすり抜けた者が居たと、報告をしに来てくれた。
「只今ソーカ達を向かわせているため、確保は時間の問題かと思いますが、一応報告しに参りました」
「………分かった、確保次第報告してくれ」
「御意…!」
少し考えたリムルは、ソウエイに捕獲した報告するように伝え、それを聞いたソウエイは頭を下げながら、リムルの影へと消えて行った。
(……
《解。
「「へっ?」」
リムルも聞いていたのか、俺と同じタイミングで腑抜けた返事をしては、後ろを振り向いた。
「最凶の魔王リルム=テンペスト、並びに偽りの英雄エムル=テンペスト!覚悟ーー!!」
俺たちの後ろに在った木の影から、リムルに似ている少女が武器を片手に飛び出して来ては、持っている刀を俺ら目掛けて振るったが、俺達は紙一重で避けることが出来た。
「おい、いきなりなんだよ!」
態勢を整えながら、俺とリムルは後ろへと飛んだ。
(
(ああ、只者じゃないことが分かるな)
《
そんなことをしていると、少女は俺達と距離を詰めてきては次々と刀を振るって斬ろうとしてきた。
「エムル、俺達もやるしかないな」
「嗚呼…やられっぱなしは癪だしな……一筆奏上!」
リムルは刀を抜き、俺はショドウフォンを作り出しては、空中に火の文字を書き、シンケンレッドへと姿を変えた。
「シンケンレッド、エムル=テンペスト!」
シンケンレッドへと変身した俺は、腰に装備されているシンケンマルを抜刀して、リムルの隣で構えた。
「なっ!まだ力を隠し持っていたんですね…!」
「?どういうことだ?」
少女が何やら気になることを言い、俺は首を傾げながら聞くが、
「問答、無用ー!
少女は聞く耳を持たず、何故かリムルが持っている
「「あっぶね!!」」
俺とリムルは左右に分かれて避けたのち、少女に向かって走り出しては、刀の刃を当たらないように方向を変えて、峰内で済むようにしては、それぞれで刀を振るった。
「なんの!」
少女はリムルのようにスライムへと姿を変えては、俺達の刀を簡単に避けては、今度は万能糸を身体から出し、俺達の身体を拘束しようとしてきた。
「万能糸まで使えるのかよ!?」
リムルはスライムになることで、俺は雷撃ディスクをセットしては自身に電撃が流れる覚悟で、糸に捕まることを回避した。
「よくも、よくもパパを…!」
憎い目で俺らを見てくる少女は、俺達が糸を避けているうちに作り出したのだろうか、複数の黒炎の火球を空中に浮かばしては、黒炎の火球を俺目掛けて放った。
「リムル!頼むぞ!」
「ああ、ここはお気に入りの場所だからな…!
リムルは右手を黒炎の火球に向けては、
「ええ!?なんで
リムルが
スライムになる可能性もあったので、一本の糸を引っ張ったら、スライムになっても出れないように糸が身体に纏わりつくように仕組みを組んだ。
「……ごめんね、パパ…」
逃げられないと分かった少女は、その場で跪いては涙を流した。
それを見た俺は変身を解除し、リムルの傍へと向かった。
「…どうする?」
少女が泣く中、俺達は顔を見合わせてこの後をどうするか戸惑った。
「…取りあえず、何故襲ってきたか聞くか…」
「だな…」
リムルが少女に尋問するために、ゆっくりと近づいては少女の前にしゃがみ込んだ。
「何で俺達を襲ったんだ?」
「そんなこと、自分たちがよくわかってるじゃないですか!」
訳が分からない……心当たりがあるとしたら、ファルムスと戦った際に、俺らが倒した兵士の子供とかだろうが、事実は隠蔽しているし、それにこの子はスライムみたいだから有り得ないと思う。
意味が分からない俺らはただ、顔を見合わせるしかできなかった。
「殺すなら早く殺してください!」
「「…」」
俺とリムルは互いにどうするか無言で見つめ合っては、同じタイミングで頷いた。
「な、なぁ…もしかしたら人違いなんじゃ…」
リムルが少女の誤解を解こうとしたその時、
《警告。》
「「っ!!」」
「…誰だ!」
攻撃が飛んできた方を見ると、そこには俺とリムルが立っていた。
いや、厳密に言えば俺らに似ている奴らが立っている。
「…リムル様、エムル…様…申し、訳ございません……」
今度はリムルの影から、ボロボロのソウエイが出て来た。
「ソウエイどうした!?」
「…侵入者は…我々の想像を絶する力を持っており……こちらでは対処しきれませんでした…」
俺の質問に、ソウエイは息を切らしながら答えてくれた。
ソウエイが言っていたのはこっちだったのか…!
「取りあえずこれを飲んで休んでけ!…後、悪いんだけどこの子を頼めるか?」
「お任せを…」
「ちょっ!待ってください!」
リムルから
「…それなりの強さはあるみたいだな…
リムルに似ている少女が俺らに手を伸ばすと、手から黒い靄のようなものが現れ、その靄は
「さっきの奴らよりかはマシか?」
今度は俺とそっくりな少女が、腰にベルトを装着すると、何処からともなくスタンプのようなものが少女手の中に現れ、少女はスタンプのボタンを押し込み、ベルトにスタンプを押印した。
カブト!
Deal
「変身…」
少女はそう短く呟き、ベルトの正面にある画面のような物に、再びスタンプを押し込んだ。
Bane Up!
破壊!Break
世界!Broke
奇々、怪々!Broken
仮面ライダー
ベイル!
少女がスタンプを押し込んだ後、金色のカブトムシがドライバーから現れては、少女の周囲を旋回し始め、少女の後ろには鼓動のような赤い光が瞬き、その光と共に赤い目がついた赤黒い闇が出現しては、少女を一気に呑み込み、その後闇が無くなり少女はスーパー戦隊のように変身を遂げた。
「取りあえず、話し合いが出来そうなやつじゃないな…」
ドンブラスター!
「嗚呼…アバターチェンジ!」
いよぉー!ドン、ドン、ドン、ドンブラコー!アバタロウ!
俺はドンブラスターとギアを作り出しては、ギアをドンブラスターにセットした後、桃のエンブレムがあるスクラッチギアを回転させ、上に現れた扉に向かってトリガーを引いた。
ドンモモタロウ!よっ!日本一!
トリガーを引いたことで、俺はドンモモタロウへと変身し、作ったザングラゾードを構えた。
「さぁ、楽しもうぜ!」
俺はドンブラスターを二人の少女に向けては弾を乱射した。
「面白いじゃねぇか!」
変身した少女は、弾丸を避けながら俺の下へと向かってきた。
「はぁ!」
「面白い…!」
俺との間を詰めて来た少女が殴りかかってきたため、俺は作っておいたザングラゾードで、拳を受け止めた。
少女の拳と俺の剣がぶつかった際、衝撃波が発生し、火花が散った。
「
俺らが剣と拳で小競り合いをしていると、別の少女が見たことがない魔法陣を展開し、そこから黒炎で出来た火球を俺ら目掛けて放ってきた。
「させるかよ…!
リムル似の少女が放った攻撃をリムルが捕食してくれたおかげで、俺に魔法が当たることはなかった。
「
「うおっ!」
何やら気になることを言いながら、リムル似の少女は先程の
「…何者なんだよ、お前らは…!」
俺は剣同士で押し合っている相手に聞いた。
「そんなの見てわからないか?俺達はお前らで、お前らは俺達…だ!」
「おっと…!」
俺は剣で弾き飛ばされ、砂埃を出しながら後ろへと飛ばされたが、ザングラゾードを地面に刺して、態勢を崩さないように保った。
「なんだ?もう終わりか…?」
リムルに似ている少女が少し不気味な笑みを浮かべて聞いてきた。
俺らが一触即発の状態で睨み合っていると、空からとてつもない気配を感じ、俺とリムルは上を見上げると、それは俺らと少女たちの前に落ち、少し大きめのクレーター作り、砂埃が辺りに立ち込めた。
「クァーハッハッハッハ!!我、参上!」
空からやって来たのは、ヴェルドラだった。
ヴェルドラは腕を組みながら、大きな声で笑った。
「リムル様、エムル様…ご無事ですか?」
続いてやってきたのは、
「我らが来た以上、好き勝手にはさせんぞ!!」
かっこつけているヴェルドラは、どことなくスーパー戦隊みたいな台詞を少女たちに言い放った。
「……竜種に…
リムル似の少女が、ヴェルドラとディアブロを見つめては、二人の種族名を答えた。
「これは無策で戦う訳には行かないな…一旦退くぞ」
「へいへい…」
二人と戦うのは良くないと判断した少女達は、俺らに背を向け、少女達の前に現れたオーロラのようなモノの中へと入って、消えて行った。
────────────
「よし、今からアイツらについて分っていることをまとめるぞ」
俺らに似ている少女達に襲撃された俺達は、すぐさま会議室に幹部達を集めた。
「まず、リムルに似ている少女は、デメテルと言う
腕を組みながら俺は情報をある程度まとめながら、情報を出した。
「後、見たこともない魔法陣も使っていたよな」
頭の後ろに手を組んでいるリムルが思い出したかのように、魔法が見たことのない物だったことも皆に言った。
「…こちらの攻撃も全く効いていない様子でした」
俺らよりも前に少女達と戦っていたソウエイの攻撃が効いていないとなると、ベニマル達も勝てるかどうか分からないな…
「向こうの情報が少なすぎるな…目的も分からないし」
リムルが頭を悩ませながら呟いた。
リムルの言う通り、向こうの目的が分からない以上こちらも手だししにくい。
少しの間沈黙が続いていたが、俺はあることを思い出した。
「……なぁ、俺らを最初に襲ってきたあの少女なら、何か知ってるんじゃないか?」
もし、あの少女が俺らとアイツらを間違えて襲ったという可能性を考えた俺は、その少女から色々と聞くことを提案した。
「だな、シュナ!軟禁している少女を連れてきてくれ」
「分かりました」
俺の提案に賛成してくれたリムルは、シュナに頼んで軟禁している少女を連れてくるように言い、シュナが少女を連れてくる間、軽い休憩時間となった。
────────────
シュナが少女を連れてきたことで、会議というよりも尋問が始まった。
「よし、改めて聞くけど…なんで俺達を襲ったんだ?」
「……仇、だから…」
リムルの質問に少女はボソッと、小さい声で答えた。
そして、それと共にシオンとディアブロが怒りのオーラを出し始めたが、リムルが宥めたことにより、事なきを得た。
「…取りあえず、名前だけでも教えてくれないか?」
リムルの頼みに少女は小さく頷き、ゆっくりと口を開いた。
「私の名はシンシア=テンペスト…魔王リムル=テンペストの娘です」
「は?」
シンシアの飛んでもない発言に、俺らは思わず声を漏らし、リムルの方を見た。
「待て待て待て!俺は子供を作った記憶なんてないぞ!!」
全員から疑いの目で見られたリムルは、冷や汗をかきながら全力で否定した。
「リムルよ、そういうのは我、駄目だと思うぞ」
先程まで漫画に集中していたヴェルドラが、リムルの肩に片手を置いた。
「リムル様?これはどういうことでしょう?」
「そうですよ…!第一秘書である私を差し置いて…!」
今度は怒りが籠った笑みを浮かべているシュナ、悲しそうな表情をしているシオンがとリムルに問い詰め、リムルは俺に助けを求めるようにこちらに顔を向けたが、俺は巻き込まれたくないため、
「リムル、大人しく責任取れ」
笑顔を浮かべながら言い捨てた。
「エムルまで~…」
完全に助け船が無くなったリムルは、誰でもいいから助けてくれと、言わんばかりの表情を浮かべた。
「それもそうだもん…だって私、
皆がリムルに問い詰める中、シンシアは気になることを言い出した。
「別世界?異世界のような物か?」
少し安堵しているリムルを置いといて、俺はシンシアに訊ねた。
「うん、そうだよ」
「なるほど、異世界から呼び出された転移者、という訳か…!」
ヴェルドラが異世界から呼び出された転移者だと、決めつけたが、シンシアは首を横に振った。
「ううん、私は自分からこの世界に来たんだよ」
自らこの世界に来た?どういうことだ?
俺がそのことを訊ねようとしたその時、
「……リムル様、全世界で謎の魔法通信が行われているそうです」
部下からの連絡を受け取っていたソウエイが、連絡内容を報告してくれた。
「リグルド、今すぐ水晶玉を用意してくれ…!」
「承知!」
その報告を受け取ったリムルはリグルドに連絡用の水晶玉をすぐに用意するよう頼んだ。
リグルドは持ってきた持ってきた水晶玉をテーブルの真ん中に置いた。
『ザーッザッ!ザザザッザ~~よう、この世界に住む者達よ』
水晶玉にはあのリムルに似ている少女が映っていた。
すると、水晶玉の少女を見たシンシアは、近くに居たリムルの裾をしっかりと掴み、震えていた。
『俺らは今日から三日後、俺らのためにこの世界を喰らい尽くす…手始めに
少女からの世界への宣戦布告。
その後は映像が繰り返させるだけだった。
「…悪い、シンシアが異常に怯えているから、落ち着くまで俺の庵でエムルと様子を見てみる……シンシアから聞いた話はあとで伝える…エムル、行くぞ」
「ああ」
リムルは酷く怯えているシンシアを抱え、俺と共に転移でリムルの庵へと向かった。
「ここなら、安心して喋れるだろ」
リムルの庵にて、俺達はシンシアから話を聞くために向かい合うように座っていた。
シュナに用意して貰ったお茶を少し啜ったシンシアは、ゆっくりと話し始めた。
「…少し前、私はパパや
シンシアの言葉で俺は確証を得た。
あの俺とリムル似の少女は、恐らく並行世界の俺達ということに。
シンシアの話をしっかりと聞くために、俺達は黙ってシンシアの話に耳を傾けた。
「最初は皆で抵抗したんですが、アイツらの強さは異常で、一人、また一人と皆が喰われて行ったんです……そして、アイツらが私を食おうとした時、パパは、パパは……」
そこまで言った所で、シンシアの目から零れるように涙が溢れ出してきた。
「…十分な情報だ……辛いことを思い出せて悪かったな」
泣いているシンシアに、リムルはそっと近づいてはシンシアの頭を優しく撫でた。
「よく我慢してくれたな…後は俺達に任せろ…!」
「うん…うん…!」
リムルがシンシアを安心させるように言葉をかけると、シンシアはコクコクと泣きながら頷いた。
「リムル、俺は皆にこのことを伝えてくるから、シンシアを頼むぞ」
「ああ」
シンシアのことをリムルに任せ、俺はシンシアから聞いた話を皆に伝えに行った。
変身音が大文字なのは、よく映画である変身音が大きくなる奴です。(語彙力)
後編は12時間後の12:00に投稿されます!