よふかしのあじ   作:フェイクライター

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久しぶりの日曜投稿です!


第百三十参夜「嫌い嫌いも好きのうち」

 月明かりだけでは物足りない明るさの部屋でも、慣れた手つきでクローゼットを開けて夜に溶け込む寒色の服を選んだ。吸血鬼だから暗闇でも目が効きやすいのもあるけれど、何年も繰り返していると体に染み付いてしまう。

 もうひとつ 慣れた手つきで手に取ったのは、般若の仮面だ。

 悲しんでいるのか、怒っているのかわからない形相をした仮面を顔に纏って、私に取って意味のない姿見の前に立つ。何も映さない鏡に安堵する。目の前には顔に爛れた痕を自分がいた。

 喉が渇いた。

 自分だけの沈黙を楽しんで姿見を反転させる。

 冷蔵庫から水を取り出して、飲み込む。乾きは消えない。仕方なく、保管している血液パックを取り出して、

 

「……よし」

 

 踏ん切りをつけてから飲み込んだ。

 玄関のドアを開けて、私は人間の夜へ向かった。急ぐことはなくむしろ遅すぎるぐらいゆったりと歩いて、時には人から避けられながら目的地の小森駅にたどり着く。

 高架線が左右に走り、鉄の塊が内部に人を敷き詰めながら宙を移動する。会社員や学生が行き交っている時間帯で、血色の良い香りが近づいてきたり遠のいたりする。

 

「はぁ……」

 

 気乗りしない時間がやってくる。

 私が歩き出すと、人波の中に自然と道が開けた。

 見慣れた風景に肩を落としてから俯き加減で歩き始める。

 タクシーや迎えの車が駐車する駅のロータリーのそば。待ち時間を潰す人の群れの中に吼月くんはいた。

 

「カオリ。こんばんは」

「こんばんは。待った?」

「いいや。ついさっき来たところだ」

 

 声をかけるより先にこちらに気づいた吼月くんは、触っていたスマホを白と赤のコートのポケットの中にしまい込むとやんわりと微笑んだ。

 

「彼女さんとのライン?」

「いいや。理世からメッセージが来ててな。返信してた」

「彼女を放って他の女と遊ぶなんてサイテーね」

「馬鹿を言うな。ちゃんと話してるし、ここに来る前にたっぷり愛してきたよ」

 

 愛して来た、か。

 

「独りよがりじゃなければいいわね」

 

 小馬鹿にする言葉が口をつく。

 

「愛情なんて基本我流だろ」

 

 自信満々な態度の吼月くんは、私の姿に驚いた様子も、忌避する仕草もなく歩み寄ってくる。周囲からの目線など気にもとめずに、渡しに近づいてくる。

 無意識に 一歩退いてしまう。

 自分でも気付くのが遅れた。吼月くんとの距離がさっきより開いていたのを認めてようやく理解した。

 吼月くんは表情を変えることもなく、するりと腕をあげて人差し指を伸ばした。袖の奥にある不思議なほど綺麗な肌に目が行く。

 

「弱点もってきてないよ。あそこで確かめよっか」

 

 指差した先は高架駅の階下に設けられた飲食チェーン店……ではなく、その店と他の店舗との間にある薄暗い路地だった。ふたりで裏路地に入り中程まで進む。環境のダクトが壁面を走る。室外機が置かれている。作業員が使うからか、ひとつだけの電灯が私たちを照らす。心許ない光はふたり立つだけで光を陰で埋めてしまえる。

 けれども、自分たちだけを照らす光はより相手の存在を目に焼き付けてくる。虐待を受けた過去などなかったかのように美麗な顔つきをした彼は、艶のある笑みを浮かべコートを脱いだ。

 綺麗な紫色の瞳が私を見つめている。

 暗がりなのもあり、妖しくも……一回り以上小さい子になんてことを。

 

「て、何してるの?」

「え? ……お前に脱がされてるんだよ。怖いんだろ? 俺のこと」

 

 心の底から言いづらそうに。

 私はシャツに目を向けた。

 そして、ズボンのバックルに意識をやった。

 

「脱ぎなさいよ」

 

 シャツに手をかけながら、バックルの固定が外されたベルトがタラリと力なく垂れる。

 骨の髄が軋みを上げるように苦しげに。

 どんどんと柔肌が露出していく。

 紫色の瞳が潤んでいる。

 私の視線が綺麗な肢体を貪っている。脱がさせている。たまらない。足元に目線を向けると、彼は脱靴し、靴下も脱いだ。いつのまにか、コートを抱えていた腕の中に靴下もやって来ていた。招き入れるように手のひらが上を向いていて、そこにポンと宙に浮いて靴下がやってきたのだ。

 素足を汚れないように脱いだ靴の上に置こうとするのを見咎めて、汚れた地面に私の指示で置かせた。

 吼月くんは震えていた。鳴らない鼓動が聞こえてくる。耳元に優しげな声が囁きかけてくる。

 

「いつも人を手玉に取ろうとしている子が私の手の中にある」

「私が、この子を支配してる」

 

––––自分と違って自由なこの子を

––––産まれが違っても仲の良い兄であるこの子を

––––人間も吸血鬼も恨むべきなのに、決して屈しないこの子を。

 

 そう。目線だけで、声も必要とせずに脱がさせてる。

 上半身を包む殻を脱がさせると余計に腹立たしくなる。綺麗な柔肌が、醜く見える。綺麗な肌のまま誰かに遠ざけられたりしたことなんてないでしょう。醜い肌を晒して、大切にされたことなんてないでしょう? 気には綺麗なままで誰にも大切にされて来なかったもんね。

 微かな恥じらいの態度が全ての好ましい。

 私が感じて欲しいと思った通りで、まるで鏡を見ているみたいだ。

 

「早く、脱ぎなさいよ」

 

 気づいた時には腕の中にコートもシャツもズボンも、靴下も、彼がおおよそ身につけてるものは全てあった。

 吸血鬼が夜に目にするにはあまりにも劇薬である無垢な肢体。

 全身に噛み跡をつけてやれ、と本能が告げてくる。

 やだ。

 やれ。

 やだ。

 

 最後は––––

 

「……」

 

 曇った目線をそこへ向けて、彼に手をかけさせる。

 そして吼月の顔を楽しもうと視線をあげる、そこには泣き出してしまいそうな瞳があって、口元がハッキリと助けを求めている。

 

『や め て た す け て』

 

 気づいた時には自分でも何がしたいのか分からなくなっていた。

 自分で脱げと指示して、従わされそうになっていた吼月くんの手を私が掴んで止めていた。

 

「あっ、え……? いや、ごめん。く、吼月く」

 

 なんで自分は子供に無理やり?

 自分のことなのに理解ができない。膨れ上がった激情が、まるで身体を乗っ取って私という人格を操っていたかのようだった。感情の起伏が大きすぎて吐き気がする。

 戸惑っていると、ふーん、と冷たい吐息がかかる。

 

「やらせておいて、そんな態度するんだ」

 

 突然哀しみに潤んでいた瞳がひやがって、冷酷な血も通わない霞んだ色になる。怒り以上のなにか。失望だとか、幻滅だとか、吸血鬼が本能的に一番忌避する感情を向けられる。

 だからか、慌ててこうべを垂れる。

 

「ごめんなさ」

「俺としては弱点を持ってないってコートを渡して、ズボンのポケットひっくり返すだけで終わるつもりだったのに」

「いや、私はそんなつもりじゃ、ごめんなさ……」

 

 何を言っても無駄だ。

 だって、自分でやらせて。

 彼は最初から弱点を持ってない、確かめて、と言っていただけなのに。

 そして、衣服を確かめてみると彼の言うとおり弱点は出て来なかった。

 私は小さな子に。

 私と同じ嫌な過去がある子に。

 

「気が動転してて! なにか」

「なにか?」

「お詫びはするから」

「そっか。お詫びしてくれるんだ。なら……」

 

 吼月くんは近くの室外機の埃を払ってから腰を下ろした。そのまま汚れた素足をこちらに向けてくる。

 

「舐めて、綺麗にしてくれよ。このまま靴下を履くなんて嫌なんだよ」

 

 生唾を飲み込んだ。

 舐めたくなかった。

 汚いからという生理的な嫌悪感もあったが、生物的な忌避よりも仮面を外すと言う行為が耐えられなかった。長らく自分の顔を見たことがない。写真にも映らないし、他人に見せて何か言われたこともない。言われるのは全て般若としてだけ。

 もし、今の顔を見られたとしたら、何を言われてしまうだろうか。

 自分自身でも怖い。

 子供を襲ってしまうような化け物の顔なんて。

 

「安心しろ。顔を見ない方法なんていくらでもある」

 

 吼月くんはほぼ裸だというのに––––生まれ持ってのビジュアルが良いせいか、裸の方が綺麗に見える––––堂々とした態度で私に言う。

 

「俺のシャツで顔を隠せ。俺の匂いを嗅ぎながら足を舐めろ」

「……あなた、DV夫の才能あるわよ」

「だったらカオリは犯罪者だろ」

 

 覆せない事実に私は跪いて、顔に吼月くんのシャツを被せた。

 般若の仮面を取って地面に置くと、口元を覆うシャツを捲り上げて舌を突き出した。

 そうして、私が汚した足に舌を這わせて ピトっ……と何かが舌に落ちてきた。その正体は脳髄を突き刺す無数の視点と感情で理解した。

 

 吼月くんの血だ。

 

 流れ込んでくる記憶は最前、吼月くんを見つめる私の姿だ。

 無数の廃棄物を砕いて黒ずんだ廃油でひとまとまりにしたヘドロのような眼が、吼月くん()を見ている。相対しているのは自分自身なのに、途方もない恐怖を覚えた。ヒトと向き合ってここまでハッキリとした恐れを感じたのは初めての経験だったが、その根源が自分の嫉みから来ている事実が一番受け入れ難かった。

 恐怖も焦りも吼月くんの中にはあった。

 

『なんで俺は恨みを向けられてるんだ?』

–––突然 弱点を突きつけて命の危機にさらした相手なんだから当然だろ。

 

 違う。私の一方的な嫉妬だ。私があなたを羨んでいるだけだ。

 

『どうしよう。ポケット見せるだけで終わらないぞ……でも、カオリが望んでいるなら』

–––愛してみせよう、そう誓ったのだから貫け。

 

 やめて。嫌なら、嫌と言って。

 罪悪感と羞恥心が胸の中で発芽する。服を一枚一枚脱がせていくたびに口角が上がり、笑顔が深くなる自分の姿を見て罪の意識はスクスクと天に向けて育っていく。

 同時に嗜虐心が快感と共に肥大化する。抑え込もうとすると、余計に形を歪なものにして大きく膨らんでいく。葛藤を抱くままなく切り捨てなければいけない想いのはずだ。けれど、私は確かに吼月くんを苦しめることを楽しんでいる。

 その事実が苦痛で、必死に押さえつけようとする。

 なにより辛いのは。

 

「大丈夫。抑え込まなくてもいいんだよ」

 

 葛藤も苦痛も押し流すほどの愛情。

 ダラリと白塗りの視界が落ちていく。

 仰ぎ見た先に汚れまみれの足裏はなく、室外機の上にかは誰もいない。代わりに全身を包み込む暖かさがやってきた。

 目線の下に綺麗な柔肌が現れた。

 吸血鬼にとってはご馳走そのものである首筋。

 

「俺が嫌いなら嫌いと言ってくれればいい。それでも俺はキミのこと好きだから、俺のことを好きにしてくれればいいよ」

 

 甘美な誘いが耳たぶを揺らす。

 罪悪感、羞恥心、葛藤、ストレス、嗜虐心、愉快。無数の感情が断片的に渦巻き消えていく中で、分かっているのは––––吼月ショウの血は美味しいということだった。

 

「無理」

 

 埃が舞ったのが見えた。心許ないオレンジ色の光で輝いたゴミたちが私たちに押し除けられて飛んでいく。私の理性も頭から飛び去り、塵芥となった。

 

「ふふふっ。自分で全裸にした男の子を押し倒して吸血なんて、淫乱だね」

 

 余裕のあるあどけない口調で吼月くんは囁く。

 私は真逆で余裕なんて塵ほどもなく、口を離して吸い方を変えたりしながら吼月くんの血を吸い込んでいる。

 

「うるさいっ。わたしも、分かんないっ」

「いいよ。でも、楽しい?」

「愉しいっ。嫌だ。こんなの楽しみたくない」

 

 牙から伝わる肉の感触。

 口の中を満たす血の体温。

 全てが初めて吸血したときのことを思い出させる。

 

「なんで?」

「だって痛いでしょ」

 

 朝霧も苦悶の声を漏らしていた。

 辛そうにしていた。

 だから、もうしたくなかったのに。

 

「なのにキミは」

 

 吸血しながら喋るとくぐもった声になってしまうが、吼月くんは聞き分けて答えてくれる。

 答えなくても私には分かるのに、自分の意思で伝えたいから、と口を開いた。

 

「そう? 確かに吸い方は下手だし、痛いけど、気持ちいいよ」

「それはっ、貴方が変態なだけでしょ」

「変態に変態って言われた〜……ショック。でも、嬉しいのは分かるでしょ」

「……うん」

 

 吸血鬼には嘘はつけない。

 心の内側を知れる吸血鬼に嘘は意味がない。

 

「カオリが吸血鬼として今まで嫌な生き方をしてきたのかもしれないけど、これからは俺がいる。俺がお前の世界を忘れさせてやる」

 

 だからこそ、彼は私を手に入れるつもりだと分かってしまう。

 

 

 

 

 俺はギスギスが嫌いだ。

 今までイジメも虐待も受けてきたからか、自分に刃を向けられるかもしれない状況を好まない。だからこそ人助け、あるいはお節介をしてきたのだ。

 その中で育まれてきた考え方がある。

 いや、実践だけではなく見てきたものもある。

 

「爆弾はとりあえず早い段階で爆発させておくべきだと思うんだよ」

「いきなりなによ」

 

 カオリの声が眼下から聞こえてくる。

 俺を組み敷いて血を貪っていた先ほどまでとは打って変わって、凛とした声でツンとした答えをする。

 冷静さを取り戻したカオリは膝を地面につきながら、汚れた俺の体をハンカチでなんとか綺麗にしている。服も汚れてしまったが、まだアテはあるからそのまま着ている。無論、足もカオリに掃除させた。

 その間も涼しさを保っていたが、この数秒で覆る。

 

「……待って!? まるで私が前々から貴方のことを襲おうとしてたみたいじゃない!」

「えー、違うの?」

 

 突然タガが外して俺を襲い出したんだから、前々から……の方が優しくする甲斐があるのに。

 

「違うわよ!」

 

 なんだ、残念。

 襲う気があるなら、ハツカと仲直りする前まで我慢させて、俺とハツカでたっぷり遊んであげようと思ったのに。

 

「いやさ、ライダーとか見てると時々『まず腰を据えて話し合おうよ!』って場面があるからさ、とりあえず思ってることを暴露させようと思ってね」

 

 カオリの声を真似しながら『いつも人を手玉に取ろうとしている子が私の手の中にある』『私が、この子を支配してる』とか呟いたが、想像以上にカオリの本心に触れたらしい。

 目的は果たしたとはいえ、このやり方あぶないな。

 もう少し別のやり方を考えるか。

 でも、吸血鬼相手だと血を吸わせるボディランゲージが一番効くんだよな。それだけじゃない。ヒトの温もりって心地いいんだよな。

 

「……」

 

 殺されるかもしれないのに、そこまで不安がない。

 不安はないが不満はあった。

 

「だからって脱ぐことはないでしょ!」

「悪い悪い。でも、コートは表裏にポケットあるじゃん。なら、直接調べてもらったほうがいいと思ったから脱いだだけで」

「貴方……他の人にもそんなフランクに服を手渡すの? 変態」

「人を破廉恥みたいに言わないでほしい。コートぐらい問題ない。仮に全裸になるなら、良いと思っている相手だけだ」

 

 ハツカみたいに見せても良い時と、見せたほうが得の多い場面とかな!

 

「で、どうだった? 俺を組み敷いた感想は」

「…………」

「興奮、したんだ」

 

 鎌をかけるつもりでの呟きだった。それは声色を特別意識したわけでもないのにドン引きした声として漏れでてしまう。

 

「したわよ! 悪い!?」

「いやあ、だって中学生の裸に劣情を催す中身40代女性ってちょっと……」

「うっーー! それだったら! 中学男子に興奮する最低50歳以上のおじさんの蘿蔔ハツカはどうなのよ!」

「好きな相手なら気にしないよ」

「……詐欺師」

 

 拗ねた声のカオリの頭をポンポンと手で撫でる。仮面を被ったままだが、縋り付かれるように身体をふかれると仮面が持つ威圧感も霧散する。

 カオリも愛らしい存在のひとりだと認めながら言う。

 

「でも、悪い気はしないよ。カオリにそう見られてるって嬉しいから」

「……なんでよ」

「俺の身体がカオリの人生を彩る柱になれるってことだろ? 嬉しいことこの上ない、ってやつだ」

「私が求めたら裸になるってこと?」

 

 その方向に行こうとするな、馬鹿タレ。

 切り口は楽しむことだったろうが。

 

「たくっ……おてつきは今回限りにしてほしいけど、デッサンでのモデルとかなら。欲を抱いた相手を描く時のカオリの様子も見てみたいし」

「……変態」

「否定しないアンタの方がよっぽどだよ………」

 

 ハツカと会わせない方がいいかも。ハツカが嬉々としてポーズを考えてきそうで、カオリも楽しげに描いてきそうだ。

 俺の胃がもたない。

 嫌な未来を考えながら着替えを終える。

 

「それじゃ、どこに遊びにいく?」

「えっ」

「えっ、じゃないよ。今日は遊ぶために集まったんでしょ!?」

「それは……そうだけど、いいの?」

「なんでダメなんだよ」

 

 カオリは膝をついたまま俯いて黙り込む。

 

「されても仕方ないことを昨日したしな。これでおあいこだ」

「簡単に許すんだ」

「できればもうしないでほしい。怖いから。するなら、やる前に言ってほしい」

「言ったらやっていいの……?」

「急にやられたり、襲われる原因が分からない時が一番怖いからさ」

 

 ビジネスホテルでの一件を思い出す。初対面でお互いに怒りも何もないのに襲われた。あの瞬間は自分でもなぜか動けなくなっていて、理解もできずやられかけた。

 だからこそ、

 

「大丈夫。カオリのことは怖くない」

「……貴方のこと、よく分からないわ」

「ならば、俺が好きな言葉を ふたつ 授けよう」

 

 俯くカオリをその下から覗き込むために膝をかがめる。

 

「嫌い嫌いも好きなうち。そして……これから仲良くなればいい」

 

 カオリの手を握って、引っ張りあげる。

 

「仲良くなるために、遊ぼうよ」

「本当に……優しいのね」

「違うな。1000% 傲慢な言葉さ」

「ふふっ。なにそれ、子供みたい……だったら、ちゃんと私を押さえつけてよね。襲っちゃうもの」

「わー、変態」

 

 そうだ。俺は子供だ。

 だからこそ、教えてくれ。君の純粋な心を。

 僕のどんなところが嫌いなのか。

 どうしたいのか。さっきみたいにたっぷり見せてくれ。




来週はちょっと立て込んでいて投稿が難しいかもしれないです
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