5秒の間も穏やかに   作:全智一皆

5 / 9
一方

  ■

 場所は変わって緑チーム本拠地。

 リーダーの白鷺の部屋で、啓と優利は各チームの事についての説明を受けていた。

「赤チーム、青チーム、緑チームの三陣営に別れている。私達緑チームは、赤チームの打倒を目的ともしている…が、赤チームと共に、もう一つの小規模のチームも警戒している」

「もう一つのチーム? 他にもチームがあるんですか?」

「あぁ」

 白鷺達緑チームが、赤チームと同じくらいに警戒しているチームが居る。

 そのチームについて、啓は詳細を求めた。

 敵となるだろう陣営が三つとなったのだ。知れる情報は知れるだけ知っておいた方が良い。

「『紫』チーム―――今の所は私達の味方になってくれた事しかないが、彼らは目的が不明瞭だ。もしかすれば、敵対するかもしれない。敵対してしまえば…恐らく、赤チーム以上の脅威となる」

「…メンバーは?」

「今の所判明しているのは、地這禮、稲川惟、伊湯翔、壱岐真、壱岐威、佐薙桃、高梨香の7人だけや。小規模言うよりは、少人数言うのが正しいかもな」

 白鷺に対する問いに、克也が変わりに答えた。

 赤チーム、青チーム、緑チームという三大勢力が作られているというのに、たった7人でチームを作り、そして様々なクエスト、騒動から生き残っているチーム―――『紫』チーム。

 …恐らく、連携力も能力も高いのだろう。啓はそう予測を建てる。

「能力が判明してるのは、地這禮と伊湯翔、佐薙桃の三人だけ。他の人たちのは、俺たちもさっぱり分からん」

「…じゃあ、その三人の能力は?」

「まず、地這禮の能力は『自分が思う怪物になる能力』や。本人の詳細によれば、『自分が頭の中で思い描いた怪物になる事が出来る』らしい。本人が思い浮かべてる『怪物』は、『どんか出来事も無茶苦茶な力で無理矢理解決してしまう超人』らしいで。

「次に、伊湯翔の能力は『傷を完治する能力』。文字通り、どんな傷であろうと完治させてしまう最強の回復能力や。内蔵の傷であろうと完治させてまう。

「次に、佐薙桃の能力は『相手に弱点を作る能力』や。相手に弱点を付与する事が出来る能力で、中々に厄介な能力なのは確かや。…って、これだけならまだ良かったんやけど…実を言えば、警戒を最大にしたんは、もっと別の理由なんよ」

「別の理由…能力の他に、何かあんのか?」

 警戒を最大にしたのは、『怪物』の能力でも『完治』の能力でもなく、もっと別のものであると言った克也に対し、優利が素直に質問する。

 チームを恐れる理由は主に団結力、連携力、そして能力の三つに別けられる。

 その他に、少人数のチームを恐れる理由があるのか。

 その優利の質問に、今度は克也ではなく白鷺が答えた。

「二人が着いたと同時に、警戒は最大にしたんだよ。その理由は―――紫チームに新しく入った青年の能力が原因だ」

「やっぱ能力じゃん。で、どんな能力なん…すか?」

「エラいもんやで?―――『物体の存在を無いものにする能力』や」

 聞き覚えがあるその能力に、固まった。

 

「青年の名前は、基山天。君たちが着いたと同時に、紫チームへと入ったそうだ」

 戦いの火蓋が、開きかけている。

 

 「完治師」

 伊湯翔さん。

 あなたの能力は「傷を完治する能力」です。

 

 「察視」

 佐薙桃さん。

 あなたの能力は「相手に弱点を作る能力」です。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。