Persona 5 Scramble -Eleventh Member- 作:週末ラテ少年
アンケート、思ったよりも接戦してなくてびっくり
#13 Masamune
-7月31日(月) 夜-
キャンピングカーに乗ること数時間、空が暗くなった頃。
「だいぶ走った気がするが、今はどのあたりだ?」
「もうすぐ仙台市に入るな。」
「けっこう寄り道したけど、ジェイル、見つからなかったな。」
「ちょっと気が抜けちゃった。でも、あんなのがたくさんあっても困るよね。
もう暗いし、続きは明日かな?」
「翼くんの希望もあるし、車は仙台に停めるとして…」
「つかまずメシにしねえ?
翼、仙台のウメえモンっつったら何よ?」
「1番に挙げるなら牛タンですかね。専門の店も結構ありますよ。
スイーツものの中にも、東北特有のものが色々と。
それよりも、僕は蒼葉山公園にある仙台城跡を先にしたいですね。伊達政宗様の銅像を一度見てからじゃないと、仙台に来たーって感じが…」
「かなりの熱弁だな…親の実家があるだけある。
伊達政宗公の銅像を見に行くのは、俺も賛成だな。」
「わたし、先にお風呂入りたい。車で寝るにしろ、汗ベトベトじゃヤダ。」
「やれやれ…見事に意見がバラバラだな…」
「え、えーっと…どうしよう?」
「全部行くぞ。」
「いや、流石に順番とか…」
「こういう時こそ、私の出番だな。
車中泊可の駐車場、牛タン屋、伊達政宗に風呂屋…
任せておけ。全部含めた最適経路出してやる。」
「ソフィアって、そんなこともできるんだね。」
「特別なことはしてない。検索して適当に並べてみるだけだ。
まずは蒼葉山公園の駐車場に車を停めて、伊達政宗騎馬像を……
あれ?
………」
「ん、ソフィア大丈夫?」
「…匂いがする。この街に、ジェイルがありそうだ。」
「おいマジかよ…つか、そういう感じで見つかるもんなのな。」
「確かなのか、ソフィア?」
「多分。
距離があるせいかハッキリしないが、渋谷と同じような匂いがする。」
「どちらにせよ、仙台に寄るべきだな。」
「わかったわ。もう少しで着くと思うから。」
◇
-仙台・蒼葉山公園-
「…でソフィア、ジェイルの匂いはするの?」
「…間違いない。この街にジェイルがある。」
「…本当にあったんだね。渋谷以外の街にジェイルが。」
「ジェイルがあるなら、この街でも何か事件が起きてるはずだ。」
「そうね、まずは調べましょう。」
「でもなー、調べるっていってももどーする? 仙台の街は広そうだぞ…」
「観光名所とかどう?
人が集まるところなら、噂も入ってきそう。」
「それなら、尚更銅像に行かないとな…」
「銅像とか別に明日でよくね? メシいこうぜ、メシ。」
「何言ってるんですか!銅像が明日まである保証なんてないでしょう!?」
「そうだ。
旅の出会いは一期一会……見ると決めたなら、今見ておくべきだ。」
「出た、翼アンドおイナリの謎理論…」
「そういえばマコちゃん。車中泊の許可って、無事に取れた?」
「ええ、さっき電話で確認したわ。寝泊まりする場所に感じではひとまず安心。
それにここは観光客も多そうだから、ある程度話を聞くこともできそうね。」
「銅像、行ってみる? ここから歩いて近いんだよね?」
「近いぞ。すぐそこだ。」
「よし、先行ってきます。」
何度も来たから場所は覚えている。
駆け足で銅像へと向かった。
◇
銅像の目の前。夜なのか人はいないのだが…
「……翼、何してんだ?」
「何って……」
土下座である。
「ははーっ!」
「そこまでやんのかよっ!」
「ふむ、やはり敬意を示すならば土下座か。俺もやっておこう。」
「おイナリもか!」
「この伝わってくる『独眼竜』の威厳…!平伏せざるを得ない…!」
「確かにかっこいな。」
「解ってもらえて何よりですよ。」
とりあえず平伏の姿勢から元に戻す。
昼間にも向かいたいとか、そういうのを思った矢先…
「何だアレ…?」
みんなと確認してみると、それは大量のポスター。
「『プリンスオブナイトメア第1巻、20刷目重版出来記念!』…」
「出来ってことは、本の宣伝…?
許可を取ってそうでもないし、誰かのイタズラかしら。」
「不届な輩もいたものだ。己の利益のためにこんな張り紙をするとは…」
「とにかく剥がしておくが吉、ですね。」
◇
ちょっと苦労したが、なんとか剥がし終わる。
「これでいいわね。」
「んで、翼と祐介は満足したかよ?」
「ああ、おかげで政宗公に挨拶できた。」
「左に同じく。
時間取らせちゃいましたし、次行きましょうか。」
「んじゃ、1ヶ所クリアーだな。
お次は牛タンディナーにれっつらごーだ。」
「ニャフフ…本場の味、グルメなワガハイを唸らせてくれるかな?」
「あ、すまん。猫の入店は厳しいかもしれない。」
「なんとっ!?」
「あっちゃー…」
◇
仙台市内の牛タン屋。
「おおおお!? んだこれ!?
肉、厚っ! 柔らけっ! ウマっ!」
「ちょっ…竜司! こっち飛んでる!」
「美味い……やっぱ仙台だよここ…!」
「翼くん、何言ってるの…?」
「嗚呼……」
「あはは…祐介泣いてんだけど。」
「普段ちゃんと食べてるのかしら…でも、本当に美味しいわね。」
「なあ、ワガハイにも一口くれ!」
「うるせー猫だな。蓮から分けてもらえよ。」
「後でな、モルガナ。」
「だってよ。
残念だったな、ニオイだけで我慢しとけー。」
「ケチケチすんな!
ワガハイだって腹減ってんだぞ!」
「バカ、でけえ声出すな!」
「…猫の…声…?」
「やべ…」
視界の端にいた白衣を着ている人。
おもむろに立ち上がり、こっちに向かってくる。
「…気のせいかな? キミのところから猫の鳴き声が…」
「い、いえ、違くって…ちょっと猫の声真似をしてただけで!
ほら竜司!」
「ニャ、ニャー…」
「練習中なんです。」
「いやキミ、さすがにそれは無理があるよ…
思うに、メガネの彼のカバンの中かな? いやぁ優しいね、分けてあげてるのかい?
猫ちゃん共々、是非このお店の極上の牛タンを味わってくれたまえ!」
「ちょっ、声大きいですよ!」
「おっと、ごめんごめん。バレたら味わうどころか叩き出されちゃうね。
ところでキミたち、仙台の牛タンは初めてかな?つけ合わせにはーー」
「テールスープが鉄板。コラーゲン豊富で美肌効果を求めて飲む人も多い。
一般的に経口摂取は効果が薄いとされているけど、効果があったと言う人も少なくはない。」
「そう!
人間の認識は曖昧なものでね、思い込みの力…いわゆるプラセボ効果だね、これが美肌効果を…」
「へぇ…なるほど…」
「お、おい…なんか話止まんねえんだけど…」
「…ウチらのこと見えてる?」
「この一方的な情報の圧力…古典的オタのニオイを感じる…
話についてこれてる翼も大概だな…」
「えーっと、カバンの中身はスンマセンっつーか…」
「え? 何が? あー猫の話?大丈夫だよ、お店の人に言ったりしないから。
ところでキミたちは学生かい?」
「高校生です。」
「なるほど!じゃあ次は大学受験が待ち受けてるのかな!大学は決めたのかい?
って、自己紹介がまだだった。私は
ね、よかったらうちの大学に遊びに来てみない?
山奥だけど楽しいよー、この季節は熊も出るし。」
「く、クマ…?」
「いや、僕たち他にも所用がありまして…
時間があまりないんです、すいません。」
「そうかそうか、若いときは何でもやんなさい。
では銀髪の少年よ、再会を祈って飴ちゃんをやろう。」
「あ、ありがとうございます…」
「それじゃ、牛タンも堪能し終えたことだし、私はこのあたりで。
さらばだ、若人たち! 少年とはまた牛タン語りでもしようではないか!」
その人…一ノ瀬さんは普通に店外に向かっていった。
「…ちょ、ちょっと変わったテンションの人だったね?」
「とにかく、騒ぎにならなくてよかったわ。
あの人に感謝しないと。」
「すまん、ワガハイとしたことが…」
「いや、俺も調子乗りすぎたわ…」
「ごめんねモナちゃん。後で笹カマ買ってあげるから。」
「あの焼き目ついてるヤツか! 楽しみにしてるぞ!」
「さあ、食べましょうか。今度は静かに味わうように。」
「うーっす…」
他の客の会話を聞き流しながらも食べていく。
何やら熱く語ってる人がいたが、気にしないでおこう。
◇
心ゆくまで牛タンを堪能し、店外へ。
「ふー、食った食った…」
「まさかの麦飯5杯おかわりだと…胃袋どーなってんだ。」
「いや、おかわり無料って聞いたらフツーいくだろ。」
「ああ。まず並んだ肉の艶を眺め1杯、香りで2杯はカタい。」
「それは祐介さんだけなのでは…」
「でも、本当に美味しいお店だったね!」
「ソフィア、グッジョブ!」
「朝飯前ってやつだ。」
「こりゃ店選びはソフィア担当で決まりだな!
…って…何だアレ?」
竜司さんが言った方向には人だかりがあった。
それも、1人の人を中心にできている。
「…なんだあいつ?」
「すごい人気ね。新刊って言うからには作家さんかしら?」
と、渦の中心にいた男がこちらへ。
どうやら気づいたらしい。
「やあ、君たちもサインが欲しいのかい? それとも握手?」
「え? その…」
「ハァ…君たちのように可憐なファンを待たせてしまうなんて、僕は最低な男だよ…
これ、お詫びに受け取ってくれかいかな?
大丈夫、ちゃんとサインは書いてあるから。」
何かを懐から取り出す夏芽先生と言われた人。
遠目に見たところ、本のようだ。
「は、はぁ…」
「いえ、あの…私たち通りかかっただけで…」
「おや、そうだったのか。これはとんだ早とちりだったかな。」
「『プリンスオブナイトメア』…作者は…
「そう、僕がその夏目安吾さ。よろしくね。」
「『プリンスオブナイトメア』って…政宗像の張り紙にあった…」
「政宗像に張り紙だって?
ああ、もしかすると…また僕の熱烈なファンの仕業かな。
作品を宣伝してくれるのは嬉しいが…少々過熱気味なところがあってね。
まったく、困ったものだよ。
どうかこの僕に免じて許してくれ。その代わりにお詫びのキスを…」
「…おい、その辺にしとけよ。困ってるだろうが。」
「いい加減にするんだ。」
「…何だい、君たち。
僕が声をかけたのはこの魅力的な女性たちだ。君たちは黙っていてくれないか。」
「わりーけど俺らのツレなんだよ。用なら俺が聞くけどな?」
「フン…この俺にそんな口を利いて、ただで済むと思ってるのか?」
「やってみるんだな。」
「へえ、いい度胸じゃないか…!」
「夏芽先生。そろそろ移動しなくては。」
「…チッ。
それじゃあ、僕は行くよ。これから雑誌のインタビューがあるからね。
僕の本を読んでくれるすべての読者に、心からの感謝と愛を。」
黒服と共に、彼は去っていった。
「…なんだ、あの男は。」
「センセーだか何だか知らねーが、ムカつくヤローだな。」
「変なヤツだったな。だが周りの人は大喜びしてた。なんでだ?」
「そりゃあ、周りがおかしいからでしょうよ。」
「同意見だな。お世辞にも褒められた人間とは思えん。」
「春、大丈夫だった?」
「うん…ちょっとビックリしただけ。」
「なんであんなヤツが人気なんだろ。全っ然わかんない!」
「…何か裏があるのかもしれねえな。
例えば、『改心』を使ってる…とかな。」
「まさか…仙台の王!?」
「ただの可能性の話だけどな。」
「いや、ありえるんじゃねーか?
アイツが王ならいろいろ納得だぜ!」
「まずは情報収集からだな。」
「よし、車に戻ればPCがある。いろいろ調べられると思うぞ。」
「それじゃ、キャンピングカーで作戦会議ですね!」
To Be Continued…
紹介動画ラストに出せるくらいにはっちゃけさせました
P5Sをやったからか作者は牛タンが食べたくなったり…
京都編の鉄拳制裁イベント、オリ主くんは…(双葉とは付き合ってるものとする)
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