Persona 5 Scramble -Eleventh Member-   作:週末ラテ少年

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冬休みが…終わる…
ちなみに今回は短めです



#15 Painter and Writer

『皆様、本日はパーティーにお集まりいただきありがとうございます。

私からのささやかなお返しと言ってはなんですが、今日はぜひお楽しみください。』

 

 

 長谷川警部補の手引きでパーティー会場に到着。

 スーツを着た人、テレビ局の人とたくさんいるが、遠目で見ていただけあって怪しまれてはいない。

 夏芽(ターゲット)の一言で始まったコレだが、今は彼の編集者らと話していた。

 話はこちらにも聞こえているが、編集者は「本の売り上げは夏芽先生の実力」と褒めている。夏芽はそれはどうだかと受け流した。話題性さえあれば良い、と語る。

 

 

「本物、本質……結局、誰もそんなものには興味がない。ほら、前もあったじゃないですか。斑目一流斎の謝罪事件。

あの人の代表作…なんていったかな。」

 

 

「『サユリ』…でしたかね。」

 

 

「そうそう、『サユリ』。

あれも()()()()などと持て囃されたが、私に言わせれば、今や()()()()だ。」

 

 

 『サユリ』。僕もその絵は知っている。

 ルブランに今も飾られている絵だが、本当は、今亡き祐介さんの母親が描いたものらしい。この作品に込められた想いについて、熱く語っていたのをよく覚えている。

 それをゴミ扱い。話題性に関係なく「美の極地」と言えるそれを、よく軽く言えるものだ。

 傲慢さが見えるその発言を、祐介さんは静かに受け止めているようだった。

 

 

「ユースケ、気持ちはわかるが今は…」

 

 

「…大丈夫だ。

頼みがある。ここは俺に任せてくれないか。必ず奴からキーワードを聞き出してみせる。」

 

 

「でもよ…」

 

 

「皆は、先日の件で奴に顔を覚えられているかも知れん。

その点、俺は後ろに控えていたからな。気づかれる可能性は低いだろう。」

 

 

「確かに、ここはユースケが適任かもな。」

 

 

「頑張ってね!」

 

 

「頼んだ。」

 

 

「…ああ。では、行ってくる。」

 

 

 夏芽らに向かう祐介さん。「私、夏芽先生の大ファンでして…」と切り出した様子から、夏芽のファンを装って接近しているようだ。

 

 

「失礼とは存じますが、よろしければサインをいただけないかと…」

 

 

「おいおい…

先生は忙しいんだ、後にしなさい。」

 

 

「あはは、いいじゃありませんか。サインの1つくらい。」

 

 

「ああ、本当ですか? 寛大なお心遣いに、感謝いたします。」

 

 

 祐介さんがポケットから出したものに、夏芽はサラサラと書き込んでいった。

 

 

「まさか夏芽先生にサインをいただけるとは。身に余る光栄です。」

 

 

「いやいや、気にしなくていいよ。物語を読んでくれる人がいるからこそ、僕たち作家は本を書き続けられるんだ。」

 

 

「…なるほど。とても素晴らしい考え方です。

ああ、そうだ。先生はEMMAをお使いでしょうか?」

 

 

「もちろん。あれはとても便利なものだからね。」

 

 

「よければ、トモダチになって頂けませんか? 尊敬する先生をより身近に感じたく…」

 

 

「フフ、構わないよ。僕は読者のみんなを大切にしたいからね。

キーワードは、『プリンスオブナイトメア』だ。」

 

 

「ありがとうございます。後で申請を送らせていただきます。それと、もう一つ…

先生方は、先ほど『サユリ』のお話をされていましたね?

『サユリ』は()()()()()()()()()()()()()()()と。」

 

 

「ああ、聞こえてたのか。そこまで言ったかな? しかし、君もそう思わないか?

あの絵は結局、斑目一流斎という名前にしか価値のなかった、見てくれだけの…」

 

 

「あれは、私の母が描いたものです。」

 

 

「……!?」

 

 

「ですので、少々大人げないことを言わせていただきますが…」

 

 

 そして祐介さんの雰囲気が一変。

 腕を組み、睨むようにして夏芽を見ていた。

 

 

「『サユリ』は、俺の母が命を賭して描いた最後の作品だ。あの絵には、唯一の愛が込められている。他人の作品を剽窃して作り上げられた貴様のハリボテと、一緒にするな…!

 

 

「なっ…!」

 

 

「きっ、君ぃっ!」

 

 

「俺は事実を言ったまでだ。

…では、失礼いたします。」

 

 

 それの通り、祐介さんはこちらに戻ってきた。

 

 

「目的は果たした。一度、外に出よう。」

 

 

 夏芽からヘイトを買ったからには仕方ない。

 言われるがまま、会場の外へと向かった。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 会場を去ると、すぐに祐介さんが一言。

 

 

「すまない、最後は自分を抑えられなかった。俺もまだ甘いな…」

 

 

「いやいや、結果オーライだろ。キーワードさえわかりゃ問題ねえ。」

 

 

「右に同じく。

というか、よくぞ言ったって感じです。」

 

 

「…俺が奴の作品から感じたことが、すべて正しいとは言いがたい。絵画にしろ書籍にしろ、作品に対して抱く感情は、あくまでも個人の主観に過ぎないからな。」

 

 

「いーや、少なくともわたしらは、おイナリのおかげでだいぶせーせーしたぞ。」

 

 

「とにかく、これでキーワードは手に入った。あとはどこから侵入するかだな。」

 

 

 と、スマホが鳴った。ちょうど、何か言いたげなソフィアがいる。

 

 

「入るなら仙台駅がいい。」

 

 

「え、どうして?」

 

 

「匂いが薄い。たぶん警戒が緩い場所だ。

渋谷の時みたいに安全に出入りできると思う。」

 

 

「…ってことは、いよいよだね。」

 

 

「ああ、これで準備は整った。明日からジェイルの攻略を始めるぜ!」

 

 

「おー!」

 

 

 明日に備えてキャンピングカーへ。

 そうしようとしたら、ソフィアがスマホを鳴らしてきた。

 

 

「なあ、翼。また聞きたいことがある。

さっき祐介は平静を装っていたが…哀しそうな声をしていた。何故だ?」

 

 

「んー…やっぱり、大事な親の作品だからね。侮辱されたからとか?」

 

 

「なるほど…人は大事なモノを蔑ろにされた時、怒るよりも哀しくなるのか。」

 

 

「まぁ、そこは人それぞれだと思う。怒りと同じだね。」

 

 

「少なくとも、祐介はそう感じたんだな。

…なんだか、祐介のことが少しだけわかった気がする。教えてくれてありがとう、翼。」

 

 

「それはどうも。ほら、早く行くよ!」

 

 

 ちなみに、耳栓を買ったからか今日の眠りはいくらかマシだった。

 

 

 

 ●■●■

 

 

 

-8月2日(水)-

「…ねっむ。」

 

 

「しゃんとしろリュージ! いよいよジェイルなんだぜ。」

 

 

「わーってるって。ちょっと興奮して寝付けなくてよ。」

 

 

「遠足前夜か!」

 

 

「ちなみに、中の広さはどれくらいなのかな、ソフィア。」

 

 

「匂いの感じから言って…たぶん仙台市街をすっぽりと覆ってる。」

 

 

「かなり大きいね…」

 

 

「仙台で起きている事を考えれば、そのくらいの規模であることは頷ける。

だがそれも、ここまでだ。」

 

 

「仕事の時間だな。」

 

 

「ああ。仙台ジェイル、攻略開始だ!」

 

 

 

 

 ◇■◇■

 

 

 

 

 準備を済ませていざジェイル。

 ジェイルと化した仙台駅の上から見えた景色の一部は、どことなくファンタジーさが見られる。

 

 

「アレだな…」

 

 

「さしずめ、魔王の城というところか…」

 

 

 モナが指した先には、鳥かごが冠している建造物。フォックスもそう溢していた。

 

 

「ジェイルに入れたわね。王は夏芽安吾で確定よ。」

 

 

「じゃあ、やっぱりアイツの人気はインチキなんじゃん。」

 

 

「人を洗脳して自分のファンにするなんて、虚しくないのかな…」

 

 

「キザ野郎の考えそうなことだぜ。とにかく、俺らが何とかしないとな。」

 

 

「向こうに大きな建物が見える。あれが夏芽安吾の王城か?」

 

 

「おそらくな。

オタカラ…いや、ネガイらしき匂いがする。」

 

 

「あっちは…蒼葉山方面か。正面の大通りから行けそうだぞ。」

 

 

「蒼葉山…仙台城跡にあるからして、大名気取りっぽいですね。」

 

 

「行こう。人々のネガイを取り戻し、夏芽安吾の虚飾を暴く!」

 

 

To Be Continued…




ふと、東京に旅行したら三茶に行きたいなと思った
by田舎民の作者

京都編の鉄拳制裁イベント、オリ主くんは…(双葉とは付き合ってるものとする)

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