Persona 5 Scramble -Eleventh Member- 作:週末ラテ少年
冬休みが…終わる…
ちなみに今回は短めです
『皆様、本日はパーティーにお集まりいただきありがとうございます。
私からのささやかなお返しと言ってはなんですが、今日はぜひお楽しみください。』
長谷川警部補の手引きでパーティー会場に到着。
スーツを着た人、テレビ局の人とたくさんいるが、遠目で見ていただけあって怪しまれてはいない。
話はこちらにも聞こえているが、編集者は「本の売り上げは夏芽先生の実力」と褒めている。夏芽はそれはどうだかと受け流した。話題性さえあれば良い、と語る。
「本物、本質……結局、誰もそんなものには興味がない。ほら、前もあったじゃないですか。斑目一流斎の謝罪事件。
あの人の代表作…なんていったかな。」
「『サユリ』…でしたかね。」
「そうそう、『サユリ』。
あれも
『サユリ』。僕もその絵は知っている。
ルブランに今も飾られている絵だが、本当は、今亡き祐介さんの母親が描いたものらしい。この作品に込められた想いについて、熱く語っていたのをよく覚えている。
それをゴミ扱い。話題性に関係なく「美の極地」と言えるそれを、よく軽く言えるものだ。
傲慢さが見えるその発言を、祐介さんは静かに受け止めているようだった。
「ユースケ、気持ちはわかるが今は…」
「…大丈夫だ。
頼みがある。ここは俺に任せてくれないか。必ず奴からキーワードを聞き出してみせる。」
「でもよ…」
「皆は、先日の件で奴に顔を覚えられているかも知れん。
その点、俺は後ろに控えていたからな。気づかれる可能性は低いだろう。」
「確かに、ここはユースケが適任かもな。」
「頑張ってね!」
「頼んだ。」
「…ああ。では、行ってくる。」
夏芽らに向かう祐介さん。「私、夏芽先生の大ファンでして…」と切り出した様子から、夏芽のファンを装って接近しているようだ。
「失礼とは存じますが、よろしければサインをいただけないかと…」
「おいおい…
先生は忙しいんだ、後にしなさい。」
「あはは、いいじゃありませんか。サインの1つくらい。」
「ああ、本当ですか? 寛大なお心遣いに、感謝いたします。」
祐介さんがポケットから出したものに、夏芽はサラサラと書き込んでいった。
「まさか夏芽先生にサインをいただけるとは。身に余る光栄です。」
「いやいや、気にしなくていいよ。物語を読んでくれる人がいるからこそ、僕たち作家は本を書き続けられるんだ。」
「…なるほど。とても素晴らしい考え方です。
ああ、そうだ。先生はEMMAをお使いでしょうか?」
「もちろん。あれはとても便利なものだからね。」
「よければ、トモダチになって頂けませんか? 尊敬する先生をより身近に感じたく…」
「フフ、構わないよ。僕は読者のみんなを大切にしたいからね。
キーワードは、『プリンスオブナイトメア』だ。」
「ありがとうございます。後で申請を送らせていただきます。それと、もう一つ…
先生方は、先ほど『サユリ』のお話をされていましたね?
『サユリ』は
「ああ、聞こえてたのか。そこまで言ったかな? しかし、君もそう思わないか?
あの絵は結局、斑目一流斎という名前にしか価値のなかった、見てくれだけの…」
「あれは、私の母が描いたものです。」
「……!?」
「ですので、少々大人げないことを言わせていただきますが…」
そして祐介さんの雰囲気が一変。
腕を組み、睨むようにして夏芽を見ていた。
「『サユリ』は、俺の母が命を賭して描いた最後の作品だ。あの絵には、唯一の愛が込められている。他人の作品を剽窃して作り上げられた貴様のハリボテと、一緒にするな…!」
「なっ…!」
「きっ、君ぃっ!」
「俺は事実を言ったまでだ。
…では、失礼いたします。」
それの通り、祐介さんはこちらに戻ってきた。
「目的は果たした。一度、外に出よう。」
夏芽からヘイトを買ったからには仕方ない。
言われるがまま、会場の外へと向かった。
◇
会場を去ると、すぐに祐介さんが一言。
「すまない、最後は自分を抑えられなかった。俺もまだ甘いな…」
「いやいや、結果オーライだろ。キーワードさえわかりゃ問題ねえ。」
「右に同じく。
というか、よくぞ言ったって感じです。」
「…俺が奴の作品から感じたことが、すべて正しいとは言いがたい。絵画にしろ書籍にしろ、作品に対して抱く感情は、あくまでも個人の主観に過ぎないからな。」
「いーや、少なくともわたしらは、おイナリのおかげでだいぶせーせーしたぞ。」
「とにかく、これでキーワードは手に入った。あとはどこから侵入するかだな。」
と、スマホが鳴った。ちょうど、何か言いたげなソフィアがいる。
「入るなら仙台駅がいい。」
「え、どうして?」
「匂いが薄い。たぶん警戒が緩い場所だ。
渋谷の時みたいに安全に出入りできると思う。」
「…ってことは、いよいよだね。」
「ああ、これで準備は整った。明日からジェイルの攻略を始めるぜ!」
「おー!」
明日に備えてキャンピングカーへ。
そうしようとしたら、ソフィアがスマホを鳴らしてきた。
「なあ、翼。また聞きたいことがある。
さっき祐介は平静を装っていたが…哀しそうな声をしていた。何故だ?」
「んー…やっぱり、大事な親の作品だからね。侮辱されたからとか?」
「なるほど…人は大事なモノを蔑ろにされた時、怒るよりも哀しくなるのか。」
「まぁ、そこは人それぞれだと思う。怒りと同じだね。」
「少なくとも、祐介はそう感じたんだな。
…なんだか、祐介のことが少しだけわかった気がする。教えてくれてありがとう、翼。」
「それはどうも。ほら、早く行くよ!」
ちなみに、耳栓を買ったからか今日の眠りはいくらかマシだった。
●■●■
-8月2日(水)-
「…ねっむ。」
「しゃんとしろリュージ! いよいよジェイルなんだぜ。」
「わーってるって。ちょっと興奮して寝付けなくてよ。」
「遠足前夜か!」
「ちなみに、中の広さはどれくらいなのかな、ソフィア。」
「匂いの感じから言って…たぶん仙台市街をすっぽりと覆ってる。」
「かなり大きいね…」
「仙台で起きている事を考えれば、そのくらいの規模であることは頷ける。
だがそれも、ここまでだ。」
「仕事の時間だな。」
「ああ。仙台ジェイル、攻略開始だ!」
◇■◇■
準備を済ませていざジェイル。
ジェイルと化した仙台駅の上から見えた景色の一部は、どことなくファンタジーさが見られる。
「アレだな…」
「さしずめ、魔王の城というところか…」
モナが指した先には、鳥かごが冠している建造物。フォックスもそう溢していた。
「ジェイルに入れたわね。王は夏芽安吾で確定よ。」
「じゃあ、やっぱりアイツの人気はインチキなんじゃん。」
「人を洗脳して自分のファンにするなんて、虚しくないのかな…」
「キザ野郎の考えそうなことだぜ。とにかく、俺らが何とかしないとな。」
「向こうに大きな建物が見える。あれが夏芽安吾の王城か?」
「おそらくな。
オタカラ…いや、ネガイらしき匂いがする。」
「あっちは…蒼葉山方面か。正面の大通りから行けそうだぞ。」
「蒼葉山…仙台城跡にあるからして、大名気取りっぽいですね。」
「行こう。人々のネガイを取り戻し、夏芽安吾の虚飾を暴く!」
To Be Continued…
ふと、東京に旅行したら三茶に行きたいなと思った
by田舎民の作者
京都編の鉄拳制裁イベント、オリ主くんは…(双葉とは付き合ってるものとする)
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