Persona 5 Scramble -Eleventh Member- 作:週末ラテ少年
オリジナル要素強めですぞ
あとP3P、P4Gのリマスター版発売ですね!作者もそのうち買いたい
「そういや俺ら、ここだと勇者ご一行サマなんだよな。
誰がどの職業とか決めてみねえ? 戦士とか、僧侶とか!」
「ジョーカーが勇者、クイーンは武闘家、モナが魔法使いってとこだな。」
「んじゃ俺は?」
「スカルは遊び人って感じですかねー、何となく。」
「何でだよっ!」
「…てか、忍者って何なんだ?」
「んー…
「おー…なるほど、理解した。」
「私の職業は…会社役員になるのかな?」
「…それなんか違う。」
◇
現在仙台ジェイル。
フォックスによると、ここは「プリンスオブナイトメア」の世界を元にしているらしい。
その小説だが、内容がテンプレそのもの。四天王がいるのに王城に入るための『証』とやらは三つ必要だし、最初に倒した四天王が「我は四天王の中でも最弱…」とか言ってたし。
一言で言うと「駄作」であり、よく賞を取れたと思えた。
『ぐふぉ…ワシもここまでか…冥土の土産にイイものを見れたわい…』
「勝手に土産にすんな!」
「セクハラじじいは成敗した。あとは『証』を手に入れるだけだな!」
そしてこれで四人目の四天王を討伐。パンサーに色目を使ってた変態だったが、何とかなった。
そして牢獄塔のてっぺんで手に入れたコアもとい『証』は万年筆。龍が飾られていて、とても派手だ。
「よし、これで3つの『証』は揃ったな。」
「…最後は万年筆か。作家らしいといえばらしいが…」
「これで、魔王城の門が開くんだよな?」
「小説通りなら、そうなりますね。」
「いよいよ魔王城に突入だ。」
「…ったく、苦労させやがって。待ってろよ、キザ野郎。」
「…ちょっと待って。」
と、クイーンが口を挟んだ。
「突入前に、いったん現実に戻らない?
敵の本拠地に乗り込むなら、万全の準備をしておきたいわ。」
「賛成……。さっきの敵なんか疲れた、いろんな意味で。」
「あはは…パンサーお疲れ様。」
「フム…ここで仕切り直すのもアリか。どうする、ジョーカー?」
「賛成だな。腹も減ったところだ。」
「大仕事の前には休養と準備。これ、怪盗の鉄則な。」
「いつからそんなものが…まぁ、僕も賛成ですけど。」
「決まりね。それじゃあ、帰還しましょう。」
■◇■◇
夕ごはんも済ませ、蒼葉山公園。
アジトことキャンピングカーで双葉と休憩中だ。
「翼、双葉。ちょっといいか?」
ソファーでゴロゴロしてたら突然のソフィア。
「どうしたー?」
「何となくだが…渋谷に戻れそうな気がするんだ。」
「え?」
「ジェイルの方だ。何となく、『入れそう』って気がしてな。」
「へー…なら、キーワードを入れれば行けるのかな?」
「おそらくな。」
「なら、今から行くか!」
「え、今いるの三人だけだよ、双葉!?」
「入口くらいなら大丈夫だろ。」
「まぁ、それもそっか…」
すぐにEMMAを起動。『ワンダーランド』と言うと……
『キーワードが入力されました。ナビゲーションを開始します。』
「おお、ホントに行けた!」
◇■◇■
ジェイルに入る時の空間を揺らぎを過ぎると、足元には工事現場の足場が。そして顔を上げた先には鳥かごのない705。どうやら、本当に渋谷ジェイルに来たらしい。
「スゲー…でもどうやったらできるんだ…」
と、横から声が。双葉ことナビ、それとソフィーもいる。
「私でも理解し難い。でも、仙台ジェイルには同じ感じはしなかったから、たぶん王がいなくなったことが関係してる。」
「んー…裏口機能みたいなもの、ってことかな?」
「そんなところだな。」
「それ以前に、主がいなくても存在してる異世界自体が初めてだからなー…
わたしたちが持ってるパレスの知識を当てはめ続けるのも、限界があるかも。」
「なら、前提知識自体がないのかな。
それなら、パレスとかを知らない僕やソフィーが有利になったり…?」
「そうはならんやろ!」
「なっとるやろがい!」
「とにかく現実に戻ろう。戻ってどこに飛ぶかが気になる。」
「あー、確かに。…てか、渋谷に飛んじゃったら不味くない?」
「そうじろうがどうにかするだろ!知らんけど!」
「えぇ…」
■◇■◇
戻ってきた先、視界に映ったのはーー
キャンピングカー。
「仙台に戻ってきたっぽいな…」
「渋谷じゃなくてよかった…」
「世の中、そんな都合の良いことはないってことだろーなー。」
双葉がそう溢したが、まぁ、うん。
「今都合の良かったのは仙台に戻ってくる方なんだけどね…」
キャンピングカーの中に入るが、みんなは戻ってきていないらしい。スマホには相変わらずソフィアがいるが。
「うぅ…やっぱ異世界行ったら疲れるなー…」
「今日はもう寝るのか?」
「いや、まだそういう気分じゃ…」
「ほう…良いスイーツを知ってるけど、それでも食べる?」
「おお、ナイス情報!」
「なら今から行こっか。ここからも近いし!」
「案内要るか?」
「大丈夫だよー。」
そうしてその店に来たわけだけど…
「なん……だと……!?」
まさかの閉店。思わず背中からドサァと倒れこんでしまった。
「し、しっかりしろ! おい、おい!」*1
●■●■
-8月3日(木)-
渋谷ジェイルに戻れるのをシェアした後に迎えた翌日。
今は、王城突入前の準備時間だ。
「昨日はごめん…。開店時間確認してなかった…」
「そんな気に病むのか!?」
「いや、うん…なる。」
「別に、今買えば良くないか?
王城に行く前だし、そういう意味でやる気?をつけれると思うぞ。」
ソフィアはそう言う。なら今行くか…
「よし、王城に行く前だし、しっかりエネルギーつけてから行くよ!」
「よーし、いざ行かん!」
で、昨日向かった店に到着。今度は開店しているな。
確か…店主さんに言えばいい筈。そうして気難しい感じの人に話しかける。
「すみません。『至高のずんだパフェ』を一つ。」
「…合言葉をどうぞ。」
「…ズンダシロウ。」
そう言うと、店主さんの顔が穏やかになった気がした。
「…すばらしい。淀みなく言うその言葉、長年の品種改良の末に生まれたあの枝豆を知っている、と。そしてよく見ればその眼…この仙台への愛が見える。そして、後ろにいるお嬢さんのためという慈愛も。
いいでしょう。カウンターにてお買い求めください。」
そしてカウンターに連絡する店主さん。代金を払って受け取ったのは、とてつもなく豪華なパフェ。
フルーツ、クリーム、そしてずんだ。まさに至高と言えるだろう。
「す、スゲー…これが昨日、翼が言ってたヤツか…」
「これが『至高のずんだパフェ』…。うまそうだ。」
パフェを見て驚きの声を出す双葉のソフィアを横目にキャンピングカーの中へ。
そして双葉と半分にして食べることに。
「おお、ウマッ!」
「いやー…いつ食っても美味い…」
「てか、よくこんな美味いパフェがあるって知ってたな!」
「何年か前、お爺ちゃんが教えてくれたんだよね。『合言葉を言わないと買えないパフェがある』って。」
「知る人ぞ知るという感じなのか。」
「実際そうだよ。ネットにも出回ってる情報じゃないし。」
「……確かにそうみたいだ。」
「あの店主もエスパーみたいだったよな!翼の考え読んでたし。」
「仙台への愛ってのはまぁ…自分でも自覚してるよ?」
「わたしのためってのもだろ?」
「え? …まぁ、うん…」
「……ヤベ、言ってるわたしも恥ずい…」
「…?」
双葉から目を逸らしているが、恐らく二人揃って顔赤くしている…よな、これ。
その後は食べるどころじゃなかったというわけではないが、食べるペースは目に見えて遅くなった。…が、溶けきるまえに何とかなった。
とにかく、これでエネルギー補給完了。王城に突入する準備を本格的にやっておこう。
To Be Continued…
リクエスト?
この世界線にはありませんよ(圧)
京都編の鉄拳制裁イベント、オリ主くんは…(双葉とは付き合ってるものとする)
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回避する
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回避しない