Persona 5 Scramble -Eleventh Member-   作:週末ラテ少年

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しばらく投稿してなくて申し訳ない…



#17 Fixed

 準備完了、いざジェイル。

 見えた光景にあの日の渋谷ジェイルのような異様すぎる雰囲気は感じられなかった。まぁ、あの時が特殊だっただけか。元々僕たちは怪盗なんだし。

 

 

「『証』はすべて手に入れた。今なら王城に潜入できるはずだ。」

 

「目指すは王城だ。行くぜオマエら!」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 魔王の腹心を打ち倒し、王城を駆け上がる。そして問題なく鳥かごのもとへと着いた。

 渋谷ジェイルと違い、内側には建物があった。

 

 

「この鳥かご…渋谷の時と同じね。」

 

「で、夏芽のヤローがこん中でふんぞり返ってやがんのか?」

 

「早速ご対面といきたいところだが…。ソフィー、どうだ?」

 

 

 話を振られたソフィーだが、当の彼女は上を指さしている。

 

 

「また鍵がかかってるな。誰かが触れて、心の声を聞き出す必要がある。」

 

 

 ソフィーの言う通り、そこには錠前が。龍の模様が金色であしらわれている。

 

 

「よし、じゃあシノビ頼んだ!」

 

「え、何で僕!?」

 

「あんな痛そうなのソフィーにやらせるわけないだろ…

それにまぁ、頑丈そうだし。」

 

「いやいや…」

 

 

 ちなみに実際そうではない。異世界での身体能力も忍者に寄せているのか、速度が高い代わりに紙耐久なのだ。

 

 

「一度感電済みだしな。」

 

 

 そう言って適任だと頷いているフォックス。ジョーカーは僕がやる前提で心配してくれていて、完全に僕がやるムードだ。

 

 

「仕方ないですねー…。これ普通に痛いんですよ?」

 

「私なら大丈夫だぞ?」

 

「いーのいーの。任しといて。」

 

「ありがとう、シノビ。」

 

 

 傍に近づき、改めて鳥かごを見上げる。なんだか()のように見えたそれに手をかざし――

 

 

 

 

 バチリと電流が流れるような感覚がした。

 

 

まったく、たいした実力もない若造が…

 

まあまあ、これも我々のためですから…

 

 

「…やはり、何か聞こえてくるな。」

 

「この声に関することが、夏芽安吾の心の傷ということ…?」

 

「たぶん。この会話の内容からトラウマを負った場所を特定すればいい。」

 

「アリスにとっての秀尽学園みたいな場所ってことね。」

 

「…とにかく、もう少し聞いてみよう。何か手がかりがあるはずだ。」

 

 

 みんなの声を聴きながらも、改めて聞こえてくる声に耳を傾ける。

 

 

…編集長、もう少し声を抑えてください。

もう戻ってくる頃ですから。

 

だがね、愚痴の一つも言いたくなるよ。

あの()()を読まされる身にもなってくれ。

 

熱意はありますけど、それだけじゃねえ。

才能は遺伝しなかったようですね。

…ああすいません、ガトーレコーヒーをもう一杯。

 

はい、かしこまりました。

 

まぁ、せっかく捕まえた金の()る木だ。

逃がす手はないからな。

 

編集長も人が悪い…

 

 

………どういう、ことだ…

 

 

 そこで声は聞こえなくなった。痛みだけが残るので、すぐに手を放す。

 

 

「いってて…やっぱ痛かった…」

 

「だが、お陰でかなり声は聞けた。」

 

「話はよくわかんねーけど、場所は喫茶店か…?」

 

「ああ、『ガトーレコーヒー』と聞こえた。」

 

「ガトーレって、チェーンのカフェだよね。

でも、仙台駅の周りではあまり見かけなかったかも。」

 

「こっちじゃ数が限られてるなら、探し回る手間が省けそうだな。」

 

「とにかくこれで、トラウマ部屋のヒントもゲットだ。」

 

「それじゃ、現実でその店を探しますか。」

 

 

 

 ■◇■◇

 

 

 

 軽く休憩を挟み、改めて仙台駅前に集合。

 

 

「よーし、ガトーレコーヒーの調査を開始する! まずはこの辺に何店舗あるかだー!」

 

 

 双葉が一声上げると、すぐにソフィアが反応した。

 

 

「ガトーレコーヒーだな。仙台駅の付近には一つしかない。」

 

「調べるの早っ。」

 

「ここから少し歩くけど、私が目的地まで案内する。」

 

「ほんとに凄いなソフィア。板についてるというか。」

 

「うう…いつも『ナビ』やってるわたしの立場が……」

 

「まぁまぁ、双葉も十分すごいじゃん。」

 

「翼の言うとおり、適材適所というやつだ。双葉には双葉にしかできないこともある。」

 

「確かに、おイナリみたいな変態キャラは誰もマネできないな。」

 

「誰が変態だっ!」

 

「んじゃ、とりあえずその喫茶店まで行ってみねえ?」

 

「そうだな、出発するぞ。」

 

「OK、任せろ。」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 ソフィアのナビについて行くと、程なくして到着した。

 

 

「…ここね、ガトーレコーヒー。」

 

「コーヒーの香り漂う、普通の喫茶店だな。」

 

 

 言われてみれば、確かそんな香りがする。ルブランに通っていたおかげだろうな。

 

 

「本当にここで合ってるのかな…?」

 

「…キーワードを入れてみるしかねえな。」

 

「ですよねー…」

 

「…じゃあ行ってみよう、トラウマルームへ。」

 

「ト、トラウマルーム…?」

 

 

 杏さんに同感。突然何を言い出したんだ…?

 

 

「たった今わたしが名付けた! トラウマ部屋ってのもなんか言いにくい。」

 

「殆どそのままだな…」

 

「なんでもいいから早く行こうぜ?」

 

「ここに鳥かごを開く『鍵』があるはずだ。キーワードは覚えてるな?」

 

「無論だ。キーワードは、『プリンスオブナイトメア』!」

 

 

 

 

 ◇■◇■

 

 

 

 

 トラウマルームに到着。

 内装は喫茶店のようになっており、恐らくガトーレコーヒーの中だろう。

 

 

「渋谷のときと同じだな。ここにナツメのトラウマが…」

 

「一体、何があった…?」

 

「シッ! あそこ、誰かいる!」

 

 

 クイーンが示した先はカウンター席。そこでは、スーツを着た二人が話しているようだ。

 …あの二人、パーティーで見たような…?

 

 

『本当によかったんですか? あんなクオリティで大賞なんて。

夏芽安吾…毎度応募してきますけど、万年一次落ちのヘボ作者じゃないですか。

中身もテンプレ丸出しの駄作。他の候補の作品とは雲泥の差ですし。』

 

『な、何だって…?』

 

「この声…夏芽安吾か…?」

 

『嘘だ…彼らは僕を評価してたんじゃ…』

 

 

 言葉からして、あの二人は編集者といったところか。

 そして、夏芽の声にも気づかず二人は会話を続ける。

 

 

『いいんだよ。彼はあの文豪・夏芽漱吾の孫だぞ?

売るためには()()()が必要なんだ。どうせ中身なんざ誰も気にしないさ。

本人は、自分の実力で取ったと思い込んでいるようだがな。』

 

『自分の実力もわからないなんて、本当に哀れな男ですな、ははっ。』

 

『違う…僕だって必死に…!』

 

『ま、俺たちに必要なのは数字だけさ。』

 

 

 言いつつも、編集長らしき人は椅子を降り、こちらを向く。

 

 

『せいぜいうまく利用して、甘い汁吸わせてもらうとしよう。』

 

 

それで売れれば、本人も文句ないだろ? ハハハハハハハ!!

 

 

「こいつら…!」

 

「来るぞ!」

 

 

 高笑いと共に、編集長はあの二対の腕を持つ怪物へ。部屋は牢獄へと変化する。

 

 

『才能のない若造が何を書いても――無駄、無駄、無駄なんだよ!』

 

「こいつ、渋谷の時の…!?」

 

「気をつけろ! 前のヤツとは持ってる武器が違うぞ!」

 

 

 マチェットナイフを握り、番人は襲い掛かる。それを目の前にして、戦いを仕掛けに行った。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

「効いてるぞ! あとちょっとだ!」

 

 

 繰り広げられる戦闘も、もうすぐ終わりらしい。

 

 

『駄作でも金のなる木だ。世間が飽きるまでは使ってやるよ!』

 

 

 そして()()姿を消す番人。だが――

 

 

「――見切った!」

 

 

 背後に感じる殺気を感知。振り下ろされる4本のナイフを躱し、呪怨の籠った一撃(エイガ)を叩き込む。

 

 

「ドロンをうまく躱して反撃……。あっ」

 

「だから忍者とは程遠いからね!」

 

 

 ソフィーの察しを軽く受け流しながらも奴を見ると、瀕死なのが目に見えて解った。

 

 

「信念なき刃など無力! そのナマクラ…俺が叩き折ってやる!」

 

 

 ゴエモンを顕現させると、吹きすさぶ冷気によって番人は周りのシャドウもろとも氷漬けになっていく。そしてフォックスは氷塊の中へと一人突貫し――

 

 

 

 

 ――切り捨てる!

 

 

 

 

 一閃。

 

 

『せいぜい甘い汁を吸わせてくれよ、夏芽先生? ヒャハハハハハ!』

 

 

 断末魔のように奴は叫び、番人を撃破したのだった。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 シャドウの気配がなくなると、トラウマルームはカフェの姿へと戻る。

 作戦会議がてら、席の一部を使うことにした。

 

 

「やれやれ、片付いたか。」

 

「これで鳥かごん中に入れるな。さっさと突っ込もうぜ。」

 

「でも、さっきのって…」

 

 

 意気込むスカルとは逆に、パンサーは先程の戦いで発していた番人(編集長)の言葉が気になっているよう。

 

 

「夏芽安吾が大賞を受賞したのは実力ではなく、編集者が祖父の名を利用するためだった。」

 

「…やはり、奴の小説には裏があったようだな。」

 

「でも…本人悪くないんじゃない? 何度も応募して努力してたみたいだし。」

 

「それが実を結んだと思ったらあの言われようだ。プライドはズタズタだったろうな。」

 

「…編集さんたちも酷いよ。実力不足を認めてるのに、話題性だけで受賞させるなんて…」

 

 

 ノワールはそう話し、ジョーカーも肯定している。

 

 

「だが、それが悪事に手を染めていい理由にはならないけどな。」

 

「…俺には、奴の気持ちが少しだけわかる。」

 

「フォックス?」

 

「盗作まがいの作品で名声を得て、偽りの美談で大衆を煽り…

そればかりか、『改心』の力を使い、他者を洗脳してまで虚栄に酔い痴れる。

奴が今しているのは許しがたいことだ。愚かとしか言いようがない。

…それでも、夏芽が長年陰で努力していた事実に変わりはない。」

 

 

 彼らしい言い回しで、フォックスは言葉を紡ぐ。

 

 

「創作とは孤独であり、その孤独と戦うのは本当に苦しいものだ。

そして結果が出せなければ、誰も評価などしてくれない。

この報われぬ暗く惨めな時間は、永遠に続くとさえ思えてくる。

…俺も、ひとつ間違えば奴のように、醜悪な姿を晒していたかもしれない。」

 

「おイナリ…」

 

「同じ創作者として共感するところがある、というわけですね。」

 

 

 僕の言葉に、フォックスは首肯で返した。

 

 

「俺には皆がいた。だから道を誤らずに済んだ。だが、奴には誰もいないらしい。

虚飾の栄光に意味などないことは、奴自身が一番よくわかっているはずだ。

しかし今は、本当に書きたいものから目を背け、盗作まがいの小説を執筆し続けている。

()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「…今回はずいぶん燃えてるな、おイナリ。」

 

「創作に生涯を捧げようとするものとして、奴は放っておけんからな。

さあ、行こう。予告状を出し、奴を玉座から引きずり下ろす!」

 

 

 その宣言と共に、僕らはトラウマルームを離れるのであった。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 アジトに戻るが、時刻はいつの間にか夜になっていた。

 

 

「んじゃ、あとは予告状だな。」

 

「ああ、ナツメ本人にネガイが奪われると自覚させ、物質化させる。」

 

「予告の方法はどうしましょうか……。渋谷と同じようにするのが手っ取り早いですかね?」

 

「いやー、それはちょい厳しめ。

あれは渋谷だったから、人が多くて速攻で拡散したけど、ここじゃちょっとな。」

 

「うーん…何かいい手は…」

 

 

 僕の案も厳しそうだと双葉。全員が考え込んだところ――

 

 

うあぁ~ん! おかあさーん!

 

 

 子供の声が聞こえてきた。

 

 

「迷子…かしら? 私、ちょっと行ってくるわ。」

 

「ならば、自分も行こう。」

 

 

 蓮さんと真さんが行ってくるらしい。そうしようとした途端、見知っている顔が見えた。長谷川警部補である。

 前かがみの姿勢をとって話しかけているところ、何とかしてあげようとしているようだ。

 

 …まぁ、見た目が胡散臭いせいで大丈夫そうには見えないが。

 

 

 と、警部補がスマホを取り出し、耳に当てる。電話かな?

 

 

()安が迷子……(如き)で出られねぇだと? ふざけんなテメエ、それでも警察官か!

それとも何だ、自分の子でも放っとくってのか? 子供が泣いてりゃ大事件だろうが!」

 

 

 公園に響く怒声。子供は怖がったのか、どこかに行ってしまった。

 

 

「っておい、なんで逃げんだ、おい待て! 俺は怪しい者じゃねーっての!」

 

「不審者と思われてるぞ…」

 

「だねー。……でも、仕方なくない?」

 

「それはそうだなー。」

 

 

 追いかけている長谷川警部補を眺めながら、双葉とそんな会話をしたのであった。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 暫く経つと、長谷川警部補が戻ってきた。

 

 

「…ったくあのガキ、世話焼かせやがって。何も逃げるこたねーよな、なあ?」

 

「ロン毛だし」「ヒゲ生えてますし」「声でかいし」

「何よりオッサンですからねー…仕方ないんじゃないんですか?」

 

「そんな息合うくらい言えるモンなのか…? あとオッサン言うな。」

 

「だが、いいところに来てくれた。ゼンキチの意見も聞かせてくれ。」

 

「いいぜ、俺たちは()()()()だからな。」

 

「夏芽のジェイルは確認できて、もう一歩というところなの。だけど、予告の方法で悩んでいて。」

 

「予告…? ああ、渋谷の街頭テレビで流れたアレか。

ああいう派手なのはもうやめとけよ。何度も放っておけるほど、警察もバカじゃねえぞ。

たとえ人助けとはいえ、法に触れるようなマネは控えろ。」

 

「うーむ、オトナの正論。伊達にオッサンはオッサンじゃないな。」

 

「お前…オッサン呼び止める気ねえな…

…まあいい。とにかく、もっとシンプルな方法を頼むぜ。」

 

「予告状を確実に読んでもらえばいいんだよね…

あの人が来る場所を先に知っておければ、仕掛けておくこともできそうだけど…」

 

 

 何か良い手は。そう思った時、ソフィアが反応した。

 

 

「だったら、うってつけのイベントがある。駅前の本屋で、夏芽がまたサイン会をやるらしい。

そこなら、間違いなく夏芽が現れる。サイン会は開店と同時、朝の10時からだ。」

 

「なるほど、開店前に忍び込んで、会場に仕掛けておけばいいと。」

 

「おい、さっきの話聞いてたか? 勝手に忍び込みでもしたら建造物侵入罪だぞ。」

 

「そこでオッサンの出番だ。」

 

「そうそう、私たちじゃ、もし見つかったら捕まっちゃうし。」

 

「俺だって捕まるわ!」

 

 

 それはそう。だが、心の中で返しておこう。

 

 

「出来ねーの? ケーサツって意外と権力ねんだな。」

 

「てか、協力する取引だったよな? オトナが約束破るのかー?」

 

「ぐ…お前ら…」

 

「よし、決まりだな。では俺は、予告状の準備に取り掛かろう。」

 

「ああ、頼むぜユースケ。それからゼンキチもな。やり方はお前に任せるぜ。」

 

「頼りにしているぞ。」

 

「マジで、俺がやんの…?」

 

 

 長谷川警部補はしょげているようだが、やる以上準備はしているよう。祐介さんも、早速文章を考え始めたようだ。

 

 

To Be Continued…




某百科で調べたところ、翼くんとニンジャスレイヤーの主人公って共通点多いんですよね

・親族を悪によって奪われた
・戦闘服(怪盗服)が忍者
・復讐を動機に行動する
・死の淵で力に目覚める
・ハッカーが得意な仲間がいる(なおあちらは豊満な模様)

少なくともこんな感じですな
ちなみに後付けですが、本文通りステータスは「速」「魔」が高め、「耐」が低めです(「魔」が高いのは魔法アタッカーのため)

京都編の鉄拳制裁イベント、オリ主くんは…(双葉とは付き合ってるものとする)

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