Persona 5 Scramble -Eleventh Member- 作:週末ラテ少年
でも、リアルの生活もあるんでこのスタンスじゃないと無理っす()
ゲームの時間もとっておきたい…
双葉が持って来たパソコンと僕のスマホを接続させる。
そうしたら、すぐにパソコンの画面はコードで埋め尽くされた。
「ふむふむ、なるほど…ナヌ!?
マジか…いやでもこっちは…
スゲー…そういうことか…」
「…楽しそう。」
「同感だ。」
ちょっと覗き込んでみる。…が、この辺りの知識が無いが故に良く分からんとしか言えない…
「…どうなんだフタバ。
ソフィアのコードってやつは。」
「うーん、これ作った人、天才だ。
コードってのは、書いた人間の個性が出る。
能力やクセ、思想や性格までいろいろだ。
このコードは洗練され過ぎてて、普通に読んでも理解できない。」
双葉でも理解するまで数ヶ月かかるんだとか。
僕には一生モノなのかもな…
「フタバでもか?
そいつは只事じゃないな。」
「よくわからんが、私はスゴイってことか?」
「あぁ、とんでもないぞ!ソフィアはスーパーAIだ!
ソフィアが世に出たら、EMMAもオワコンだろーな。」
「オワコン?」
「『終わったコンテンツ』の略称ね。言っちゃうと時代遅れってこと。
まぁまぁ前に流行ったネットスラングの一つだね。」
「なるほど、理解した。
翼は物知りだな。」
「いや、物知りって…」
「二人とも、あんまりヘンなこと教えてやるなよ。
特にツバサは、自分のスマホにソフィアがいるワケだからな。
それより、ソフィアの身元の手がかりになるモノはなかったのか?
作成者とか、企業の名前とか……」
「今のとこナシ。結構署名入れたりするもんだけどなー。」
スマホを覗くと、ソフィアは黙って話を聞いていた。
やっぱり、記憶喪失だからかそういうのは知りたいのかな。
「とにかく、家でもう少し調べたい。
何かわかったら連絡するぞ。」
「頼んだ。」
「うむ、任せておきたまえ!」
「なら、僕のスマホ要るかな?」
「あー、それは大丈夫。
さっきデータ入れといたから。」
「オーケー。」
◇
サラダバーと一緒に言ってルブランを去り、二人路地裏を歩く。
「だが、翼が怪盗団に入るとはビックリだぞ!」
「そりゃあね。
アリスを改心できるってんなら、飛びつかない訳ないよ。
うまくいったら、きっと母さんも…」
「………」
「…双葉?」
「いや、ちょっとな。」
「ちょっとって何だよ。
聞いてみたいし。」
「……わたしのお母さんのこと、翼は覚えてるよな?」
「…うん。
認知訶学ってやつの研究者で、日夜研究に勤しんでて…
それでいて、片親でも双葉をしっかりと育ててくれた人だっけ。」
「ああ、百点満点だ!
…さっき言ったけど、なんかわたしと翼は似たもの同士だなって。
でも、翼はお母さんがいなくなっても、復讐であっても前を向いてた。
ちょっとだけ…うらやましいなって、思った。」
「羨ましい、か…
僕も、そうなのかも。」
「…?どう言う事だ?」
「僕だって、母さんがアリスの影響を受けてすぐから前を向けてた訳じゃない。
それに、この間までは内心『もしも怪盗団がアリスを改心させてくれたらな』って思ってたし。
怪盗団が悪人を改心させてる力を持っていることが羨ましかった。
まぁ、数時間前にその力を僕も手に入れたワケだけどさ。」
「なんだ、そこまで似てるのか、わたし達。
…ハッ、まさか性別が違うだけのほぼ同一の存在!?」
「いやいや、流石にそこまではならないでしょ!」
その言葉に、思わず二人で笑ってしまう。
「…まぁ、似たもの同士頑張ろうな!
わたしが先輩として色々レクチャーしてやるぞ!」
「ふふっ。先生、お願いしますよ?」
「ふっふーん。このナビに任せなさい!」
「自信あるねー。
それじゃ!」
「あぁ、また明日な!」
◇
特に何事もなく帰宅。
変わったAIがついてきてるのだが。
「しっかし、まさかこんなことになるとは…自分でも信じられない。
異世界に行くし、ソフィアみたいな会話するAIに会うし、ペルソナが僕にも使えるようになったわけだし。
怪盗団に入ったのは尚更、か…」
「翼、呼んだか?
何やら声が聞こえたが…」
「あぁ、ソフィア。ただの独り言だって。」
「ここが翼の家か?
他に誰もいないみたいだが…」
「母さんが変わってから、父さんの提案で今は一人暮らしなんだ。
高校生活もあるから結構苦労はあるけど、アリスの調査とかもあってこっちの方も板についてるけどね。」
「そうなのか。
そういえばだが、私みたいな会話するAIは少ないのか?」
「勿論。それこそEMMAくらいだよ。」
「つまり、希少価値が高いってことか?」
「高いけど、謎が多すぎるから一概には言えない…かな。」
「言われてみればそうだな。」
「それに、言っちゃうとAIにしては言動が曖昧だし…」
「それは……
…反論の余地がない。」
「ちょっ、へこまなくていいんだって。」
「…私は人の良き友人。
役に立てないと意味がない。」
「良き友人ねぇ…
それだけ覚えてるんだっけ。」
「あぁ、きっと大切なことなんだと思う。」
「…でも、役に立つだけで友人って言えるのかな。」
「…違うのか?
教えてくれ。他にどんな方法がある?」
「突然そんなこと言われても…」
考える。
役に立つだけではただの利害関係。なら何だろう…
「…人のことを知る、とか?」
「知る…?」
「うん。そうすれば、相手の気持ちや心が理解できるし、友人にもなれるんじゃないかな。」
「こころ…」
「まぁ、難しく考えなくていいよ。
ソフィアは僕と一緒にいるんだし、行く先々で人のことを知って勉強すればいいと思う。
手段の一つで怪盗団に入るってなると話は別だけど…」
「そうか…なるほど、悪くない。
それで人の良き友人になれるのなら。
それじゃあ、早速ジョーカーに電話で聞いてもいいか?」
「どうぞ、ご自由に。」
「感謝するぞ。」
暫くすると、ソフィアの嬉しそうな声が聞こえた。
取り引きという形でうまくいったらしい。
●■●■
-7月26日(水)-
蓮さん、双葉と合流し、渋谷駅の連絡通路に集まる。
「よし、全員集まったな。
今から『ジェイル』に潜入する。覚悟はいいか?」
「僕はできてる。
母さんや被害者の為にも…」
「何度も通った道だ。
いまさら怖気づく理由はない。」
「か、かかってこーい!」
「情報も少ないし、慎重にいきましょう。
今回はまず偵察ね。」
「EMMAを使って入るんだよね?
特別な操作が必要なの?」
「別に、そういうわけじゃなかったね。
EMMA上で名前の検索して、トモダチ申請するときにキーワードを言えばいける。」
「おお、さすが翼センセイ!」
「先生って…
新入りに言う事なの、それ?」
「後は、安全に入る方法だけど…」
「昨日脱出した場所なら敵はいない。
その場所の近くまで移動して、キーワードを音声入力すればいい。」
「…信じて行ってみるしかなさそうね。」
「うっし、じゃあ出発だな!」
○■○■
視界の揺らぎが戻ると、真下は鉄製の足場。
どうやら到着したらしい。腕や足を見ると服装も変わっていた。
「…どうなった?
着いたのか?」
「…てか、皆の怪盗服ってこんな感じなんだー…」
「むっ、確かにか?」
「オマエもな、フォックス。」
「おお…久しくこの姿を忘れていた。
美と機能性の融合…やはり良い。」
「あっ、美少女怪盗がいる!」
「…美少女怪盗と申します!」
それと共にポーズをとる春さん。
「…美少女怪盗…?」
それを言うなら真さんは世紀末覇者とか思ったが言わないでおく。
「もう、ふざけないの。でも、この格好は確かに懐かしいわね。」
「それより、翼の怪盗服はまるで忍者だな。
どことなく親近感を感じるぞ。」
「おイナリは狐だもんなー。」
「本命はこっちじゃない。街の景色を見てみろ。」
指指された先はジェイルの風景。
奥にいくほど街らしくなく、705の形も変わっていた。
みんなも声を漏らしている。
「誰かの認知が影響して、あんな風になってるんだよね…?」
「恐らくアリスのな。
あそこは特に歪みが強い場所なんだろう。」
「ジェイルを統べる女王の根城ということか。
さもありなんといった佇まいだな。」
「この辺りは街の形を保っている。
ある程度離れれば、影響は少ないらしい。
前回ワガハイたちは、この下のスクランブル交差点から入った。
そこで、アリスに従うシャドウたちが、大勢のニンゲンから何かを取り出していたんだ。」
「あの宝石みたいなやつな。
つか、あれって何だったんだ?」
「…それは『ネガイ』ってやつなのかもしれない。」
「ん、誰…って、ソフィアか。」
「よ、怪盗団。」
「おおっ、ソフィアか!?
AI少女、ガチの実体化キター!」
「わぁ、すごく可愛いねソフィア。」
「なかなか興味深いフォルムだ…
調和のとれた曲線が美しい。」
「え、そこ?」
「その服、なんか不思議な感じ…。モフモフしていい?」
「モフモフ…?」
「触ったり抱きついたりしてみたいってことらしいわよ、ソフィア。」
「それは拒否する。子供じゃないからな。」
「断られた!」
「…そもそも、AIに大人子供があるのか?」
「それよりソフィア、さっき言ってた『ネガイ』とは何だ?」
「ここのシャドウたちが言ってた。
『ネガイを奪え!』とか『
人から奪われていたのなら、それが『ネガイ』なのではないかと推測。」
「そういえば、昨日シャドウに追われたときもそんな事言ってた気が…」
「確かにアリスと会った時も、そんなことを言ってたな。
そして王ってのがアリスのことで、このジェイルの主の事か…」
「『ネガイ』って、お願いとか、そういうこと?」
「願いが奪われる…
それってどういうことなのかしら。」
「んー…推測だけど、もしかしたらああやって改心させてるんじゃないかな。
トモダチキーワードを入力した人が改心されるなら、そういうことなのかも。
まぁ、昨日襲われた人がどうなったのかだけど。」
「なるほど…して、その肝心の被害者たちはどこに居る?
それらしい人影が見えないが…」
「わからん。何処かに囚われてるのかもしれないが…」
「…ねぇ、その襲われてた人たちって、本当に人間かしら?」
「どういうことだよ?」
「もし被害にあった人たちが本物の人間で、今もこのジェイルに囚われてるのなら、今頃、巷は集団失踪事件とかで大騒ぎになってる筈じゃない?」
「そんな騒ぎ、ネットにも流れてなかったぞ。」
「うん。
僕も被害者の関係者から話を聞いたことはあったけど、失踪までは聞かない。
聞いても、借金が返せなくてーって感じだけど。」
「じゃあ、現実世界では、誰も居なくなってない?」
「え、そうなるとかなり矛盾が…」
「そうか、シャドウか…」
「シャドウって何だ?」
「シャドウ…
『無意識に存在している抑圧されたもう一人の自分』…だっけ?」
「あぁ、よく覚えてたな。」
「じゃあ、本人は無事ってことか?」
「いや、シャドウは本人と表裏一体だ。」
「シャドウからネガイが奪われたとき、現実の人間がどうなるか…
…まさか、それが昨日、翼の言ったようになるという事か?」
「いや、今の話はあくまでも推測だ。
ワガハイたちが見たのは、あくまで認知世界での出来事だ。
現実世界で確かめないと、本当に何が起きてるのかは判断できない。
その為にも、アリスや被害者のことの裏付けをとっておく必要があるんじゃないか?」
「それに、認知世界で主に何かすれば、最悪廃人化させちゃう可能性もあったよね…」
「ええ。
行動に移す前に、しっかり調べておかないとないと危険だわ。」
「それなら、アリスと被害者のことを調べよう。」
「了解。
けどよ、実際どうする?」
「まぁそういう話は外で、だな。」
「それなら、偵察は終わりってことでいいか?
翼のコードネーム、決めようぜ!」
「ああ、そういえばそうだったな。」
「んー、みんなってどんなコードネーム?参考にしたい。
ジョーカー、スカル、モナは覚えてる。」
「えっと、パンサー、ノワール、フォックス、クイーン、そしてわたしがナビだ!」
「なるほど、ほとんど英単語からか…」
「翼くんは忍者って感じだし…」
全員、うーんと唸る。
「…クロ?」
「なんか犬っぽいから却下。まぁ服装は黒いけどさ。」
「シルバー…とか?」
「なんか違う。」
「いっそのこと、ニンジャはどうだ。」
「安直すぎるしダサい。」
「ダサい…」
「スナイパーはどうだ?
銃にスナイパーのやつ使ってただろ?」
「なんかなぁ…
てかこれはマークスマン・ライフルだから若干違う。」
「それならマークス?」
「なんか人名っぽいからダメ。」
「…シノビとか、どうだ?」
「…それだ。
ナビ、ありがと。」
「ふふん〜
ならわたしが名付け親だな!」
「ペットじゃないんだけど…」
「それじゃ、コードネームも決まったし、外出ようぜ!
よろしくな、『シノビ』!」
「よろしく。」
…なんか、本名以外で呼ばれるのはもどかしいな。
To Be Continued…
感想、評価、お気軽にどうぞ!
ちなみに投稿時の作者はやっと1周目のメメントス最深部攻略前