蒼海のアルティリア   作:山本ゴリラ

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未来におけるオーク達に関する報告書※

 

 『魔物大全 第442項 【豚鬼の戦士(オーク・ウォリアー)】』

 

 種別:亜人型

 等級:C級(戦闘力B/危険度E)

 能力:筋力A 敏捷C 耐久A 技巧D 魔力E

 属性:土

 知能:人間並 言語・文字による意思疎通が可能

 性質:「陽気」「友好的」「正直」「武人気質」

 

 概要:

 豚鬼の戦士は、ローランド王国北部にて発見された魔物である(※1)

 元々はこの世界とは異なる世界(本人達曰く、魔界という悪魔(デーモン)が支配する世界)に住んでいたが、とある魔物(※2)によって魔界からこの世界に連れて来られた。

 転移後はレンハイム近郊の森で暮らしていたが、その際に現地の魔物達を森から追い出してしまった為、逃げ出した魔物が近辺の村を襲った事で森に調査に入った冒険者(※3)によって発見された。

 5体居た豚鬼の戦士の1体が件の冒険者と決闘を行ない、冒険者が勝利した事で人間と交流する事を決めた彼らは、その後女神アルティリア様(※4)と出会い、彼女の導きによって現地の人々と深く交わっていく事になる。

 後の魔神将勢力との戦いでも、人間側に立って戦い、活躍した。

 

 その後は森を開拓して集落を作り、周辺の街や村の人間達と協力して危険な魔物を駆逐し、またその巨体と怪力を活かして未開拓地の開拓や農地の開墾、街道の整備、神殿や橋などの巨大建造物の建築といった様々な事業に従事し、活躍した。

 

 彼らの性格としては、陽気で大らか、細かい事は気にしない大雑把な性格である。

 人間に対して友好的ではあるが、本質的には戦闘民族である。戦い、特に己の肉体のみを頼りにした肉弾戦を好み、またお祭り好きで目立ちたがり屋である為、その欲求を満たしつつ人間との友好を深めるため、彼らは自分達の戦いを試合形式の興行として度々、人間達に披露している。

 『スモウ』『ボクシング』『プロレス』『ラグビー』等、様々な形式で試合を行なっており、その興行収入によって彼らは地域の発展に大いに貢献している(※5)。

 特に彼らの巨体が狭い土俵の上でド派手にぶつかり合う豚鬼大相撲(オーク・スモウレスリング)は定期的に開催されるレンハイム地方の名物となっており、開催時期になると多くの観客が彼の地を訪れている。

 

 戦闘能力:

 筋力・耐久共に非常に高く、接近戦が非常に得意。また鈍重そうな見た目に反して、素早さも決して低くはない。

 その反面、あまり器用なほうではなく、また魔法が苦手であり魔法への抵抗力も低い。

 武器は素手での格闘や、大型武器を得意とする。また、闘気を操っての自己強化も使用可能。

 友好的な相手ではあるが強者との力比べを好むため、彼らに力を認められれば戦う機会があるかもしれない。その際は強烈な一撃や、体格・重量差を活かした拘束に対して注意を払う必要があるだろう。

 物理攻撃(特に打撃)と土属性・雷属性に対する耐性が高いので注意。

 魔法や風属性での攻撃が有効に働くだろう。

 

 注意事項:

 基本的に人間に対して友好的である為、何もしなければ敵対する事はないだろう。

 人間に対するのと同じように接すれば問題はない。

 ただし注意するべき点として、彼らは卑劣な振る舞いや嘘を嫌い、戦士としての誇りを大切にしている。

 よって、彼ら自身や彼らが大切に思う存在を侮辱するような真似をした場合は、命の保証はできない。十分に気をつけるように。

 

 ※1:一般的には亜人の一種として定着しているが、生物学的には魔物である

 

 ※2:本書第433項 【地獄の道化師】参照

 

 ※3:後に冒険王と呼ばれる例のS級冒険者。当時は8歳の少年だった。

 

 ※4:言わずと知れた、この大陸全土で広く信仰されている主神である。地上に住むオーク達もアルティリア様の信者であり、ゆえに我らの同胞である事は疑いようが無い。

 

 ※5:これらの競技はアルティリア様によって、彼らに伝えられた。


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