そしてすいません。「非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものはなんですか」からネタを拝借してしまいました。ふわ五とかあったし、どうしても人間をぬいぐるみにするネタを入れたかったんです。すまぬ……すまぬ……。
元ネタと変えようと思ったけど、うまいこと変えられなかった……。
読んでない方はぜひ読んでみてください。燃える異能がいっぱいですよ!
「ラルゥ! 真奈美! 美々子、奈々子! 君らの女子力に助けてほしい事があるんだ!!」
夏油 傑は数日前から様子がおかしかった。
どこか狂人じみたというか、壊れた所があったのがストンと落ち着いたというか、閉じこもり気味だったり困ったりはしているようだったが体調は反比例して良くなっているようだった。
そんな夏油が、しばらく部屋に閉じこもっていたかと思うと、4人を呼び出して助けを求めた。
「あらぁ。どうしたのかしら、そんなに焦って」
「女子としての私に、ですか?」
「夏油様の為なら、なんだってする」
「夏油様、どうすればいい?」
4名の(心が)女性に夏油は絵を見せてお願いをした。何度も書き直した後がある絵だ。
「この絵にある物そっくりの可愛いぬいぐるみと、可愛いぬいぐるみを作ってほしいんだ。教団の手芸が得意な人達にも協力を仰ぎたい。何とか呪専とも取引をして、夜蛾先生にも作らせたい」
もちろん、額面通りに取るものなどいなかった。
「どうしたの?」
「普通のぬいぐるみですか? 呪具でなく?」
「あるコレクターの持っている呪具のぬいぐるみをなんとしても急ぎで手に入れたいんだ。持ち主はぬいぐるみ狂いで、狡猾で所在を掴むのも難しいし、逆上させたくない。ただ、デザインが同じでおまけもつけるなら交換しても良いって事でね。出来れば誤魔化して、いや、そんな時間もないな。とにかく急ぎで取引が必要なんだ。取引は私がする。悪いけど、詳細は言えない。一番欲しいのはこのぬいぐるみだ」
指さされたのは、包帯をした男のぬいぐるみ。
「このぬいぐるみが揃うならば、取引材料に私の命を使っても構わない。資金は好きなだけ使ってくれ」
「はあ!?」
「そんな!」
「夏油様、どうして!?」
「それ程までにやばい呪具なんだ、これ。君達にだけ言うが、悟が危ない」
「あの五条悟が早々にやられるとは思えないけれど……」
「この通りだ。私を助けてくれ」
夏油は深く頭を下げる。
「わかったわ。私に任せて!」
「私はこれをコピーしてきます。五条悟のことを気取られたくないなら、この部分は伏せましょう。利久に信者達を集めさせます。ぬいぐるみを作るなら呪術師の方が都合がいいですか?」
「いや、可愛いぬいぐるみなら非術師でも構わない」
「私、材料買ってくる! いこ、美々子」
「うん、奈々子」
「ありがとう」
教団は、にわかに活発に動き出した。
「痛っ」
チクッと針で指を刺してしまったようで、血が出ている。もちろん夏油もぬいぐるみ作りをしている。
「無理スルナ、夏油」
「ありがとう、ミゲル。手先器用だね」
「マアナ」
「夏油様、呪専との非公式の会談の準備が整いました」
「ありがとう、助かったよ真奈美」
「いえ。映像が繋がります」
テレビに夜蛾が映る。
『何のようだ、夏油 傑。……何をしている? 本当に何のようだ』
「夜蛾先生。可愛いぬいぐるみの作り方を教えて欲しいなって」
『ふざけているのか?』
「どうしても必要なんだよ。呪力とかどうでもいいから、とにかく可愛いぬいぐるみがね。これが被害者達」
夏油がぬいぐるみのイラストを見せる。
『被害者達? どういうことだ。待て、それは悟がモデルのぬいぐるみの絵か?』
「本人だってさ。油断しすぎだよね。信じる信じないはそっちの自由。とにかく、悟のぬいぐるみだけ奪還して、後はぬいぐるみに発信機を仕込んで犯人を捕まえる」
『なんだと!?』
「信じなくてもいいから、数日協力して欲しいかな。取引が成功すれば、私が捕まってやっても「それはなし!! でも私達に借りを作れるのは良い事でしょ?」」
『いや、信じよう。このぬいぐるみそっくりのぬいぐるみを作ればいいんだな』
「もっと可愛いのだと尚更いいね。あと、おまけでなんか可愛いぬいぐるみつけろってさ。誘拐されて時間たってるよね? 結構焦ってる。他のやつと取引される可能性もなくはないし」
『待て、悟は誘拐されたのか。犯人はコレクターなのか?』
「そう。何でもかんでもぬいぐるみにしちゃう厄介な術式な事が予想される」
『情報感謝する。それが本当なら、悟を無事に返してくれればこちらから要求はしない』
「わかった」
『そのコレクターの連絡先をよこせ』
「それは無理。出来たぬいぐるみは呪霊に取りに行かせる」
それから、夜。
夏油 傑は大量のぬいぐるみを部屋に持ち込み、人払いした。
夏油は、激昂して声を上げた。ラルゥが飛び込む。
部屋の中には、折り重なる十数名の人達がいた。
「傑ちゃん!? 一体……! この子達は被害者!? 本当に五条悟がいる!?」
「あいつ!!! 取引材料の人形増やしやがった!!! いや、それは後で考える。今は悟の介抱をしないと……! ラルゥ、他の人達の介抱を頼む。出来たら犯人の情報を聞いてくれ」
夏油は悟を抱き上げ、用意していた部屋へと向かった。
「美々子、奈々子。お湯とタオル、それに消化の良い食べ物と水を頼む」
それから、夏油は汗を拭き、必ず毒味をしてから水を飲ませ、甲斐甲斐しく世話をした。
ミゲルはそれを心配そうに見守る。何せ追われている身だ。起きた途端五条悟が夏油傑を殺すというのも十分ありえた。
「ん……」
「悟!? 起きたのかい? 大丈夫か? 心配かけさせるなよ……!!」
「……」
「さ、悟……」
無反応な五条悟に、心配と絶望を混ぜたような声を上げる夏油傑。
それでも、何とか五条 悟に食事(毒味済み)をさせて、寝かせた。
その間に、さらに被害者の絵を描く夏油。
「夜蛾先生にも送ってくれ。今度は発信機でも呪骸でもなんでも仕込んでくれていい。犯人を捕まえる作戦を練らないと。ミゲル、悪いけど悟の護衛を私と交代で頼むよ。悟の敵は多いからね。情報が漏れれば攻撃される可能性は高い」
「傑ちゃん。皆、無反応みたいなの。ここは呪専に被害者を何人か送りつけてはどうかしら? それで家入硝子が治せるなら、五条悟を送りつければ解決よ」
「そうだね。そうしてほしい。ありがとうラルゥ」
「良いのよ」
そして早朝、早々に呪詛師と呪術師の激しい襲撃があり、夏油は家族達と五条悟と共に教団から姿を消した。
ここに、五条 悟の不在が明らかになってしまった。
感想、ここ好き、マシュマロ、お気に入り、ありがとうございます!!