今回若干手抜きですすみません。
夜更新では頑張ります!
転がり込んだ隠れ家で、悟の様子を見る。戦闘があった後少し眠っていたが、もう目を覚ましている。
今朝はちゃんと戦えて良かった。不安だったけど、悟を守る事で必死で何も考えずに済んだ。
「悟。体の調子はどうかな。騒がしくしてごめんね」
「……それ、俺の名前?」
「!! 悟! そうだよ、君の名前だ、五条 悟!」
「何も思い出せない。……泣いてんのか?」
「君が起きてくれたことが、嬉しくて……! 体は動かせるかい?」
「ん」
半分嘘だ。記憶を失ったと聞いて、とても怖くて悲しかった。
これから戻るのかもしれないけれど。
手をグーパーと動かす。まだぎこちないが、動かせている事に安堵した。
「ヨカッタナ、夏油」
「ああ、ありがとうミゲル。ホッとしたよ」
「ソロソロ、悟ヲ呪術師ノ元二帰シタホウガイインジャナイカ」
「悟が身を守る術を思い出すまで放りだせない」
「危険ダゾ」
「それでも、親友をほっとけないよ」
「ヤレヤレ……」
そして、食事をさせる。
「お前、体悪いの」
「なんで?」
「同じおかゆ」
「毒味のついでだよ」
「……違うの食べたい」
「今日はおかゆで我慢してくれ。明日から普通のものを食べよう」
「お前、俺の親友なの」
「そうだよ。私の名前は夏油 傑。同級生で、親友だった。今でも君は私の一番大切な人だ」
「傑……」
悟は頭を抑える。
「大丈夫だよ。たとえもう何も思い出せなくても、私がもう一度教えるよ。常識も善悪も、過去も。全部」
そうして、私は悟を抱きしめてうっそりと笑った。
というわけで、ミゲルに口止めをした上で、悟に授業を行うことにした。
レアな夏油先生である! まず初めはやはりこれだろう。
「良いかい悟。弱者救済。呪術師には、非術師を守る義務があるんだよ」
「「は?」」
「めっっっちゃ綺麗事言うじゃん」
「意外ダナ夏油。有ル事無イ事吹キ込ムカト思ッタ。イツモイッテルダロ。非術師ハ猿ダッテ」
「悟は今弱ってるんだ。私が代わりにしっかりしないと。甘えてメンヘラしてる場合じゃないだろ」
「……」
「げ、夏油。結構イウナ……」
「今なら言えるけど、私は悟に殺して欲しかっただけだからね。ありえないけど、百鬼夜行、もし成功させて悟を倒しちゃってたら完全に発狂してたんじゃないかな」
「オマエ」
「てへぺろ⭐︎」
私は可愛く舌を出す。ゴツい男がやっても可愛くないけどねと思う一方、転生者としての私はメチャクチャ可愛いだろと断言する。可愛さは罪なのに可愛さは正義。不思議!
頭を抑えるミゲルにクスクスと笑う。
ぎゅう、と悟に抱きしめられる。だんだん力が込められていく。痛い痛い痛い痛い!!
「痛い痛い痛い痛い!」
「それ、俺がすげー悲しむと思わなかったの。親友なんだろ。まわりにも迷惑って思わねーの」
「悟、最強だから大丈夫かなってイダダダダ! げ、元気そうだから明日の食事はお肉大丈夫かな」
「お前、俺と敵対してんの」
「そうだよ」
「なんで俺、ここにいんの。もうお前に倒されたからここにいるんじゃねーの」
「なんかね。なんでもぬいぐるみに変える傍迷惑な能力者がいて、その人に通り魔的にやられちゃったんだよ。君、美形だしね。他にも犠牲者は沢山いて、夜蛾先生にも協力してもらってなんとか可愛い自作ぬいぐるみと交換で解放してもらったんだ」
「何でわかったの」
「ちょっとツテがあってね。話逸れたね。夏油先生の1限「常識」はまだまだ続くよ。東京都立呪術高等専門学校っていう所があってね」
「おっえ〜! 綺麗事のオンパレードじゃねーか!!」
「あはは。次は二限だよ。悟の思い出を話そうか。悟は最強で格好良くて、勇者なんだ」
「は?」
「ジャパニーズNOROKEノ予感!」
「三限だよー。生きてるかい、二人とも?」
「きっっつ。いやきっっつ」
「三限ハナンダ……何時限マデアルンダ……」
「三限は……そうだね。お話でもしてあげようか」
「今度は何の話だよ。五条悟スーパーヒーロー物語? やめてそろそろ吐きそう」
「題名は……うん。殺された未来の物語」
私は、盗聴機とか呪霊がいないか念入りに確認してミゲルに改めて口止めをして、話し始めた。
「今からほんの少し未来のいつか……物語の主人公は虎杖 悠仁。非術師の少年だよ」
声が少し震えた。そうだ、もうシナリオは破壊された。なら、真正面から立ち向かうしかない。これはその為の儀式だ。
そうして、たまに潜伏先を移動しながらも日々が過ぎて行った。悟はどんどん回復をして行ったが、記憶は戻ってくれなかった。
これはいよいよ私が頑張るしかないね。
私だって特級術師。体の才能は確約されてるんだ。頑張ってみせる。
12月には悟を帰そう。
準備を万端にして、メロンパンと戦うんだ。
五条悟が違うの食べたいと言ったのは夏油を気遣ってのことだったり。