非常に無機質な外が確認できない二畳ほどの部屋、あるのはベッドと両手首をひとまとめに繋ぐ電磁式手錠のみ。
「いや、やばいでしょ・・・」
転生しても未来の日本かよと嘆いてから普通に生活して早20年、軌道エレベーターがあるから転生先に願ったガンダムOOの世界で非常に喜んだ。とは言え前世ともに一般人ガノタであった俺は、ここがどこだかわからんし、昨日SNSにイオリア計画の大きな流れをドヤ顔で書き込んだだけなのになんで俺がこんな目にあうか見当がつかない。リボンズがヴェーダを掌握する前なのだから書き込みは単なる落書きとしてネットの海に流れるはずだ。
突如眼の前のドアを開閉するためのモーター低振動が嫌になるくらいはっきり聞こえ、目の毒なほどに白いシルクで出来た服に鮮やかな緑色の髪色が目に入る。すべての黒幕となる
「はじめまして、リボンズ・アルマークと申します。貴方がジュダ・佐藤様ですか?」
「────!」
緊張しすぎて声が出ない以上こちらが懸命にうなずく様が滑稽に見えたのか、眼前の青年は微笑を浮かべた。
「ご無礼を働いたことお許しください。」
「ご、ご丁寧にありがとうございます、佐藤です。」
「突然ですが佐藤様には私の主に協力してもらうことになりました。拒否した場合は命の保証はしかねます。もちろんYESと言ってくださりますよね?」
「勿論ですとも!只、協力できることはナイトオモイマスケド」
この時期はまだ黄金大使の裏方で暗躍している筈であり、そもそも俺と会う理由は最初から無いのだ。困惑と恐怖が表に出ているであろう自分を見つめるその目は口角につられ細い。
「それは良かった、主もお喜びになります。ではこの書類にサインを。」
「もしかして自分
脱走しても密入国で逮捕、どうあがいても詰みである。
「佐藤様、詳しいことはサインをした後にお話します。」
「どうしたんだね?」
「くつろいでくれ、と言われましても…」
アレハンドロ・コーナーはヴェーダが名指しで指名した最新の監視者を非常に興味深く見つめた。資産はコーナー家の0.0001%も無く、大した実績もない。リボンズのように特別な才能を持つ雰囲気もない男である。
「拉致されたとしては中々落ち着いているように思えるがね。普段使いもしない英語での会話にも流暢に対話しているじゃないか」
「|国連大使として非常に聞き取りやすい英語を使われるからに過ぎません《唯一の転生特典で言語習得を選んでよかった》。買いかぶりです。それに金色主体の部屋にいる事が現実味を薄れさせてくれます。」
ソファーに座る浅さや目の動きからして完全に緊張しているのは判るが、それとは乖離するスムーズな受け答えからしてどうにもチグハグな印象である。
「日本には金色の茶室があると聞いたがね。」
「あれは古代の権力者が作らせたもので、普通ではないですよ。」
どう見ても普通な男である。ヴェーダで詳しく調べても彼の成績や普段の振る舞いからみて、監視者認定はあの日の書き込み以外あり得ない。イオリア計画は宇宙人との対話をするために恒久和平の実現をしようとしている前提で考えない限り彼がこの場にいる理由はない。偶然の考察で監視者になったかもしれないこの男がコーナー家にいる事で顔が引きつりそうになる。我が家は200年費やしてこの地位を得たのだ。
「話は変わるがあの書類にもあった通り、君はこの世界の行く末を見守る監視者となったわけだ。どう思う。」
「ヴェーダに対して唯一拒否権を合議制で決める集団の1人ですよね。興味深くはありますが貴方を見る限り他の方々も政治が上手そうで自身が輝きそうな場面は無さそうですね。」
「拒否権についてはそうだが、君は今非常に注目を浴びている。君は監視者達の中で注目の的だよ。次の会合の為にもこのタブレットを差し上げよう。」
しげしげと見つめるその姿からしてアレハンドロの中では一代限りの監視者として彼はファイリングされた。時代ごとでの著名な科学者や哲学者からも選出される監視者として彼はヴェーダに見出されたのだろう。
コーナー家が主導する次なる時代の立会人が増えたと思えば何も問題は無い。来る恒久和平の世界を導くのはこの私、アレハンドロ・コーナーなのだから。
黄金大使「イオリア計画で恒久和平世界の為の世界統一!!!その先導者とか気持ち良すぎだろ!!」
腹黒緑髪「お前そんなんやから僕に利用されるんやで、おもしれえ奴」
計画暴露マン「あの爺さんがそんなめんどくてつまらん事真剣に考えるわけないゾ」
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