機動戦士ガンダム - chaos ground story -   作:睦月透火

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《……コイツら、村を襲う気か?!》

 ────始まりは突然だった。

《ダメだ! 村にはまだ、逃げ切れてない子供達が……!!》

 ────村を襲う、無数の蟲たち。

《クソッ、数が多すぎる?!》

 ────村の防衛に駆り出された騎士のゴーレムだけでは、全く手が回らない。

《誰か……誰か村を……助けてくれぇぇぇっ!!》

 ────ゴーレム兵を操る、1人の騎士の叫びが……奇跡を呼んだのか。

『全員散開!  敵は小型だが統率はされていない、撃ち漏らさないよう各個に迎撃だ』

 片翼の天使が、光の剣を手に空を駆ける……

『なんて数だよ……だが、迷ってる暇は無ぇ!』

 見たこともない形の緑色のゴーレムが、長い杖の様な物で蟲達を撃ち貫く……

『無顧の民を襲うとは……笑止千万ッ!!』

 黒い悪魔が、その手足を見えない程の速さで振るい、蟲達を駆逐していく……

『村の人達は、誰も死なせません……!!』

 細身の白いゴーレムが、身体から小さな鎧を外して飛ばし……無数の光を撃ち出して蟲達を撃退していく。

 騎士が陣術で操る、岩や土で出来たゴーレムとは違う……
 人型を象った、正しく鋼鉄の巨人たち────

『ダァァァクネス・フィンガァァァッ!!』

 その姿は、この世界に次々と現れ……
 やがてこの世界を混沌へと塗り替えていく────

『大物が来やがったな……狙い撃つぜぇ!』

 もう止まらない、この世界は“変革”を始めてしまった────

『俺は援護に回る、村の出入口は任せるぞ?』

『え……は、はいっ!!』

 その変わりゆく世界を、私は目撃する事になる────



プロローグ

 マーシャン大陸の南西部……クリュセ村。この大革命の狼煙は、ココから上がった……

 

 最初は村の外れに、茶髪の男の人が倒れていた……その内、近くの森でもう1人。村の側を流れる川で褐色肌の女の子、最後に三つ編みの老人が共同井戸の側で倒れているのが見つかった。

 

 全員それぞれが、見たこともない格好……最初に見つかった男の人は何処かの国の軍の正装っぽい服。2番目の男の人は奇抜なデザインで顔まで隠せる兜付きの全身鎧(?)で、3番目の女の子は白いマント付きの魔導師っぽい服装……最後のお爺ちゃんは、拳闘士が着る様な紫色の胴着だった。

 

 4人とも気絶だけで身体には特に怪我もなく、さほど時間も経たずにそれぞれ目を覚まし……

 

「俺は、いつの間に地上へ……?」

 

「目が覚めたら、(のどか)な村……か。こりゃ天国かもな……」

 

「ふぇっ?! ココは……何処ですかぁ……?」

 

「……儂は、死に損なったのか……フフッ」

 

 最後のおじちゃんはかなり物騒な感じの台詞だったが、その瞳は狂った人の目ではなかったし……何より私を見るとすぐに助けてくれたと気付き、丁寧にお礼を言ってくれた。

 

「お嬢さんが儂を助けてくれたのかな? ……こんな老骨だが、ありがとうよ」

 

 勿論、他の3人も……事態を飲み込んで、ある程度落ち着いてからだったけど。

 

 

 最初に見つかったお兄さん……アムロさんは、やはり軍人さんだった。でも、それまで居た場所から、いきなりココへ来た事には凄く驚いていた。

 

「さすがに不可解過ぎるが……事実ココはキミ達の村だし、助けられたのは間違いないな……」

 

 2人目のお兄さん……ニールさんは、何だかよく分からない組織(?)の人だったらしいけど……悪い感じはしなかった。私と歳も近いし、すぐに村の子供達も馴染んでくれた。

 

「何で生きてるかは分からないが……ココが天国だってんなら、納得しちまいそうだな」

 

 3人目の女の子……スレッタちゃんは、なんと私と同い年。しかも全寮制の学校に通う学生さんで、夢は「故郷に学校を創る」事なのだそう。

 

「が、ががが学校……勉強は、難しいけど……逃げなかったら……色々たくさん、手に入るから……」

 

 最後のお爺ちゃんは……シュウジさん、という名前らしい。それまで長い間【東方不敗】と言う名前で呼ばれていたらしいけど、お弟子さんと今生の別れの際に「返上する」と決めたとの事。

 

「老骨で悪いが、何か恩返しくらいはさせて貰えんだろうか?」

 

「……そうだな、年下の女の子に世話になりっぱなしってのも居心地が悪い。出来る事なら何でもやるぜ?」

 

「ああ、こう見えて俺は器用な方だ……畑仕事でも何でも、手伝わせてくれ」

 

「よ……よよよ、よろしくお願いします!」

 

──────────

 

 機械弄りが得意というアムロさんには、村の人達が直すのに手間取っていた農器具の修理……目が良くて、射撃が上手いと自称するニールさんは村の労働力である男達と山へ狩りに。

 スレッタちゃんには私と一緒に野菜の収穫……拳法の達人らしいシュウジさんには、村の爺ちゃん達の仕事である薪割りの手伝いを頼んだ。

 

「さすがにココは何度も力が掛かる部分だから、もう少し丈夫な素材に変えた方が良いんじゃないか?」

 

「そうだな……加工屋のオヤジに相談してみるか」

 

「オゥ兄ちゃん、コッチの奴はどうすれば良い?」

 

「ふむ、ちょっと見せてくれ……これは……」

 

 手渡された器具の構造をすぐに理解したアムロさん……壊れてしまう原因をすぐに見つけ、対処法を編み出し、的確に修理や直すべき場所を指摘してくれている。

 

 

「お、居た居た……彼処だ、茂みの奥……左の水辺の辺り」

 

「ホゥ、山兎か……良く見つけたな」

 

「言ったろ? 俺は目が良いんだぜ?」

 

 ニールさんは本当に目が特別らしい……動くモノの方が良く見えるのだとか。だから、獲物を見つけたり、狙い撃つ事が得意なのだという。

 

 

「…………ハァッ!!」

 

 斧……ではなく素手で薪をカチ割り、瞬く間に自分のノルマを終え……他の人の分も手伝い、最終的には本日のノルマ処か、軽く数日分をこの短時間で済ませてしまったシュウジさん。

 

「薪割りとは、懐かしいものよ……若き日の修行時代を思い出すのぅ」

 

 晴々とした笑顔で、村の子供達に差し入れされたお茶を味わっていた。

 

──────────

 

「少し前にも……ミオリネ、さん……知り合いの菜園で……手伝い、させて貰った、ので」

 

「なるほど、それで少しだけ……って言ったんですね」

 

 私とスレッタちゃんは、年上の子供達と菜園で収穫をしていた。

 事実、スレッタちゃんの手付きは素人以上、ベテラン未満……全くの未経験、とは違う所作だった。

 何年もやってる村の子供達や私と比べたら、そりゃ差はあるけど……それでも、ちゃんと指示は聞いてくれるし、何度も反芻しながらどんどんその手付きは様になってくる。ちゃんと出来る頭数が増えるのは、純粋にありがたい……

 

 

 その後、お昼を揃って食べた後……アムロさん達は、自分たちが森に居た理由を突き止める為に揃って出向いた。村の若い男性2人が案内を買って出てくれ、私は夕食の仕込みを始める。

 

 その日は、ちょっと変わったけど何気ない日の1つとして終わる……なんて事は無かった。

 

──────────

 

 村には、護衛の騎士が3人ほど常駐している……

 

 元々村の出身であり、王都や近隣都市にある養成施設で訓練を受け、村の防衛を担う為に戻ってきたのだ。

 

 騎士階級は3人とも「“準騎士”」……

 聖騎士、一等~三等騎士、準騎士、見習い……とある階級制度の中で、抜刀または魔術の行使を自己責任で行う事が出来るのは準騎士からの為、出身地の防衛戦力となる為には準騎士にならなくてはいけない……彼等もその規則に則り、準騎士となってこの村に帰って来たのである。

 

「今日も平和だな……数日前の魔物騒ぎも何処へやら」

 

 金髪の騎士、アレクが数日前の魔物騒動を皮肉る。

 

「あれは修道騎士の結界を越えて来たんだ……本部の戦力でなければ、撃退も叶うまい。アレは運が良かったんだよ」

 

 茶髪で三つ編みの女性騎士、マルティナが感慨深くその時の様子を思い出していた。

 

 

 ……それは本当に突然だったのだ。

 

 聖王国に古くからある魔導技術の進歩により、聖王国統治下のこの村(クリュセ)を含め……近隣の街全てに『魔防結界』が張られ、それまで魔物の驚異に怯えていた一般市民の生活も徐々に安定を始めて早数年。

 結界の中で人類は安住を手に入れたかと思われていた……

 

 だが、結界を破る魔物を操り破滅主義を掲げる『デビル教』や、行き過ぎた貴族主義を振りかざす『コスモバビロニア帝国』……別大陸から侵攻してくる『ジオン公国』など、人類内の争いは絶えない……

 最近ではココ数年前後で、かつての国家連邦所属だった同盟国を次々と併合しているアトラシス連合の台頭や、聖ギャラルホルン皇国の内部腐敗など……政治的な緊張感も高まり続けている。

 

 そこへ『デビル教』とは異なる、未知の魔獣騒動……

 この世界は、混迷の極みともいうべき時代となっていた。

 

──────────

 

《……な、何なんだ……アイツ等は?!》

 

《お、俺が知るかよ?!》

 

《あの声……まさか、昨日転がり込んだ連中なのか……?》

 

『……どうした? 儂はココだ、ココに居る……!』

 

『見るからにヤバそうな中型の奴は、粗方片付けたぜ? 残りは取り巻きの雑魚と、あの大型だけだ!』

 

『スレッタ、君はニールと村の防衛を継続してくれ』

 

『は、はいっ!』

 

『儂があの大型を相手取ろう……流派・東方不敗が王者の風、刮目して見るが良い!』

 

『……なら、残った雑魚の殲滅は俺がやる!』

 

 膝立ちから立ち上がり、額のガンカメラを収納する緑のMS……ニール・ディランディの駆る“ガンダムデュナメス”……

 11基のガンビットと共に右手ライフル、左手サーベルのスタイルで撃ち漏らしを潰して回っていたのは“ガンダムエアリアル”……

 まるで流水の如く、戦場を駆け巡り……敵の総数を減らし続けていたのは、漆黒の装甲に赤い翼を持つ“マスターガンダム”……

 ……そしてその3機を的確に援護しつつ、自らも複数の魔獣を相手取り打ち負かした“νガンダム”……

 

 ココとは違う異世界で……最強の代名詞として謳われた『ガンダム』の名を冠する機体。

 それこそが、この世界に“巨大な変革”をもたらす……




こんな転移系ストーリーあったら良いな的に書いてみたw
語りはダブルオー、世界観とノリはナイトガンダム物語みたいなヤツと思って下さい。

感想・評価よろしくお願い致します!
応援して頂ければ連載化、他の有名キャラやMS、カップリングも叶うハズ……!
原作ガンダムではシナリオの都合で為し得なかった夢を……是非、描かせて下さいッ!!

登場MSのデータやキャラの(本作における)設定は要りますか?

  • いらない
  • 経緯と来歴なら
  • 全部くれ
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