機動戦士ガンダム - chaos ground story -   作:睦月透火

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他の作品もあるためスローペースですが、色々描きたいシーンや原作再現……夢のようなコラボレーションなどもてんこ盛りにしてやりたいなァ……!

プロローグにて、クリュセ村を襲った巨大な蟲のような異形達……
村付きの騎士達は奴等を『魔獣』と呼ぶのだと言う。



第1話 始まり、出会い、そして……(前編)

 襲撃から一夜明け、アムロさん、ニールさん、スレッタちゃんにシュウジさん。

 彼等は全員が聖騎士クラス相当の魔甲騎士であり、強力な“ゴーレム使い”という事なのだろうか……?

 

「……ゴーレム? いや、コレはMS(モビルスーツ)と言ってね。魔法じゃなくて科学技術の産物なんだ」

 

「そーそー、魔法なんて非科学的なモンなんか1つも無いぜ?」

 

「ま、魔甲騎士……ですか……? 分かんない、です……」

 

「ふぅむ……どうやら我々は、お互いに何か勘違いをしておるようだな」

 

 

 それからアムロさん達は、それぞれ自分たちの居た世界に関して丁寧な説明をしてくれた……そのお陰かまだ完全ではないが、私は大まかな違いや差違については何となくだが理解できた。

 

 まず彼等の駆る巨人はモビルスーツと呼ばれ、魔法を一切使わずに建造される人型の『機械』……ロボット(?)とか言うものらしい。

 また、シュウジさんのは更に違う部類であり、俗にモビルファイターと呼ばれる“競技用”だという……の割には破壊力は他の機体よりも圧倒的に上だった気がするんだけど……

 

 次に、4人はそれぞれ別の世界の出身だという事……

 アムロさん達には、この世界の地名や組織、国名の一部に聞き覚えがあったのだが、認識がまるで違っていた。

 

 例えばジオン公国にある“大昔の大貴族が立ち上げた城塞都市”【ア・バオア・クー】や、“流通の要衝”と言われる公益都市【ソロモン】が「宇宙要塞(?)」だとか。人類革新連盟が治める「真華王国」に聳え立ち、世界の屋根とも呼ばれる“塔の形をした超巨大ダンジョン”【天柱】は「軌道エレベーター(?)」だとか……

 

 ……因みに古代遺跡が眠る“幻の島国”「ネオ・ジャパン」はスペースコロニー(???)、高名な魔導騎士を多数輩出している“学園都市「アスティカシア」”もまた別のスペースコロニーにある「学校」だとのこと。

 

──────────

 

「……う~ん、聞き覚えがあっても何かが致命的に違うって訳かぁ」

 

「……どうしたの? お姉ちゃん」

 

 そう言って草むらに寝そべり黄昏ってる私の顔を覗き込んできた背の小さめな可愛い少女……近所の雑貨屋で住み込みアルバイトをしているアトラちゃんだ。

 

「ほら、最近村に居着くようになった人達の事をね……」

 

「あぁ、ニールさん達の事? 三日月達はまだ何か勘繰ってるみたいだけど……」

 

「あの子達ったら。いくら外の人間が信用出来ないからって……」

 

 アトラちゃんや三日月を含め、このマーシャン大陸にある村や街には孤児が多く……私は彼等を自分の家に住まわせ、礼儀作法を教えながら独り立ちを促している。

 ……アトラちゃんは私がそうする前から雑貨屋でお世話になっていたので状態的にはそのままだが、三日月達と仲良くなってからは頻繁に顔を見る様になったし、ついでに面倒を見ている……まぁ、私としては帰りに雑貨屋の用事を言伝てして貰えるので棚ぼたラッキー。

 

 ついでに言うと、子供達はリーダー役のオルガを頭に『鉄華団』という集団を私の知らぬ間に立ち上げ、村の困り事を積極的に解決(?)しているらしい……まぁ、手に負えなくなると私に泣き付いてくるのはいつもの事なので、もう少し分別というモノを教え込む必要はあるが。

 

 まぁ、村の皆からは意外と歓迎されているみたい……まだ外の人間(アムロさん達)に対しては、まだ警戒心剥き出してるけどねあの子達……

 

「……後でオルガ達に言い聞かせとくわ、ありがとうねアトラちゃん。……あ、そうだ……このメモ、ハバさんに渡しといてくれるかな?」

 

 モノのついでとして定期購入のメモをアトラちゃんに言付ける、これも毎度の事なのでアトラちゃんも「あ、いつものですね」と受け取ってくれる。こういうやり取りも、信用の置けるアトラちゃんだから……仕事は真面目だし、ハバさん曰く、そろそろ荷車も1人で扱える位に身体も成長しているから、定期購入の運搬もやらせる予定みたい……

 

「あっ、はい。それじゃあ、店に戻ります」

 

「時間が合うなら、今度はお昼食べにおいで」

 

 元々大人数の量を作るし、アトラちゃん1人増えても対して量は変わらない……クリュセに住む人達に裕福な家庭はそう多くもないし、此処(孤児院)の運営費は公的機関(聖ギャラルホルン)からちゃんと貰えている。アトラちゃんも分かっているから「はーい、また今度~♪」と言って嬉しそうに店へと戻って行った。

 

──────────

 

 その後……村付きの騎士達によって正式に聖王国側へも今回の襲撃の顛末が聖王国にも届けられ、アムロさん達を王都ヴィンゴールヴへ招待したいという旨が早馬で届けられた。

 

 しかし、今の聖王国はかつての繁栄に胡座をかき……軍の将校らと貴族の間で内輪揉めが絶えないという。将校らはかつて列強として名を馳せた頃を取り戻さんと軍備や戦力を整えており、貴族連中は隠し持った野心から変な衝動に駆られ、基本的に私腹を肥やしているらしい。

 

 ……そんな中、この「魔獣襲撃事件」は寝耳に水となった。

 

 聖王国としては、この事態を重く受け止め再発防止に人員を割く様だが……あまり大規模な支援や活動にすると、貴族派の連中が黙ってはいない。それこそ“何故、我々がそんな些事に振り回されねばならぬのか”と……

 

 聖王国の中枢機関「セブンスターズ」が現状マトモな方だから、この国は()()何とかなっているだけで、そうじゃなければとっくにこの国は滅んでたと思う……そう思わずには居られない。

 

 

──────────

 

 夜の森の中を走る3頭の馬……それぞれの背には、3人の男女が乗っていた。

 

「クソッ、しつこい……!」

 

 男の1人が後方から来る()()()を見やり、悪態を吐く。

 

「迂闊だった……日が暮れる前に村まで辿り着ければと思ってたが、そう上手くは行かないな」

 

 一番前を走る馬に跨ったローブ姿の少女は、「日暮れまでに森を抜ける」という選択に後悔する。

 

「距離が詰まって……包囲される!? アスラン!」

 

「此方の事情を既に把握しているのか? やけに手回しが早い……!」

 

 直ぐ側を走る馬に乗るもう1の男が包囲され掛かっている事に気付き、アスランと呼ばれた男は“事が露見している”事実を認識し歯噛みした。

 

「キラ、カガリ。コッチだ! 速度は落とすなよ!」

 

 懸命に馬を走らせつつ後方を警戒する3人……彼らを追ってくる相手は馬ではなかった。

 

《いい加減鬼ごっこにも飽きてんだよ! オイ、テメェ等! 囲んじまいな!》

 

 闇夜に響くこの言葉尻に合わせるかのように、前と左右の気配が近付き、3人は完全に囲まれ、足を止められてしまう。

 前と左右に立ち塞がったのは……太ったカエルの様な、丸っこいデザインのゴーレム。

 

 それは、過去にギャラルホルンが量産に成功した「魔術式ゴーレム召喚器」によって呼び出されるMS(モビルスーツ)……その中でも装甲や耐久性に秀でた「マン・ロディ」タイプが6機、彼らを囲むように現れたのだった。

 

《さんざん逃げ回ったは良いが、こんな森の中で最後を迎えるたぁ運が悪かったなぁ?》

 

 更に現れたのは、他の「マン・ロディ」よりも一回り大型のゴーレム……いや、ソイツだけは完全なモビルスーツだった。

 

《大人しくこの『クダル・カデル』様のグシオンに、潰されていれば良かったものをよぉ!?》

 

 声と共に振り上げられる巨大なハンマー、追われていた3人は馬を操って回避を試みる……が、行く先にマン・ロディが回り込み、逃走を許さない。

 

「……ここまで、なのかな……」

 

「こんなところで諦めろって言うのか?!」

 

「……だが、このままでは脱出も……!」

 

 だがその時、遠目から“何か”が乱入……グシオンはそれに気付き、咄嗟にハンマーの軌道を変え、その反動で“乱入者からの攻撃”を避ける。避けられた“攻撃”はそのまま軌道の先で屈んでいたマン・ロディの首関節部へと突き刺さり、その機体を沈黙させた。

 

 ……少年達から見えた乱入者の攻撃、それは“棺桶の意匠が施された物体”だった。

 

《……おいおい、この騒ぎはなんだぁ? お前ら、ただの盗賊じゃねーな》

 

 突然闇から響く人の声……直後、棺桶の意匠が施された物体が持ち上がる。持ち上げた“ソレ”は徐々に姿を現し……黒いボディのゴーレムの様なものが現れた。

 

《自衛手段すら持たないのに、この数で包囲される……何やら事情がおありの様ですね。この場は僕らがお引き受けしましょう》

 

 更に反対側からも声と共に現れた、もう1体ゴーレム……いや、それらはグシオンよりもスマートな見た目をした2機のMSだった。先に現れた真っ黒なMSは巨大な光の刃を持つ鎌を携え、もう片方も両手に巨大な曲刀2振りを握り、グシオンやマン・ロディらに対して威圧的ににじり寄る。

 

《チィッ、コイツら……いつの間に?! しょうがねぇ……お前ら、引き上げるわよ!》

 

 クダルは悪態を吐きながらも新参2体の動きを注視し、手下へ指示を飛ばす。

 

《あ、おい待て!》

 

《デュオ、深追いは禁物です。この辺りは彼らの縄張りでしょうから、迂闊に追うと逆に罠を掛けられます……それよりも彼らを》

 

《そうだったな、すまねぇカトル》

 

 黒いMS……死神を彷彿とさせる機体と、中東辺りの戦士にも似た意匠の白い機体。彼らはギャラルホルンからの依頼を受け、魔獣の調査に来ていた者達であった……

 

「……助かった……のか?」

 

「……その様だ。しかし……彼らは一体……」

 

《あ~、急で悪いんだが……この辺りに村があるって聞いたんだが、アンタ達分かるか?》

 

 黒いMSを駆る少年、デュオからの突然の質問にキョトンとする3人……この後、全員が森で迷子になっている事をようやく認識するのであった。




TIPS:魔導騎士
知識と魔力さえあれば誰でも行使できる「魔術」を扱う者達。
その身柄は国家帰属で、魔術の知識だけでなく直接戦闘力も兼ね備える為、階級は強さに直結している。
また、年に一度ある“試験”によって新規入団や階級の選定が行われている。

TIPS:魔甲騎士
魔導騎士とは違い国家帰属ではなく、「魔法」を扱い、強力なゴーレム等の召喚を行う事が出来る存在。
先天技能(アビリティ)技術(スキル)によってその強さは大きく変わる為、MSパイロット達もココに含まれる。
一応「魔術」でも“ゴーレム召喚”はできるが、一部地域でのみ生産されているそこそこ高価な使い捨てアイテムを必須とする為、その強さは必ず一定になる。

TIPS:この世界におけるモビルスーツ
一般的にはゴーレムに近い、人造ゴーレムと認識されている。
ゴーレムは天然素材と魔術によって形造られる為、個人技能に直結し戦闘能力の差異も著しいが、MSの大半は乗り慣れさえすれば誰でも一定の戦闘能力を発揮できる。また、ゴーレムと違い再生能力は無い……
しかし“専用機”等、一部のMSはその中に含まれない物も存在するらしい。

作中の活躍・登場に期待している系統は?

  • 一年戦争 ~ シャアの反乱
  • バビロニア ~ ザンスカール
  • 未来世紀
  • アフターコロニー
  • アフターウォー
  • コズミック・イラ
  • 正歴(ターンエー)
  • 西暦(ダブルオー)
  • アドバンスド・ジェネレーション
  • リギルド・センチュリー
  • ポスト・ディザスター
  • その他(ビルド・Gジェネ系)
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