機動戦士ガンダム - chaos ground story - 作:睦月透火
水星の魔女、思った以上に神作だったわ……
さて、バルバトス君……初仕事ですよ!
土煙の中から現れた巨人は……その手に巨大な得物を握り、襲い来る敵を一蹴した。
『……オルガ、無事?』
「……あぁ、なんとかな……」
悪魔の名を冠するモビルスーツ……ギャラルホルンの伝説に名を残す存在、ガンダム・バルバトス。
かつて世界を救った機体が、再びこの世に顕現した瞬間であった……
《お頭……アイツは……!》
《……間違いない! アレは厄祭戦の遺物。このグシオンと同じ、本物のモビルスーツだ! お前ら、アイツを生け捕る。アレは戦力にも金にもなる……逃すんじゃないわよ!》
《『『『おぅ!!』』』》
この期に及んでブルワーズはバルバトスを脅威と
しかし……彼等は違う。
「ミカ! 敵と味方の区別は分かるな? ブルワーズを全員ふん縛ってギャラルホルンに突き出せば、クリュセの今後は安泰だ……叩きのめすぞ!!」
『うん、わかった』
『はぁ?! お前……三日月か?!』
『……あ、狙い撃つひ『ニールだ、覚えとけ!』……うん』
『ヤレヤレ……どっから持って来たんだよ、そんな機体』
『フハハハッ、良いではないか? コレで頭数は互角……油断さえ無ければ此方の勝ち戦よ』
いつの間にかマスターガンダムとガンダムデスサイズも現れ、ブルワーズのMS等と対峙している……頭数もちょうど6対6となった。
『ブルワーズの頭領、クダル・カデルの機体……あれも恐らく悪魔のMSです。僕のサンドロックをパワーで上回るなんて……!』
『俺様のグシオンは、テメェ等の操る紛い物とは違う! これぞ“厄祭戦”で戦果を挙げた、本物のモビルスーツよォ!!』
ハンマーをぶん回し、スラスター全開で振り下ろしてくるグシオン……前を警戒していたサンドロック達はジャンプして射線から外れたが、最後方に居たバルバトスは全く動じない。
『あの質量……直撃したらさすがに装甲が持たねぇだろ……!』
『三日月! 避けろ!!』
「ミカ?!」
『三日月さん!?』
『はぁははははは!! コイツで死んじゃえよォォォ!!!』
ブーストハンマーを振り上げ、激突直前に打ち下ろさんと迫りくるグシオン。クダルは通信越しに恐怖を煽る……がしかし、バルバトスを操る三日月は終始、冷静だった。
『……お前さぁ……ちょっと煩いよ?』
バルバトスは体勢を少し低く構えてグシオンを真っ向から迎え撃ち、右手の大型メイスを握り直して向かってくるグシオンへと穂先を向け、そのままグシオン目掛けて最速で突き出す。
もちろん、全速力で突撃して来たグシオンは、この穂先を避けられる筈もなく……
ガッギシュゴォォォンッ!!!
『ぎぃぃぃゃあぁぁぁァァァ……!!』
突き出されたメイスが偶然にもグシオンのコクピットを正確に捉える、その直後……大型メイスの穂先に仕込まれたパイルバンカーが作動、偶然の一致が齎したその威力は
グシオンは胴体を貫かれたまま、攻撃後残心するバルバトスを紙一重で逸れ、スラスターが止まり何度も地面を転がった後ようやく静止。
……当然、コクピットの中のクダルは十中八九、見るも無惨な状態……喩え辛うじて生きていたとしても、四肢は全て潰れて全く使い物にならず、脳や胴体にも深刻なダメージを負い、日常生活のあらゆる行動に介助を必要とする身体となってしまっているであろう。
ちょうど登ってきた朝日に照らされ、低い姿勢から立ち上がるバルバトス。
乗り込んだ三日月は鼻血こそ少し出ていたが、しっかりと意識を保ち、この世界では初となる筈であるモビルスーツの操縦の感触を「久しぶりだな……この感触」と呟いたのだった。
完全に日が登った頃、クリュセ村へと帰ってきたオルガやアムロさん達……無事に救出された昌弘や村人は、留守を預かり残った明弘や家族と涙の再会を果たした。
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「……全く、呆れたわ……人質を奪還ついでにブルワーズを壊滅させて。ゴーレムもどきまで持って帰ってるなんて……」
私は「人質を奪還する!」と息巻いて出ていったオルガ達が、あろう事か盗賊が使っていた“ゴーレムもどき”を山ほど持ち帰った事に呆れていた。
「ゴーレムじゃなくてモビルスーツ、だとさ。ブルワーズの奴らは全員コイツを使ってた。アムロさん達が言うにゃ、訓練次第で誰でも動かせるんだとよ……」
ブルワーズが扱っていたゴーレムモドキ……厄祭戦時代のモビルスーツは全部で6体。その中でもグシオンは特別な奴らしい……
オルガ達が帰って来た後、偶然にも明弘がグシオンに触れ、記憶の混乱と共にグシオンの姿も変わり突然「グシオンリベイク……オレの機体だ」と明弘まで変な主張をし始めたのだから……
「……でも全部は村には置いとけないでしょ? 使い魔やゴーレムと違って手入れも必要って言ってたし、ただの乗り物と同じなら、壊れたらそれまで。私としては早々にその道の専門家にでも売り払って、村の蓄えにでもして欲しいわね」
「だいたいの奴はそうするさ……でも、今後は村にも守りが要る。最近村の外……ギャラルホルン自体も含め、他の大陸やら国なんかもキナ臭いって話があるからな」
オルガの意外な答えに、私は少し感心する……
世情に疎い他の大人達と違って、アムロさん達の行動に強く影響を受けたのか、外の世界に目を向け、今後どうやって生き抜くべきかを自分なりに模索してくれていた。
今までは家主の私か、自分達が認めた大人の言う事しか聞かず、井の中の蛙が如く偏見に凝り固まりそうだったのに……
一方、悪魔のMS……バルバトスを従えた三日月はカトルとデュオに身体検査をされたものの、今まで無かった背中の魔術文様と潜在魔力の上昇以外、大した変化もなく普通にしていた。
勿論その変化は、三日月と同様にグシオンを手懐けた明弘にも……
「……ギャラルホルンに伝わる古い伝承に、救世と建国に関する伝説があります。悪魔の名を冠する存在とは、このお話の中に登場する、“72体の機兵”を指すようなんです」
他国でも歴史書を読み漁る癖のあったカトル……自身が記憶していた伝承の一部を語り、“バルバトス”という名から間違いなく“伝説の悪魔の名を冠する機体”だと断定した。
(懐かしい、のかな……お前に乗る日が来るなんてさ)
三日月・オーガスにはもう一つ、他の誰にも分からない変化があった……
それは……かつてこの機体を駆り、命の限り戦い抜いた記憶……
この世界に転生する前の、火星での激動の記憶……その戦いの全てを“思い出す”という形で植え付けられていたのである。
「此処に居たのか三日月、オルガが呼んでるぞ〜」
「ん……分かった」
村の外れに駐機されたMS達……その中にあるバルバトスを見上げていた三日月を見つけたシノは、オルガからの伝言を告げて去っていく。返事をした三日月も、1度シノの方を向いて返事を返すと再びバルバトスの方を見上げる──
(ああ、今度は……ちゃんと守り通すぞ、バルバトス)
心の中でそう告げて歩いていく……
バルバトスは変わらず佇んでいるだけだったが、その双眸には薄っすらと光が灯っていた。
なんと、三日月に原作の(バルバトスに関する)記憶が……!
モチロン、グシオンに触れた明弘にも同様です!
しかし、この世界ではまだタービンズと出会ってないので、イチャラブ成分はしばらくお預けデス!
あと、クダルからぶん取ったグシオン。
明弘が触れた事で自らグシオンリベイクへと“進化”しました。
本作における(一部の)モビルスーツは、いわゆるこの世界の『魔神』的な扱いで、その構造や機構こそ既存(原作)の概念ですが機能的には持ち主の意思や感情に大きく影響されており、一部の機体は状況や乗り手に併せて“進化”もします。
……これぞファンタジー要素w
さて次回……
極秘裏の外遊を嗅ぎ付けられ、ピンチに陥ってしまったオーブ組のストーリーが進みます。
そんで今回からストーリーのキーシリーズ毎に原作風の次回予告を──
突然の奇襲を受け、クリュセに避難した3人……
襲撃者は倒され安堵するが、その首謀者はまだ諦めてはいなかった──
再び村は襲撃され、鉄華団とアムロ達は迎撃に出る。
その最中、刺客に狙われるカガリ──
襲撃者からカガリを守る為、キラとアスランは乞い願う。
『大切なものを守れる力』を、と。
その願いが齎したのは
守るための「盾」か、世界に「衝撃」を与える存在か。
次回、機動戦士ガンダム ー chaos ground story ー
第5話『守る者と、戦う者』
混沌の戦場に、今こそ立ち上がれガンダム!!
作中の活躍・登場に期待している系統は?
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一年戦争 ~ シャアの反乱
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バビロニア ~ ザンスカール
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未来世紀
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