最近ゆるキャン△に再度ドはまりしました。今度キャンプ行ってきます!…時間あれば!
皆もゆるキャン△で癒されよう!
あれ、これなんの短編企画だっけ…
ある、秋の晴れた日。
少しずつ寒くなり、町でも紅葉が見られるようになりつつあった。
もちろんトレセンでも、秋ならではの盛り上がりが見られ……
「ねえお兄ちゃん、もう町もすっかり色づいたよね~」
トレセン所属のウマ娘にしてフォロワー200万人超えのウマスダグラマーCurrenであり、そして現役最強と謳われるスプリンターである、カレンチャン。彼女もまた、秋を楽しもうと画策していた。
「まぁ…そうだな、寒くなってきたよな」
そして、それを知らずに(体調管理とか気を付けないとな)と寒さばかりを気にする、カレンチャンのお兄ちゃ…トレーナー。彼は秋の楽しみ方を何も考えていなかった。
…さて、どう話を切り出したものか。
カレンチャンは、今日のお休みを何とかトレーナーと過ごそうと思案顔で、腕を組んでトレーナー室を歩き回っていた。
スプリンターズステークスでは見事な勝利を決め、先日そのご褒美とばかりにデートに行ったばかり。気軽に連れまわしすぎて、彼の本業をおろそかにさせるわけにもいかないが…
(でも、今日は珍しく平日。あんまり並ばなくてもお店とか見て回れそうだし、ゆっくりできるし…お兄ちゃんのリフレッシュにも…それにウマスタのネタにもなるし…)
そうして考えているうちに、目をつぶって腕を組み、頭を揺らし…明らかに「私悩んでます」な格好になってしまっていたため、トレーナーを心配させるわけにもいかないな、と一旦トレーナー室を出ることにした。
「うーん…」
「どうかされましたか、カレンさん?良ければ相談に乗りますが…」
アニメでよく見るタイプの悩み顔になっていたカレンに声をかけたのは…
参考画像:ゆるキャン△2期第8話、10分30秒頃の悩み顔志摩リン
「あ、フラッシュさん…」
選考したコースを潜行して閃光の末脚でレースを専攻するウマ娘、エイシンフラッシュであった。
出典:『よくわかるルドルフ会長のダジャレ100選、その2』
せっかくだから、と相談に乗ってもらうことになったカレンとフラッシュは、学内の食堂へ一旦移動することにした。
「…それで、どう誘うか悩んでいる、と」
「うん…」
両肘をついて腕で顔を支え、前傾姿勢になって座るカレンと、ピンと背筋を伸ばして行儀よく座るフラッシュ。
フラッシュの顔には、少しの呆れが混じっていた。
「いや、普通に誘えばいいのでは?」
そう言ってから、フラッシュは思わずといったように口をふさぐようなしぐさをしたが、一度咳ばらいをしてからその姿勢をもう一度正した。
カレンはその様子を見て、完全に呆れられたことを悟ったが、しかしここでフラッシュに話を打ち切られてはどうすればいいのかわからない。
「そ、そうですけど…その、わざわざ誘う名目がないと言うか、何か『これは行かざるをえないだろう』みたいな、口実を作ってあげたいんです」
「なるほど…」
少し照れて体を縮こませながらそう言った後、ごまかすように飲み物に口を付けたカレンに、フラッシュはどこか小動物のようなかわいらしさを感じた。
慌ててコホン、と咳払いをし、返事をした後、そういうことならと思案を開始した。
(しかし、口実と言うとやはり『カレンの誘いだから』で済んでしまうような気はしますね…ここはひとつ、何かカレンさんにも思い切ったことをしてもらうのがいいでしょうか)
しばしの間があったのち、考えを纏めたフラッシュが口を開いた。
「では、こういうのはどうでしょうか」
再び、トレーナー室。
部屋の中には、PCの駆動音とタイピング音、そして時折、トレーナーが漏らすあくびやため息だけが響いて「お兄ちゃん!!」
そこに、もう一つの音の主が帰ってきたのだった。
「うおっ、…なんだカレンか」
「えへへ、驚かせちゃった?ごめんなさーい」
開けた時とは対照的に、静かに扉を閉め、ひょこひょことトレーナーに近づき、座っているトレーナーの顔を横から覗き込むようにして話を続ける。
「ねえねえお兄ちゃん、少しカレンで走りに行かない?」
「ん?いや、俺じゃ併走相手にはならないと思うんだが」
そう言うトレーナーに対し、カレンは違う違うと首を振る。
「そうじゃなくて、カレン"で"!」
「えーと…すまん、よくわからないんだが…」
「つまり…カレンがお兄ちゃんを背負うってこと♪どう?面白そうでしょ?」
「ははぁ…うーん、まあ確かに…でも、カレンが大変だろ?」
「じゃあけって~い!」
「えっ」
トレーナーが反応する暇もないうちに「大丈夫大丈夫~」と言いながらカレンはトレーナーを素早く担ぎ上げ、お米様だっこで校内を走り出すのだった。
「ふふ……私も、そろそろドイツ行きの計画を立てないとですね」
「おい、カレン!これ一体どこに向かってるんだ!?」
「とりあえず、町の方~!」
大声を出さなければ自分の音さえかき消すような強風を受けて、いつものこととばかりに、もしくはトレーナーがいるからかいつも以上の笑顔を浮かべ、周りの注目も知らぬとばかりに走り続けるカレン。
当初の目的であった背負いの体制には何とか移せたものの、トレーナーは戦々恐々として、必死にカレンにしがみついている。
「よし、ここにしよ♪」
「ウグッ!きゅ、急に止まらないでくれ!」
時速で表せばおおよそ50㎞程度の結構なスピードで走り続け、しばらく走ったのち、どこかでカレンが急停止。
カレンにとってはいつものスピードでも、トレーナーからすればいちいち圧がすごいのだ。
もはや周りの景色をまともに認識していなかったトレーナーが、ようやく落ち着いて、周りを見渡すと…
「…ここは、カレンがたまに通ってるカフェじゃないか」
「あれ、お兄ちゃん知ってたんだ?」
「そりゃまあ、ウマスタで見てるからなぁ」
カレンはそっか、と一層笑顔を深め、それからお店の方に向き直った。
「じゃ、いこっか♪」
それにしても…カレンはこの視線は気にならないのかね、とトレーナーはなんとなく思ったのだった。
「お待たせしました~」
木目調のパネルや木製の椅子や机、少しダークな色で統一された落ち着いた雰囲気の店内。
カフェらしく、少し女性やカップルなんかが多いだろうか。みんな穏やかに、思い思いのスイーツを楽しんでいる。
カレンはサツマイモを使ったパフェを、トレーナーはコーヒーと抹茶のスイーツを頼み、まずは撮影会をひとしきり楽しんだ。
「…実はね、今日はお兄ちゃんにも、秋を楽しんでもらおうと思って」
「なんだ、そういうことならそうと……しかし、カレンの秋は中々豪快なんだな?」
「もー、お兄ちゃん!」
先ほど驚かされた仕返しとばかりに、少しトレーナーからのからかいを含みつつの会話を楽しんだ二人は、続いて食事の話に入る。
「しかし、そのパフェ…でっかいサツマイモの…チップか?これまたずいぶんとイモを前面に押してるなぁ」
「えへへ、そうでしょ?今年のサツマイモスイーツのトレンドはこうなんだ♪芋のそのままの形をグッと押し出すと、映えるんだよ!」
「ははぁ、確かに…俺もサツマイモのスイーツ、なんか調べてみようかな」
「おっ!お兄ちゃんもウマスタグラマー、目指しちゃう?色々教えるよ♪」
なお、作者は今年のトレンドをパソコンで調べた模様。去年のトレンドと間違えてないかなぁ大丈夫かなぁとか思いながらここ書きました。
「ありがとうございましたー!」
「…いやはや、さすがのウマスタグラマーの拡散力と言うべきか、少し列まででき始めてたなぁ」
「えへへ、すごいでしょ?」
その質問には、トレーナーは無言で笑みを漏らすことで答えるのだった。
「じゃ、次は紅葉だね!」
「お、どこに行く…おいちょっと待てまたやるのか!?」
おー!と振り上げた腕をこちらへ差し出してくるのを見て、トレーナーはカレンが今からやろうとしていること、そして自身の(精神的な)死を確信していた。
うおああぁぁぁぁぁぁ………
「ぜ、絶対死んだ……」
「あははっ、なにそれ♪そんなことより、ほら!ついたよ、お兄ちゃん!」
周りの景色に見とれるまもなく、いつの間にやらトレーナーは秋の最深部に連れ去られていた。
小高い丘になっているらしいここは、カレン曰くトレセンの生徒の中では隠れ絶景スポットとして有名らしい。
「…そんなとこ、教えてよかったのか?騒がしくなってほしくないやつもいるだろうし、あまり拡散するのも」
「大丈夫、ここの写真はアップしてないから!それより、二人で写真とろ?ほら、入って入って!」
「うわ、分かったから引っ張るなってば」
「あははっ、はい、チーズ!」
また、カレン主導の撮影会をひとしきり楽しんだのち、紅葉狩りタイムへと移った。
「まだ、完全に色づくには時間がかかりそうだな」
「そうだねー…でも、落ちてる葉っぱも…痛っ!」
紅葉を楽しもうと、舗装されていない道を歩きながら、少しずつ丘を下っていく二人。
葉っぱを拾おうとカレンがしゃがんだところに、上から銀杏が振ってきた。
「なんだ、銀杏かぁ…」
(そういえば、スイーツの話は一通りしたが、まだ秋のご飯の話はしてなかったな…)
そこまで考えたところで、トレーナーの頭にいい考えが浮かんできた。
「なあ、カレン」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「学園に戻る前に連れて行ってほしいところがあるんだが…いいか?」
「お、お兄ちゃん乗り気だね~♪」
この後めちゃくちゃおんぶされた。
「…ぜぇ、はぁ……と、と言うわけで!」
「おおー!」
帰り道、二人はスーパーに寄り…
「今晩のメニューは、外で石狩鍋風のサーモン鍋だ!ま、外とは言っても学園の中庭だが…」
「お兄ちゃん、アウトドア用品色々持ってたんだね…知らなかったよ」
「ああ、まあこれ家族から譲られたものだからなぁ…あんまり自分では使ってなかったんだよ」
「いつか二人で、アウトドアもやってみようね♪」
サーモンをメインに野菜などを買い込み、中庭で景色を楽しみながら、鍋づくりを楽しむことにした。
中庭の一画で料理をするという珍しさからか、何人かのウマ娘が足を止めたり、更には一緒になって落ち葉なんかを楽しむ生徒も出てきたのだった。
なお、実際には匂いに釣られた子のほうが多いこともここに追記しておく。
「もう少し、具材買い込んでおけばよかったか…」
「む、この鍋はお兄ちゃんがカレンのために作ってくれたんだから、皆には少ししか上げないもん!」
「ははっ、少しはいいのか…カレンはいい子だな」
「えへへ……」
料理中じゃなきゃお兄ちゃんの手が頭に乗ったかもなのに、と少し残念に思いながらも、それはそれとして素直に褒められたことを喜ぶカレン。
さて、そろそろ鍋も煮えただろうか。あたりには出汁とサーモンの煮えた香りが、緩やかに充満している。
夜になってきて、少し風もあることから、香りが遠くのほうまでウマ娘を魅了するように飛んで行った。
「スぺちゃん、ダメでしょ」
「うあぁ…」
「…?気のせいか。さぁ、開けるぞ」
「…うわぁ、おいしそう!」
昆布とサーモンのアラからとっただし汁の濃厚な香りが、鍋の蓋を開けた瞬間にブワッと鼻を直撃する。
蒸気で一瞬見えなかった中身は、トレーナーの気合いの入りようが分かるような豪勢さで、具材ばかりが所狭しと浮かんでいる。
汁を吸って色が変わった白菜、ネギ、玉ねぎ、春菊に、シメジとエノキの二種類のキノコ。更にジャガイモ、焼き豆腐が並び…
「よしよし、やっぱりサーモン多めに買ってよかったな!うまそうだ…!」
鍋の三分の一ほどの面積を領有し、主役は私だとばかりに赤い身を主張させるサーモン!
外効果も相まって、更に数割増しでおいしそうに見えてしまう。
「よーし、そこらにいるヤツみんな並べー!石狩風鍋、できたぞ!」
「えー、カレンの分は?」
周りからは歓声が上がり、待ってましたとばかりに生徒たちが寄ってくる。カレンは少し目線でけん制を入れながらも、どこか楽しそうだ。
「それはもう、最初によそうに決まってるだろ?サーモンいっぱい乗せてやるぞ、今日のお礼だからな!」
「やった!…あ、ちょっと待って!お玉構えて、お兄ちゃん!」
「ん?こ、こうか?」
カシャっ!!
#カレンの今日の#夜ごはん!
#石狩風鍋#サーモン#みんなで食べよう!
#秋の味覚、召し上がれ!
「えへへ、それじゃいただきまーす!」
ダイヤを推すのだ(定期)。
それはそれとして、ホントに最近アウトドア好きなんですよねぇ。ちょっと外に出てみて、それだけでも空を見上げると笑顔になれる…これを現実逃避と言います。
皆さん是非、他の方の書いた短編も読んでくださいね!あと評価と感想もくれ(乞食)
作者ページ:私が主催だ!