ガールズ&パンツァー~幻の虎と異世界の戦車兵たち~ 作:疾風海軍陸戦隊
それから翌日、グランドの戦車格納庫の前に戦車道履修者やそしておととい発見された戦車たちが並んでいた
「八九式中戦車甲型・38(t)軽戦車・M3中戦車リー・Ⅲ号突撃砲F型・Ⅳ号中戦車D型。どう振り分けますか?」
「見つけたもんが見つけた戦車に乗ればいいんじゃない?」
「そんな事でいいんですか?」
と適当な事を言う角谷に、小山はそれでいいのかとツッコミを入れる。
「38(t)は我々が乗るから、お前達はⅣ号に乗れ」
「え、あ。はい」
河島の言葉にみほは頷くと
「では、Ⅳ号Aチーム、八九式Bチーム、Ⅲ突Cチーム、M3Dチーム、38(t)Eチーム、明日はいよいよ戦車道の教官がお見えになる粗相のない様、各自、自分の戦車を綺麗にするんだぞ」
『はーい!!』
皆がそう元気に返事をすると一年生の澤が
「あ、あの!あの戦車は誰が乗るんですか?」
と、指さしたところにはこの場にいる戦車よりもでかい虎柄の迷彩色の大型の重戦車が止まっていた
「確かにそれは気になります?」
「大きくて強そうな戦車だね」
「でかい大砲ぜよ」
「ふむ・・・120ミリくらいはあるな・・・・・・・見たところティーガーⅡに似ているが足回りや車体の形が違うし砲塔も角ばっているな・・・・・・なんて戦車だ?」
と、皆は首を傾げ秋山同様戦車に詳しいエルヴィンも見たことのない戦車に疑問を持っていた
すると杏が
「その戦車はね。今回私たちの助っ人としてきてくれる人の物なんだよ」
「そしてその乗員たちは洗女子学園戦車道特別チームとして此処に配属することになった」
「どんな人達なんですか?」
「その子達は、とある複雑な事情を抱えている子でね〜。この大洗女子学園の力に成ってくれる筈だから」
「そんなに強い人達なんですか?」
「強いよ~なんたって世界中を飛び回って幾多の戦車戦を経験したベテランらしいからね~」
「「「おおぉー!!」」
杏の言葉にみほたち以外のメンバーは声を上げ喜んだ。一方みほたちは
「ねえ、あの戦車の持ち主って・・・・・・」
「ええ、間違いなく、宮部さんたちのことですわね・・・・・」
「ですね・・・・」
「絶対そうだよ・・・・」
と、そういうと・・・・・
カツン・・・カツン・・・カツン・・・・
「「「?」」」
何処からか杖を突く音がした。
カツン・・・カツン・・・カツン・・・・
杖の音はだんだんとみほたちに近づいてくる。そして杖の音が止み、代わりにみんなの目の前に5人の軍服を着た少年少女たちが立つ。5人のうち4人は女性で真ん中にいる男性は右手にロフストランドクラッチ杖を持って立っていた。先ほどの杖の音の正体はこれだった
「ねえ、あれって軍服?」
「あー!私知ってる。特撮とかで自衛隊の人が来てる服だ!!」
「あれは65式作業服だな?」
「それに、男の人が混じっているよ?」
皆は首を傾げ、一年生らしき小柄な子。坂口は興奮したようにそう言い皆がざわつく中、河島が
「静かに!え~この方たちが今回助っ人として大洗戦車道チームの特別チームとして参加してくれる人たちだ」
河島さんがそう言うと彼らは奇麗な隊列で一秒の誤差もなくビシッっと一歩前に出て、みほたちに敬礼し
「日本国陸軍、独立戦車隊「猛虎」の宮部和人大佐だ」
「同じ独立戦車隊「猛虎」、副長の笹本かおり。中尉です」
「海軍・・・・陸戦隊・・・た・・・立石・・加奈。曹長・・・です」
「西崎芽衣だよ~同じく海軍陸戦隊。階級は軍曹です」
「井崎結子。少尉です」
と、階級の高い順に自己紹介をする。そして大洗メンバーは奇麗な隊列でしかも堂々の自己紹介をする彼らに唖然をした。いや、それ以前に突然知らない組織を言われて事情を知っている生徒会やみほたちを覗いてみなあっけにとられていた
「に、日本国陸軍?自衛隊じゃないの?」
「しかも二人だけ海軍ってどういうこと?」
「もしかして軍事マニアのコスプレイヤー?」
と皆は首を傾げ歴女も
「日本国陸軍?そんな組織聞いたことないぞ?旧日本軍の軍服じゃないし、どう見ても自衛隊の服だな。エルヴィン。独立なんちゃらって部隊聞いたことあるか?」
「いいや?聞いたことないぞ?。それ以前に日本が・・・特に大戦時の陸軍がヨーロッパに渡ったなんて聞いたことがない」
「つまり我々に似た集団なのか?」
「謎ぜよ?」
みんな訳が分からず首をかしげると、杏が両手をぱんぱんと叩き
「はいはい。みんな注目~言いたいことがあると思うけど静かにね~」
「会長。この方たちはいったい何者なんですか?」
とバレー部のキャプテン磯部がそう質問すると杏子はふふと笑い
「実はね~信じられないかもしれないけど、この宮部君たちは異世界の日本から来た人たちなんだよ。しかもその世界では第三次世界大戦っていう戦争があってね。宮部君たちはそこで戦ってきた本職の軍人さんなんだよ。それでねある時こっちの世界に転移しちゃったらしくてさ。一昨日あたりかな?山の中で西住ちゃん達が戦車の中で負傷をして意識を失っていた彼等を救出手当て等をした後、意識を回復した彼等と取り引きをし此処での衣食住などの援助をする代わりにこの学園の戦車道に入って協力してもらう事になったんだよ~」
「「「・・・・・・」」」
杏の説明に皆さらに混乱した表情を見せ、そして宮部たちは
『うわぁ・・・・みんなドン引きしてるよ』
『どストライクに言ったわね。この会長は・・・・・馬鹿なの?』
『どうすんのよ。この空気・・・・・』
『うぃ・・・・気まずい・・・・・』
『やっぱり自衛隊って名乗っとくべきだったかな・・・・・?』
と宮部たちも今更正直に自分たちの所属を言ったことを後悔した。だが・・・・・
「異世界から来たって本当なんですか!?」
「すっごーい!アニメみたい!!」
「異世界から来た戦車兵・・・・何やらロマンだな戦〇自衛隊みたいで」
和人たちが思っていたとは裏腹にみんなは大はしゃぎしてそう言うと一年生のあやが
「この人たちはどうやって来たんですか?」
「もしかしてワームホールを通て来たんですか!?」
と、わいわいに和人たちに詰めて興奮しながら質問をすると
「はいストップ!ストップ!興奮するのはわかったけどみんな一人ずつお願いね。聖徳太子みたいに数人の人の言葉を聞き分けるほど器用じゃないから私たちは」
芽衣が慌てて言うと結子も
「みんな。ちゃんと質問に答えるから一人ずつお願いね?ね?」
そう優しく言うとみんなは一歩前に下がり静かになった。そして和人は
「では。最初に質問したい人は?」
「はいっ!!」
「はい、ではそこの茶髪の子…あなたは・・・・」
かおりが訊くと
「一年の澤梓です。あの異世界から来たと言うのは本当なんですか?」
「今ここで言うと信じられない話だと思うが事実だ。俺たちは2017年の並行世界からやって来た」
「2017年?4年後じゃないですか?何でタイムスリップじゃなくて異世界って言えるんですか?」
「いい質問だ。我あれの世界では2005年に世界大戦が起きて12年間続いている。君たちの世界にはそんな戦争無かったろ?これが俺たちが異世界から来たという根拠だ。次の質問者は?」
和人がそう訊くと今度は体操着を着た子が手をあげて
「はい!私、磯部典子と言います!バレー部のキャプテンです!あの!バレーは好きですか?好きなら入部してくれませんか?」
「それ、ただの勧誘じゃん・・・・・」
磯部の言葉に芽衣が小声で突っ込む
「う~ん・・・・俺はともかく。確か曹長の趣味がバレーだったな?なあ曹長?」
「サインは・・・・Ⅴ」
「ああ、そう言えば加奈って、元バレーのエースアタッカーだっけ?この前も連合軍のバレーチームと試合して勝ったよな?」
「うぃ・・・・」
「「おおぉ~!!」」
加奈がバーレー経験者と訊いてバレー部チームは嬉しそうな表情をした。そして次に歴女達が質問して来て歴女チームのエルヴィンが
「ところで貴殿らは尊敬する歴史の異人はいるのか?」
「そうだな・・・・・俺は樋口季一郎中将かな?」
「おおっ!あのキスカ撤退作戦の!!」
「私は、シモヘイヘよ」
「ほ~笹本さんはフィンランドの白い死神か・・・・・」
「私は、土方歳三ね」
「私は信長かな~?」
「おお~井崎殿は新選組鬼の副長ぜよか~気が合いそうぜよ」
「うむ。信長とは定番だな・・・・・で、立石さんは誰が好きなんだ?」
「・・・・・・緋村剣心」
「いや、加奈。それ実在の歴史の偉人じゃないでしょ?」
と、そんな話をする中、最後にみほたちで武部が
「あ、あの笹本さんたちは男子にモテたことありますか!!」
「「「いや、ないよ?」」」
と、そう言うと、加奈、芽衣、結子は首を横に振りかおりは
「基本ないわね。ただ、変にモーションかけたやつをナイフで串刺しやラめった刺しにして半殺しにしたことはあるけど?」
「「「怖っ!!」」」
かおりが目が笑って無い黒い笑みを見せみんなドン引きする。そして杏は
「はいはい!質問タイムはここまで~!!これから戦車をきれいに掃除しないとね~明日は戦車道の教官が来るから~」
「「「はぁーい!!」」」
と、そう言い皆、錆びだらけになった戦車を洗車し始めるのであった。