ガールズ&パンツァー~幻の虎と異世界の戦車兵たち~ 作:疾風海軍陸戦隊
戦車倶楽部と書かれた店に好奇心を抱いた和人はその店に入ると、その店の中には戦車のプラモはもちろん戦車の雑誌もあり、さらに奥には転輪や履帯中にが砲身などが置いてあった
「すげぇな・・・・ゲームに出てくるショップみたいだな」
数とは少し感心したようにそうこぼすと、店の雑誌が置いてあるコーナーへと向かう
「まずは戦車道についての情報収集だな。いつまでも、かおりだけを頼ってばかりじゃいけないしな・・・・・」
情報収集は和人もしていたが、そのほとんどの細かな情報は基本。元諜報員であったかおりがすべてしていたが、いつまでも彼女だけ頼りにするのはいけないと思い。和人は自分なりの情報を探っていた。
その情報とはもちろん戦車道だ。
戦車戦は新兵のころからやっているためそれは問題ないはずだが、それは戦争・・・・・殺し合いの世界でのことだ。
スポーツの戦車道に関しての規則やルールなんかは俺は無知に等しい。
そのため俺は戦車道に関する本を読んだ。特に雑誌なんかは戦車道のニュースなんかの最新情報も手に入りやすい。
「ふ~ん・・・・戦車道って全国大会はおろか世界大会もあるのか・・・・・まるで祭りだな」
一人がそう呟くとある記事が目に入る
『全国大会近し、黒森峰今年はリベンジなるか!?』
「黒森峰?」
聞き慣れない学校名に和人は首を傾げ、次のページを開くとそこには黒森峰について書かれた記事があった
「黒森峰女学院・・・・・・熊本の学校で。ドイツの戦車を保有の戦車道名門校で去年の準優勝を除き9連覇か・・・・・・・超強豪級の学校ってことだな・・・・・それにしてもドイツか・・・・」
和人はドイツ戦車と聞きまず思い浮かべたのはナチスドイツの戦車たちだ。無論ドイツ連邦の戦車もドイツ戦車だが、やはり印象が強かったのがナチスドイツ陸軍と親衛隊の戦車軍団だ。
最初に戦った太平洋戦線では三号やⅣ号なんかだったが、次第に欧州に近づくにつれ、パンターやティーガーなんかの猛獣が現れるようになった。その時はまさに恐怖だった。味方のM4やT34(ロシア連邦の)が次々やられていく中、俺たちはその猛獣相手に熱い砂漠や、森林の生い茂る森の中で戦ってきたんだから。
「まっ・・・今となっては軽い昔話だな・・・・・」
そう呟き次のページを見ると。そこにはドイツ空母グラーフ・ツェッペリン?みたいな船を背にガッツポーズを取る銀髪の少女が乗っており
『ついに私の時代がやって来たわに!!』
「・・・・・・・・わに?」
少女が発したであろうその文字に首をかしげると
「ここって戦車の店?」
「へ~こんな店があったんだ~」
「私初めてです」
なんかどこかで聞き覚えのある声が聞こえる。それも一人じゃない。・・・・俺はちらっとその声のする方へ顔を向けると。声の正体は西住さんたちだった。すると西住さんは俺に気づく
「あれ?宮部さん?」
「あ、本当だ。宮部さんだ」
みほの言葉に皆は俺の方へ来る
「おう、奇遇だな。君たちは買い物か?」
「はい。宮部さんは、ここで何をしていらしゃったんですか?他の皆さんとご一緒じゃないんですね?」
「ああ、みんなそれぞれの寮へ帰ったよ。俺は帰る途中この店を見つけてな。それで今雑誌呼んで戦車道について調べてる」
「勉強熱心なんですね?」
五十鈴は感心したように言うと武部は
「勉強する姿もかっこいいな・・・・」
なんか変な事をぶつくさと言っていた。何を言っているのかは聞き取れなかったが、するとみほが
「あ、あの・・・宮部さん。足の方は大丈夫なんですか?」
と、ロフストランドクラッチ杖を持つ俺を見てそう言う西住さん
「ん?大丈夫だよ。たかが足一本折れただけだ」
「いや、足一本折れてる時点で大丈夫じゃないじゃん」
「そうか?いつもこれ以上の怪我とかしたことあるからな・・・・まあ足一本無くならないだけましだと俺は思っているよ」
「宮部殿・・・・流石軍人。肝が座ってますね?」
となぜか軽くドン引きされる。まあ事実だからしょうがない。酷い時は敵の榴弾が目の前に落ちて、その衝撃で吹き飛ばされ思いっきり地面に叩き付けられて全身骨折なんてことあったからな
・・・・今思えばよく生きられたな・・・・・
そう考えていると武部は話を変える
「それにしてもこんな店があるんだ。でも、戦車ってみんな同じに見える」
武部はそう言う。まあ否定はしない。素人から見て戦車ってただ大砲の付いた車にしか見えないし、微妙に似ている戦車も結構ある。
まあ、俺から見ればジャン〇と赤マルジャン〇のようなもんだ。
すると秋山が
「ち、違います!!全然違うんです!どの子もみんな個性と言うか特徴が合って動かす人によっても変わりますし」
目を輝かせうっとりした表情で熱弁する秋山。女子でここまで戦車な好きな子は初めてだな・・・・・まあ、それは人それぞれだからいいけど
「華道と同じなんですね」
五十鈴さんがそう言うと、武部はうんうんとなんか納得したかの様に頷く。
「うんうん女の子だってみんなそれぞれの良さがあるしね。目指せモテ道!」
とグーサインをする武部さん。モテ道というのは知らないがなんか違うと思う。
「話が噛み合っている様な?ない様な?」
「それ以前に戦車道の話からずれてると思うが・・・?」
俺と西住さんは苦笑してしまう。その後いろいろ店内を見た後、店の隅に置いてある戦車のシミュレーションゲームを秋山さんがプレイをし、武部さんと五十鈴さんの二人がその後ろから見ていた。
「アクティブで楽しそうです」
「でも顔は怪我したくないなー」
「大丈夫です。試合では実弾も使いますけど、十分に安全に配慮されてますから」
と、秋山がそう言う。おいおい、さっき俺が言ったこと忘れたのかな?模擬弾であっても、戦車砲から放たれた砲弾は音速と同じくらいの速さだ。人に当たれば怪我じゃすまされない。そう内心呆れながら考えていると西住さんが
「ねえ、宮部さん」
「ん?どうしたんですか西住さん?」
恐る恐る声をかける彼女に俺は返事をする
「あの、その・・・・よかったんですか」
「よかった?もしかして俺たちが戦車道に入った事か?」
「はい・・・・宮部さん達は戦争で辛い思いをして、それに戦車道にも反対だったので・・・・・」
「ああ…それか」
俺はそう言い、少し咳ばらいをすると
「確かに戦車道についてはまだ少しだけ納得はしていない。だがそれは俺たちの世界にその競技や文化がなかったからだ。それに確かに西住さんの言う通りあの戦争で多くの仲間や友人を失った。だが、あの戦争で悲しい思いだけを味わっただけじゃないよ。仲間とふれあい笑い合う楽しい思い出もある。それに俺たち5人はこの世界に存在しない人間だ。戸籍も取れない以上、ここの住人として生きるには角谷さんに協力するしかないからな」
「宮部さんはそれで…いいの?」
「今のところは何とも言えない。俺たちのこの世界での生活は始まったばかりだからな。とにかく文句を言ったてしょうがない。今はただ行動する。ただそれだけだ。・・・・・ああ、それとだ西住さん」
「はい?」
俺はちらっと戦車ゲームをしている秋山たちを見て
「西住さん。仲間は大切にな。俺がかつて受けた悲しい思いはあんたには味合わせたくないからな」
「・・・え?」
「いや、なんでもない。ただ仲間は大事にって言いたかっただけだ」
悲しそうな表情でそう言う俺。その表情を見たみほは
「(宮部さん・・・また悲しい顔をしている。私にできることが本当にないのかな・・・・)」
みほは、心の中で和人を癒す為に自分に何か出来ないかと思った。すると宮部は店内にあったテレビを見て、みほもそれを見た。するとテレビでは
『・・・・次は戦車道の話題です。高校生の大会で昨年MVPに選ばれて国際強化選手になった西住まほ選手にインタビューしてみました』
と画面に出て来たのはドイツ軍のパンツァージャケットに似た戦車服を着た茶髪の女性が映る。それを見た和人は
「(西住?もしかして西住さんの関係者か?顔もどことなく似ているし・・・)」
そう言い再び画面を見ると
『戦車道の勝利の秘訣とは何ですか?』
『諦めないこと。そしてどんな状況でも逃げ出さない事ですね』
そう答え、カメラに言うとそこでニュースが終わった。
「(逃げ出さないことな・・・・・あながち間違っちゃいないが、それは場合によりけりだな)」
そう思い俺は西住さんを見ると彼女は暗い表情をして俯いていた。
「西住さん?顔色が悪いけど大丈夫か?」
「うんうん何でもない。大丈夫だよ」
と、無理に笑う西住さん。するとそばにいた武部がみほのその表情を察したのか
「そうだ! これからみほの家に遊びに行ってもいい?」
「え?」
「わたくしもお邪魔したいです」
「あ、うん!」
嬉しそうに返事をするみほ。
「あのー……」
秋山が恐る恐る手を挙げて訊く。
「秋山さんもどうですか?」
「あ、ありがとうございます!」
「それじゃあ今日はみほのうちで食事会でもしない?」
と、嬉しそうに話し合う女子陣。さて…女の子の女子会に男子は不要だな。邪魔者は消えるか。そう思い俺はその場を立ち去ろうとする。しかし
「あの!宮部さんもよかったら一緒にどうですか?」
「え?いやいや。女の園に男は邪魔だろ?第一、得体のしれない異世界人の俺なんかが行っても迷惑かけるだけだし。」
「そんな事関係ないよ。たとえこの世界の人でも異世界人でも宮部さんは宮部さんだし、それに宮部さんは悪い人じゃないよ」
「そうそう。イケメンに悪い人なんていないよ。それに食事会はみんなで楽しむものだよ。宮部さんも一緒に食べようよ」
「私も一緒に食べたいです」
「自分も宮部殿の世界のこと、もッと知りたいです」
と武部さんたちが平気そうな顔でそう言う。てか武部さん。イケメンに悪い人はいないってそれ絶対にイケメンによる詐欺にかかるパターンだぞ?
まあ、それはさておき、ここで断ったらかえって失礼か・・・仕方ない・・・
「じゃあ、お言葉に・・・・・」
俺がそう言いかけた時
「私もお言葉に甘えましょうか~」
「ゲッ!?八尺様!?」
「誰が子供好きポポポ妖怪よ。ナイフで串刺しにされ呪い殺されたいの?あなたは?」
「す、すまない・・・・・て、なんで、かおりがいるんだよ!?」
後ろから声がし振り向くとそこにはかおりがいた
「やあ、大佐。奇遇ですわね~私も情報収集のために来たのですがまさかここであなたとお会いするなんて」
怖いくらいの笑みを見せそう言うかおりに俺はゾッと血の気が引く感覚を覚えた。あの目は獲物を殺る時の目だ・・・・・すると俺の耳元で
「大佐?ここで一体何を?ナンパですか?お盛んですね?」
「違う、情報収集だ。そこで偶然彼女と居合わせただけだよ。て、かいつからここに?」
「そうですね~大佐が雑誌を見て『わに?』と意味不明な言葉を発したときからですね?」
「ほとんど最初からじゃないかよ!?」
小声でそう話す俺たちに
「あ、笹本さんも一緒にご飯どうですか?」
「え?よろしいんですか?」
西住さんが誘うとかおりはにっこりと笑う
「はい!みんなで食べると美味しいので」
「そうですか。それでは大佐。わたくしも同行しても構いませんか?」
「構わないけど西崎たちは?」
「彼女たちなら三人で外食するとか言いました。何でもカレー屋さんを見つけたとかで」
「なるほどな・・・・・じゃあ、二人でお邪魔するか。西住さんも本当にいいんですか?」
「はい!」
そんなこんなで俺とかおりは西住さんの部屋で食事会をすることになった。