ガールズ&パンツァー~幻の虎と異世界の戦車兵たち~ 作:疾風海軍陸戦隊
戦車道・・・・・それは茶道、華道に並ぶ乙女の嗜みといわれる乙女の武道。世界中で女子の嗜みとして受け継がれて来た。礼節のある、淑やかで慎ましい、そして、凛々しい婦女子を育成する事を目指した武芸でもある。
そんな武道が頻繁に行われているこの世界で一隻の超巨大な船がいた。それは「県立大洗女子学園」の学園艦であった。その学園艦の甲板上にある学校の倉庫の前にたくさんの生徒たちが集まっていた。その子たちは今年20年ぶりに復活した戦車道の履修者たちであった。だが、戦車道を始めようにもこの学園の戦車道のチームには一つの課題があった。それは・・・・・
「会長・・・・今あるのはこのⅣ号だけです」
そうそれは戦車が一両しかないのだ。それでは戦車の数が足りず試合にもならない。そして片眼鏡をした生徒がそう言うと小柄のツインテールをした子で生徒会長である角谷杏が
「そっか、じゃあ。1両確保したとして、これだけの人数だとすると・・・・・河嶋いくつ必要?」
「全部で6両必要です」
「っとなると、あと5両か・・・・んじゃあ、みんなで戦車探そっか」
と、角谷会長は戦車探しを提案する
「して、いったいどこに?」
と、マフラーの人が聞く
「いやー、それがわかんないから探すの」
「なんにも手がかりないんですか?」
「ない!」
一年生らしき子がそう訊くと、会長は胸を張って言う。そして皆は各自戦車を探しに行くのであった。それからしばらくしてほかのチームは次々と戦車を見つけ出した。あるものは森の中からまたある者は崖の中腹にある洞窟から、またある者は池の底、またある時はウサギ小屋など普通はあり得ない場所から発見された。
報告を聞いた生徒会は
「Ⅳ号に38t。Ⅿ3リーに八九式中戦車に三号突撃砲・・・・・・ティーガーやパンタークラスの中、重戦車じゃないのは残念ですが」
「まあいいんじゃない?たった一日だけでこんだけ見つかるなんて結果オーライだよ」
生徒会室で報告を聞いた河島が杏に沿ううと杏はのほほんとした表情で干し芋を頬張りそう言う。そして副会長である小山が
「会長。たった今自動車部の人たちがレストアの件引き受けてくれるそうです」
「ご苦労さん小山。」
自動車部の人たちに戦車のレストアと整備を頼みに行き戻ってきた小山に角谷はねぎらいの言葉をかけるのであった。すると角谷は何か思い出したかのように
「ああ・・・・戦車といえば」
「どうしたんですか会長?」
「いやさぁ。昨日変な夢を見たんだよ~」
「夢・・・・・ですか?」
「うん。なんかさ、どこかの国なんだけどさ、戦車と戦車が戦っている夢なんだよ。それも戦車道とかじゃなくて映画でよく見る本物の戦車戦なんだよでもさ。少しおかしいんだよ」
「おかしい・・・ですか?」
「うん。戦車は第二次世界大戦の戦車なんだけどさ。戦っているのがドイツと日本の戦車なんだよね~」
「ドイツと日本ですか?」
「うん。といっても日本側はM4だったりM24だったりアメリカ製のが混じっていたけど」
「確かに変な話ですね。確か私たちの習った歴史ではドイツと日本は軍事同盟を組んでいたはずです」
「確かにおかしい夢ですね。でもなんでそんな夢を?」
河島と小山が首をかしげて聞くと角谷は
「わからない・・・・・・たぶん戦車道をはじめたから・・・・・かな?」
角谷自身もなぜあのような夢を見たのか分からずに首をかしげながら干し芋を食べるのであった
一方、学校から離れた森の中では史実でのこの世界の主人公たちである西住みほ、秋山優花里、武部沙織、五十鈴華ら4人が森の中を歩いていた。彼女らは森の中で38t軽戦車を見つけた後、校舎に戻るため山を下りていたのだった。
「ふ、ふ~ん。明日楽しみだな~」
「何が楽しみなんですか?」
武部の言葉に五十鈴がそう訊くと武部が嬉しそうに
「だって、会長が明日かっこいい教官が来るって言っていたんだよ!もし告白されたらど~しよ!!」
と、嬉しそうに言う中、秋山も
「私も明日から本格的な戦車を動かせるのが楽しみです!ね、西住殿!!」
「う・・・うん・・・・」
秋山の言葉にみほは嬉しそうに言う秋山とは反対に元気なく答える。すると、突然五十鈴の足が止まり始め、鼻をクンクンとかぎ始める
「どうしたの華?もしかしてまた何か匂うの?」
武部がそう訊く。実は五十鈴の嗅覚は鋭く。そのおかげで38t軽戦車を発見することができたのだ
「はい・・・・・向こうの方から先ほどと同じ鉄と油の匂いがするんです」
「本当に華の嗅覚ってどうなっているの?私も華道習おうかな?」
「たぶん、私だけの能力だと思いますが……あっちの方です」
「おおっ!また新たな戦車があるんですか!では善は急げ、その場所に向かってパンツァーフォーですね!!」
秋山の言葉に皆は五十鈴を先頭にその場所へ向かう。どのくらい歩いたのだろうか木々が空を覆い薄暗いところに来ていた
「なんか・・・・・暗い場所だね?」
「なんか出てきそうな雰囲気ですね?」
「うん。お化け屋敷みたい・・・・・」
とみほや秋山沙織がそう言う中、少し開けた場所に出た。そして木々の隙間から太陽の光が差し込み、その光があるものを照らしていた。それは大きな戦車であった
「これって…戦車?」
「何これ。でかい!!」
みほと沙織がそう言うと秋山は
「なんなんでしょうか・・・・この戦車は?」
「え!?ゆかりん知らないの!?」
戦車の専門家である秋山が見たことないと言ってさおりは驚くと秋山は頷き
「は、はい・・・・・車体を見るからには61式戦車にとてもよく似ています。ですが足回りはシーソー式サスペンション。これは自衛隊じゃなく旧日本軍が採用していた物です。それにこの砲身・・・・見るからに100ミリ・・・いや120ミリくらいはあります。砲塔は五式中戦車・・・いや、どっちかといえば四式中戦車で量産が計画されていた砲塔に似ています・・・・・・私も初めて見る戦車です」
「でもなんか日の丸がついているよ?これって日本の国旗だよね?だったら日本の戦車じゃないの?」
「いいえ旧陸軍にこのような戦車を作ったなんて初めて聞きます。まるで和製ティーガーⅡのような感じです」
秋山は初めて見る戦車に興味津々で見る
「なんか傷だらけですね?まるでついさっき戦っていたような感じですね?」
「あ、ゆかりん。これなに?」
「なんですか?」
「ほら、この虎のマークのそばに無数に書かれているの」
と、さおりが指さしたところを見るとそこには鉤十字に日本刀を突き刺したようなマークが数個書かれていた
「ああ、これキルマークですね」
「キルマーク?」
「はい。撃破した戦車を記したものです・・・・・・・「ゴトンッ!」・・・え?」
秋山が説明している最中、戦車の中から物音が消えた
「・・・今、音が聞こえたよね?」
「ううん。誰か乗っているのかな?」
「野良猫じゃないですか?」
「とにかく調べてみよう」
そう言いみほは車体によじ登り、そしてキューポラのハッチを開ける。その瞬間、鉄の匂いのほか、何やら血生臭い臭いがした。
「え・・・・・・」
キューポラの中を覗いたみほの顔は驚いたように目を見開いていた
「どうしたんですか西住殿?」
秋山がそう訊くとみほは慌てた表情で
「中で怪我した人がいる!」
「「「えっ!?」」」
みほの言葉に三人は驚き秋山も車体によじ登ってキューポラの中を見るとその中には血まみれで倒れた5人が倒れていた
「大丈夫ですか!しっかりしてください!」
とみほは声を掛けながら譲るも返事がない。そしてみほは車長らしき少年の首筋に手を当て脈を測る
「・・・・まだ脈がある・・・・この人生きている!沙織さん!会長に連絡してください!秋山さん!五十鈴さん!手伝ってください!」
「わ、わかりました!」
「う、うん!」
みほの言葉に秋山と五十鈴は車内にいる5人を運び出し、そして沙織は慌てて生徒会に電話をするのであった。その報告を聞いた生徒会は慌てて風紀委員に連絡し、その5人組を保健室へと運ぶのであった
こうして出会うはずのない戦車の道を志す女子高校生と命を懸けた激戦を潜り抜けた戦車乗りが今、出会うのであった・・・・・・・