ガールズ&パンツァー~幻の虎と異世界の戦車兵たち~ 作:疾風海軍陸戦隊
あれから翌日、学園は休日ではあったが、その学校に生徒会三人組がやって来ていた。理由は和人たちの返事を聞くためだった
「会長・・・・彼は引き受けてくれるでしょうか?」
「さぁ?まあこれからその返事を訊くんだし。今心配しても意味ないよ」
柚子の言葉に杏はそう言うと桃が
「それよりなんで我々が保健室に?」
「何言ってんの河島?用がある時はこっちからくるのが筋ってものだよ。それに宮部君。足を怪我しているんだから無理に歩かせるのも悪いじゃん」
「そうだよ桃ちゃん。保健の先生も彼の足が折れているから無理に歩かせないように言われているじゃない」
「桃ちゃんていうな!」
と、そんな話をしている中、杏たちは保健室に着く。そして杏はドアをノックし
「宮部君。入るよ~」
と、そう言いドアを開けると、そこにはベットの上にきちんと座った宮部たちが待っていた
「おはようございます角谷会長」
「うん。おはよう。もう起きてたの?」
朝早く起きて自分たちを待っていた宮部たちに杏がそう訊くと、結子が
「はい。今から一時間前に起床しました」
「うぃ・・・・・」
結子の言葉に加奈は頷き、芽衣は頭を掻きながら
「いや~本当に中尉に叩き起こされたというか頭にナイフぶっ刺されたときは驚いたよ~もう少し眠ってもいいのに~」
「軍曹?あなたまだ寝ぼけているのかしら?目が覚めていないようならもう数本ぐらい目覚ましナイフをプレゼントしようかしら?」
そう言いかおりは何処から取り出したのか、コンバットナイフを数本取り出しジロリと芽衣を見ると芽衣は顔を青ざめて
「起きました!起きましたから、それだけはやめてください中尉!?」
慌てて言う芽衣に、和人たちは苦笑いをし頭をさすっていたが、杏たちは訳が分からず首をかしげていた
「え・・・えっと。まあともかく。宮部君考えてくれた?」
「ええ・・・・一晩皆と話し合いました」
「それで・・・・・・・」
少し不安そうに言う柚子に和人たちは互いの顔を見てそして頷くと
「あなた達には漂流し怪我をした私たちをここまで運んでくれた。特に西住さんたちには俺たちを発見して助けてくれた恩がある。俺は受けた借りはきっちり返す主義でしてね。俺たちは恩返しという事であなたたちに協力します」
「よかった~」
柚子さんは嬉しそうにそう言い杏はうんうん頷いて
「そうか~ありがとうね宮部君。じゃあ一緒に頑張・・・・・『少し待ってもらいたい』・・・・・え?」
杏の言葉に和人は手で制しそう言うと和人は
「確かに俺はあなたたちに協力はすると言いましたが、我々は異世界人であり今でも日本国の陸軍の軍人であると思っている。現在我々は友軍から逸れここにいるが、もしかしたら元の世界に戻ってしまう可能性がある。そのためここにいる間、条件付きであなたたちに協力する。その条件を飲んでくれるなら喜んで引き受けるつもりだ」
「ふ~ん。で条件て何?」
「まず一つ。我々の衣食住と身の安全の保障だ。日本といえど異世界となればここはもう外国と同じだ。そのため住む場所などの最低限の生活に必要なところを保障してもらいたい」
「ああ、そのくらいならいいよ~」
「そうですか・・・・・なら次は。これが最も大切なことだ」
「なに?」
「あの戦車・・・・五式重戦車はあくまで俺の曽祖父の遺品であり日本国の日本国防陸軍の所有物だ。よって所有権と有事の際の指揮権は俺が執せてもらう事、何かあればこちらは独断で行動する。これが俺からの絶対条件だ」
「へ~もし、それを飲まなかったらどうするの?」
杏がいたずらっぽい笑みでそう言うと和人は真剣な顔で
「その時は五式重戦車を爆破する。そして俺もこの場で自決する。既にかおりが夜中に格納庫に行って、時限爆弾を付けた。後は起爆スイッチをつけるだけで格納庫ごと木っ端微塵だ」
「なっ!そ、そんなはったりは通用しないぞ!!」
「ならばここで試してみますか?」
桃がそう言うとかおりは懐からリモコンみたいなのを取り出しボタンに指をかけそして和人はかおりから渡された一本のコンバットナイフを首に着け真剣な目で杏を見ると杏は先ほどのふざけた表情から真剣な表情へと変わりじっと和人の目を見る。
「(これは嘘じゃなさそうだね・・・それに宮部君の目・・・・本当に真剣な目だよ。ここで断ったら本当に自殺しかねない)」
彼の顔をよく見る杏。彼の持つナイフは力がこもっているのか当てた首筋に血がにじんでいた。これは本気であり彼の強い意思を見た杏は
「・・・・うん。いいよ」
「え!?いえ、会長。そんな条件を飲んでもいいんですか!?」
河島がそう言うが杏は
「うん。それにねこっちから一方的に要求して彼らが要求できないのは不公平じゃん。ここは対等に向こうが私たちの頼みをきいてくれるなら、私たちも彼らの条件を飲むのは当然だよ」
「では、契約成立という事でいいですか会長さん?」
「うん。ああそれと、君達の乗っていた戦車なんだけどさ戦車道用の装甲材と判定装置とかの器材とか付けなきゃいけないけど構わないかな?」
「壊さなければ、構わない。少しの間だけお世話になります角谷会長」
「うん。よろしく~」
そう言うと杏は和人の出した条件を飲み、そして和人たちは戦車道に参加することになった。
「それで会長。今後我々は何処に住めばいいんですか?いつまでも保健室にお世話になるわけにはいきませんので」
「あ~それもそうだね・・・・・河嶋何処かいい所ない」
「確か学生寮にまだいくつか部屋が余っていたと思いますが、彼等の存在は機密ですから他の生徒と接触する可能性がありますし・・・・・」
「別に寮じゃなくても、雨露凌げることができれば倉庫でも何でも構わない」
「そう言うわけにはいかないんだよね~、私たちの学校のお客様って感じだし、保護するって言っておきながらそう言う場所に泊めるわけにはいかないんだよね~だから。君たちは寮に住んでもらいたいんだよ」
「その方が監視しやすいからですか?」
かおりが鋭い視線でそう訊く。確かにどこかの家や倉庫より学校が所有する寮の方が、監視しやすいと、かおりは悟ったのだ。これは元諜報部に所属していた彼女ならではの勘であった。
かおりの言葉に図星というべきか角谷は苦笑いし
「まあ・・・・そんなところかな?嫌だった?笹本ちゃん?」
「監視というのが気に入りませんが、贅沢は言えません。それで構いません。大佐たちはどうですか?」
無表情で凛とした表情でそう俺たちに訊くかおりに俺たちは
「俺は監視されようが何されようが構わない。別にやましい気持ちはないからな」
「私もです」
「わたしも~」
「うぃ・・・・」
俺たちは頷くと、
「そっ!とりあえず寮の鍵は渡しとくから、怪我が治ったらその鍵に書かれているところに行ってね」
そう言い杏は5人にそれぞれの寮の鍵を渡し、『じゃあ、お大事に』と一言言いうと部屋を出るのであった
「さて、隊長。これから私たち戦車道っていうスポーツやることになったけど、あたい達の実力でうまくいくかな?スポーツと実戦じゃ全然違うよ?」
「わからない。けど、ここにいる間はやるしかないよ軍曹」
「その前に、大佐は足の怪我を直さないといけませんね」
「大丈夫だ。足の一本折れたくらいでこんなの硬くテーピングすれば問題ないでしょ?」
「いいや。戦時ならともかく、スポーツだったらドクターストップかかっちゃいますよ」
「いやぁ、でも大佐なら、たとえ全身骨折してでも乗りそうだよ。なあ加奈?」
「うぃ・・・・・・」
「立石さん・・・・本当にうぃしか言わないね・・・・」
「お前らな・・・・・」
結子たちの言葉に和人は目を細め困惑してそう言うとかおりが
「まあ、日ごろの行いよ和人。戦車道っていうのができるかどうかは先生の判断次第ね」
「もし、だめと言われたら?」
「怪我が治るまで大人しくしてちょうだい」
「え~それはちょっとな~」
「大人しくしないのなら、頭に銀の差し花をさして血の花を咲かせるわよ?」
「・・・・・・・・わかりました大人しくしてます」
「よろしい」
かおりの言葉に和人は大人しくそう言う。それを見た三人は
「(相変わらずだね・・・・・)」
「(夫婦・・・・・・漫才・・・)」
「(本当にいいコンビね。大佐と中尉は)」
三人は二人のやり取りに半ば呆れながら微笑ましく見ていたのであった。