ストームヴィル城。
リムグレイヴ半島を街道沿いに進むと、それはある。
嵐の丘、強風の絶えない丘に聳え立つ城だ。
その手前、突風に吹き晒された朽ちかけの小屋。
そこに、黒衣の褪せ人は
「宜しく頼むよ」
掛けられた声に振り返ると、オーソドックスかつシンプルな騎士装備を携えた男の声。
一見
「……
「
フン、と小さく鼻を鳴らすヴェル。
……随分なんか裏に見えたが……まぁ、そういう事にしておこう。とでも言うような素振りで頭を振る。
「行先は?」
「城の手前の
「……了解した」
見た感じ、この騎士装備の男の獲物も普通じゃなさそうだ。直剣に中型のカイトシールド。果たして裏に何を仕込んでるものか。
出発。
どうやらこの鉤指の主は、もう一人の協力者は呼ばないらしい。二人旅、それも少しの道すがら。まぁ慣れたことだ。
朽ちた木造の家を出て直ぐ、遠くにゴドリックの兵士と雑兵が二名ずつ、こちらに向かって歩いてくるのが見えた。街道を少し外れて草陰に隠れればやり過ごせる、が。
「邪魔だしぶち殺そう」
ヴェルが呟いた。あれくらいの小型の相手ならば、
「任せるよ」
騎士装備の男は後方で様子見。なら自由にやらせてもらおうか。
「正面から行かせてもらう。それしか能がない」
背中にした両刃の特大剣――グレートソードを引き抜く。
無骨、巨大、鈍重。そんな単語が似合う、
「……参る」
街道を見張るように歩く一団に駆け出していく、黒い剣士。
雑兵も甲冑の兵士も、それに気付き各々獲物を抜く。
直剣の雑兵が、剣を上段に構えてよたよたと突撃してくる。
グレートソードを下段に。地面をガリガリと削りながら距離が詰まっていく。
「……ぬぅ、ん!!」
直剣のリーチに入るよりも先に、ヴェルが剣を横凪に、力任せに振るう。その一撃が、布と金属を組みあわせた鎧をいとも容易く引き裂いて、その胴体を横一文字に両断した。街道の石畳に赤黒い血が飛び散って濡らしていく。
槍を持った兵士が横からヴェルに襲い掛かる。とん、と地面を蹴りバックステップ。槍が虚空を突く。
踏み込んで、隙だらけの兵の腕を槍ごと力一杯に縦に切り裂く。そしてそのまま再び横にグレートソードが舞う。もう一人も、胴体からその大質量を受け上半身が吹き飛んでいく。
「……!」
幾分か豪華な、紋章を象った前掛け布をあしらった鎧を着けた二人は、盾を前面に構え防衛体制を取りつつ、じり、とこちらの様子を見ていた。
盾なんて無意味。受けた所で盾ごと吹き飛ばすまで。だが二対一。
無理を通せば二人からの攻撃を受ける。最悪そのまま死ぬだろう。……想定通りでなければの話だが。
雄叫びと共に襲いかかる二人の兵士。同時に襲いかかることで意表を着いたとでも言うのか。そんなの、意味が無い。むしろ好都合でしかない。
「ッ」
ずん、と一歩大きく踏み込む。剣を構えたまま。
兵士の剣が二本同時に振り下ろされる。それを漆黒の鎧で受ける。
「――ぜぇい!!」
更に体勢を低く。石畳を踏み切って、振り抜いて、グレートソードが勢い良く、横に一回転した。
凄まじい勢いでの回転斬り。剣を受け止められた二名の兵士は、横から襲いかかるグレートソードに成す術もなく、豆腐のように切り裂かれ吹き飛んだ。
「……お見事」
ぱちぱちと、ヴェルの後ろから拍手の音がした。騎士の男は、その戦闘スタイルに賞賛する。
「真正面から受け止めて切り開くスタイルか、嫌いじゃない。
「お褒めに預かりどうも光栄だ」
「皮肉じゃないさ、今となっちゃそんなスタイルなんかこっちが枚数有利取ってなきゃ出来やしない」
兵士たちの死体を一瞥する。
想定の範囲内――
「シケてんな」
「こんな場所の敵の落し物に何を期待してる?ロアの実でも?そこらへんでむしればいい。…そんな事よりも、ほら」
す、と指さされた先を一瞥する。見えてきた。
「……本命が見えてきたよ」
騎士装備の男が、強風の中呟いた。少し歩けば見えてくる。突風で視界が悪い中でも目立つ、ひとつの砦。
「さっさと越えようか、黒騎士さん」
「了解」
騎士の言葉に頷く。
さて……どうなることやら。ただひとつ言えるのは、確実に一筋縄では行かないだろう。
序盤も序盤。だが――油断すれば足元を掬われて、そのまま死んでいく。
それが、この「狭間の地」なのだから――
Black fencer/黒い剣士、ヴェル
Lv150
生命力60
精神力25
持久力43
筋力60
技量16
知力9
信仰9
神秘7
重厚グレートソード25(踏み込み(回転薙ぎ))
重厚大型ナイフ24(猟犬のステップ)
重厚大型ナイフ24(黄金樹に誓って)
滑車の弩10(爆発ボルト/逆棘ボルト)
重厚セスタス24(パリィ)
夜騎兵シリーズ一式(頭部のみ軽装兜)
竜印の大盾
アレキサンダーの破片
鉤指の偽装鏡
自由枠(略奪のカメオ/祖霊の角/大山羊/緋琥珀2)