ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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よっしゃー!この勢いのままアシリ編まで駆け抜けるぞー!


間話#7 昔取った杵柄

五月上旬

その日、数ヶ月ぶりにSBCグロッケンに戻った二人は乗って来た雲豹を停めて街を歩いていた。

特徴的なザクのボディではなく、士官服を着ているフリューゲル達は少しばかりの視線を集めていた。

しかし、そんな視線を気にもせずにフリューゲル達はズカズカと歩く。

そして二人の視線の先に二人の初期装備の男性プレイヤーを見る。一人はホリが深い四角い顔をした男性で、もう一人は明らかにマッド感溢れるゴーグルをつけた老人であった。

 

「父さんと祖父様ですか?」

 

フリューゲルはそう聞くと二人は頷き、聞き返した。

 

「しゅう……フリューゲルなのか?」

「ええ、そうですよ」

「随分と違うのう……」

「そう言う二人もですよ」

 

そう、二人は父と祖父である。

前に二人がログインをする事は聞いていたが、思っていたよりも早かった事に驚きを隠せなかった。

祖父はいいとして、父さんは今日の公務どうしたんですか?

 

そう問いたくなってしまったが、おそらく父のことだから『全部キャンセルだ!!』と叫んで終わりになりそうなので、もう聞く事はなかった。

フリューゲルは取り敢えず二人を案内すると父……今はウィストと祖父、ヒエイはシノンを見た。

 

「あの子は?」

「お久しぶりです。ヒエイさん」

「おお、詩乃君か」

「義父、此処ではプレイヤー名で呼ぶのが基本だ。本名じゃ無い」

「ああ、そうだったな。……どうもこの年になるとつい癖でな。やれやれ、ボケが進んだか?」

 

いえ、その年でVRにこれる時点で十分スゲェっす。

 

そんな事を思いながらフリューゲルは二人を案内する。

母さんはALOに興味があると言いそっちに方に行ったと言う。

フリューゲルは納得した上で、今此処に二人がいる事に背筋が凍った。

 

父←元傭兵&元自衛官

祖父←元自衛官(教官やってた)

 

あ、これは強い(確信)父さんやお祖父様がこっちに来たのがよくわかった。

だが、特に気にせずに自分のクレジットを2人に渡す。

 

「父さんとお祖父様はこれで武器を買って見てください。今の所持金では中古のリボルバーしか買えませんから……」

「おお、そうか」

「色々とすまんな」

 

二人はそう言いクレジットを受け取ると店の中に入り、フリューゲルが一から全部全部レクチャーをしていた。

そしてある程度話を終えると二人はそれぞれ武器を選んでいた。

 

「ほう、20式まであるのか……」

「こっちの方が俺は慣れているな」

 

そう言い、二人が選んだ武器は父はAKー74、祖父は89式5.56mm小銃だった。

父は傭兵の時に使っていた武器、祖父は自衛隊で使っていた銃を慣れた手つきで手に取る。

後の事をシノンに任せて自分は店の外でふぅと一息ついていた。

今頃中ではシノンが二人に頑張ってレクチャーしているだろう。シノンが買って出てくれた時は本当に感謝しか出なかった。

そのまま店先で休憩をしていると扉が開き、中から三人が出て来た。

一人はシノン、残りの二人は当然父と祖父なわけだが……

 

「おぉ……」

 

すごく似合っている。今時のザ・兵士といった見た目だが、動きやすい様に所々のアーマーは無い、実践を意識した服装をしていた。

 

「色々と悩んだが、これが一番だ」

「ああ、そうだな」

 

二人はそう言うとフリューゲルを見た。『何処に行けばいい?』と、取り敢えず此処から言う事は特に無いので、フリューゲルは二人を戦場に案内した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

荒野の砂漠で二人が走っていた。

父の祖父の戦闘の慣れ具合にフリューゲルとシノンは思わずポカンとしていた。

 

「すごいな……」

「ねえ、あれで初心者?」

「まあ、父さんは傭兵やってたけど……」

 

視線の先ではヒャッハーしているイキイキとした声がする二人の声が聞こえた。

 

『これはいい!』

『ああ、懐かしい感覚だ。この気配といい、この銃といい』

『訓練では制限されているからな。此処では十分楽だ!』

 

とてもとても五十代と八十代とは思えない溌剌とした声が聞こえ、今までにモンスターを多数キルしていた。あぁ、勿論光学銃で。

あれぇ?二人の歳間違えたかな……

 

「なんか…凄いね……」

「あぁ…元気なのはいい事だが……」

 

因みに現金還元システムについて説明はしているので、多分大丈夫だと思うけど……。

困った頃があればあとはチャットで聞いて。と言い残して二人はその場を後にして行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「元気だったね」

 

シノンは二人の強烈な熱に当てられ、少々飲み物でクールダウンをしており。フリューゲルは苦笑していた。

 

「ああ、あれは夢中になりすぎて母さんに怒られるやつだ……」

「お祖父様の方は?」

「今東京にいるんだよ。青森の実家はまだネット通ってないから……」

「あぁ、なるほど……」

 

シノンは妙に納得できた。

そして雲豹に乗りながら二人は荒野から廃墟都市を走る。此処は安全地帯から外れた場所で、初期から存在する場所であった。

現在、新マップの探索が行われているが、終わるのは数ヶ月先では無いかと言う見方も上がっている。

そんな中。多くのプレイヤーがその新マップを探索しているので、旧マップにいる人数は自然と減っていたりする。

なので今がモンスターの狩り時でもある。二人は物資獲得のために乱獲をしていた。

特に邪魔もなく。二人は乱獲した物資で、必要なものとは必要なものを分けて、クレジットを稼いでいた。

 

 

 

 

 

乱獲後でホクホクの二人はとあるメールを受け取った。それを見た二人はグロッケン郊外のとある店に立ち寄った。

 

「おっ!マスター!こっちこっち!」

 

元気な声が聞こえ、ボックス席に二人の少女達が座っていた。

 

「マキナ、ストレア」

 

フリューゲルがそう言い、シノンと席に座るとシノンはストレアとマキナをジーッと見てつぶやく。

 

「その様子だと頑張っているみたいね」

「ええ、いい武器とかもあって。好調です!」

「従姉に連れ回されてかなり大変です……」

 

疲れた様子のストレアを見てマキナを見る。

マキナは黒いドレスにレースやフリルなどを纏った。所謂ゴスロリといった服装で、ストレアも似たような服装をしていた。

ただ、ストレアの場合は女性の魅力が大きく、クッキリと魅せていた。

実際、店にいた何人かの男はナンパしようとしたが、やって来たフリューゲルに話しかける前から早々に玉砕していた。

流石に二つ名を持つ相手に勝負を挑む気はなかったという事だろう。

そんな感じで合流をしたフリューゲルとマキナ達四人はまず最初にフレンド登録を済まして、その後に店を出て行く。

 

「わぁ、これが噂の……」

「知っているのか?」

「ええ、前のラサのボス戦で活躍したのは有名ですよ。あれの影響で車が飛ぶように売れているとか」

「成程……」

 

今は深緑と茶色の迷彩色に塗装されているこの装輪戦車はスコードロンのマークがあしらわれ、移動拠点として重宝していた。

そのため、外には必要な物資が外付けされ、装甲板代わりの丸太が側面に括り付けられていた。

四人はまず車に乗り込むとエンジンをかけて走り出す。

元が輸送兵員車ということもあり、四人乗ってもまだまだ隙間があった。

運転席でハンドルを握るフリューゲルがマキナ達に聞く。

 

「マキナ達はどんな銃を使っている?」

「あぁ、私はH&K UMPで、ストレアはグロスフスMG42です」

「おい、最後のとんでもない武器だな」

 

使用火器を聞いた時にどんな運用方法なのか大体想像できてしまったフリューゲルはストレアを見る。ストレアは非常にスッキリした表情を浮かべていた。

それだけでどれだけプレイしてきたのかがよく分かった。

おそらくマキナが前線で注意を引いている間にストレアが後方から弾丸の雨を降らせる戦法だろう。

毎分1200発の弾丸をまず避けられる者はいないだろう。キリトですらミンチになるかもしれない。そんな事を思いながらフリューゲルは身を乗り出して風を感じているストレアを見る。

今は運転席のハッチを開けた状態で走っているが、シノンだけ車内で周りを映像だけで見ていた。

 

「なんか暇……」

「人がいないから仕方ないだろう」

 

マキナの文句にフリューゲルが突っ込むとストレアが叫んだ。

 

「あ、モンスター!」

「え!どこどこ?」

「あそこ!」

「マスター、車止めて!狩ってくる!」

「はいはい、行って来な」

 

そう言い、車を止めると二人の少女が車から飛び出し、手に光学銃を持って狩りを楽しんでいた。

光学銃でもストレアはガトリング式を選んでおり、光球がモンスターに向かって飛んで行っていた。

 

「……今度はキリト達も誘ってみたいわね」

「ああ、BoBが終わった後とかに誘ってみるか」

「それ、良いわね」

 

戦車に乗りながら二人はそんな事を考えていた。

そして、シノンとフリューゲルはお互いに小さく頷くとシノンはへカートⅡを、フリューゲルはモシン・ナガンを取り出すと照準を合わせた。

 

ドォン!パァン!!

 

同時に引き金を引くとそれぞれ12.7mm弾と7.62mm弾が別の方向に向かって着弾する。

それと同時にDEADの赤い文字が浮かび上がった。

 

「邪魔は許さんぞ」

「流石に家族に手出しはね……」

 

敵を屠った二人はそのままモンスター狩りを楽しんでいる二人を見た。

 

「モンスターは彼らに任せて他は私達でやる?」

「ああ、BoBのいい練習にもなりそうだ」

 

そう言い、二人はそれぞれ照準を合わせ的に向かって引き金を引いていた。

 

 

 

 

 




二人のプレイヤー名
藤吉→藤の花を英語から
真之→名前の元となった秋山真之氏の初めて乗艦した砲艦の名前から
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