知らぬ間にUAとお気に入り登録が増えていたのに驚いてます。
あと最後にアンケ取るので読んだら是非投票してください。
修也の誕生日会を行っている和人達。そこで誕生日を迎えた修也はダイシー・カフェで誕生日を祝われていると、そこで同時にプレゼントも貰っていた。
「はい、誕生日プレゼント」
「ありがとう」
「どうぞ。お誕生日、おめでとうございます」
里香や珪子がそう言いながら丁寧に包まれたプレゼントを手渡す。
「おめでとう」
「今度からは日にちを言ってくれよ」
「ああ、すまんな」
そこで和人や明日奈からもプレゼントを受け取る。
そして修也はそんなプレゼントに感謝しながら受け取ると片手にノンアルコールカクテルを頂く。流石にモノホンを頂くと販売元の店主や父親が叱られるので絶対にしないが、それでもグラス片手に一杯飲む姿は中々様になっていた。
「すっかり大人だな」
「そりゃ、法律上じゃあ十九だ。賭博と酒以外は許可される。まあ来年でそれらも解禁だが……」
「この後免許か?」
「ああ、そうだな」
和人に聞かれ、そう頷くとそこで直葉が興味ありげに修也に近づいて聞いた。
「えっ?車の免許取るの?」
「ああ、学校には内緒だがな」
校則で車の免許は取るなと言う謎ルールが存在しているが、もちろん隠れて免許をとっている生徒の方が多いわけで……変えればいいのに。
「へぇ、車かあ……」
「お前んち、金持ちだから高級車買ってくれそうだよな」
「無理だろ。それは」
「そうね、ちょっと面倒かもしれないわね」
そこで詩乃も同様に厳しい様子を見せると、和人達はやや首を傾げた。
すると修也は修也なりの問題を和人達に教えた。
「分かりやすく言うと、親父の動きは
「「「「あぁ……」」」」
そこで和人達は妙に納得できてしまった。
彼の親……特に父親は俗言う何を言い出すかわからんタイプの政治家故に何かと話題に取り上げられる異端児だ。そしてその息子である修也。
当然注目が集まるわけで……。もしかすると監視すらされているかもしれない。
「物好きは実際、家の近くで張り込みかけたからな」
「ああ、前のあの人?なんか、警察に捕まってた……」
「ああ、撮影が下手くそだったのと編集長に怒られたらしいからな」
「え?なんで知っているの?」
明日奈が思わず聞き返すと、そこで修也は少しお茶を濁した。
「まあ……いずれ分かるさ」
なお、後に事実を知った和人達は『お前ってやっぱり悪魔だな』とつい言ってしまう程の所業だったと事前に言っておこう。
「とりあえず飲もうぜ!」
「ほどほどにしとけよ。二次会もあるんだから」
「二次会?」
修也が首を傾げると和人は軽く頷いた後に修也に言った。
「おう、今日の九時にALOの俺の家に来いよ」
「……ああ、分かった」
そこで修也も軽く頷くと、ダイシー・カフェで少し騒いだ後に解散となった。
その後、一旦家に帰った三人はそこで軽く息をついていた。
「はぁ……誕生日ってこんなにも疲れる物なのか?」
「え?」
そこで溢れた修也の言葉に思わず驚く詩乃。するとその横でマキナが補足で説明を入れた。
「いつもマスターは誕生日を忘れるし、パーティーを開いても阿鼻叫喚になった後にザスマンさんの怒声が響くような場所でしたから。まともなパーティーをしたことがないんです。去年は超が付くレベルの高級料亭で家族とご飯でしたけどね」
「……」
想像しただけで目を覆いたくなるような話だ。ザスマンというと今度アメリカに旅行に行くときに会う人物で、修也がアメリカにいた時にお世話になった人だと聞いている。
あと超が付く高級料亭での食事を経験済みと聞いてインパクトに欠けているのではないかと詩乃は不安がよぎった。ちなみに聞くとその料亭は伊勢の方にあるヘリコプターが無いと行けないマジもんの高級料理店だった。
「……大変だったのね」
「そんな哀れんだ目で見ないでくれ……」
悲しげに語る彼はお茶を飲んで一息付いた後に制服を脱ぐ。
「二次会は九時、ALOのキリトの家だからね」
「ああ、分かっている。遅刻はしないさ」
修也はそう答えると、部屋着に着替えるために一旦自室に戻って行った。
修也がいなくなったのを見て詩乃も自室に入ると、そこで置いてある丁寧に梱包された紙袋を見ていた。
「(喜んでくれるかな?)」
明日奈に手伝って貰って選んだプレゼントだ。向こうのほうが歴が長いからなんとなくの安心感があるが、何かと不鮮明なところも多い修也だからこそ不安が残る部分もあった。
しかしここまで来た以上、下がることはできない。
「(渡すなら二次会が終わった後だね)」
すでに和人達からプレゼントを受け取っており、あとは詩乃だけだった。
午後九時
ALO キリトのペントハウス
かなり久々に訪れるALOは中々新鮮味というか、懐かしさを感じる。
この場所も、かつての天才科学者が作り上げた理想郷に近い場所だ。それの複製であるとはいえ、人生の二年を過ごした場所はどこか懐かしかった。
SAOの時に持っていたあの家をキリト達のように新たに買い直そうとは思っていなかった。サルベージしたとは言え、そもそもALOのデータは心機一転でやり直そうかとも思ってしまったほどだ。
そもそも、このSAOのデータ自体。あのALOの事件がなければ一生サルベージされることも無かったような代物だ。多くの人があの事件でネットゲームそのものにトラウマを覚え、事実学校に通っている生徒もネットゲームがトラウマになっている者達は多くいた。
多くの禍根を残したあの事件だが。もちろんこんな情報社会だ、あの人の親族の粗探しをする輩が大勢いた。
しかし、やはり兄の方が一枚上手だった。誰にも迷惑をかけたくなかったのか、全ての情報を消去した上であの事件を引き起こしていた。今まで数々の特定をしてきた人物達ですらお手上げと言わしめた兄の情報能力に舌を巻くと共に、それだけ昔から誰にも相談することなく一人で進めてきたのだろうとも思ってしまった。
「ブレイド」
「?」
その時、後ろから声をかけられるとそこにはキリトやアスナ達がペントハウスの前で集まっており、ブレイドを呼んでいた。
「今日の主役はこちらに」
そう言ってペントハウスの前に並べられた椅子の中でも最も豪華な椅子にブレイドが座ると、目の前にはあの湖がよく見えていた。
「何が始まるんだ?」
「それは始まってからのお楽しみだな」
キリトはどこか楽しげにしているとアスナが提案する。
「それまでは軽く何か食べようか」
「賛成〜!」
そこでリズベットが頷くと、クラインや最後にエギルも合流してそこで軽い軽食と飲み物を持ち寄っての二次会が始まる。
「それじゃあ、ブレイドの誕生日を祝って……」
『『『『『乾杯っ!!』』』』』
今度はキリトが音頭をとって乾杯を入れると、そこでキリト達は二次会を始める。
ゲームだと改めて楽でいいなと思っていると。その時、湖の反対側からヒュ〜と言う音がしたあとに爆発音が聞こえ、夜空を煌びやかに照らしていた。
『『『『おぉ〜!』』』』』
「おっ、始まったな」
キリトが花火を見ながらそう溢すと、ブレイドもそれを見て呟いた。
「花火か……」
「綺麗ね……」
横にシノンが立ってそう溢すと、ブレイドも小さく頷く。
「反対側でマキナとストレアが打ち上げているんだ」
「そうなのか……」
「ええ、先にお願いして貰っていたの」
アスナがそう答えると、ブレイドは中々粋な事をするようになったと感心した様子で花火を見ていた。
「花火は好き?」
「ああ、打ち上がる花火の色を見て炎色反応を見るのは楽しいぞ」
「脳が完全に理系のソレだな」
「あはは……」
ブレイドの返答にキリト達は苦笑していると、そのうち上がった花火に気がついた他のプレイヤー達も同様にその景色を見ていた。
「準備大変だったんじゃないか?」
わずか数日でここまでの準備をした事にブレイドは気にかけると、キリト達はそれほど苦になっていない様子で答えた。
「いやぁ、それほどでも無いな。こう言う祝い事以外でも用途があるからな」
「そうだね。花火なんてちょくちょく使っている人いるから」
「いい囮になるからな」
「なるほど、需要はあるわけか……」
そこで改めてブレイドはALOをほぼ全くやっていないんだなと実感していた。
その後、花火も打ち上げ終え。無事に二次会を終えたキリト達は時間も時間ということでそのまま解散した。
「パーティーは終わったか……」
体を起こしてアミュスフィアを取った修也はそのまま明日の準備でもしようかと思った矢先。
『修也、ちょっときて貰っていい?』
「ああ、分かった」
詩乃の呼びかけに答えるとそのまま部屋を出る。するとリビングでは詩乃がテーブルに座っており、どこかそわそわした様子だった。
「どうした?」
少なくとも夜枷をおっ始めようもんなら文○砲が飛んできてもおかしく無いので真っ先にその可能性を否定する。というか大学出るまでやる気はないということで修也の中ではやるにしたって社会人デビューが確実になっていた。
そして残る選択肢の中で恐らくはあれだなと思い、中々進まないのもあれだからどいうことで修也がそんな落ち着かない様子の彼女に問いかけると、詩乃は少し安堵も混ざった様子で机の下から紙袋を手渡した。
「あの……これ、渡そうと思って。その……」
「プレゼントか……ありがとう」
修也はそこで最後に詩乃のプレゼントを受け取る。
「ここで開けてもいいか?」
「うん、いいよ」
確認を取った修也はそこで紙袋の中身を確認する。丁寧に包装紙を取る彼はそのまま中身を取り出した。
「カーディガンか……」
「使いやすいかなって思って……」
そう言い詩乃はえんじ色を基調としたカーディガンに修也の反応を見ていると、彼はとても嬉しそうな様子でそれを見ていた。
「ありがとう……丁寧に刺繍までされているんだな」
そう言い、袖にS・Aと刺繍された袖を見るとそのまま席を立つ。
「大切に使わせてもらうよ」
「うん」
詩乃はそこで軽く頷き、満足そうな表情を見せる修也に安堵と嬉しさが混ざり合っていた。
「こんないい物じゃあ、詩乃の誕生日にはお返しをしなければな」
「そんな……」
そこで軽く修也は口角を緩めると、詩乃の目を見ながら言った。
「今日は良い日だった…今までで最高の誕生日を迎えられた……本当に感謝するよ」
そう言い、彼は軽く詩乃を抱きしめた。そして軽く背中を叩いた後にそのまま自室に入って行く。
その時の顔はいつになく満足げで、嬉しそうで、晴れやかだったことを詩乃はよく覚えていた。
包装紙、丁寧にとるかビリビリに破るか。