ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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今後の予定
詩乃の誕生日→アリシ直前→修也の過去

で行こうと思っています。
申し訳ありませんが原作が進まないのでUR編は無理です。
あとごめんなさい、ゲームネタも無理です。


間話#17 夏の誕生日騒動

八月十日

ALO キリトのペントハウス

 

「お前さぁ……」

 

そこでキリトはやや呆れた目を向けて反対に座るブレイドを見ていた。彼は手を組んで真剣な眼差しで悩んでおり、それを見ていたアスナも笑いを堪えている様子で彼を見ていた。

 

「なんでシノンと同じこと聞いてくるんだよ……」

「は?」

 

思わずそう溢したブレイドにキリトは一瞬ハッとなるも、その後にアスナがブレイドに言った。

 

「春にブレイドの誕生日会を計画した時にシノンも同じ雰囲気で聞いてきたの」

「……なるほど」

 

そこでなんとなく察したブレイドは春の自分の誕生日の一件を思い出す。

 

「今考えると、あの後色々あったわね……」

「ああ、本当にな」

 

どこか遠い目をするキリト達。

流石にそれには同感していた。六月からは特に怒涛の日々を送った。

 

「言っておくとお前もそのうちの一人だからな?」

「?」

「いやいや、ラースに就職している時点でお前も同罪だから」

「……異議申し立てをする」

 

ブレイドはそう答えると、キリトはやや呆れつつも話を戻していた。

 

「んで、シノンの誕生日が……」

「八月二一日だ」

「後十一日もあるのか……」

 

気が早いとは自分も言えない立場ではあった。アスナの誕生日のプレゼント選びはそろそろ始めているわけだし……。

 

「それで、どう祝おうか……」

「ブレイドの時と似た感じでいいんじゃない?」

 

アスナがそう答えるとブレイドはやや不満げな様子で答える。

 

「しかしそれではテンプレにならないか?」

「じゃあお前はどんなの考えたんだよ」

 

キリトはどう言うを想像していたのかと聞くとブレイドは一応考えていた案を話す。

 

「一応、知り合いに頼んで良い鮨店を予約してはいるんだが……」

「それ絶対高級店でしょう」

 

少なくとも『寿司』の漢字が『鮨』になっている時点で嫌な予感が走る二人。

 

「まぁ…一時間半ほどヘリに乗って……」

「「はぁ……」」

 

二人は思った『これだから金持ちは……』と。するとそこで呆れる二人にブレイドは当たり前と言った表情でやや首を傾げて言う。

 

「美味い飯に糸目をつける必要はないだろう?」

「まあ……分かるけどね?」

 

アスナもヘリで移動する鮨店と言うパワーワードに顔がやや引き攣っていた。

 

「いや…流石っす。今度俺に美味い飯奢って」

「却下だ」

 

キリト向かって流れるように即答するとブレイドはアスナに聞いた。

 

「一応、自分も誕生日で使った場所で店主には良くして貰っているから良いかと思ったんだがな……フレンチの方が良かったか?」

「いや、そう言う事じゃないから」

 

そんな超がつく高級店にシノンをいきなり連れて行ったらまずガチガチ技緊張する未来がよく見えた。

 

「流石、勢い余って指輪渡す男はやる事が派手ですわ」

「それはどう言うことかな?」

「イデデデデデッ!!」

 

即座にキリトにヘッドロックをかまして痛めつけるブレイド。するとそこで気になった様子のアスナがブレイドに聞いた。

 

「でもなんであんなに短期間で渡したのかは気になるかも」

「そうか?」

「ギィヤアァァアアアアア!!」

 

極楽固めをキリトに施しながらブレイドはアスナを見ると、彼女は頷いた。するとブレイドはそれを見ながらその訳を話した。

 

「母が『良株は囲める内に囲んでおけ』と言っていたからな」

「はぁ……」

「まぁ、こんな自分みたいな偏屈者に彼女ができること自体奇跡のような物だからな」

「な、なるほど……」

 

そこで否定はしたかったがアスナは納得できてしまった。

元々ブレイドの性格は人を選ぶタイプだ。と言うよりマジモンの『若き天才研究者』と言う肩書きを持っている彼はあまり近付きにくいと思う人もいるだろう。と言うか自分から偏屈者って言うのね……。

 

「授業で先生泣かしたらしいしな」

「ああ、あまりにも暇すぎてな」

「あはは……」

 

もはやアスナは苦笑するしかできなかった。そりゃ学校の先生が大卒研究者にかなうはずがない。

 

「まぁ、それは良いとして……アスナ、今度プレゼント選びに付き合ってくれないか?女性からの視点が欲しい」

「うん、分かった」

 

アスナは快く承諾するとキリトも信頼しているブレイドなら変な事はしない、というかお礼で飯が奢ってもらえるから着いて行きたいと思っていた。

 

「キリトは来なくてもいいぞ」

「頼むよ。真面目に選ぶからさ」

「大体お前病院にいるだろうが」

 

そんな甘い汁を啜ろうとするキリトにブレイドは無慈悲に答えるとアスナはいつものブレイドの容赦ない男の扱いに少しだけ笑っていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

翌日

明日奈の実家

 

翌日、明日奈の家の前に一台のボルボ・PV544が止まる。乗っているのは勿論修也だ。

 

「お待たせ〜」

「ああ、今日はよろしく頼む」

 

私服姿の明日奈は軽く修也と挨拶をした後に助手席に乗り込むとそのままエンジンを掛けて移動し始めた。

 

「シノのんは?」

「GGOのイベントでマキナ達と周回しているはずだ」

「なるほど」

 

つまりプレゼントを買ってきても問題ない時間はあると言うことだ。

 

「今回のイベントは報酬が美味い代わりに時間がかかるからな」

「おぉ、流石は運営」

 

明日奈と言うか、和人達も修也がGGOの運営に携わっていることは聞いていた。その時に和人に『言ってくれたらあの事件で苦労しなかったのに……』と言われたが修也に『あの時点ですでにデータは消えていたから、どちらにしろ追跡は無理だったぞ』と答えた後和人が唖然となった後に真っ白になっていたのはよく覚えていた。

 

「まぁ、GGOの運営にはしばらく手をつけていないがな」

「そりゃあそうだよ。色々と忙しかったもん」

 

明日奈はそう言い、アンダーワールドでの数々の出来事を思い返していた。

あそこで見た景色は忘れる事は無いだろうと思い、これ以上は暗い話になるかもしれないと思って軽く首を振るとその後に古い見た目の車内を見ながら聞いた。

 

「修也君はこういう古い車が好きなの?」

「ああ、馬車の感覚を残している古い車は好きだ」

「そうなんだ……でもちょっと良いかも」

 

いつも乗っている車と違ってナビもないし乗り心地も少し劣るが、味があって良いかもと思っていた。

 

「少なくとも戦車よりは乗り心地はマシだな」

「いやいや、戦車と比べちゃダメだから」

 

アメリカにてトンデモ経験を色々と積んでいる修也の感覚は間違っていると明日奈は慌てて否定すると二人は日本橋まで進む。

 

「予算とかって……」

「いくらでも構わない」

「ハハハー、流石はお金持ち」

 

修也はMeacの特許と利権で膨大な利潤を得ている、俗に言う上級国民だ。好きなものを好きなだけ買う事が出来る事に少し羨望をしつつもそれで暴走しない修也の精神に舌を巻いていた。

 

「しかし…修也君にシノのんは確かに良株かもね」

「そうだな…はじめは成り行きだったが……」

「まぁ、結果オーライってことで」

 

明日奈はそう答えると修也も少し薄い笑みを浮かべて頷いていた。

 

「そうだな……」

 

それを見て明日奈は修也の変わりように少しの驚きと嬉しさを感じていた。

 

「でも良いなぁ……修也君、この車にキャラバンも持っているんだからさ」

「キャラバンは仕事用だがな」

 

修也はそう修正を加える。十九歳にして車二台持ちと言う、しかも東京と言う車を持っているのがステータスのような環境での二台持ち。金持ちの道楽だと思われても仕方がないが、バンに関してはラースと言うかアリス達用の設備が搭載された特別仕様だ。

 

「アリス達の調整でたまに出向しないといけないのが玉に瑕だがな」

「それだけ信頼されてる証だよ」

 

明日奈はそう答えると修也も納得した様子を見せた。

 

「それもそうか……さて、そろそろ日本橋だ」

「シノのんの好みはバッチリ調べたから。最高のプレゼント選びにしないと」

 

明日奈も意気込みを語ると二人はデパートの駐車場に入って行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「うーん……」

「意外と迷うな……」

 

そして入ったデパートで二人は大いに悩んでしまった。

 

「指輪渡しちゃったのが大きすぎるんだよなぁ……」

 

春に秋夜への誕生日プレゼントを選んだ時はすんなりと決まったのだが、詩乃の場合。すでに指輪という強力なカードを出してしまったが故にかなり選択肢が狭まってしまっていた。

 

「指輪以外だと……ネックレスとかか?」

「いや、装飾品関係はちょっとくどい気がするかも」

 

すでに外に出てても恥ずかしくない装備品を買っているor貰っている詩乃にこれ以上の装飾品は詩乃の方からお返しされてしまうかも知れないと明日奈は考えていた。

 

「なるほど……」

「こう言うの意外だと服とか、後は……何だろう?」

 

明日奈は少し迷っていると同様に修也も少し考えた後にふと溢す。

 

「父さん達は生まれた年に作られたシャンパンを渡したと聞いているが……」

「流石にお酒はねぇ……」

 

そんな事すればバッチリ捕まってしまうので明日奈はあり得ないと脳内で却下していた。

 

「とするとやはり服になるのか……」

「それがいいかもね」

 

春の誕生日にカーディガンを貰った修也としてはもっと良いものを……と思っていたが、明日奈は『誕生日を考えている気持ちが大事だよ。どんな物を渡してもシノのんは修也君からだったら何でも嬉しいと思うもん』と経験者からのありがたいお言葉をいただいていた。

 

「じゃあ、そっち方面で探してみるか……」

 

修也はいつになく真剣な眼差しを見せながらプレゼント選びを慎重にしていた。

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