ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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本当は二一日に出したかったけど諸事情でダメだった(無念
理由は後書きに書いています。

あと現在、過去回の改訂作業を行なっております。改めて時系列などを中心に見直しています。そこで気づいた、修也は明日奈と同い年と言う設定を……つまり今は十九歳だった。

いやぁ、昔の自分がどれだけ汚い文字稼ぎしてたのか…あと時系列を全く考えずに書いていたのか……。


間話#18 夏の誕生日騒動Ⅱ

八月二一日の詩乃の誕生日に向けて準備を始めた修也であったが、早速大きな障壁に当たっていた。

 

「まさかプレゼントでこれほど悩む事になるとは……」

 

デパートのカフェで修也はそう溢すと、付き合ってくれている明日奈がやや苦笑しながら同じように一杯紅茶を飲む。

 

「それよりも私は修也さんがすでにゴールドカード持ちの人間な事に驚きだよ」

 

そう言い、彼女はリッチな生活をしている修也にもはや笑うしかなかった。

 

「そうか?自分はもう成人だ。カードくらい作るだろう?」

「よく審査通ったね」

 

思わずそう聞いてしまうと修也はケロリと答える。

 

「まあ親のコネというものだ」

「ああ……ナルホドハイ」

 

もはや何もいうまいと明日奈は思った。こんなところで親のコネ使うなよと言いたいが、すでにコネが大量にある修也にとってこれくらいしか使い道が無いのかも知れない。

 

「カード会員専用のラウンジという手もあったが……こっちの方が明日奈の趣味に合うだろ?」

「あのねえ、普通十九の高校生からそんな言葉でないから。和人くんを見なよ。まだプリペイドカードだよ?」

「電子マネーがあるじゃないか」

「それはまた違うから……てか、ここのデパートのカードじゃなかったじゃん。さっきのカード」

 

そう言い、明日奈は修也の金持ち非常識に少々ツッコミを入れる。すると修也は何を今更と言った様子で明日奈に言う。

 

「まあ、数枚カードあるからな。予備含めて」

「……」

 

そう言い、財布の中にすでにカードが複数枚あるヤバい人だった事に明日奈は開いた口が塞がらなくなりそうだった。

 

「もともと収入に関して心配はない人間だ」

「こらっ、外でお金の話しないの」

「おっと」

 

明日奈は思わず忠告をしてしまうと修也も失敬と言って注文したヴィーナ アイスカフェを飲む、そしてフィルシメルバを一口。

買い物に付き合ってくれたお礼と言い、明日奈は何も買っていない現状だが、お茶をしていた。

 

「しかし、何を買うべきか……」

「服とかはダメなの?」

「それでは満足できないんじゃないかと考えてしまってな」

 

そこで修也は軽く眉間に指を当てて後悔した様子で言う。

 

「しまったな、詩乃になんのブランドが好きか聞いておけばよかったな」

「いやぁ…シノのんなら何でも好きって言っちゃうけどなあ……」

 

詩乃に対しては全財産をほっぽれそうな程に修也は詩乃を好いているのは明白だ。それ故に財源はある修也は詩乃になんでも買ってあげられた。

 

「ブランドもの以外で…シノのんが喜びそうなもの……」

 

明日奈は詩乃の趣味も合わせたプレゼント選びには苦労していた。同じ女性だからと言ってもやっぱり詩乃とは別な趣味があるわけで……。どちらかと言うと文系思考の彼女は家にも多くの本が置いてあり、クリスマスプレゼントと言って修也にもらったらしい。

そこから古本を集めて読むのが趣味になったと聞いている。

 

その頃から女性には優しかった修也にしては異常な買い物だなと思ってはいたが……。

 

「(とすると、意外と本の方が喜ぶのかな?)」

 

詩乃は現在。修也の母親によって、彼の知らないところで花嫁修行の見習い的なことをしている。もともと明日奈と縁談があったかも知れないような由緒ある家だ。やはり、それ相応の身なりとマナーというものが必要になってくるのだ。明日奈もそれについてはうんうんと苦労を聞いて頷くしか対応はできなかった。

 

いくらシンデレラストーリーと言っても、それはあくまでもシンデレラが蔑まれていたとは言え、元々貴族だったから踊りや歩き方の作法などをすでに熟知していたからであり、全くの平民というわけではないからだ。

明日奈はそう言った作法を幼い頃から叩き込まれていたのでその事に関して苦労することはなかった。

 

「(本は本でも何か特別な本……)」

 

欲しい新刊……特別感がないし、いつでも買える。

作者直筆入りのサイン本……違う、しっくりこない。

そう考えていると、ふと先ほどの修也の先ほどの会話が脳裏で再生された。

 

『父さん達は生まれ年に作られたシャンパンを渡したと聞いているが……』

『流石にお酒はねぇ……』

 

その時、明日奈に電流が走るーー!!

 

「……あっ!」

「どうした?」

 

声を出して呟いた明日奈に修也は首を傾げると、彼女は席を立ち上がった。

 

「いいこと思いついちゃった。…ねぇ、確かしのノンって古本マニアよね」

「ああ、家に古い女性雑誌(EL○E)をよく置いているな」

 

修也はそう答えるとやっぱりと言った様子で明日奈は彼の腕を引っ張った。

 

「修也さん、先に神保町に向かってくれる?」

「?」

「それから、女性雑誌を専門に扱う古本屋を教えて」

「ああ、分かった」

 

会計を済ませながら修也は次の行き先を明日奈から聞いていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

八月十九日

 

それから一週間ほど、キリトの退院やアリス達の桐ヶ谷突撃にアンダーワールドへのログインなどでバッタバタだった数日を乗り切り、関係各所に頭を下げながら電話を終えてクタクタの修也。

もう色々とありすぎて修也は久々に実家に戻ったはいいものの、父も終戦記念日やならんやらの行事がてんこ盛りな上に例のオーシャン・タートルの一件で色々な省庁から紙爆弾を喰らっててんてこまいになっていた。

 

紙爆弾とは自分の省庁に有利な権限争いの線引きなどを引き出すため、各省協議元の省庁に何百問という質問を投げかけることを言う。これを喰らった担当者は()()()回答を作る必要があるのだが、その対応が今朝方終わったようだ。

父が真面目にマキナ達に応援を呼ぶために直接連絡を入れていたくらいだった、よっぽどの攻撃があったのは容易に推察できた。

 

オーシャン・タートルと言う巨大な建造物の中に眠るアンダーワールドと言う世界一の技術。その技術は世界中の誰もが狙っていた。

因みにオーシャン・タートルの動力の原子炉についてだが、日本初の原子炉搭載型の船舶は『むつ』と言う観測船であり、実験を完了した後にディーゼルエンジンに換装して、知っている者もいるであろう。海洋調査船『みらい』として再就役している。

 

このむつのデータを用いでオーシャン・タートルは建造されていた。一体どうやってあんなでかいものを作る予算をおろしたのか甚だ疑問だ。どう言う予算計上をしたんだ……。

 

「修也」

「はい?」

 

ネクタイを外し、ここ最近の仕事に疲れ切った藤吉は珍しく修也に言う。

 

「今度、またマキナ達をウチに寄越してくれないか?」

「……それほどですか?」

「ああ、もうんざりだ。部下が泣いている」

 

藤吉も国会の揉み合いに巻き込まれたりして非常に疲れていた。これを見ていると自分なんか到底甘いなと思ってしまうほどだ。

 

「でも良いの?マキナを役所に入れても」

「良いんだ、二年前に実績はある。むしろ下からせがまれているさ」

 

それを聞き、修也は瞬時に二年前のSAO事件の対応を全投された時に特例で押し込んだのだと推察できた。

 

「わかりました。マキナにはすぐに伝えておきます」

「ああ、頼むぞ」

 

真面目に久々に帰ってきた父はそのまま母に介抱されながら寝室に向かった。

 

「(和人、思った以上に酷い有様だぞ)」

 

思わずそんな光景を見て修也はそう思ってしまった。

 

 

 

 

 

そしてそのままバイクに乗って修也はある場所に向かう、それはもちろんダイシーカフェだ。

 

チリーン

 

ドアを開けて鈴の音が鳴ると、昼の時間と言う事でエギルが陽気に挨拶してくる。

 

「よう、修也」

「ああ、エギル」

「ひどくお疲れじゃないか」

「ああ全くだ」

 

カウンター席に座りながら修也は注文を入れる。

 

「今日おすすめの物」

「おうよ」

 

そしてエギルはまず初めに見るからにグッタリしている修也を軽く揶揄う。

 

「何だ、彼女と喧嘩したか?」

「そんな訳なかろう。もっと悲惨になっている」

「ははっ、お前()ならそうだな」

 

エギルはそう言い、棚からグラスを出すと修也に聞く。

 

「今日はバイクか?」

「ああそうだが……って、酒を飲ませる気か?」

「いやぁ、そう言うのに挑戦したいお年頃だろう?」

 

エギルはそう聞くと、修也は生憎と言った様子で答える。

 

「生憎とビールは向こうでやって後悔している身だ。飲むならエールを寄越せ」

「どっちにしろダメじゃねえか」

 

そう話した時だった。

 

「お邪魔しまーす!」

「ようエギル。空いているか?」

「し、失礼します」

 

知っている声が二人、明日奈と和人、それからアリスとユージオだ。

 

「お?そこにいるのは……」

「あっ、修也さん!どうしたの?」

「ブレ…シューヤか」

「お前もいたのか」

 

一週間ほど前に買い物に付き合ってくれた明日奈とはその後プレゼントを選んだ後にまたデパートに戻って別のものを選んでいた。

 

「見ての通りだ」

「本当に何があったんだよ……」

 

横に座りながら和人達も同じように注文を入れると、修也は聞いた。

 

「二人は何でここに?」

「ああ、観光案内帰りの昼食ついでにな」

「修也さんは?」

「現実逃避」

「あはは……」

 

修也の返答に明日奈は何とも言えない表情を浮かべる。最も経歴を知っているし、今の仕事の忙しさも容易に想像できた為に労わる事しかできなかったからだ。

 

「どうなんだ?仕事の方は?」

「もうてんてこ舞いだ。父さんには敵わんが……」

「ああ、あのもみくちゃの国会ね……」

 

明後日に詩乃の誕生日を迎えると言うのにそれ以上に色々と忙しすぎて今にも修也は倒れそうだった。

 

「あれも酷かったな。俺もテレビで見たけど」

 

一人がそう答えると、修也は知らない所ではそれ以上に地獄だぞ。と言ってそこから怒涛に話し出す。

 

「あの後、オーシャン・タートルの利権を巡って各省庁が大揉めだ」

「え?それって……」

 

明日奈が聞こうとすると、修也は明日奈達に数本指を出す。

 

「父さん達総務省と防衛省が共同で建造したオーシャン・タートルに首を突っつこうとしているのは…

自走式メガフロートという理由で国交省、

元が大型海洋研究母船という理由だからと環境省と農水省、

あと何故か経産省だ」

「何で?」

「俺に言われても……」

 

修也もこれには困惑した様子を見せると、和人達の奥でアリス達は訳がわかっていない様子で困惑していた。

 

「まあ、今の所の対立関係としては総務省・防衛省対国交省・環境省・農水省・経産省だな。おまけに対立省庁は内ゲバ」

「うっわぁ……」

「地獄ね」

 

思わず和人達もその対立構造に五つ巴の構造という事実にドン引きしていた。

 

「経産省に関しては後ろにいる経団連がアリス達の技術を欲して背中を蹴っ飛ばしたのだろう」

「「……」」

 

途端にアリス達の顔が悪くなるが、仕方ない話だ。世間一般的にアリス達は()()なのだから……。

 

「アリス達を政治家は間近で見たことがないのさ。だから未だに君たちを『機械』として見ている」

「胸糞が悪いな」

「不満ですね……ここに剣があれば」

「おっと、間違っても斬るなよ」

「無論わかっていますよ」

 

アリス達もここでの生活を知り、我慢と達者な口が必要というのは重々把握していた。

 

「まあ、経産省に関してはもう手を引くだろうがな」

「え?どう言う事?」

「これだよ」

 

修也が一冊の週刊誌を出しながら意味深な発言に明日奈が首を傾げていると、エギルが片手にクラブハウスサンド持って現れた。

そして修也の指した記事を明日奈達が眺めるとそこには『不祥事!経団連の政治献金か?!』と大きく見出しで書かれていた。

 

「マジか……」

「え?でも何で知っているの?これ明日出るやつじゃない」

 

この週刊誌が出るのは木曜日、しかし今日は水曜日。明日発行の本に首を傾げていた。

 

「まあ俺が編集者から貰ったからな」

「え?」

 

まさかの爆弾発言に明日奈が真顔で修也の顔を見ると、彼はサンド片手に言う。

 

「壁に耳あり障子に目あり……世の中コネが多い方が有利なのさ」

「「「「「っ……!!」」」」」

 

その一言だけで色々と察せてしまった一同、全員の顔が真っ青になったのは言うまでもなかった。




少し前にストレス性胃腸炎になりやした(*ノ>ᴗ<)テヘッ
血便出ちまってるし、腹痛いよ〜

と言うことで病院行ったり体調不良で思うように筆が進みませんでした。
畜生、シノンの誕生日に上げたかった……。
皆さん、体調にはお気を付けて!!
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