ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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今回は前に書ききれなかった修也の金銭系の異常性の一旦を書いていこうと思ってます。あくまでも想像上の仮定でしかないが……。
次回は精神的な面での異常性とかを書く予定。(予定は未定)


間話#20 超上級国民

詩乃への誕生日が大成功に終わり、二学期がちょうど始まった頃。和人達は学校帰りに修也の家に当然のように寄り道をしていた。

 

「ってか、修也は普通に学校通うのな」

「ん?何か変なことでも?」

 

詩乃はまだ帰ってきておらず、部屋には和人、明日奈、里香、珪子の四人が詰めていた。

俗にキリト・ファミリーと呼ばれる集団は学内でも(主に明日奈のせい)でかなり有名であり、おまけにこの前のラースの一件で修也まで注目の的…と言うか、父が国会で大暴れしたせいで余計に総務大臣の息子と言う肩書まで追加されてしまった。

 

「いやぁ、アリス達の一件があって色々と忙しそうだからよ」

「ああ、その事か」

 

アリス達のボディを一貫して作ったのは修也と、彼の就職するアスクレー社だ。アリス達の体の事で心配はないのかと聞かれると、彼は納得した様子で和人に答える。

 

「予め、二人の機体のマニュアルは神代博士と比嘉さんに渡している。辞書並みに分厚い紙のマニュアルだが、想定される不具合については対応ができるはずだ」

「何で紙なんだよ」

 

和人は思わず辞書並みに分厚いならデータにしておくれよとツッコミを入れると、修也はそんな疑問にこう答えた。

 

「ラースへの侵入者への対策だ。アナログだと、直接奪うしかできないだろう?」

「あっ、なるほど」

 

その答えに思わず明日奈もポンと手を叩いて納得する。

 

「まぁ、ラースは今。世界的にも注目されている企業だ。半官半民のAIロボット開発企業は同時に多くの敵を持っている。有名どころで言えばアメリカだな」

 

そしてそこから修也はどこか嘲笑うかの如く続ける。

 

「アリス達の登場により、世界のAI市場は革命的なまでに発展している。ただ半官半民とはいえ、アメリカ企業のアスクレーが参加した事実はどこにもない」

「え?」

「どう言うこと?」

 

修也はアスクレーの社員であり、アリス達のパーツもアスクレーから持ち込んだと聞いていた。

 

「俺個人での参加になっている。だからアスクレーからの技術提供ではない」

「え、でもアリス達のパーツはアスクレーから仕入れたんでしょう?」

「ああ、俺からの受注という形だがな」

「?」

 

困惑している珪子や里香、意味不明な様子の和人達。すると新ボディを手に入れたばかりのマキナとストレアがメイド服姿で現れて説明をする。

 

「簡単な話ですよ。マスターは個人でアスクレーにパーツの注文をしたんです」

「でもそれがなんでアスクレーが参入した事にならないんだ?」

 

和人は麦茶を受け取りながら聞くと、マキナは答える。

 

「マスターは個人でラースに就職した後にアスクレーに注文を入れます。すると注文を受けたアスクレーは依頼主に対し商品を卸します。そうする事でアスクレーはただ依頼主に商品を卸しただけであり、それがたまたまアリスさん達の機体に使われただけで何ら関係はない事になります」

「それただの屁理屈じゃん」

「日本単独にこだわったラースとそれを支える政治的な思惑の絡んだ面倒です。諦めるしかありませんよ」

 

そう言い、マキナは疲れた様子を見せながら麦茶を配り終える。

 

「てかアスクレーにもラースにも就職してて問題ないの?」

 

すると明日奈がふとそんな疑問を溢すと、それにストレアが答える。

 

「マスターはアスクレーでも特殊な立ち位置でして、特別研究員という形で在籍をしています」

「特別研究員?」

「歳が歳ですからね、大っぴらに子役みたいに外に公表できないんです」

「ああ、なるほど……」

 

Meacを作ったのが彼がおおよそ十五の時、本人が大学に関しては控えてほしいと言ったくらいだし。社会的にも色々と面倒が起こるような年齢だ。就職先のアスクレーは医療器具メーカーであり、そんな場所に十五歳かそこらの若い子がいるというのもなかなかシュールな話だ。

 

「ってか、Meacって義手とかの世界じゃあ画期的だろうが……儲かるのか?」

 

その疑問に修也は言う。

 

「別にMeac自体義手専用のシステムじゃない」

「え?そうなの?」

 

今までの概念が崩れるような感覚で明日奈は驚いていると、修也は言う。

 

「ああ、Meacはそもそも人体が筋肉を動かすときなどの電気信号を機械が反応できるほどの出力にあげて、通常とほぼ同程度の反応速度を実現できるシステムだ。それを応用すればパワーアシスト等にも使える」

「ほうほう」

「そしてパワーアシスト……俗に言うパワードスーツは肉体の歩行を補助するものであり、そこにMeacの技術は応用可能だ」

「えーっと……つまり?」

 

和人が首を傾げると、横からマキナが顔を出して言う。

 

「要するに、ちょっとした施術は必要ですが、Meacを搭載したハワードスーツを使用すれば健康体の人と変わらない生活を送ることが可能と言う事です」

「事実、アメリカでは下半身付随に陥った人がMeac搭載のパワードアシストを用いて生活をしていますね〜」

「おぉ……!!」

 

ストレアの補足説明に和人達は理解すると同時に驚いた様子を見せた。

 

「それってひょっとして……」

「とんでもない大発明だったりするの?」

 

珪子や里香の言葉にマキナは頷きながら答える。

 

「はい、マスターが主立って開発したMeacシステムは主に神経接続を基本とした装備ですが、パワードスーツとの接続自体は接触していれば動きますからね。他ではまだ真似できていませんから、アスクレーの専売に近い状態です」

「要するに、体が不自由になっても手軽に擬似的な健康体を手に入れることが出来ると言う話だ」

「施術も神経系にマイクロチップを埋め込むだけなので体に大きな負担もありません」

「「「「……」」」」

 

なんて恐ろしいものを作ったんだと和人は思っていた。

 

「(血は血で争えないのか)」

 

むしろそれ以上かもしれないと和人は考えてしまった。

 

「今更だけどすごい儲かるんじゃあ……」

「ああ、前に怪我で満足に動けなくなったヨーロッパの富豪が購入した時は号泣して俺に泣きながら感謝された」

「す、すごいですね……」

 

その景色を軽く想像するとなかなかカオスだなと思ってしまい、思わず苦笑してしまった。

 

「その時お礼に車と飛行機をもらった時は苦笑いだったさ」

「…マジかよ……」

「えっぐ……」

 

修也が金持ちだと言うのは薄々感じていたが、まさか飛行機すらあるとは……。

 

「しかも長距離飛べる大きいやつ」

「その富豪馬鹿かよ」

 

思わず和人はマジレスをしてしまった。

 

「まあ、アメリカでメインに活躍していたからそう言う物は全部向こうに置いてきてしまっているがな」

「飛行機とかどうすんだよ……」

「だから管理は会社に任せたさ。今は免許がないからパイロットは別で飛ばす毎に雇っている」

 

彼曰く、アスクレーは大学の時の友人と立ち上げた会社であり。今では買収した製薬会社を使って研究の幅を広げているという。それが所謂今年の春の木綿季の一件だ。Meacの専売で儲けた利益を投資して開発を援助していたと言う。

 

「ってか車持ってんじゃん」

「別に買う必要なかったんじゃあ……」

「阿呆、あんな車日本で走らせられるかよ」

「どう言う車なの?」

 

明日奈がそう聞くと修也は真顔で答える。

 

「マクラーレン・720Sで調べてみろ。飛ぶぞ」

「何だそれ。どれどれ……」

 

そして言われた言葉を検索すると忽ち和人達の顔は青くなっていた。

 

「Oh……」

「何でも新型がもうじき出るからだそうだ。と言ってもほとんど動かしていないほぼ新車だったがな」

「お前もうアメリカ住んどけよ」

 

和人が思わずそう溢してしまうと、修也は言う。

 

「そうはいかんさ、アリス達を作った以上。俺にも責任というものがある」

「……というのは建前で、本当は和人さん達と学校生活を終えたいんですけどね」

「今度余計なことを言ったら口を縫い合わすぞ」

 

マキナの言葉に修也はマジ顔でそういうと、和人達も微笑ましかった。なんと言うか、昔と比べてだいぶ変わったと思っていた。

 

「まぁ、マスターはMeacの特許料でガッポガポですし、さっきみたいに富豪の人から車とかもらったりしてますからね。アメリカに貰ったものを保管して管理する倉庫があるくらいですし」

「スッゲェ」

「その特許料も貰ったら税金と必要な分を抜いてあとは貴金属とか宝石に換金しているがな」

「え?なんで?」

 

修也の行動に一人は首を傾げると、彼はその訳を言った。

 

「余計に金を使うのには一回換金しないといけないから面倒だろう?おまけに貴金属と宝石は価値が変わりにくい」

「あっ、そう言うこと……」

 

納得できた和人達はそれを考えると圧倒的勝ち組な修也に羨望の目を向けた。

 

「じゃあ税金どうしているの?」

「税率が安いからアメリカの方に納税している」

「うわっ、まじかコイツ」

「事実、日本じゃあ所得を出していないからな。支払いは米ドルだ」

「あっ、そうか」

 

なかなかにシビアでブラックな話を聞いた気がする和人達は何故か納得できるというか、修也だからこそできる事に笑うしかなかった。

 

「おまけに二年間は丸々財産として俺の口座に入るだけだ」

「うわぁ、それやばい事になるやつじゃん」

「すごい事になっていそうですね」

 

SAO事件の二年間は一切手付かずの給料がそのままと言う、想像しただけで笑いが止まらなくなる景色が浮かんだ。

 

「アメリカじゃあ何してたんだ?」

 

そう聞かれ、大学生活以外でのことを思い出していた。

 

「ふむ……銃を撃っていたな。小さいのは22口径、大きいのは50口径までだ」

「おお、さすがは銃の国」

「あと戦車乗ったり戦闘機に乗ったり……」

「うんうん……ん?」

「貰ったビジネスジェットに乗って知り合いの持ってる島に行ったこともあったな」

「「「「……」」」」

 

だめだコイツセレブだ、そう思った和人達は修也の感覚に唖然となった。

 

「聞けば聞くほどウチよりよっぽどお金持ちだと分かる」

 

明日奈が腕を組んで頷くと、和人がやや上から目線な態度で言う。

 

「今度そのプライベートジェット乗せろよ」

「俺が免許取ったらな」

「いつ取るの?」

「今度アメリカに飛んで取る予定だ」

 

彼はそう言うと、アメリカの方が免許の規制が緩いし講習料が破格に安いと言っていた。

 

「アメリカで取ったら日本の免許も取りやすいしな」

「おお、そうなんだ」

「初めて知った」

「普通調べないからな」

 

修也がそう言うとその時、部屋の扉が開き。詩乃が制服姿で帰ってきた。

 

「ただいま〜」

「「「「おかえり〜」」」」

 

和人達が帰ってきた詩乃にそう話すと、彼女はやや驚いた様子で和人達を見ていた。

 

「あっ、皆んな居たんだ」

「おう、お前の旦那が異常すぎるって話をしてたんだ」

「おい」

 

すると詩乃は首を傾げた状態で修也を見て行った。

 

「修也が異常なのはいつものことでしょう?」

「おいっ!」

「「「ははははっ!」」」

 

そして部屋には笑いが溢れていた。

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