ちなみ今回は久々にGGOメイン回です。
九月二五日
GGO内 SBCグロッケン
GGOの首都である都市にて今日は珍しくフリューゲル達は訪れていた。
「やっぱ首都なんだな」
「ええ、人の出入りは一番ですね」
久々に戻ってきたはいいものの、あまりにも人が多すぎて田舎野郎が東京に出た時の如く軽くたじろいでいた。
「さて、フリューゲルの用事を済ませましょう」
「ああそうだな」
「整理整頓は基本ですからね」
そこでマキナが話しかけると、軍服姿のフリューゲル達は納得した様子で都市を歩いていた。
いつもは地方都市を巡ったり、偶にダンジョン攻略に乗り出したりしてゲームを楽しんでいるフリューゲル達だが。今回、首都に戻ってきた大きな目的はフリューゲルのGGOの身の回り品の整理だった。
「流石にこうも持ってる銃が多いとな……」
「マスターは銃持ちすぎなんですよ」
「そうそう」
「うん、分かっている」
そう、フリューゲルの持ち銃多すぎ問題だ。使ってないのも含めると九丁ある事実にもはや笑うしかあるまい。
「RPって売れるの?銃身割れていなかった?」
「一応修理したから売れるはずだぞ?」
シノンとフリューゲルはそんな事を話しながら銃器店に入る。ここはオークション形式の店であり、持っている銃の価値のよって値段が変動するものだった。
「何を売るの?」
そこでシノンはフリューゲルに聞くと、彼は言った。
「この店で売るのはウィンチェスターM1895とAKMだな」
「ああ、レア度と需要重視ね?」
「前者はコレクターズ品、後者は壊れにくいからな」
レバーアクション小銃というのは基本的にかっこいい上に、ややレアもの品だった。それ故にオークションに出れば確実に高く売れる代物でもあった。
AKMはAKシリーズ故の銃本体の頑丈さと、カスタムの豊富さが売りだった。M4などと同様にこのAKMも需要は必ずあった。
「あと売る予定なのは?」
「HK45、モシン・ナガン、レミントンM870、RP-46だな」
「とすると残るのは……」
そこでシノンが一考すると、フリューゲルがすぐさま言った。
「イングラムM10、PKPペチェネグ-SP、Mag−Fed 20mmライフルだな」
「ほぼいつもの装備ね」
要は使ってない奴を売るだけという簡単なものだった。まあ元々銃が多すぎても手持ち無沙汰になるだけなのでこれでいいと思っていた。
「さて、オークションに出品するとしよう」
そう話し、フリューゲルは店の店主に話しかけて持ち寄った銃を見せた。
「ふーむ……」
「どうだい?状態は良好だ」
そしてフリューゲルと店の店員はあーだこーだと言い合っている中、シノンはなんとなく店の棚を見ていた。
マキナとストレアは暇という事で先ほどチャットで狩に行ってくると言っていた。
「ウィンチェスターはオークションに出せるが。AKMはなぁ……」
「何か問題でも?」
フリューゲルが聞くと、店主はやや渋めの様子で答える。
「ああいや、需要はあるが店で買えちまうからな。どうしたって中古品扱いになるぜ。これなら普通に売ったほうがいいだろうな」
「……前まで、AKシリーズは需要がなかったか?」
そこでフリューゲルはやや首を傾げると、店主は答えた。
「ああ、確かに需要はあるんだが。……まぁ、今の目玉はAKMじゃなくてAK-12の方だな」
「…なるほど……」
流石にAKとはいえ、ピカティニーなどの時代には勝てないと言う事かと納得していると店主は聞いた。
「他にも売りたいのはあるか?」
「ああそうだな……値段による」
「まあ良い。全部見せてくれ」
そう答えると、フリューゲルは店主に他に売る銃器を見せるとその中から答える。
「この中だとモシンは論外、HK45とレミントンは優良だな」
「RPは?」
「売れない事はないが……こいつはお前さんのトレードマークじゃなかったのか?」
店主が聞いてくると、フィリューゲルは答えた。
「問題ない。今の相棒はこっちだ」
「はっ、浮気は良くないんじゃないのかい?」
「生憎と俺に彼女はいるんでね」
「はっ、羨ましいぜ。この野郎」
フリューゲルの回答に羨ましそうに、割と真面目に殺意をちょっと出す店主は言うと、ウィンチェスターとレミントンとHK45を引き取った。
「ウィンチェスターはオークションでいいんだな?」
「ああ、代金支払いは直接だ」
「はいよ、売れたら連絡する……と言ってもM1895はすぐに売れちまうだろうがな」
こう言うオークション制度があるからレア武器が人から人に回るんだよなと内心思いながらフリューゲルは代金を受け取って店を出る。
「終わった?」
「ああ、次の店に行こう」
そう答えると二人は都市の中を歩いて移動した。
その後、店主の言った通りにAKMは普通に公式の店で売ったほうが高く売れていた。これで大部分の銃の売買が完了していた。
SBCグロッケンを訪れて銃の整理をしていた二人、そんな中とある中古店に訪れていたフリューゲルはある物に目が行った。
「これは……」
それを見た瞬間、彼の脳裏に電流が走った。
「すまん、こいつを下取りにしてこいつをくれ」
「あいよ」
そしてそのまま流れるように彼は片付け終えたイングラムM10を下取りにそのリボルバー拳銃を購入していた。
「ーーんで、イングラムと引き換えにこれとお釣りをもらったと?」
「はい、その通りでございます」
やや呆れた目でフリューゲルを見下しているシノン。彼は面目無いと言って購入した『S&W TRR8』を豹丸の上に置いていた。
便宜上、TRR8と表するこのリボルバー拳銃は、元はとあるSWATの隊員がバリスティックシールドを展開しながらの作戦行動を行うためにS&Wに開発を求めたリボルバー拳銃だった。
自動拳銃だと位置によってはスライドがシールドに当たったりして作動不良になることがあるそうで、そう言った事を防げ、ついでに戦闘時間を伸ばすために一般的なリボルバー拳銃が六発なところを八発まで増やし。重量は997g、使用弾薬は.357マグナム弾だ。
おまけに銃身にはピカティニーレールを装着可能であり、ドットサイトやウェポンライトを追加で後付けが可能だった。
「まあ私的にはどっちでもいいんだけどさ……」
「申し訳ございませんでした」
「誰に謝っているんですか?」
そこでストレアの純粋な言葉の暴力がフリューゲルを襲うと、シノンはもはや何も言うまいと言った様子でフリューゲルに言う。
「取り敢えず、私も整理整頓したいから。今度付き合ってね?」
「はい、いくらでもどうぞ」
元々、シノンはフリューゲルと同じ弾薬を使うために拳銃を買い換えたと言うのに、そのフリューゲルが拳銃を変えてしまったが故に起こった悲劇に彼女はなんともいえない表情を浮かべていた。
しかし当初の目的である銃の整備はできたので良しとしていた。
今のフリューゲルの持ち銃はTRR8、PKP、アンツィオの三つだった。それ以外だとヒートホークになるが、これに関してはもう外せない装備品扱いだった。
「だいぶ整理できたわね」
「ああ、おかげでな。オークションの結果も楽しみだ」
SBCグロッケンを離れながらフリューゲルとシノンは話す。この車の車長はマキナが務め、シノンは砲手席。ストレアが運転席、フリューゲルは車内で装填主役をしていた。
「これから何処に行く?」
そんなシノンの問いかけにマキナが答える。
「今度は北とかどうですか?」
「良いね!北側ってあんま行かないし」
彼女の提案にストレアが乗ると、フリューゲルは少し考えた後に答えた。
「そうだな……よし、次は北に行こう」
そしてバルカ小隊の次の行き先が決まっていた。
みなさん、整理整頓はやらないと地獄を見ますよ。
部屋にハサミが四つ揃うことになりますからね。
あと疲れたから休みやす。