ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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#16 合流

二〇二四年 一月二十二日

 

朝早くからログインしたブレイドは自分のアイテム欄に一つアイテムが増えている事に気がついた。

 

「これなら…行けるか……」

 

ブレイドが確認をすると央都アルンの街を歩いていた。

横にいる影妖精とその隣にいる風妖精を見ながらブレイドは端に追いやられていた。

何故こうなったのか、時間は昨日の夜中まで遡る。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

夕食を終え、蝶の谷の会談会場に到着したブレイドは戻ってきたことを伝え、巡回をしているとサラマンダーが襲撃を行い、それを駆けつけた影妖精と風妖精の二人組が入ってきて、火妖精のユージーン将軍の魔剣グラムの剣を押さえていた。

その時、その影妖精が思い切りキリトと名乗っていたので思わず吹き出してしまった。

そしてキリトが猫妖精と風妖精の領主と話し終えたところで声をかけた。

 

「キリト……」

「っ!ブレイドか……?」

「ああ、そうだ」

「キリト君。この人は?」

 

キリトの隣で風妖精が聞いていた。

 

「ああ、紹介するよこいつはブレイド。リアルの方の知り合いだ。ブレイド、こいつはリーファ。色々と教えてもらっている」

「女性相手にこいつは無いだろう……」

 

ブレイドが若干キリトの言い方に注意をするとリーファに挨拶をする。

 

「初めましてリーファさん。私はブレイドと言う者だ。よろしく頼む」

「あ、ど、どうも。リーファと言います!」

 

少し驚いた様子でリーファが挨拶をしていた。無理もない、今の自分の格好は赤。サラマンダーと勘違いされたのだろう……。

 

「びっくりしました。キリト君の友人がこんな紳士みたいな人だなんて……」

「……何があった?」

 

思わずそう聞いてしまう程に予想外の返答に思わず困惑してしまった。

 

「…ここでのコメントは控えさせてもらいます……」

「……グーかパーを選べ」

 

それすなわち何かしらの体罰宣告であった。

 

「ちなみに逃げたら……」

「全力で追いかける」

「畜生、誰だよこいつに飛行能力あげたの……!!」

 

この後、蝶の谷に重いゴスッ!と言う音と一人のプレイヤーが吹っ飛ばされる光景が広がったと言う。

 

 

 

 

 

数時間後、世界樹のアルンに到着したブレイド達はそこでキリトを軽くどついていた。

 

「アホか?宿代すら渡したのか……」

「勢いでやってしまいマシタ……」

「…こんなこと言いたく無いのだが……お前は馬鹿か?」

 

システムアナウンスで午後三時までサーバーメンテナンスの為ログアウトをする為にアルンで宿屋を探そうとした時、キリトが風妖精と猫妖精の領主、サクヤとアリシャにドスンと金貨を渡していた時に有金全額渡して素寒貧らしい……。

 

「ブレイド、ちょっと金借りていいか……?」

「…この際、仕方ないな……」

 

ブレイドはため息をつきながらキリトの分の宿代を払い、キリトと同室に入り、キリトがログアウトしたのを確認した。

今部屋に残っているのは自分とログアウトしたキリトの横にいたユイだった。

 

「久しぶり……と言えばいいのかな?」

「はい、お久しぶりですね。ブレイドさん」

「君がAIだと聞いた時は驚いたよ……」

「パパから聞いたんですか?」

「ああ、そうだ」

 

二人は久しぶりの再会もそこそこにブレイドはユイに聞いていた。

 

「ユイ、この世界はSAOのデータを使っているか?」

「はい、と言うかそのままコピーされています」

「そうか……」

 

やはりと言った様子でブレイドは小さく頷く。

 

「だからブレイドさんも装備がそのまま装備もろもろが引き継がれているんですよね?」

「ああ、最初にナーヴギアで入った時にな」

「なるほど……」

 

ユイはブレイドの話を聞き、この世界に疑問を持っている中。ブレイドはユイにログアウトする事を伝え、ログアウトをした。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

視界が薄暗い無機質な白い天井に変わり、時計の針は午前四時を示していた。

 

「朝か……」

 

修也は二徹で重くなった瞼を擦りながらベットから起き上がり、眠気覚ましのブラックコーヒーを淹れると未だ日の登らない景色を眺めていた。

アメリカにいた頃は徹夜なんて当たり前だったものだが……。二年間あの世界で徹夜することが少なかったせいだろうか、ここ最近は徹夜がキツくなってきていた。

 

「まだまだ仮想世界が現実に及ぼす可能性は把握できないな……」

 

修也はそんな事を呟きながら徐々に明るくなっていく東京の街並みを眺めていた。

 

 

 

 

 

日の出を眺めた修也は再びベットに横になって仮眠を取り、次に起きたのは十時だった。

マキナに叩き起こされた修也は時間を確認すると電話をかけていた。

 

「あぁ、もしもし菊岡さん。300人のプレイヤーが戻らない理由が分かりそうですよ」

『それは本当かい?』

「ここで嘘ついてどうするんですか?まぁ、取り敢えずこっちが調べた資料を渡しておきますので、情報の真偽はそちらにお任せします」

 

そう話すと菊岡は疑う様子なく悔い気味に聞いてきた。

 

『ああ、それでその情報はどこで受け取ればいいのかな?』

「十二時に紀尾井町のレストランでお願いします」

『分かった。すぐに向かうよ』

「よろしくお願いします」

 

そして電話が切れると修也はデータの入ったメモリーを持って家を出た。

 

「マキナ」

「なんでしょうかマスター?」

 

そこで修也はマキナに命令を出す。

 

「私はこれから用事で出かける。戻るのは夕方になるかもしれない。それまで、レクトの方に動きがないか見ておいてくれ」

「了解」

「頼むぞ」

「マスターもお気を付けて」

「ああ、行ってくる」

 

修也はそう言い残して家を出て行った。マキナは修也の代わりように嬉しさを感じていた。

 

「(マスターがこんなにも他人のことを気にするなんて……マキナは嬉しいです)」

 

二年前に修也が仮想世界に囚われた時はどうしたものかと焦っていたが修也は必ず帰ってくると信じて定期的に修也のいる病院に通っていた。

もし修也が死んでしまったら自分はどうなるのだろうかと言う恐怖もあり、ひたすらに修也の帰りを待っていた。

そして修也が仮想世界から戻ってきた後、修也の変わり様に驚いてしまった。

今まで家族などとしか積極的に関わって来なかった修也が友人だからという理由で他人の事に積極的に関わっていたのだ。

他人と関わり、表情が豊かになっていた修也を見て私は嬉しかった。

彼の過去を詳しく知った私は修也が感情を持つようになって嬉しかったのだ。

そして私は修也の役に立つ為に今日も仕事をこなしていた。

 

 

 

 

 

本当は紙ベースで渡したかったのだが、時間がない為データを直接渡す事にした。

紀尾井町の高級ホテルにあるレストランバーで昼食を取っている自分は来客を待っていた。

 

「…菊岡さん自身が来たんですか……」

「空いているのが僕しかいなかったんだよ」

 

そう言いながら席に座った菊岡に修也は早速机の上にメモリーを置く。

 

「これが君の言っていた物かい?」

「管理を徹底してくれるのであれば何も言いません。後はお任せします」

 

そう言ってメモリーを渡すと菊岡は苦笑しながら話していた。

 

「…やっぱり天才と言うのは凄いね。こんな情報を気づかれずに持ってくるとは…流石はあの…………おっと、これは言ってはダメだったね。すまない」

「……」

 

思わず菊岡を睨んでしまった修也に菊岡は自分の迂闊さを謝まり、仕事があると言ってメモリーを懐に入れてさっさと出て行ってしまった。

 

「……」

 

修也は菊岡がさって行った方を見て再び食事を再開した。

SAOで食事が娯楽だった影響かあの世界から戻った後から色々な店に行っては食事をする事が増えていた。

 

VRでの出来事がどのように現実世界に影響しているのか

 

それが最近の自分の疑問に思っている事である。

茅場晶彦がいたとは言え、未だに脳の詳しい構造は分かっていないことが多い。その為、VRが現実世界にどのように影響してくるのか把握できていない所があった。

だが、それが分かれば色々な部分で活かせるような気がしていた。

そんな事を思いながら自分は食事を堪能していた。

 

 

 

 

 

 

家に戻ったのは午後六時頃。あの後、色々と寄り道をした修也は家に帰って早々にアミュスフィアを取り出し、頭につけてALOにログインをした。

ログインをした先の世界樹の先でブレイドは待っているといつも黒い格好をしているキリトと昨日知り合ったリーファ、そして見知らぬ黄緑色の髪をした少年がいた。

 

「ブレイド!」

「キリトか、その子は?」

「あ、えっと……レコンと言います!あなたは?」

「ブレイドだ。この素寒貧の友人だ」

「素寒貧……。まぁ、間違ってないけどさ……」

 

キリトの横でリーファが苦笑しながらキリトを見ていた。

お互いに挨拶を済ませたブレイド達は同じ世界樹を見ていた。

 

「……行くのか?」

「当たり前だ。行ってアスナを取り戻す」

「……そうだな。こっちも終わらせないとな」

 

二人は頷くとリーファ達に世界樹の攻略をする事を話し、了承をしてもらった。

そこでブレイドが二人に作戦を教えた。

 

「二人は下の方で俺達の回復を頼む。キリトは前線で突撃しろ」

「ブレイドはどうするんだ?」

「私は囮になる。恐らく攻略不可能な難易度に設定しているということは強力な敵が大量に湧いてくると言う事、ならば攻撃の追いつかない速度で走ればいい」

「それで、どうするんだ……?」

「これを使う」

 

そう言いながら見せた物にキリトは驚愕していた。リーファ達はそれが何なのかを理解していなかった。

 

「っ!それは……」

 

「管理者権限用のマスターキーだ。キリトこれを使「俺も持っている」……何?」

 

そう言ってキリトは事情を説明しながらマスターキーを見せる。

 

「世界樹の上から落ちてきたんだ。恐らくアスナが落としたんだろう……」

 

リーファとレコンが困惑する中、ブレイドとキリトは話をし続けていた。

 

「そうか…じゃあ、作戦を変えよう。私とキリトの二人で穴を開ける。残りの二人は……悪いが敵のヘイトを集めてくれ……できる限り引きつけたら逃げろ」

「え!?」

「それって……」

「その方が生き残る確率も高いし、自分達は動きやすくなる。それじゃあ、後を頼むぞ」

 

そう言うとキリトと二人で世界樹の扉を触った。

 

「行くぞ!」

 

扉が開き、四人は一斉に世界樹攻略に乗り出した。

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