ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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#25 レアアバター

十二月十日 SBCグロッケン

 

今日はシノンと小隊を組む最後の日である。

明日から二人ともBoBに参加するために下準備を色々とする必要があるのでこの日で小隊を解散するようにしたのだ。

 

「じゃあ、これで終わりだな」

「ええ、ありがとう」

 

グロッケン内のカフェでそう言うとシノンに等分したクレジットを渡すとフリューゲルはBoBの準備をする為に足早に店を出ようとすると。

 

「フリューゲル」

「何だ?」

 

彼が聞くと、シノンは名残惜しそうに言う。

 

「大会が終わったら……また組んで。貴方と組んだ方がやり易かったから」

「……分かった。では、大会後。また組もう」

「ありがとう」

 

そう素気ない返しをしたフリューゲルはそのままカフェを後にし、宿屋に戻ると早速銃器の調整を始めていた。

 

「本戦じゃあコンテナを使う予定だしな……。予選はAKMでコンテナ無しで行くか……」

 

フリューゲルは装備を整えて練習の為に外に出ると街のプレイヤーショップにあるものが売っていた。

 

「これは……」

 

これは買おうと思いクレジットを確認した。

 

「行けるな……」

 

そう思ったフリューゲルは店に入ると棚に置いてあった武器を購入した。全く売れていないからか、安売りもされていたので気分的にもお得に買えた。

購入した武器のをタップすると手に重みが加わり、片手斧のような見た目をした武器が現れた。

 

《ヒートホーク》

 

近接戦専用の斧だ。斧を持つと刃の部分が赤くなり、試しに振ってみた。

 

ブンッ!ブンッ!

 

「……いい武器だ。試合ではこれを使おう」

 

すぐさまこの武器を使う事を決めたフリューゲルは満足げにヒートホークをしまうと宿屋に戻って武器のメンテをしていた。ゲームの世界の為アイコンの清掃ボタンを押せばいい。

そしてフリューゲルは使う武器の調整を行うと本戦まで時間を待つことにした。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

十二月十三日 御茶ノ水

 

菊岡から準備ができたと聞き、修也はバイクを走らせて御茶ノ水にある病院に来ていた。

案内された病室に入ると安岐ナツキというナースが待っており、ベットに案内された。聞けば彼女は和人の介護をしていたナースだという。

 

「じゃあ、電極貼るから脱いで貰っていい?」

「上だけで構わないでしょうか?」

「いいわよ」

 

そう言ってシャツを脱ぐとナツキさんは体を見て驚いた表情をしていた。

 

「ガリガリじゃない、ちゃんと食事しているの?」

「えぇ、まぁ……」

 

栄養をサプリや飲料ゼリーで賄っているせいで体に肉は無いに等しかった。一応必要な栄養分は摂っているはずなのだが……。

少し注意を受けながら電極を貼られていると和人が病室に入ってきた。

 

「よう和人」

「もう来ていたのか……」

 

やや驚いている彼を横に修也は言う。

 

「私は先に行っている。和人、初期位置で待っていろ。迎えに行く、下手に動くと迷子になるからな」

「そうなのか?」

「アルゲードが更にデカくなって、更に入り組んだと思え」

「どんな迷宮だよ……」

 

分かりやすい説明にそう苦笑しながらアミュスフィアを被ると一足先に向こうの世界に旅立った……。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「遅いな……。もう来てもいい頃だと思うが……」

 

修也は画面に映る時刻を見ながらそう呟く。前日に登録は済ませており、フリューゲルはコンバートするキリトを初期位置で待っていた。

しかし、十分経っても一向に現れないので疑問に思っていると、視線の端に見覚えのある空色の髪をした少女と初期装備の珍しい女性プレイヤーがいた。

シノンが初めて見るプレイヤーに色々と話しているのを見て近づいて声を掛けた。

 

「シノン」

「あら、フリューゲルじゃない」

「……その横の子は誰だ?」

 

女性プレイヤーの数が極端に少ないこのゲームで珍しいと思いながら少女を見ていた。

少女も自分の明らかに異様な見た目をした自分を見て驚いていた。

 

「え?ああ、道に迷っていたから。えっと名前は……」

「あ、え、えっと……キリトって言います。宜しく」

「!?!?!?」

 

咄嗟に自分はキリトに腕を回してシノンを背に問いただしてしまった。

 

「おい、お前……彼女にアスナっているか?」

 

その問いかけにキリトは目を見開いて驚いていた。

 

「!?お前なんでそれを……まさか……!!」

「ああ、ブレイドだ。……まったく、初期位置から動くなって言っただろうが…!!」

 

思わず口調までも荒っぽくなってしまったフリューゲルにキリトは驚いていた。

 

「え、でもお前さっきフリューゲルって……」

「こっちは新規アカでやっているんだよ。それよりお前、そのアバターなんだよ……」

「え?さっきなんかM8000番とかって言ってたような……」

「……はぁ、お前も大概運良いな」

 

激レアアバターを見たフリューゲルはため息を吐いていると後ろからシノンが声をかけた。

 

「ねえ二人とも。何話しているの?」

「ん?ああ、こいつがリアルの友人だったって話だ」

「え?そうなの?」

「ああ、この性別詐称野郎はな。おいキリト、ネームカードを見せろ」

「はい……」

 

そう言ってキリトはシノンにネームカードを見せた。

 

「Maleって……あなた男だったの!?」

「こいつ、自分がいなかったら女で通すつもりだったんだろう。その方がシノンとも話しやすいと思ってな」

「すみません……」

「別に良いわよ。実害もなかったわけだし……」

 

シノンはそう言ってため息を吐いていた。

実害が出ていたらどうなっていたか、フリューゲルは想像しただけで恐ろしかった。

キリトに聞けばなんでもこのアバターを買いたいと迫って来るプレイヤーから逃げて迷子になったそうだ。

 

「馬鹿かお前……」

「ぐうの根も出ない……」

 

そう言うとフリューゲルはため息を吐いてキリトの首根っこを引っ張った。

 

「おい、行くぞ。こっちだ」

「え、わっ、ちょ!」

 

キリトを予定である総合ショップに連れて行こうとした時、フリューゲルはシノンに聞いた。

 

「シノン、ついでに来るか?」

「何で?」

「こいつに合う武器を探す。手伝うか?」

「そうね、あなた初心者に教えるの下手そうだし。着いていくわ」

「じゃあ、行くか」

「教えるの下手くそなのは認めるのね……」

 

と言うわけで、三人で総合ショップに向かうことになった。

 

 

 

 

 

店に入るとフリューゲルはキリトを連れて店じゃない場所に連れて行った。

 

「おい、ブレイド。店はこっちじゃないのか?」

「馬鹿いえ、お前の今の所持金は?」

「1000クレジット……」

「そんなの買えても中古のリボルバーだ。お前にちょうど良い金稼ぎの場所がある」

 

そう言うとシノンが反応をした。

 

「まさか彼をあそこに連れていく気!?冗談でしょう!?」

「いや、こいつなら行けるだろう。反射神経だけは馬鹿みたいに良いから」

「そ、そう……」

 

シノンが困惑した返事をすると三人は《Untouchable‼︎》と書かれた機械があった。

 

「これは?」

「手前のゲートから入って奥のガンマンの銃撃を避けながらどこまて近づけるか、って言うゲーム。奥のガンマンに触れたら全額バック。今は…ざっと三十万クレジットか……」

「全額!?」

 

キリトが驚いているとシノンは無理だと言って実際に参加するプレイヤーを眺めていた。

プレイヤーは途中まで走ると奇妙な格好で止まり、その間を銃弾が三発抜けていった。

 

「今のって……」

「《弾道予測線》と呼ばれるシステムで、敵の弾がどこに飛んでくるのかわかるシステムだ」

「なるほど……」

 

するとゲームをプレイした男はガンマンの0.5秒の装填であっけなくやられてしまった。

 

「キリト、行けるか?」

「ああ、もちろんだ」

 

そう言うとゲートに手を当ててクレジットを消費していた。

 

「え?ちょっと……」

「問題ない、アイツなら……」

「……」

 

フリューゲルに言われ、思わず見届けてしまったシノンはキリトを眺めていた。

そして開始と同時に一気に駆け出したキリトはジグザグに動いて初撃を簡単に避けると、さっき見た0.5秒リロードからの射撃も避けていた。

その様子を見たフリューゲルは内心ニヤリとしていた(外から見えない)。

 

「(さて、最後はどうかな……?)」

 

そして、キリトが突っ込むとガンマンの持っていたリボルバーから装填なしで光学銃が向けられ、さっきキリトがいた場所を六つの穴だらけにした。

キリトは直感的に上に飛ぶとガンマンの直前に着地し、ガンマンの体を叩いていた。

 

「(ほう、上に飛んだか……)」

『オーマイ、ガーーーーーッ!!』

 

ガンマンの悲鳴とともに溢れ出るクレジット、誰もが呆然とその光景を眺めていた。

 

「次からもっと難易度上げるか……」ボソッ

「?」

 

フリューゲルの呟きはシノンには運良く聞こえていなかったが。

これでキリトは軍資金となる三十万クレジットを得た。

 

「あなた…どう言う反射神経しているのよ……」

「だから言っただろう?さ、時間がないんだ。さっさと武器買いに行くぞ」

 

そう言ってフリューゲルはキリト達を連れて足早に武器ショップに入った。

 

 

 

 

 

「さて、お前のステータスは何だ?」

「え?えっと…筋力、次に素早さだな……」

「STR-AGI型。自分とほぼ同じだな……」

 

そう言って歩いているとフリューゲルはある良いものが思い浮かんだ。

 

「お前にぴったりのがある。こっちに来い」

 

そう言って向かっさ場所を見てシノンが驚きの声を出した。

 

「まさか貴方…彼に光剣を使わせる気……!?」

「じゃなきゃコイツのアイデンティティが無くなる」

 

驚くシノンにフリューゲルはそう言うとキリトは困惑した様子で聞く。

 

「何だ?そのコーケンって」

「簡単に言えばビームサーベル」

「まじか!?剣があるのか!」

「こっちにある」

 

そう言ってウキウキ状態になったキリトを見て唖然としていると、キリトとフリューゲルは売り場の端にある光剣売り場に向かい、キリトが光剣を見ながらフリューゲルにレクチャーを受けて武器を選んでいた。

 

「じゃあ、適当に拳銃でも買うか……」

 

そう言って光剣《カミゲツG4》と言う光剣を買っていた。

そして拳銃には命中率の高い《FNファイブセブン》を購入させた。《FNファイブセブン》は使っている弾薬がアーマーを貫くことに特化した5.7×28mm弾を使用している上に、反動も比較的抑えめな狙いやすいやつを選んだ。

 

「あとは適当に黒い装備でも買っとけ」

「ああ、やっぱブレイドに聞いて正解だったな。ありがとう」

 

そう言うとキリトはシノンに装備のあれこれを教わりながら必要な装備品を買っていた。

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