ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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#26 予選

装備一式を買ったキリトはシノンとフリューゲルに感謝をしていた。

 

「色々とありがとう。シノン、ブレイド」

「ああ」

「どういたしまして」

 

そう言うとシノンは街角に書かれた時間を見て焦った様子でいた。

 

「しまった!?あと十五分しかない!!」

「……エントリーしていなかったのか?」

「時間がなかったのよ」

「走るぞ!キリト!こっちだ!」

「お、おぅ!」

 

何が何だかよくわかっていないキリトとシノンを走らせた。

なんてこった。さっきの装備選びで時間が取られていたか……。

そんな事を思いながらフリューゲルは近くにあるはずの《Rent-A-Buggy!》と書かれた看板を探した。

 

「見つけた!」

「ふえっ!?」

 

咄嗟にシノンの手を引っ張って通路の柵から飛び降りてバギーに飛び乗るとキリトも後ろから飛び乗った。

 

「全員いるな?出すぞ」

 

そう言ってろくな確認もせずにスロットルを煽ってエンジンを奮い立たせた。

勢いよく飛び出したバギーはそのまま道路に飛び出し、シノンはフリューゲルの腰を、キリトはバギーの取手に必死にしがみついていた。

 

「な…なんで!?このバギー、運転がめちゃくちゃ難しくて、運転できる人ほとんどいなかったのに……!?」

「まあ、これより運転が難しい奴に乗っていたからな」

 

そう言ってフリューゲルはアメリカで民間用に払い下げられたM24チャーフィー軽戦車の運転をした時のことを思い出していた。

大体ただの銃の愛好会のくせになんで戦車があるんだよ!?

しかも私有地だから問題ないって……色々と無駄な知識を覚えさせられたものだ。

と、そんな事を思い出しながらバギーの速度を順調に上げているとシノンの笑い声が聞こえた。

 

「……ふふふ、はははははは!これ気持ち良い!ねえ、もっと飛ばして!」

「了解」

 

ブオォォオオン!!

 

「わぁぁぁぁ!!安全運転!!安全運転!!」

 

キリトが後ろでそう叫ぶも。

そんなの知るか!!時間がないんだ!!

と思いながらバギーは最高速度の時速250キロに到達して道路を超高速で駆けていた。キリトはその間、横を抜けてく車のスピードに恐怖をしていたと言う。

 

 

 

 

 

バギーをドリフトさせて止めたフリューゲルは二人がエントリーしている間にバギーの返却を行い、ロビーに戻るとぐったりした様子のお二人がいた。

 

「その様子じゃエントリー出来たようだな」

「はぁ、まじ焦った……」

「ふぅ、ホッとしたわ……ところで二人の予選はどこのブロック?」

 

安堵したシノンは二人に聞くと、与えられた番号を思い出していた。

 

「私はAの8だ」

「貴方は?」

「俺はFの37番」

「私はFの12……良かったわね」

「?」

 

意味がわかっていない様子のキリトに呆れた眼差しを向ける。

 

「お前、事前に調べていないのか?」

「ブレイドが全部教えてくれると思ったから……」

「キリト、どっちが良い?」

「ん?何を?」

「言わなくても…分かるだろう……?

 

そう言ってフリューゲルは拳を握ってキリトに見せつけるように見せた。

 

「わ!?そ、それだけは勘弁…!!その手で殴られたら……!!」

 

キリトは慌てた様子で慌てて手を振って顔を青くすると、フリューゲルはため息を吐いて話した。

 

「はぁ…ま、つまりは彼女と番号が離れているから決勝まで試合がないと言う事だ。BoBは各ブロックから優勝者と準優勝者の二人がでる。潰し合いをせずに上がれると言うわけだ」

「ふーん」

 

キリトがなんとなく理解したのを確認するとフリューゲルはシノンの方を向いた。

 

「では、シノン。着替えたらまたここに集合だ」

「ええ、了解」

 

そう言うとフリューゲルはシノンに不敵な笑みを浮かべるとキリトを連れて更衣室に向かった。

 

 

 

 

 

「なぁ、なんでブレイドはそのアバターなんだ?」

 

更衣室に入ったキリトが真っ先にそう聞いた。フリューゲルは困ったような表情を浮かべ

 

「そんなの知るか。システムが勝手に決めたアバターなんだ。これでも結構レアアバターなんだぞ?」

「まあ、そうだろうよ。そのガンダ「アーマーだ」……」

 

「誰がなんと言おうとこれはアーマーだ。イイナ?

「お、おぅ……」

 

キリトはフリューゲルの凄みに思わずそう返事することしかできなかった。

そして、キリトとフリューゲルは更衣室でそれぞれ戦闘服に着替えるも……

 

「見た目ほぼ変わってねぇ……」

「当たり前だ。このアバター自体に装甲があるんだから当然だろう」

 

キリトは見た目に大きな変化があったが、フリューゲルは細部に部品がついただけで、大きな変化はなかった。

それはそうで、元々このアバターに付いていた装備は全て装甲が付いており、今着けているのはその後追加でつけた装備だった。

そして、戦闘服で更衣室から出た二人はシノンの座っている席に戻るとシノンは既に戦闘服に着替えて座っていた。

 

「貴方、本当に変わらないわね……」

「元々装甲が付いているんだ。そんなに変える必要もない」

 

そう言って席に座るとフリューゲルはキリトに話をした。

 

「どうせキリトのことだ。何も勉強していないんだろう?」

「あはは……すいやせん」

「はぁ……」

 

もはや怒りを通り越してため息を吐いたフリューゲルは試合の説明をしていた。シノンもフリューゲルの心情に同情をしていた。

 

「今回の予選では1キロの正方形のフィールドにそれぞれ二人が転送される。二人の間は最低でも500m離れていて、勝てばここに戻ってくるか、相手が決まっていれば直ぐに次の試合に移る」

 

するとシノンが交代して説明をしてくれた。

 

「フィールドは天候、時間、場所。全てがバラバラだから注意する必要があるわ」

「なるほど……大体わかった。ありがとう」

「決勝まで上がって来なさい。そこで教えてあげる」

「何を?」

「敗北の弾丸の味」

 

キリトが微笑をしているとシノンは自分の方を見て

 

「フリューゲル。貴方もよ、本戦で倒してやる。『赤い悪魔』は私が倒してやるわ」

 

そういうとキリトが目線で話しかけてきた。

 

「(お前、そんな二つ名があるのか?)」

「(一部では『赤い彗星』なんて言っている奴もいるらしい)」

「(それ絶対見た目からだろ……)」

 

そんなふうに無音の会話をしているとシノンに銀髪の青年が近づいて声をかけていた。

 

「やあ、シノン。遅刻するんじゃないかと心配だったよ」

「あらシュピーゲル。ちょっと予想外の用事でね……。あれ、でも今回出場しないんじゃなかったの?」

「どうせなら大きな画面で応援しようと思ったから」

 

シノンはシュピーゲルと言う男と話をしていると当たり前のようにシノンの横に座った。

 

「それで、予想外の用事って?」

「ああ、そこの人案内とか……」

「どうも、そこの人です……」

「あ、ど、どうも……シノンのお友達さんですか?」

 

キリトの声色から何をしようとしているのか分かったフリューゲルはキリトの足を思い切り踏んづけた。

 

「君も気をつけた方がいい、こいつは男だ」

「そうよ、騙されないで」

「ええ!?その見た目で!?」

「はい……キリト。男です……」

 

そう言って混乱しているシュピーゲルにキリトは燃料を入れていた。

 

「いやぁ、シノンにはお世話になりました。色々と」

「ちょっと!貴方にシノンって呼ばれる覚えは……」

「もう、つれないなぁ。装備選びにもつき合ってくれたのに」

「それはフリューゲルについて言ったらそうなっただけで……」

 

そう掛け合いが始まりかけた時。ロビーに光が集まり、合成音声がアナウンスをした。

 

『大変お待たせしました。ただ今より、第三回BoB予選トーナメントを開始いたします。エントリーされた方はカウントダウン終了時に、第一回戦のバトルフィールドに自動転送されます。幸運をお祈りいたします』

 

騒がしくなった喧騒の中、シノンが立ち上がると自分とキリトに指を指して宣言をした。

 

「勝ち残りなさい。その頭、すっ飛ばしてやる」

「お招きとあらば参上しないわけにはいかないな。なあ、フリューゲル」

「そうだな、こう言った女性には敬意を示さねばな。お嬢さん」

「こ、このっ!」

 

軽く煽って自分らはどこかに転送された。転送する直前、シュピーゲルがものすごい目で見ていたので、少し警戒をしていた。

 

 

 

 

 

 

転送されたのは六角柱の空間。対戦相手の名前とフィールドの場所が書かれており、待機時間が表れた。

その間に今日使うフルカスタムAKM、サブのH&K HK45、そして一昨日購入したヒートホークを装備した。

銃の手入れは済ませているので後は始まるのを待つだけだが、フリューゲルは死銃の事を考えていた。

シノンは候補から外している。理由としては薄塩たらこが死亡した時、自分とシノンは組んでいたからだ。

事件当日に誰か別の人がアバターを使っていた。と言う可能性もあるが、その可能性は低いと考えていた。

理由としては彼女は気づいていないかもしれないが、彼女が銃を撃つときに毎回何かに怯えているような雰囲気になるのだ。

 

何かから逃げているように。

 

恐怖を銃声で紛らわしているようにも見えた。そんな人が本当に人を殺せるとは思ないのだ。

 

「まだ、犯行方法もわからないのに推察するのはまずいか……」

 

そう呟くとタイマーがゼロになり、視界が開けて試合が始まった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

フリューゲルが投げ出されたフィールドは平原。時間は夕刻で太陽を背にフリューゲルはフィールドを眺めた。

 

「太陽が背で助かった……」

 

フリューゲルはフィールドの岩陰に隠れながらそう呟く。なぜなら敵を見つけたからだ。

今はまだ移動中でしかもこっちは太陽を背にしているせいで相手から見えづらくなっていたのだ。

 

「(……距離約200m。問題ない)」

 

フリューゲルはAKMを単発モードに変更するとスコープ越しに狙いをつけて移動中の敵に狙いをつけた。

 

「……」パンッ!

「ゴッ!」

 

放たれた弾丸は移動中の敵の耳を貫通。一瞬でヘッドショット判定を受けDEADの文字が浮かんだ。

試合時間十五分、順調な出だしにフリューゲルはまず安心した。

 

「問題なさそうだな」

 

あまりにもあっけない一回戦に拍子抜けといった様子であったが、どうやらもう相手は決まっていたようですぐに二回戦に移った。

 

 

 

 

 

 

二回戦は砂漠地帯で砂嵐が吹き荒れており、今回は武器の相性が良かった。AKMはAKー47の派生系だから砂塵に強く、更に相手は《M16》。それも初期型を使っていた事から至近距離での戦闘となったが向こうが撃ち合っている途中でジャムり、その隙にヒートホークで真っ二つにしてしまった。

時間にして十分。天候の運に感謝しながら待機場に戻った。

 

 

 




日本じゃあ、結構有名なM16とその派生系、でも作者的にはM16や派生系のM4カービンは中々な迷銃と思っている。
そもそもM16のストーナー方式はゴミが溜まったらジャムりやすくなるわけで…砂ばかりのアフガンとかで使っている時に暴発しなかったのだろうかと思ってしまう…(実際ベトナムじゃあ、よく詰まっていたし…)

というか名銃なら見た目も中身も真似されるはずなのに、M4の派生系はガワだけ真似ているだけで中身が全く違う時点で中々おかしい銃な気がする……













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