ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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マザーズ・ロザリオ編
#44 キリトの要請


一月六日 二十二層ログハウス

ブレイドはアスナ達に頼まれて冬休みの課題を教えていた。

自分の分?そんなものは宿題が出された日に一時間で終わらせた。

そんなわけでいまだに宿題の終わっていないシリカなどの質問に答えていた。

 

「ブレイドは今年もGGOメインで行くの?」

「ああ、剣より銃の方が好きだからな」

「ぶっちゃけたわね……」

 

リズベットが苦笑しながらブレイドを見ているとブレイドはシリカに宿題を教えていた。しかし、教え方が下手なのかシリカはあまり理解ができていない様子だった。それを見ていたアスナが思わず苦笑していた。

 

「ブレイドって、わからないところが分からないタイプの人?」

「そうかもな」

「うわっ、腹立つ奴だわ」

 

同級生だからブレイドが学校での成績が良いことはよく聞いている。

日本にいるよりもアメリカにいた時間の方が長かったから英語が出来るのはよく分かるが、専門外であるはずの生物学が専行してるリズベットよりも出来るのはどうかと思っていた。

 

「まあ、毎日やっていればこうなるだろう」

「ゲームやっててそうはならん」

「同感よ」

「そうですよ」

「こっちは好きでやっているんだ。何か問題でも?」

「わぁ…勉強するのが好きな典型的な学者気質ね……」

「羨ましいな……」

 

リズベットとアスナが思わずそう言ってしまうとブレイドはアスナによって教育係を外されてしまった。

 

「後は私がやるから。ブレイドはゆっくりしてて」

「……」

 

遠回しにお邪魔虫と言われ少しショックを受けているブレイドはそのまま用事があると言ってログアウトして行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ログアウトした修也はベットから起き上がると詩乃が横で本を読んでいた。

 

「あら、お帰り」

「時間かな?」

「そうね、私は準備できているから修也は後から来て」

「了解」

 

現在、部屋の模様替えをして詩乃と修也の寝室となっている部屋でダブルベッドで寝ていた修也と詩乃は寝室から出るとマキナが台所で米を研いでいた。

 

「マキナが…料理……?」

 

プログラムにない行動をしているマキナに修也が?マークを浮かべているとマキナがその理由を言った。

 

「奥様のために料理データを勉強しました。一通りの動きは出来ますよ」

「奥様って……」

 

詩乃が顔を赤くしながらマキナに文句を言っていた。数日前からマキナは詩乃を奥様呼びしており、何度注意しても治らない事から修也は半分諦めていた。

 

「ストレアはどうした?」

「従妹は今は寝ています」

「そうか……」

 

ストレアの現状を聞いた修也は現在リビングの端にあるパーツを眺めながら呟いた。

 

「ストレアのためにさっさと作るか……」

「何か手伝おうか?」

「お願いしよう」

「じゃあ、私は何か適当に作ります」

 

そう言うと修也と詩乃はリビングでパーツの組み立て、マキナは台所で包丁を握っていた。

マキナが料理プログラムを覚えたことに若干の不安感を抱きながら修也はマキナを観察しながら部品を組んでいた。ユイタンクの時とは違い、最初から設計図がある状態での設計のため部品自体は簡単に組み合わせながら作り、詩乃も協力してくれるので比較的早めに完成しそうだった。

後はソフトの部分をストレア自身にやってもらえれば良い。彼女の演算能力はユイよりも少し高いようでソフトを組むくらいは簡単に出来るようだった。

ストレアの演算能力を測るためにストレアと徹夜で何戦もチェスをしていたのは記憶に新しい。

 

「詩乃、そこにあるナットを取ってくれ」

「これで良い?」

 

今はストタンクと命名されるはずの機体の履帯部分を作っていた。千鳥式転輪と呼ばれるティーガーⅠ戦車などに採用された転輪を四つ分製作していた。

 

「ユイタンクの時は予算の関係であの大きさだったからな、今回は満足のいくものを作ろう」

 

その時、今までで一番目が輝いているようのも見えた気がした。プラモデルを転用した部品を使ったり、どこから持ってきたの変わらないゴム履帯を持っきて装着したり、マキナの型落ち品の部品を持ってきてそれを付けていた。

今日買ってきた部品も合わさり、半分くらいは完成してきていた。

 

「なんか……デカくない?」

「そうだろうな。色々ユイタンクから巨大化させたからな」

 

そこにはユイタンクとは違う見た目をし、強いて言うならユイタンクの前方に更に二基の履帯が追加され、その他パーツも追加されていた。

詩乃は修也の持っている漫画で見たことあるその姿に修也らしいという感想を抱いていた。

 

「ストタンクにはガスガンを採用しようか悩んでいる」

「それはやめたら?」

「ユイタンクの時も和人にそうやって断られた」

「それが普通よ?」

 

詩乃が思わずそう突っ込んでいるとマキナが台所から呼んだ。

 

「マスター、料理ができましたよ」

「分かった」

「すぐ行くわ」

 

そうしてマキナが作った料理が意外にも美味しく、好評だった。

 

 

 

 

 

翌日、修也は和人から連絡を受けた。詩乃は今日から三日間ほど、東北の実家の方に帰ることになっており、寂しかったので和人とALOで合流することにした。

 

「……で、呼んだ理由は?」

「アスナの手伝いをして欲しい」

「何をどうすれば?」

「事情はこうだ……」

 

キリトから聞いた話を端的にまとめるとこうだ。

最近立て続けにアインクラッドを攻略しているギルドがあるのだが、その調査をしていたらアスナが最近噂の『絶剣』と呼ばれるプレイヤーに連れられ、さっき二十七層から帰って来た所だと言う。そしてそのギルドは二十七層でアスナ達を尖兵として観察をしていたそうだ。

 

「それで、そのギルドが何かしらズルをしてボス戦攻略に向かっていると?」

「そうだ、『雷装剣』を最大限使えると良い機会だと思ってな」

「……まぁ、こっちもちょうど暇だったんだ。良いだろう、全力でパランジャを振ろう」

「やけに元気だな…まあ良いか……」

 

キリトが苦笑をしつつも剣を持つとブレイドもパランジャとエクスカリバー獲得の時にも使った杖、《ケリュケイオン》という伝説級武器を持った。

ちなみにこの杖はシノンの育成のために潜ったダンジョンの周回をしていた時に手に入れたものでアスナの杖と同じくらいレア度の高い物だ。

 

「……で、何処に行けば良い?」

「こっちだ。ついて来い」

 

そうして走る事十分。二人は二十七層ボス部屋前に到着をするとそこでアスナ達と対峙しているギルド集団に向けて攻撃を行った。

 

「ーーーーーーーー!!」

 

ドドドドォンッ!

 

「っ!?誰だっ!?」

「悪いな、

 

 

 

ここは……通行止めだ」

 

 

 

キリトが格好良く登場し、ギルドの後ろではブレイドが久しぶりにパランジャを抜いていた。

 

「っ!?お前、魔法だけじゃないのかっ!?」

「生憎と昔取った杵柄ってやつでね。こっちが本命だよ」

 

そう言うとブレイドは早速、《雷装剣》両手剣広範囲スキル<雷獅子>を初っ端から繰り出した。

 

「しっかり避けろよ。出来るならな……」

 

バリバリバリバリバリィィイイ!!

 

「「ぎぇぇぇぇええああああ!!??」」

 

一瞬にして背後にいた者達含めて十人ほど持って行ったブレイドはパランジャをブンブンしてギルとメンバーに向ける。

 

「さて、次は誰が来る……?」

 

久しぶりにパランジャで暴れているブレイドを横目にキリトがアスナ達に言う。

 

「ここは抑えるから。その隙にアスナ達はボス部屋へ!!」

「わ、分かった!!」

 

そう言いアスナが他の見知らぬプレイヤーと共に前方にいたプレイヤーを薙ぎ倒してボス部屋に入って行った。

おそらくあの中の誰かが絶剣なのだろう。と、そんな予測をしながらプレイヤーをパランジャでサッと一人持って行くとそこに加勢がやってきた。

 

「オラオラオラオラオラオラ……オラァッ!!」

「遅いぞ、クライン」

「すまねぇ、道に迷った!」

 

赤いバンダナが特徴のクラインがボス部屋のプレイヤーに突っ込んできて、こっちは二人となった。

 

「クライン、こっちが合図したら上手く避けろ」

「おん?何すんだ?」

「雷装剣のSSで一番強いやつを撃つ」

「げっ、俺行けるかなぁ……」

「魔法耐性あげないのが悪い……。さて、やろうか……」

「おう!」

 

そうしてクラインがソードスキルを発動してプレイヤーを斬り、ブレイドも襲ってくるプレイヤーを倒していくとブレイドはクライン達に向かって叫んだ。

 

「クライン、キリト!上手く避けろ!!」

「おう!」

「任せろ!!」

 

そう聞こえ、ブレイドはパランジャを高く振り上げるとソードスキルを発動した。

 

「<雷鳴童子>……!!」

 

そして思い切り振られたパランジャは地面に突き刺さるとそこからひび割れを起こし、クラインとキリトはジャンプして華麗に避けると他のギルドメンバー達は一斉にリメインライトに変化していた。

 

「…ふぅ、硬直時間が長くて使いずらいな……」

「あははははは……俺はその威力にびっくりだよ」

「全く同感だ。危ねえったらありゃしねえ」

「まぁ、露払いはこれでできたかな?」

「ああ、じゃあこのギルドを取り敢えず通報しとこうぜ」

「おう、GMに行っときゃなんとかなるだろ」

 

そう言い、キリトが連絡を入れ終わると三人はダンジョンを後にした。

 

「アスナに連絡入れとくか?」

「そうだな、どうせ祝勝会とかするんだろ。だったら……」

 

するとブレイドのアミュスフィアに連絡が来ていた。

 

「すまん、用事で今日は抜ける」

「ん?おお、分かった。じゃあ、ここで別れるか」

「ああ、じゃあ。また」

 

そう言い残してブレイドは足早にアインクラッドを出て行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

キリト達と別れたブレイドは早急にログアウトをすると来ていた電話を折り返した。

 

「もしもし、どうしたザスマン?」

『おお、出た出た。シューヤ、すまんがお使いを頼んで良いか?』

「……何かあったのか?」

 

修也が聞くと、ザスマンは要件を伝えた。

 

『いや、俺の会社の新薬の被験者に話をして欲しいんだ。すでに向こうに話は通してある』

「ザスマンは無理なのか?」

『こっちは新薬の準備で忙しくて無理だ。資料はそっちに送ったから印刷してそれを渡してくれればいい』

「…分かったけど……これ高校生にさせる事じゃないよな?」

『アホか、俺と同級生のお前に言われたくねえよ。それにもう立派な成人だろうが』

 

電話後してツッコミを入れられると、修也はよりあえず水に流した。

 

「……まあ、良い。取り敢えずお使いをすれば良いと言う事だな?」

『そうだ、場所は神奈川県横浜市都筑区ーーーーの『横浜港北総合病院』と言うところだ』

 

ザスマンから聞かられた住所を書きながら、修也はその被験者の名前を聞いた。

 

『……で、被験者の名前は《紺野木綿季》と言う十五歳の少女だ』

「分かった。資料も丁度印刷したからお使いをしてくる」

『ああ、お願いするよ』

 

そう言い残しザスマンは連絡を閉じ、修也は明日に備えて箪笥から洋服を取り出していた。




ストタンクはさんぼるガンダムのガンタンクをイメージしてください。
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