ターミナルビルの屋上で飛んでいくアスクレー社のロゴの入った大型ジェット機を見送った修也達は機体が見えなくなるまで手を振っていた。
「…上手く……いったかな?」
「きっと行けているさ……」
明日奈と修也は飛んでいく機体を眺めながらそう呟く。
二日前に修也、明日奈、里香の三人はALOの公開ネットワークに
『ユウキを知っている人の中で十五日に羽田の第三ターミナル展望デッキに来れる者は目印で濃紺のものを持って集合!!』
と言う書き込みを載せてユウキを盛大に送り立とうと計画をした。きっとユウキも許してくれるはずだと思いながら書き込みをした。
当日が日曜日だったこともあり、全国規模で人が集まり、ターミナルの展望デッキに入りきらない程だった。
企画者の修也と明日奈が先導して最優先事項である人文字制作をし、入りきらない人は悔しがりながら別のターミナルに移動してユウキの乗る機体を盛大に見送った。
こんなにも集まってくれた事に感謝しかなく、企画者達は涙が出そうだった。
『今日はわざわざ集まっていただきありがとうございました。ユウキもきっと喜んでいる事でしょう。本当に、ありがとうございました!』
拡声器で明日奈が感謝の意を述べるとここに来た全員が当たり前だと言わんばかりの雰囲気を出し、各々解散を始めていた。
誰かはゲームで知り合った人とユウキの話をしながら帰り。
誰かはここまで集まった人に驚きつつも分かっていたような話をしながら帰り。
誰かは初めてリアルで知ったゲーム仲間と話しながら帰り。
誰かは友人と飲み明かしに行くと意気込んだり。
誰かは綺麗な女性にナンパをかけて玉砕をしていたり。
みんなが皆んなここに来れたことに喜びを露わにしており、楽しく会話をしながらデッキを後にしていった。
明日奈達はここまで上手くいった事に安心と嬉しさでホッとしていた。
「ゲームで生まれた友情は現実でも健在なんだな……」
「そうね……」
「しっかしすごい人が集まったものね。ユウキの親族の人なんか面を白黒させていたわよ」
「それだけユウキが愛されていたと言うことだ」
「そうだね……」
集まった人たちを見て明日奈達は空港内のカフェでゆっくりとしているとクラインこと遼太郎が肩を落としながらやってきた。
「はぁ……」
「なんだ?また玉砕したのか?」
隣にいた和人が聞くとそうだと言わんばかりにガックリと項垂れていた。
「あぁぁぁんまりだァァァァァアァァァ!!」
大泣きしている遼太郎を横目に修也達はユウキの話で盛り上がっていた。
この日の出来事はMトモのニュースとして取り上げられ、ネットゲームが起こした奇跡としてちょっとした事件となっていた。
四月四日 新宿御苑
木綿季がアメリカに行って三週間近く経った、無事にアメリカに到着した木綿季は早速アスクレーの医療施設で臨床試験を開始したそうだ。
その連絡を明日奈に伝えると明日奈は喜びを露わにしていた。
ユウキのいる場所は電子機器が一切使えないと言う事で連絡は基本的に代筆の手紙だけということであまり連絡はできていなかった。
それでも最低でも月一で連絡をとっているそうだ。
それに驚くべきことがあった。それはスリーピング・ナイツの全員の体調が回復していることだった。シウネーに至ってはすでに退院までしたらしい。他の面々も全快とはいかないが奇跡と呼んでいいことが続いているらしい。
そんな事を思い出しながら今自分は桜の花びらの散る木の下で春の日差しで暖まりながら横になっていた。
「気持ちいいわね」
「ああ、日なたぼっこには最適な気温だ」
横で寝て居る詩乃が修也に話しかける。
木綿季の住んでいた家は土地ごと買って、父の不動産で扱ってもらう事にしてもらった。
父は自分の話を聞くと笑いながら承諾してくれて、家は清掃と修繕がされている。
いつか返ってくる彼女のために準備は万端にしていた。
二人してのんびりとしていると聞き覚えのある声が聞こえた。
「コラー!二人とも手伝ってよー!!」
声のした方を向くとそこには里香がバスケットを持って丘を登って居る最中だった。
「…みんな来たのか……」
「行こうよ、修也」
「そうだな……」
詩乃と共に起きた二人はそのままゆっくりと丘を降りて桜の木の下を歩いていた。
修也は桜を眺めながらアメリカで頑張っているユウキのことを考えていた。
ブルアカのストーリー読んで感動泣きして数時間執筆の手が止まってしまった……
ブルアカ、今からでも良いからやってない人はマジで初めて欲しい!!!
初めてソシャゲのストーリーで泣いた。
↑VRの世界にソシャゲをお勧めする馬鹿タレ作者。なお、ブルアカ始めたのは銃がででくるからと言う安直な理由。