ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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いつのまにかUAが20.000言ってた!!∑(゚Д゚)
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#8 修剣学院

人界歴三八〇年 三月

 

ザッカリアにて一年間兵役の任に就いたキリトたちは入学試験をパスし、北セントリア修剣学院へと入学した。

央都にたどり着いた俺たちは真っ先にブレイドの屋敷にお世話になり、そこで学院に入学するまでお世話になっていた。正直、豪邸と呼べるその屋敷に俺とユージオは萎縮してしまったが、俺たちはそのまま一年振りにブレイドと再会することになった。

そしてそのまま俺たちは修剣学院に入学する事となった。

 

成績としてはブレイドは十三位、これに関してキリト達が問い詰めると彼はあっさり白状した。

 

『傍付き錬士になって仕事が増えるのは御免被る。こっちはやりたい事でいっぱいなんだ』

 

これには流石にキリト達が呆れてしまった。だが、ここで変な事を言うとさらに面倒なことになる気がしたからだ。

ブレイドはともかく、俺たちは上位十二名に入っていたようで、<傍付き剣士>として俺はソルティリーナ・セルルト先輩、ユージオはゴルゴロッソ・バルトー先輩の傍付きとして鍛え上げられていた。

 

この学院は二年制で、一年目は《初等練士》、二年目は《修剣士》と呼ばれる。その中で入学時の成績上位十二名が《傍付き練士》となり、《修剣士》の上位十二名である《上級修剣士》に一人ひとり割り振られて、《傍付き練士》が《上級修剣士》の身の回りの世話をして、《上級修剣士》が《傍付き練士》への個別指導を行う。ある種の師弟関係と言えるだろう。

 

 

 

 

 

そして今日も俺は先輩にこってり絞られて食堂で疲れ切っていた。

 

「何しけた顔をしている」

「いやぁ…ツッカれたぁ……」

「まぁ、ソルティリーナ先輩は大変だろうね」

 

キリト、ユージオ、ブレイドの三人は食堂で、苦労を労っていた(主にブレイドが二人を労うことが多い)。

二等爵家に平民上がりの二人が馴れ馴れしく関わっている事に、特に爵位持ちの家の子が恨み言を呟くように彼らを見ていた。

あまりに煩いとブレイドの冷ややかな視線が食堂を包むので、一瞬で全員が黙るのだが。それが治る気配は一向に無かった。

 

『いっその事キレイキレイ出来たら楽だな』

 

部屋で集まった時に不意に呟いた発言に、キリト達は心底微妙な表情でブレイドを見ることしかできなかった。

ユージオもだいぶ慣れてきて、ブレイドの思想に段々とではあるが染まっているような気がしてきた。

それはいけない兆候だとキリトがユージオを抑えていた。

そんなこんなでこの一年を楽しくやって行けている三人は食堂で食事を楽しく摂っていた。しかし、そんな三人を快く思っていない様子の二人がいた。

 

「(彼らは確か……)」

 

ライオス・アンティノスとウンベール・ジーゼックだったか……。

 

長い金髪の方がライオスで三等爵の家系に属しており、ウンベールは四等爵家の出身で灰色髪のオールバックが特徴だ。

 

彼らはまさに今の帝国の貴族を体現したような者達だろう。自分たちは何も功績を上げていないのにそれを鼻にかけ、下の者を侮辱する。聞いているだけで反吐が出るような奴らだ。

 

今のところ大きな行動はしていないが、いずれやらかすと確信をしている。

だから入学した時から自分は彼らに警戒を解く事はなかった。

二等爵家の自分がいなければ、おそらく容赦無くキリト達を侮辱していたに違いない。

 

「(向こうからけしかけてくれればこちらとしても有難い……)」

 

ブレイドは禁忌目録の穴を突いた……キリトに言わせれば卑劣な方法で彼らを貶めることができる。

少なくとも今は庇護下にある二人に特にあの二人は不満を募らせていた。

 

 

 

昼食を摂り終え、ブレイドと別れたキリト達は学院の花壇に来ていた。

 

「キリトは優しいんだね」

「そうか?」

「じゃなきゃこんなこと考えないよ」

「……それもそうか」

 

ブレイドが『面白い事を考えたものだ』と言って色々と手筈を整えれくれた時は三人して結果を楽しみにしていた。

今までのは全部が枯れてしまった『ゼフィリアの花』……今は蕾が出来て、もう少しで咲きそうだった。

 

「……さて、そろそろ行こう」

「そうだな。明日の事もあるしな……」

 

そう言うと二人は花壇を後にした。花壇に二人を睨みつけるように見ていた視線があったとも思わずに……。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

翌日、ブレイド達三人はセントリア第七区に存在する『サドレー金細工光店』と言う店にやって来ていた。

 

「見ろ、この有り様を!!」

 

その気迫に三人は思わず引いてしまう。目の前にいる老人……この店の主人であるサドレー技師は大変ご立腹のご様子であった。

 

「見ろぃ、この黒煉岩の砥石は三年使えるはずが、たった一年で六つも消費してしまったわい!」

「あはは…ほんと、すんません……」

 

流石にこれには苦笑せざるを得ず、ブレイドやユージオも微妙な表情をするしかなかった。

こう言った職人気質の人は嫌いではない。

だからブレイドはそんな燃えているサドレー技師にありったけの黒煉岩の砥石を送っていた。

 

「まったく、あの枝といったら少ししか削れんかったぞ。どんな性質をしておるのだ」

「(まぁ、あの巨木だから仕方ないか……)」

 

ブレイドはそこでキリト達がギガスシダーの枝を此処に持ってくるまでの経緯を思い出した。

ギガスシダーを切り倒した翌日。ガリッタ爺と言う先代刻み手の人がユージオと共に青薔薇の剣を持ってやって来て、ギガスシダーの枝を切り落としてこれをサドレー技師と言う人に渡してくれれば最高の剣を作ってもらえると言い、央都に到着したキリト達はブレイドと合流した後にこの店に来て枝を渡していた。

 

『一年、一年あれば最高の剣を作ってみせるわい』

 

そう言ってからちょうど一年。この日、ブレイド達は剣を受け取りに来ていた。

 

「そ、それで……剣はできたんですか?」

 

キリトはサドレー技師の文句を遮って聞くと『むぅ……』とやや不満げになりながらかがみ込んで品物を出す。

ごおん!と言う重い音と共にカウンターに置かれた。

 

「では、お代はこちらで」

 

ブレイドがそう言い、布袋に入ったお金を出す。その金額にキリト達は目を見開いて驚き、『貴族すげぇ……』とハモっていた。

お代を確認したサドレー技師は『まいど』と言い残し、キリトを見た。

 

「お主、その剣を振れるか?」

「?」

「此奴、剣となった時にさらに重くなりよった。振れるのかどうか見せてみろ」

 

そう言われ、キリトはその漆黒の剣に見惚れていたが、一瞬で引き戻されるとその剣を持って一回、ブンッ!と振った。

その時の勢いで小さな衝撃波が起こっていた。

 

「学院のひよっこがそれを振るか」

「すごいよキリト!」

「素晴らしいものだ」

 

二人してキリトを褒めるとキリトは調子に乗ったのか、安息日だと言うのに剣の練習のためと言い残し何処かにすっ飛んでしまった。店に残ったブレイドはユージオに言う。

 

「ユージオ、先に戻っていてくれ」

「何で?」

「少しサドレー技師と話があって、少し遅れる。その後に神聖術を教えてやる」

「うん…わかった。じゃあ、また後でね。ブレイド」

 

そう言い残し店を後にしたユージオを見送るとブレイドはサドレー技師に聞いた。

 

()()が出来たと聞きました。お渡ししてもらえますか?」

「あぁ、出来ておる。……しかし、あんな奇妙な物は何だね?」

「それは秘密です」

 

そう言うと、左ドレーは軽く鼻を鳴らしてブレイドを見た。

 

「ふんっ、また珍妙な物を作る気かね?」

「だてに、研究をしている訳ではありませんよ」

 

そう言いながらサドレー技師がカウンターの上に布で巻かれた金属製の棒を渡す。開けられた穴を覗いてブレイドは呟く。

 

「素晴らしいです、やはり貴方に頼んで正解でした」

 

そう言い、ブレイドはその金属製の棒を持つとサドレー技師が聞いた。

 

「その鉄の棒を削って整えろと言われた時は心底おかしいと思ったわい。お主、何をしようとしておるのだ?」

「それも言えません」

「つまらんのう……それじゃあ女にモテんぞ」

「はははっ、余計なお世話ですよ」

 

サドレー技師は面白くなさそうに言うとブレイドはその金属製の棒を持って見せを後にする。学院に戻る道を歩いている途中、ブレイドは自身の持つサーベルを見て思う。

 

「(これでダークテリトリーからの侵攻に耐えられる大きな力を手に入れられる。後は部品を合わせて作るだけだ)」

 

そう思いながらブレイドは学院に戻ると部屋にいたユージオに約束していた神聖術を教えていた。

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