ソードアート・オンライン 赤色の記録   作:Aa_おにぎり

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作者、二日前に初めてコロナに罹りました。現在家で隔離されてます・・・・。あかん、完全に油断してた・・・・


#13 大切な記憶

「さぁ、第二ラウンドと行こうぜ」

 

剣を構えた二人に、私は銃を持つ。ここまで応戦する彼らは面白いとも思えた。確かキリトと言っていたか。私は銃を構えるとキリトがさっきよりも速い速度で突っ込んできた。

 

「(早いっ!)」キンッ!

「お前は!そう言う事をしない奴だろうがぁ!!」

 

するとキリトは剣を動かしながら勢いを増した。このままでは押し負けてしまいそうなほどに……

その視線の先でキリトが叫んでいた。

 

「お前は!弱い者に手を差し出していたじゃねえか!いつもいつも、他人さえ良ければいいって言う、大バカのお人好しじゃ無かったか!ええ?」

「私に過去など存在しない。あるのは最高司祭に対する忠誠心のみだ」

「だったら余計に言ってやる!今まで会ってきた整合騎士は全員、最高司祭()って言ってたぞ!」

 

その指摘に私は言い返す言葉を失った。それと同時に違和感を感じた。その瞬間だった。持っていた銃をキリトの剣で叩き落とされ、胸ぐらを掴まれた。

 

「忘れているなら思い出させてやる!その後にぶっ飛ばしてやるよ!普通のお前ならこの状態で神聖術でも体術でも使うはずだろ!!なのに使わないのは違和感があるからだろうが!!大事なものを忘れているからだろうが!!」

 

その鬼気迫る顔に少しばかりの畏怖を覚えた。そしてその違和感は徐々に痛みへと変わり、頭痛は強くなってきていた。

 

「思い出せよ!お前が一番大事にしていた()をな!!」

 

その時、額に光が大きく灯って紫色の三角柱が飛び出した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

その後、力が抜けて気を失ってしまったブレイドを三人が看病していた。戦闘後にアリスが目を覚まして倒れているブレイドを見て話し合って看病をすることにしていた。

 

「キリト、今のあれは……」

「おそらく、カーディナルの言っていた敬神モジュールだろうな。ふぅ……全く、厄介な相手だった」

「そうだね…とにかくブレイドが元に戻った感じで良かった……」

 

キリトは内心ほっとしていた。賭けに勝てて頼もしい味方ができたと思っている。普通のブレイドならばとんでもない方法で来るはずだし、とんでも無いものを持ち出すと思っていた。

 

しかし、まさか整合騎士となって相手することになるとは思わなかった。おまけに銃まで持ち出してくるとは……。

正直、ブレイドが現実世界での記憶を取り戻していなかったら危なかっただろう。連れ去られる前にブレイドが俺のことを()()()()と言わなければ絶望的だった……つくづく運が良かったと思っていた。その時、俺はふと彼の秘密を思い出していた。

 

 

 

ブレイドと俺だけの秘密。それはSAOにて言われた事実だった。

 

 

 

『私は、茅場晶彦の弟だ』

 

初め聞いた時は冗談かと思った。しかし、彼から語られた兄の話はとてもリアルで、作り話とは思えなかった。それに、よくよく見れば目の色は若干違うが顔の形や目の形は茅場晶彦にそっくりだった。それを知って俺は背筋が凍った。まさか茅場晶彦に弟がいるなんて……それも血の繋がった兄弟とは。

俺はその事実に冷や汗をかくとブレイドがはその時こう言った。

 

『さて、私の正体を知った君はどうする?このまま憂さ晴らしで私を殴り殺すか?それともこの事実を公表するか?』

 

ブレイドは悪態を吐きながらそう言う。だけど、俺はどうしようも出来なかった。彼は俺と同じようにSAOに囚われたプレイヤーだ。近親者に自分達を閉じ込めた張本人がいたとして、彼を殺したところで何も変わらない。

それに、ブレイドには今まで何度も助けられてきた。それは変わらない事実だ。だから俺は彼の秘密を守ってきていた。

 

帰還後、ブレイドに茅場晶彦について聞いた事があった。その時彼は懐かしそうに、イキイキとした目で兄の事を語っていた。そして彼が目標だったと言うことも……それ程までに彼は茅場晶彦の事が好きだったんだろうと思っていた。そして同時にその時に戦慄した。

 

 

 

ーー彼は自分の手で兄を殺した

 

 

 

昔の王族でもあるまいと言うようなことをしていたと言う事実に俺は再び凍りついた。その時の彼はどんな気持ちだったのだろうか……最愛の家族を、他の者を帰らせる為に、自分の手で殺めた事を……。

少なくとも自分では正気でいられないだろう。その点で彼は()()()()()のかもしれない。思い返せば彼の怪しい部分は色々とあった。詩乃と出会って少しマシになったようにも思えたが、それでも根底にある部分は変わらない。

 

 

 

ーー俺は彼の表面しか見れていないのだろう

 

 

 

『他人を全て知る事は一生できない。たとえそれが家族であってもだ』

 

ブレイドがそう言うと説得力があった。

彼は兄の行動を知る事ができなかった。

だからあの世界に迷い込んでしまった。

あのとしては実の弟が死のゲームに迷い込んだと知った時、どんな気分だっただろうか。死なないかとヒヤヒヤしていたのだろうか。

俺が妹の直葉を心配するのと同じような気持ちだったのだろうか……

今となっては知ることも出来ないが……

 

 

そんな事を思っていると呻き声と共に赤い目をしたブレイドが目を覚ました。

 

「ん…グッ……

「っ!ブレイド!」

 

目を覚ましたブレイドにユージオが声をかける。

 

「……ん?ここは……」

 

すると今までして来た事を思い出したのか、体を起こすとキリトたちに頭を下げて謝った。

 

「ーーーさっきはすまなかった……」

 

あぁ、いつものブレイドだ。

そう思った二人は安心した。するとブレイドはアリスを見て再び頭を下げた。

 

「先はあなたの身体を傷つけてしまって申し訳ない」

「え、えっと……?」

 

どうすれば良いのだ?

と聞くアリスに俺たちはほぼ同タイミングで思いつき、少し悪い笑みを浮かべた。

 

「(その様子だと……)」

「(同じ事思いついたなこれ)」

 

今まで散々実験と称してこき使われ、稽古と称してボコボコにされた仕返しをしようと二人はアリスに耳打ちする。

 

「『許さない。後で殴ってやる』って言えば良いよ」

「おい、聞こえているぞ」

 

あら、バレた。せっかく良い案だと思ったが……。そう思うとアリスはブレイドに向かってこう言った。

 

「取り敢えず私にできる事はないので、この件は不問にしようと思います」

「そうですか…だが、せめてこれくらいは治したほうが良いな。せめてもの謝罪を……」

 

そう言うとブレイドは「システムコール」と言い、自分の着ていた甲冑を触ると赤かった甲冑の色が金色変わり、アリスの破壊された右肩の甲冑部分を修復していた。

 

「これは……」

 

アリスは治された甲冑の部分を触るとキリトとユージオが言う。

 

「「ブレイドさん流石っす」」

 

何度目か分からないハモリをするとブレイドは当たり前だと言わんばかりな表情をするとマスケットと流星のサーベルを持った。

それを見たキリトがブレイドに文句を言う。

 

「けっ、銃なんて作りやがって」

「銃の腕が下手くそで僻んでいるキリトに言われたくはない。それにモデルはシャスポー銃だから世界観は壊していない……多分」

 

そう言うとブレイドはシステムコールと叫んだ。

 

「システムコール。ジェネレート・サーマル・エレメント。システムコール。ジェネレート・アクウィアス・エレメント。システムコール。ジェネレート・メタリック・エレメント」

 

そう言うとブレイドの指に三つの光が灯り、来ていた甲冑が光に包まれ、作り替えられていた。

 

「甲冑が動きずらいからこうするのが一番だ」

「つくづくお前が規格外だな」

「ーーー誰がこの世界を作ったと思っている……?」

 

そう言うと光が収まり、着ていた甲冑は全て無くなり、下から赤い修剣士服が見えると同時に持っていた武器の見た目が変わっていた。金属製の箱のようなものが付けられ、少しゴツくなっていた。

 

「さて、準備は終わったか……」

「い、今のは…説明はまた今度だ。……それよりも誰か来る」

 

そう言ったのと同時、元老院に甲高い声が通る。

 

「遅いですよ、三十二号!何をしているのですか!」

 

そこには赤と青の二色で構成されたゴムボールのような球体がクルクルと回転し、地面に人型となって着地した。その見た目はまるでピエロのようであった。

 

「様子を見に来れば何をしているのか。これでは猊下に言い付けて人形にてしまいますよ!!まざ、罪人がピンピンとして……あれ?ピンピン……?」パァン!!

 

それとほぼ同タイミングだった。破裂音と共に、ピエロの鼻を弾丸が貫通し、悲鳴が上がった。

 

「ギャアアァァァア!!」

 

悲鳴が上がるとブレイドが既に動いていた。ピエロを踏んづけ、首筋にスパイク状の銃剣を当てて脅しをかけていた。

 

「さて、生きる価値のないやつは早急に退場してもらおう」

 

そう言うとピエロが叫んだ。

 

「貴様!裏切ったか!三十二号!!システム・コォ」パァン!「ォアア……!!」

 

ブレイドが持っていた銃でピエロの喉を吹っ飛ばした。声が出せなくなり。神聖術は使えなった。本来なら死んでいるはずなのに、生きていると言うのは運がいいのか悪いのか……。

 

「これから変革の時代だ。貴様らのような者がいるから理想郷とならないのだ」

 

憎悪に富んだ声でそう言うとブレイドはピエロに容赦なく引き金を引いていた。

 

鼻、首の次は右腕、右足、左足、左腕。そして最後に心臓の部分に銃口を向けた。

 

「貴様にこの術を使った事を光栄に思うがいい。チュデルギン……

 

 

 

バースト・エレメント

 

 

 

その呪文と同時にチュデルギンの撃たれたところから一気に体が燃え上がった。

 

「ーーーーーっ!」

 

明らかに悶絶しているのが分かる。その視線の先で真っ赤な炎が印象に残るその体は一瞬で燃え尽き、後からもなく消え去った。

 

「「「……」」」

 

あまりにも一瞬の出来事にキリト達が呆然としていると、ブレイドがマスケットとサーベルを持ってキリト達に話しかける。

 

「ーーー行くぞ。元凶を断たねば何も変わらない」

「あ、あぁ……」

「……よし、行くか!」

 

キリトは気を取り直して頬を叩いた。一瞬でゲームだと中ボスくらいの敵を一瞬で蹴散らしてしまった事にブレイドの持つ武器に恐怖した。

 

「(あんな敵を一瞬で屠ったブレイド。あぁ、恐ろしい恐ろしい……)」

 

瞬時に動けるあたりブレイドらしいと思っていると俺はある事を思い出して歩く途中、小声でブレイドに聞いた。

 

「なぁ、さっき『この世界を作ったのは誰だと思う?』って言ってたよな?」

「……あぁ、そうだが。何か?」

「っ!まさかお前……」

 

キリトはブレイドに先程、カーディナルから聞いた話をした。

 

『《外》の者はこの状況を変えようとせず。さらに、ダークテリトリーに侵攻させて、戦う事を強要させようとしている。それか、人界側を滅ぼそうとしている』

 

その事を伝えるとブレイドは心底驚いた様子で聞き返した。

 

「……キリト、本気で言っているのか?」

「え?ま、まさか……っ!!」ブチッ!

「ーーーあの、クソ官僚め……後でしばき倒してやる」

 

ブレイドも持っている銃に力が入っていた。キリトもそれを見ておそらく知らされていないのかと知り、同時に、怒りが増長した。あの菊岡(クソったれ)めと……。

そんな二人の話を後ろで聞こえていたユージオとアリスはそんな二人を見て疑問に思っていた。




ピエロあっさり退場
理由:作者が心底嫌いなキャラだから。
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