ベルクーリさん達の呼び出しで戻ってきたユージオ達、天幕で二人の世話をしているとそこでユージオは懐かしの後輩達と再会をしていた。
「ユ、ユージオ…先輩……!?」
「ティ、ティーゼ……?」
そこには懐かしの後輩がいた。たった数ヶ月だけの自分の後輩だ。
「ユージオ先輩!!」
ユージオを見てティーゼは涙目になってユージオに飛び込んでいた。
「良かった…無事で…もう、会えないと思っていました……」
「ごめん、ずっと連絡できなくて…心配かけさせちゃって……」
「本当に…良かったです……」
ティーゼの行動に目を白黒させているロニエとマリーにもユージオは声をかけた。
「やぁ…ロニエとマリーも久しぶりだね……」
「は、はいっ!」
「お、お久しぶりです!!ユージオ先輩!!」
二人は慌てて挨拶をするとロニエがこうなった経緯を話した。
「すみませんユージオ先輩。私達がここにきた時にユージオ先輩を見てティーゼが先走ってしまって……いきなりで申し訳ありません」
「いや、いいよ。連絡しなかっら僕の責任だろうし……」
そう言い、ユージオは取り敢えずティーゼを一旦離すと後ろにいた少女がわざとらしく咳き込んだ。
「ユージオ、その子達は……?」
「「きっきき、騎士様……!?」」
その時は、ロニエ達は後ろにいたアリスに気づいて仰天していた。と言うのも、アリスはちょうどユージオの影に隠れていて見えていなかったのだ。まさか整合騎士がいると思わず、三人は固まってしまっていた。
「と、取り敢えず挨拶……!人界支部軍補給部隊所属、マリー・クルディア初等錬士です!」
「お、同じくロニエ・アラベル初等錬士!」
「ティーゼ・シュトリーゼン初等錬士です!!」
二人はそう挨拶をするとアリスは記憶を頼りに三人を思い出し、自分も挨拶をした。
「あぁ、修剣学院の…私はアリス・ツー……シンセシス・サーティー。お久しぶり、と言えば宜しいかしら?」
「「「……」」」
三人はアリスの挨拶に唖然としてしまっていた。まさか、思えてくれてているとは……いや、それよりも三人は気になる事があった。
「なんか…前にあった時よりも丸くなった気がするのは気のせいかな……?」ヒソッ
「本当だね…あの時より優しい気がするよ」ヒソッ
そんなロニエとマリーの声はユージオの耳には届いており、苦笑せざるを得なかった。
まぁ、事情を知らない人からすればそう思うのも当たり前なのかと思っていた。
するとロニエがユージオに聞いた。
「あの、ユージオ先輩。キリト先輩は見ていませんか?その…ユージオ先輩らしき人が来た時に、黒髪の人もいるって聞いて…もしかしてキリト先輩じゃないかって思って……」
「私も、その話を聞きました。ブレイド先輩もどこかに行ってしまいましたし……」
ロニエの問いかけにユージオはどうしようかと困っていた。するとそこにアリスが助け舟を出した。それはいつもの優しい口調で…
「ユージオ、合わせてあげたら?」
「アリス……」
それでも不安を拭いきれない表情で彼女を見返す。
「どんな状態でも、あの子達なら大丈夫…その為にここに来たんだと思うから……」
「でも、そろそろ軍議があるんじゃ?」
「そこら辺は私が事情を説明しておくから」
どこか自信ありげに彼女は答え、その言葉に背中を押させるようにユージオは軽く頷いた。
「……分かった。お願いするよ」
そう言うとアリスはそのまま軍議が行われる天幕のある場所へと歩き出し、視線を戻すと三人はザワザワしていた。
「どうしたの?」
「あ、い、いえ!!ユージオ先輩と騎士様があんなに親しげにされていたので……」
「一体何が……」
「あったのかと……」
そう言うと三人は……特にロニエとマリーの二人は別の意味で興奮した状態でユージオに色々と詰め寄っていた。まぁ、確かに半年間ずっと心配をしていた彼女らにとってはユージオがいただけでもほっとしていたのかもしれない。
「ユージオ先輩が騎士様と飛竜に乗っていたとも噂で聞きました!」
「一体あの騎士様とはどの様なご関係なのですか!?」
「ユージオ先輩!」
「い、一旦落ち着こうか三人とも……!!」
そう言ってユージオは一旦三人を宥めるとユージオは気を引き締めてロニエ達に言った。
真実を話す為に……
「まず、君たちが知っている様に、キリトはこの中にいる」
「っ!じゃあ……!」
「でも、話すのは難しいと思う……」
しかしユージオの苦虫を潰したような表情で言われた言葉に三人は愕然となる。
「「……え?」」
「ど、どう言う事ですか……?」
困惑する三人に、僕は真実を告げた。
「今から話すことは、辛いけど事実だ。でも、僕にはそれを話さなければならない責任がある。それでも良い?」
「「「……はい」」」
息を呑んだ三人に僕は取り敢えず彼女達を天幕に入れて話す。あの時の出来事を……
ーーブレイドが連れ去られて整合騎士になった後。自分達と一緒にカセドラルで戦い、その後二人とも意識を失ってしまった事。そして、その後ブレイドはどこかに消えてしまった事を……。
「そんな……」
「本当なんですか?ユージオ先輩……」
「うん、全て真実だ……」
「「「………………」」」
全員が認めたくないと言った様子だった。ユージオは話した内容に最高司祭を討ち取ったと言う話はしなかったが、それでも彼女らには衝撃だっただろう……話し終えた後、僕も思わず俯いてしまった。
「キリト先輩……?」
ロニエは天幕の奥にいるキリトを見てキュッと手を握っていた。二人も同じ様に心を痛めており、ユージオは三人を一旦天幕の外に出した。
「…私のせいでしょうか……」
天幕を出たロニエがそう言い、彼女達は自責の念に駆られていた。彼女から出てくる懺悔の言葉に僕はブレイドの言葉が思い浮かんだ。
「……それは違うよ」
「「「!?」」」
今度ははっきりと、確信した様子で答えたユージオの声に驚く三人にユージオは前にブレイドから聞いた話を思い出していた。
「多分、キリト達もそんなこと思っていないと思う。たしか、『男は偶には馬鹿なことをして周りを驚かせたい』…だったかな?ブレイドの受け売りだけど……」
ユージオはそう言うと彼女達に優しく話しかける。
「キリト達は僕を強く育ててくれた。さっきのはブレイドの受け売りだけど……多分、二人はロニエ達を守りたいから戦ったんだと思う。それがたとえ、カセドラルで闘うという無謀なものでも……。
今ならわかる気がする。ブレイドの言っていた
そう言うユージオに三人は何処か分かるような気がしていた。
「キリトは剣を、ブレイドは神聖術を教えてくれた。今まで天職だからって現実から目を背けていた僕を、あの二人は本当の想いを引き出させてくれた。だから、キリト達はあんな無茶ができたんだと思う……」
そう言うとマリーは咄嗟に懐に入れていたあの手紙に手を当てる。それはブレイドから受け取った唯一の
その手紙に書かれていた最後の言葉を思い出して心に刻んでいた。
「(きっとどこかに居ますよね…先輩……)」
マリーはブレイドの思いを汲み取り、言葉を飲み込んでどこかに居るのだと信じているとユージオが三人に向けて言う。
「だから、君たちには強い心を持っていて欲しいんだ。思いは永遠に続くからね……」
「「「……はい!」」」
「(様子を見に来たと思ったら……)」
アリスは少しもどかしい気持ちになっていた。カーディナル達に話をしてきて、戻ってくるとそこではユージオがあの三人に優しく話しかけている最中だった。
途中で入り込んでしまおうかとも思ったが、そこでグッと気持ちを堪えてユージオが話し終えるまで待っていた。
「(こんな時、どうすれば良いのだろうか……)」
アリスはそんなもどかしい気持ちを抱いているとユージオが天幕越しに言っていた。
『思いは永遠に続くからね』
その言葉にアリスは何処か思う節があった。
「思いは…永遠……」
誰の言葉なのだろうかと思ってしまった。あの日、新しい
「(もし、ここにあの人がいればどうだったのでしょうか……)」
騎士としてのアリスとルーリッド村のアリスを繋げるきっかけとなった彼は、アリスからしてみれば不思議な人という印象だった。
初めての会合は96層での戦闘で、初めて見る武器に、キリトがいなければおそらく負けていたかもしれない。
そう思わざるをない技量を持っていて、尚且つ叔父様がかき集めた投石機や、肥料と言った新しい物を作る頭脳。最高司祭が言っていた様に彼の頭はどうなっているのだろうかと思ってしまった。今は忽然と消えてしまったが、遺した物は今でも有効活用されていた。
たった数時間しか顔を合わせておらず。キリト達の親友だと言う事からあの時は信用をしていた。だが、
そして今は彼に話を聞いてもらいたいと思う様になってしまっていた。
今、私の心に込み上げてくるものはなんなのでしょうかと……
『血の鬼』の一部より
彼はハッキリ言ってしまえば『狂気』の一言に過ぎる。でなければあんな事を普通やろうとは考えない筈だ。何を思ったのか、彼は人の血を吸ったのだ。
もしもあの時ステイシア様がいなければ自分たちも同じ目に遭っていただろう。ステイシア様には足を向けて寝られない。
元々からそんな気は一切無いが・・・・
やはりダークテリトリーの人間は信用ならなかったんだ!!