日本各地にはメシア教に封印された大和神が存在し、めぼしい所は【ガイア連合】の【黒札】が主導して解放されたのだが。
一部の神格については【終末】後も封印されたままだったりする。
長野県
地名の由来は北九州の海の民である
この地一帯を管轄する神社は信濃の国三宮・穂高神社。祭神は安曇氏の祖神である
馬ニキは穂高神から神託を受けて、穂高神を解放すべく封印されている異界を下見に行った。
奥穂高岳の山頂まで登山し、封印の綻びを見つけて異界の中をちょいと覗き込んでみたら、そこには海が広がっていた。
準備不足ということで即撤退し、これは黒札仲間の応援を募らないといけないと判断したところで。次に待っているのは人選である。
寒冷地、山神、海。これらの条件に適合して戦闘力のある黒札──
馬ニキはある程度のアタリをつけた後、どうすれば彼ら彼女らを招聘できるか考え始めた。
*
「どうも、初めまして。私の名は平田維茂、通称ウマニキです」
函館・道南支部の応接室で、カス子ネキはとある黒札の訪問を受けていた。
「ドーモ、馬ニキ=サン。命子です。カス子と名乗ってます」
カス子ネキに続いて邪視ネキとカレンも挨拶し、まずはアイスブレイクとして簡単な雑談でも── というところで、馬ニキが手荷物の中から人形*1を取り出した。
「何だ、その美少女フィギア── いや、メダロットか?」
「ご明察です、外見はずいぶんとカスタムしましたが、ベースはメダロットです」
黒髪ロングの美少女フィギア、いわゆるビキニアーマーを着た肌色比率の多い人形だが、ヘルメット、肘から先を覆う
メダロットにはメイドさんや魔法少女をモチーフにしたものもあるので、まあそういうカスタムもあるのだろうとカス子ネキは納得した。
「外見モデルはプラレス3四郎の桜姫です」
「あいにくこちらは平成生まれな生粋のコロコロキッズ*2でな、昭和のネタには詳しくない。だがそこまで魔改造するとは、さぞかしホビー部を泣かせたのではないか?」
「ええ、かなり無理を言いました」
馬ニキとカス子ネキの視線が交差する。ここまでくれば言葉は不要、ただロボトルが始まるのみ。
「ふふん、キリーキンザムは無敵ぃ!」
カス子ネキのキリーキンザムと馬ニキの桜姫が1vs1の一騎打ちという形式で、まずは挨拶がわりとばかりにキリーキンザムの
「それはどうかな? 桜姫、防げ!」
馬ニキの指示に従って、桜姫は両腕を顔面の前に出す、いわゆるボクシングのピーカブースタイルの防御姿勢を取る。しかもヘルメットと両腕の手甲だけでなく、背を曲げて腰を落とし両脚の装甲も合わせて使う守勢だ。
「あっ、あれは! 肉のカーテン*3、しかもキン肉タツノリ型!」
「知っているのか、雷でん…もといリン!」
桜姫が必殺の一撃を防いだことで、邪視ネキとカレンが魁!男塾ばりのノリを披露する。
「ほう…… メダチェンジ*4でデストロイを防ぐのか」
カス子ネキも感心したように声を上げるが、動じた様子はない。
「だが、詰めが甘いな。肉のカーテンとやら、原作再現に拘ったのか知らんが、防御姿勢でいるうちは攻撃できないのだろう?」
今度はキリーキンザムの
そこでカス子ネキはいったんキリーキンザムの攻撃を止めた。
「メダチェンジは頭部・右腕・左腕・脚部の4パーツ装甲を一体化することで、防御力が上がる。しかしメダチェンジ解除後に、受けたダメージが各パーツに均等に割り振られる」
攻撃が止んだことで桜姫が
「なっ?!」
「残念だったな。二手は防げても三手目は防げまい」
桜姫が再度
キリーキンザムの
「うがあぁぁっ! 負けたーっ!」
「ヴイッ!」
頭を抱えて悔しがる馬ニキと、勝利のVサインをするカス子ネキ。
「キリーキンザムはベース色が緑、つまりエメラルドパワー*5! 硬度7の前には硬度4.5の肉のカーテンでは耐えられない!」
「な、なんだってーっ?!」
敗因を分析しながら、邪視ネキとカレンがMMRばりのノリを披露する。ちなみに平成生まれコロコロキッズなカス子ネキには、キン肉マンも男塾も通じていない。
「敗者に用はない、出直すんだな」
「とほほ……」
カス子ネキが敗者を煽ると、残骸となった
「で、結局、何しに来たんだ、あの人?」
「さあ?」
予想以上にボロ負けしたショックで、異界攻略の支援を言い出せない馬ニキであった。
*
「ちきしょーっ! 次は負けねぇーっ!」
「美少女フィギアに魔改造している時点でボディの剛性が大幅ダウンしているから、小手先のチューニングじゃ話にならんぞ」
「うぐぅ」