山梨・星霊神社に戻って遠征終了と異界討伐成功をちひろさんに報告したところ、彼女には大いに喜ばれた。
「【トラポート】取得おめでとうございます! 輸送の仕事依頼は過労死するぐらいありますから、ばんばん受けてくださいね」
「俺の命の心配とか、依頼成功してガイア連合の面子が保たれたとか、そっちを喜んでくださいよ。そういうこと言うから守銭奴とか陰口叩かれるんですよ」
「小粋なジョークですよ、ジョーク。それよりトラポートの性能は把握されました? 個人差が大きいスキルですし、トラポートのベテラン*1を紹介しましょうか?」
「それは年明け以降に紹介していただけるなら助かります。年内は骨休めと戦力再編したいので」
そう告げてちひろさんの所を辞し、スケベ部のミナミィネキの元へと移動する。
馬背神社異界を攻略したとき鬼女紅葉を仲魔にしたが、COMPによる契約と異なり使役魔が術者に反抗可能な契約となっている。契約時に暴力で紅葉の心を折ったが、それは一時的なものでいずれ俺の寝首を掻こうとすることは十分にあり得る。そのため、彼女を自身の戦力に組み込むために『きっちり縛る』ことが必要なのだ。
「それで、『メスガキ』を『わからせ』る手伝いが欲しいと? 協力しますよ、こんな面白いこと逃しませんから!」
これが今生の生きがいだとばかりに心底喜ぶミナミィネキ。天使堕天使その他多数を悪魔娼館に引きずり込んだその手際はとても心強いんだけど、素人に毛が生えた程度の俺がガチ勢(ミナミィネキ)を見上げると、追いつけないって直感的に思う。
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鬼女紅葉への『躾け』は、まぁ性交もとい成功したんじゃないかな。本作はR-15指定なので本番シーンをねっとり描写しないので、各自の脳内でお楽しみください。
釣った魚に餌をやらないといけないので、俺が戦力として保持できる限界は<ヒメ>と紅葉の二人だけかな。ハーレムを維持できるって才能が必要なんだと強く身に染みる。
それはそうとして、異界ボス討伐と伝承再現クエストを達成したことで、俺のレベルが上がっていた。北向観音の加護で破魔の力を身近に感じたからか、いつの間にか【ハマ】を覚えていたよ。事前に通常のハマ取得修行をしていたのも効果があったのかもしれない。
紅葉との再戦前に気づいていれば退魔弾の節約になったかもしれないが、命が掛かっているときに金銭をケチっても仕方ない。生き延びたのだからそれで良しとしよう。
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年末、星霊神社近隣の黒札用アパートの自室で。俺と<ヒメ>と紅葉の3人でのんびりTVを見ている。
紅葉は契約時に『現世を楽しませる(意訳)』と条項を(口約束だが)結んだので、出しても問題ない状況ならなるべく封魔管(脆)に入れっぱなしにせず出すようにしている。まぁ戦闘しないなら維持用のマグもそこまで必要じゃないからね。
今TVに移っているのは、競馬の年末総決算である有馬記念。<ヒメ>が馬背神社異界攻略時に馬に跨ったことを発端として、彼女が乗馬に対して大いに興味を持ったのだ。
今年は春天・VM・宝塚・秋天・JC・エリ女と古馬G1レースの勝鞍がすべて違う馬であり、この有馬記念を勝って二冠達成すれば年度代表馬という点から、豪華な顔ぶれとなっている。
「パドックを見て<ヒメ>はどう思う? 俺は1-5-7のボックスでお年玉を稼ごうと思うんだけど」
「私は3-5-7です」
「妾は賭け事には興味がない、純粋に競べ馬を楽しもう」
インターネットで勝ち馬投票券が買えるって便利だよね。そういや19歳で公営ギャンブルはできないんじゃないかって? スマホのメッセージアプリでちょいと連絡してスタンクニキに代理購入してもらってます。あくまでお小遣いの範囲で少額だけな。
──第XX回有馬記念、今スタート! ハナを取るのはアクアリバー、2番手は1馬身差でドカドカ、その外にミニリリー……
最終コーナーを回って最後の直線、逃げたアクアリバーの足が鈍る。一番人気のルンバステップは馬群の中でも藻掻いている、外からバイトアルヒクマ追い上げる、中からトモエナゲとジュエルルビー、ルンバステップはまだ抜け出せない……
バイトアルヒクマ、ジュエルルビー、和田龍の闘魂注入鞭が飛ぶ、バイトアルヒクマ差し切れるか、ジュエルルビー、ジュエルルビー! クビ差逃げ切った!──
俺たちはお年玉の入手に失敗しました。一番人気が着外はだらしない。俺には終始馬群に揉まれるうちに馬がやる気を失ったように見えた。やはり一番人気ということで周囲からのマークが厳しかったのだろうか。
「下手糞なジョッキーですわっ! あれなら私が乗った方がマシですの!」
「当代の競べ馬はただ走るだけなのか、僅かな馬体の接触もなしでは詰まらぬ」
ヒートアップする<ヒメ>とそれを呆れたように見る紅葉。中世の競べ馬は走行妨害有りだったらしいけど、現代競馬はそのようなルールではないので諦めて欲しい。
「主様! 私たちも馬を飼いましょう!」
「急にどうした、馬に乗りたいなら乗馬クラブに通えばいいだろ」
「馬を育て走らせるのです! 馬背神の本霊も、あの異界を使って良いと同意してくださいました!」
「えっ?!」
斜め上の角度から神意とやらが降ってきた。
平田維茂(ひらた・これしげ) 男・19歳 転生者 Lv15
ステータスタイプ:【体】寄りのバランス型
耐性:破魔無効、火炎耐性(装備)、呪殺耐性(装備)、氷結弱点(装備)
スキル:パトラ、ディア、ポズムディ、チャームディ、トラポート、ハマ、チャクラウォーク(劣化)*1
汎用スキル:房中術
称号:馬背神の加護(弱)、スケベ部幹部*2
装備:小烏丸レプリカ、ガイア連合製退魔銃(拳銃型)、ブラッドデューク一式*3、デモニカ、八尺瓊勾玉レプリカ
仲魔1:シキガミ<
ステータスタイプ:パワー型前衛
耐性:物理耐性、火炎耐性、氷結耐性、破魔耐性、呪殺無効、精神状態異常無効
スキル:かばう、プリンセス☆パンチ(ひっかき互換)、挑発、チャージ、食いしばり、勝利の小息吹、一分の活泉(装備)
汎用スキル:会話、食事、性交
装備:巴の薙刀、勝負服*4、赤色のピアス
仲魔2:妖魔アガシオン<アグネス> Lv7
耐性:物理耐性
スキル:ジオ、エネミーソナー、テレパシー、念動、警戒*5
仲魔3:鬼女紅葉 Lv10
耐性:物理耐性、破魔弱点、呪殺無効
スキル:ドルミナー、ディア、マハラギ、変化、酒の宴(劣化)*6