【ガイア連合】派出所の設置場所として、長野県上田市別所温泉の倒産したホテルを土地ごと買収した。購入資金は『馬背神社連』にだいぶ肩代わりして貰ったが、ガイア連合の配下になったなら資金供出は当然、むしろ出さなければ周囲の霊能組織から疑われると宮下のおじさんは笑っていた。先行投資した分は今後ガイア連合から有形無形の恩恵を受けるのでペイできるとのことだが、四国・大赦のように大規模商業施設ジュネスを誘致するわけでもないのでいつ頃ペイできるのかは不明だ。
覚醒者掲示板で依頼していた馬の代理購入案件が受注され、異界『浦野牧』に日本在来種の道産子・木曽馬・寒立馬が牡馬牝馬セットで10頭ほど奉納された。馬背神は馬が奉納されたことに大喜びで、マグをあまり納めていないのに異界拡張を行ってくださった。フル拡張ではないが、『浦野牧』への入り口が浦野地区・馬背神社と別所温泉地区・北向観音の2か所に増え、派出所からも『浦野牧』へアクセスしやすくなった。
それが切っ掛けとなって、俺にとって面倒事も寄ってきたのだが。
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派出所予定地で倒産したホテルのリフォームを実地検分しているところ、アポなしで自動車が敷地内の駐車場に入ってきた。どこかのヤクザのカチコミかと一瞬思ったが、バンに描かれているロゴを見て違うと悟った。市内のメシア教会のロゴだよ、【メシアン】だ!
まぁ俺は話の通じる文明人なので、メシアンだからという理由で問答無用に攻撃したりしない。もしかしたら【穏健派】と会話するだけで終わるかもしれないからな。……狩人ニキとのアメリカ旅行後、このような思考に偏ってしまったのは良かったの悪かったのか。
自動車から下りてきたのは、Lv5くらいの初老の男と、Lv1~2くらいの成人男女が4人の合わせて5人。地元の零細霊能組織を威圧するならこれくらいでも十分か。*1
「なんだい、勝手に入ってきて。面会予約もないだろうに、何が御用ですか?」
「これは失礼いたしました、平田維茂さんですね? 宮下のお嬢様と婚約したと聞いて、お祝いを述べに参りました」
初手で高圧的に出てこなかったので様子見である程度会話を試みたが、こいつら穏健派メシアンだな。善人ではあるが、【メシア教】と【ガイア連合】は相思相愛だと勝手に解釈する頭お花畑な連中*2でもあるので、言質を取られないよう警戒はしないと。
「改めてお聞きしますが、本日はどのようなご用件で? 先ほど婚約の祝いと伺いましたが、アポイントも無しで押しかけるほど重要な要件でしょうか?」
「いえ、その…… 先日、小さな地震があったことはご存じですか?」
「知りませんでした。それが何か? 教会の建物が損壊したのでしょうか?」
「えぇと…… 建物ではないのですが、その。ガイア連合に依頼したいことがありまして」
どうにも向こうの歯切れが悪い。とはいえガイア連合に依頼ということはオカルト絡みの事件な訳で、これは真面目に取り合う必要があるか。
「
「……武高国神社の要石が、先日の地震で破損したのです。異界へと繋がる穴が生まれ、我々では一時しのぎの封印しかできませんでした」
「っと、それは大掛かりな話ですね。話の続きは現地で詳細な状況を確認してからで良いでしょうか?」
武高国神社は、北向観音と生島足島神社の間、両社を直線で結んだラインの真上にある。江戸時代終わりの1847年に発生した善光寺地震は余震が一か月以上も続きこの上田地方でも多大な被害が出たため、この地に鹿島神宮を勧請し要石を設置することで地震を抑えつけようとした経緯がある。
メシアンどもが乗ってきたバンに余裕があったので相乗りさせてもらい、武高国神社まで10分ほど。確かに要石が真っ二つに割れて、異界への穴ができている。先日の地震により破損したであろう古いメシア教由来の結界と、応急処置として張られたメシア教由来の簡易結界を見て、なんとなくの見当がついた。戦後にメシア教がこの地の神を封じ地元霊能者を根切りにしたが、メシア教による新たな霊的支配を敷くときに、比較的新しく設置されたこの要石を地元神封印のために転用したのだと推測する。
戦後から半世紀以上が経過して代替わりした現在、この地のメシア教エクソシストにはこの異界を封印するだけの腕がないのであろう。
「異界の中は確認しましたか?」
「入口すぐで鬼らしきものに襲われ、命からがら逃げ帰ったので詳しくは分かりませんが、平地が広がっていました」
この異界への穴、行先は『浦野牧』だ。馬を奉納したことで馬背神が異界を拡張してくれたが、地震と要石の破損はそれが理由だろう。
「新たな結界のおかげで今すぐ異界から化物が出てくるということは無いでしょう。いったん戻って装備を整えるだけの余裕はありそうですね」
「おお、我らが尻尾を巻いて逃げ戻るしかなかった地に果敢に挑むとは、なんという勇敢な!」
「で、戦後にこの地のオカルトを仕切ってきたメシア教の皆様は、ガイア連合に依頼を解決するということでよろしいですか? 対象が異界となれば報酬額もお高くなりますが?」
相場がどれくらいか分からないので、装備を取りに戻るときちひろさんに確認しておかないとな。なあなあで済ませると次も安値になってしまうので、きっちり取り立てないと。
*
装備を整えて異界に潜ると、諏訪神タケミナカタ(分霊)と鹿島神タケミカヅチ(分霊)が相撲を取っていた。古事記だと国譲りの神話で両神は力比べをしたので、神話の再現ということになる。
この異界はタケミナカタ神のホームグラウンドかつタケミナカタ神(分霊)の方がレベルが高いのに、両神ががっぷり組み合って互角である。神話補正マジ強い。このまま待っていても容易に勝負はつきそうにないので、お互いが拮抗しているうちに、行司として水入りを告げて勝負に割りこむことにした。
異界への穴が突発的に発生したのでそれを封じて欲しいとお願いしたところ、それ自体は快く受け入れてもらえた。
その代わり、水入り引き分けに持ち込まれたタケミカヅチ神から、相撲の稽古をつけてやると言われてしまった。これはカワイガリってやつですかねぇ。<ヒメ>も紅葉も女性体なので神事でもある相撲に参加できないとなれば、俺一人でやるしかない。え、日本書紀には雄略天皇が女相撲をやらせた記録があるから<ヒメ>もやるって? あ、紅葉は遠慮すると。
よし、ぶつかり稽古、頑張ります! 死ぬほど酷い目に合うと思うけど、稽古というなら死なないはず! <ヒメ>と二人で被害分散するから、多分。
平田維茂(ひらた・これしげ) 男・19歳 転生者 Lv22
ステータスタイプ:【体】寄りのバランス型
耐性:破魔無効、火炎耐性(装備)、呪殺耐性(装備)、氷結弱点(装備)
スキル:パトラ、ディアラマ、ポズムディ、チャームディ、パララディ、トラポート、ハマ、チャクラウォーク(劣化)*1
汎用スキル:房中術
称号:馬背神の加護(弱)、スケベ部幹部*2、小泉小太郎*3
装備:小烏丸レプリカ、ガイア連合製退魔銃(拳銃型)、ブラッドデューク一式*4、デモニカ、八尺瓊勾玉レプリカ
仲魔1:シキガミ<
ステータスタイプ:パワー型前衛
耐性:物理耐性、火炎耐性、氷結耐性、破魔耐性、呪殺無効、精神状態異常無効
スキル:かばう、プリンセス☆パンチ(ひっかき互換)、挑発、チャージ、食いしばり、勝利の息吹、一分の活泉(装備)
汎用スキル:会話、食事、性交
装備:巴の薙刀、勝負服*5、赤色のピアス
仲魔2:妖魔アガシオン<アグネス> Lv12
耐性:物理耐性
スキル:ジオ、スクカジャ、エネミーソナー、テレパシー、念動、警戒*6
仲魔3:鬼女紅葉 Lv16
耐性:物理耐性、破魔弱点、呪殺無効
スキル:ドルミナー、ディア、マハラギ、アギラオ、変化、酒の宴(劣化)*7