農業機械に関してだが、ロボ部が何とかしてくれました*1。
ただし、
そもそも、大規模に田畑を耕すならサクナヒメのいる瀬戸内支部にどうやっても太刀打ちできないし、魚沼*2や宮城*3でも本格的な米作りに乗り出している。従ってこの浦野牧は馬の飼育をメインとして、農業は自給自足の範囲で細々とやることになるのだが、小規模なら農業機械を使うまでもなく人力と農耕馬で足りるのだ。人も馬も異界内で長く暮らすと、明確に覚醒とは行かなくても多少霊格が上がり(いわゆるレベル0.1という状態)、賢さや肉体の頑強さが増すのがその理由。
従って
異界拡張により生じた荒地を、高レベル霊能力者の高肉体パワーで適当に開墾し、蚕の餌となる桑の木を挿し木で植える。2~3年もすれば立派な桑畑になるだろう、悪役令嬢カタリナネキ*4から豊穣の祝福を貰ったので運が良ければ来年から養蚕は開始できるかもしれない。
*
【ガイア連合】派出所を構える長野県上田市は、もともと養蚕の盛んな地だった。異界内で養蚕を行うために、表の世界で養蚕を学ぶことにしたのだが、若いのに農業に取り組む奇特な奴と思われて農業組合の爺婆に気に入られてしまった。
養蚕に限らず農業のノウハウを得られるので悪くはないのだが、【ガイア連合】派出所の運営と人外ハンター組合の受付窓口業務もおろそかにできない。必然的に、悪魔と戦ってレベルを上げるという部分の優先度を下げることになり、平田維茂のレベルは30ちょいで頭打ちとなった。
以前に、俺は
「なんというか、今のままで満足しちゃっているのかな」
黒札限定で視聴可能な『ガイアプロレスIN新潟』*5の田舎ニキVSショタギルスをゲラゲラ笑いながら見ていたのだが、ふと彼我の実力差に思いを巡らせたのだ。
田舎ニキこと碧神凍矢と、ショタギルスこと鷹村ハルカ。どちらもパッと見でLv60は越えているだろうし、2人は順当にLv70以上に上がっていくだろう。それに対して自分はLv30強で頭打ち、しかも(一方的に)ライバルとみなしていた田舎ニキと2倍ものレベル差をつけられたというのに悔しさがまるで浮かんでこない。
地獄湯支部の阿紫花ニキや千代ちゃんのところの煙ニキのように、【ガイア連合】という組織の裏方事務員として生きていくのも良いかな、と思う。
前世の社畜生活から見れば、今のスローライフ系生活も悪くない。
*
縁あって、ロリショタニキから人材派遣*6の紹介をしてもらえることになった。
ロリショタニキの人材派遣については以前から耳にしていたが、【ガイア連合】の本部(山梨支部という名前だが実質本部だよね)や支部の大きなところが優先され、うちのような零細派出所にはなかなか回って来なかったのだ。
で、面接をしてみたのだが。申し訳ないが不採用とさせてもらった。
「なんだよ、事務方なのにレベル20オーバーって、どう見ても組織乗っ取りじゃないですかーっ!」
初紹介だから失礼のないようにとロリショタニキが人材を厳選したのだが、それが裏目に出た。
そもそもLv5あれば武闘型現地霊能組織の若手ホープ*7でLv10あれば組織のトップ、地獄湯で罪を償っているダークサマナー・クレマンティーヌもLvは5程度である。Lv20もあるなら小さな派出所程度に収まる器ではない。
高Lv霊能者を小組織に押し込めてもトラブルになるだけ、そう判断してのお断りとなった。
「しかもヨーロッパの方の女神の加護が強いし。いや霊能者に神霊の加護があることは珍しくないけど、うちは日本神話の神の集まりだから西洋のとは食い合わせが悪いかも……」
ゆかりネキ*8など、【黒札】が過保護なのはロリショタニキに限ったことではない。しかしLv20以上まで育成するとは、いったいどれだけ過保護なのか、馬ニキにはまったく見当もつかなかった。(女神による産みなおしという強烈な神話体験クエストとか、想像もつかないよ!)
「せっかくの紹介をお断りすることになったけど、不採用の逆恨みとかあったら怖いな…… いやそんなこと無いと思うけど」