田舎ニキが心労を美少女の膝枕で癒していた*1のと同様に、馬ニキも美女・美少女とベッドの中で戯れていた。
18禁となるため詳細描写はしないが、【黒札】専用美少女シキガミの<ヒメ>、鬼女紅葉を筆頭とした女性型の仲魔たち、現地霊能組織の金札にして幼馴染の宮下知佳とくんずほぐれつしながら陰陽和合する。全身汗まみれになりながら出すもの出して夢うつつの状態が、まるで涅槃にいるかのように心地良い。
「……ん、ここは?」
ふと気づくと、あれだけ愛しあっていた女性陣は周囲に誰もいない。
馬ニキはあたりを見回し、自身の眼前にあるぼんやりした霧の塊に意識を向けた。
「ロキ、明確な姿を取れていないようだけど?」
「残念だが、そなたの霊器を乗っ取る作戦は失敗のようだ。我はこのままそなたに吸収されて消失する。こうして夢の中で言葉を交わすのもこれが最後であろう」
ショタオジの診察とアドバイスを受けて、己の魂の中に巣食うロキの【マグ】を溶かすために毎日房中術を頑張った甲斐があった、と馬ニキは安堵した。
「だがそなた、
「ああ、ロキの力を引き出すってことですか。ブフ系*2が使えるようになったら便利と思ったのけど、どうにも手ごたえがなくて」
「そなたと我の相性で言うなら、一番は氷結属性ではないぞ。気づいておらぬようだが、このまま何も爪痕残せずに消えるのも癪だ、最後のサービスとしてこの夢の中で体験させてやろう」
ロキはそう言うと一瞬ピカッと光り、眩しさに目を瞑ってから恐る恐る眼を開けると、ロキの存在はどこにもなく、当たりは一面の荒野に変わっていた。
「あれっ? ロキさん? おーい」
ぐるりと見渡してみるが、どうにも可笑しい。視点が高いのか遠くが見通せるし、横や後ろにも視界が広い。
首を下げて視点を下し、自分の身体に異変が無いか確認しようとして、信じられないものを見て固まってしまう。
「お、俺、馬になってるーーっ?!」
*
しばらくパニックになっていた馬ニキだが、どうにか心が落ち着いてきた。
「ロキが馬に化けたという逸話から、馬の【悪魔】に変身するデビルシフター能力。俺とロキの最も相性が良いってこれか? まあ納得できないこともない」
心の平穏を取り戻したところで、じゃあ馬の姿で何ができるのか確かめてみることにした。
「四つ足で歩いたり走ったり、人の姿とはまったく構造が異なるのに、無意識レベルで身体を動かすことに違和感がない。とりあえず【体当たり】*3はできそう。前から使えてた【ディア】系と【ハマ】系、【パトラ】も問題ない*4、Lvが上がれば色々覚えそうな気もする*5」
とりあえず強くなれそう、と気を良くした馬ニキは、そのまま荒野を駆け出した。
「何も考えずに全力疾走するだけで、たーのしーっ!」
動物の本能に精神が引っぱられたのか、思うがままに走り回る。
「目前の障害を、踏み切って、ジャーンプ! 見事な飛越です」
「上がり3ハロンを31秒切り*6のレコードタイム! 大接戦ドゴーン!」
テンションが上がって意味不明な台詞を叫んだりしているが、それはご愛敬。
*
テンション高いままかなりの時間を走り回って、全身を心地良い疲労感が包み込み、そこでようやく馬ニキは周囲に気を配るだけの余裕を取り戻した。
「……ん? ああ、夢の世界から戻ってきたのか」
寝室で、ベッドの上に散らかる裸の女性たち。
馬ニキは今何時かなと呑気な考えで室内を見回し、改めて違和感を覚えた。
「あ、こっちでも馬の姿になってる?!」
どうやら、無事にロキの力の一部を引き出すことに成功したようだ。
「んー?? 主様?! 随分と可愛い姿になられて! 栃栗毛に近い明るい鹿毛、細面の顔に真っ直ぐな流星、ぱっちりした目! 美少女と持て囃されたタマミ*7のようですわ!」
シキガミの<ヒメ>が、変身した姿の馬ニキを見て大喜びで褒めちぎる。
馬ニキはそれを聞いて、嫌な予感を覚えながら自身の股間を覗き込んだ。
「ない、自慢のバズーカがない!」
「うぉぉぉ、主様がTSケモノっ娘! しかも美尻*8! 滾りますわーーっ!」
「そういえば、ロキが変身したのは
スケベ部のドクオニキ*9に一時的にTSしてもらったことあるし、馬の姿限定なら女体化も悪くないかな……
TSについてはあまり動じていない馬ニキであった。