【終末】後は無人となった鬼無里の湯・奥裾花温泉の建物を無断占拠して、手入れされていない温泉に強引に漬かって一休み。
かつては温泉宿の大広間であった畳敷きでゴロンと横になって、馬ニキは今日のことを振り返っていた。
多神連合の戸隠神社シェルターに行き、その足で鬼無里村跡地を巡った。仲魔である鬼女紅葉の伝説では、鬼無里村は彼女の終焉の地である。彼女に縁深い地を巡訪することで彼女のパワーアップイベントが発生するかと期待していたのだが、彼女は過去を懐かしむ素振りこそ見せたものの、特に何もなかった。
紅葉のパワーアップイベントを諦めて、信州アンテナショップに戸隠の蕎麦粉をラインナップ追加することに意識を向けていたところ、湯上りの鬼女紅葉が浴衣姿で広間に入ってきた。
「妾の存命中には無かった湯*1だが、なかなかに楽しめたぞ」
「それは良かった。君に縁深い所ではあるが、あまり気が晴れなかったようだったしね」
「妾の落命の地ぞ、気分良くとはならぬ」
紅葉は馬ニキの隣に腰を下ろし、彼にしな垂れかかった。
「都から配流され、貴人として民と心穏やか過ごすも今は昔。過去の悪気が今再び呼び起されそうで……」
「む、それは不味いな。反乱となれば鬼女紅葉を退治せねばならん」
紅葉は身体を擦りつけながら悪戯っぽくささやく。彼女の瞳の奥に情欲の炎が見て取れた。
「馬背神社と将軍塚では二度に渡り不覚を取った*2。三度は武力でなくこちらで挑もうぞ」
「悪気*3というより気を悪くする*4方か。よし、俺の股間の佩刀で貫いてやる」
「ふ、この
互いに抱き合い愛を語らう二人は、いつの間にか鬼女紅葉の鬼退治伝説をモチーフにした男女のセックスバトルに突入していた。
*
「鬼女紅葉、討ち取ったり」
全身を汗と汁まみれにし、大きくのけ反って全身を細かく震わせながら失神する鬼女紅葉。彼女を組み敷いてその首に手を伸ばし、優しく撫でることで首級を上げたと宣言する馬ニキ。
【ガイア連合】の【スケベ部】所属としてミナミィネキに鍛えられた彼の手練手管の前には、悪魔といえど鬼女紅葉は勝てなかった。勝利宣言に対する反論がないことで勝利を認識した馬ニキが体を起こしたところで、彼に神霊の啓示があった。
「いょぅ
「その
「鬼女紅葉討伐、伝説の再演ご苦労さん。そんな兄弟には
「えっ、唐突ですね」
「平維茂は神仏の加護を得て鬼退治に成功した、ならば鬼退治に成功した兄弟には因果逆転して神仏の加護が与えられる。そしてセックスバトルで勝ったのだから、加護もセックスバトルに相応しいものとなる。俺は諏訪神の子、馬背神は諏訪神の孫、同じ諏訪神のファミリーとして俺が適任という理屈さ」
「あー…… うん、そうかも?」
なんとなく屁理屈な気もしたが馬ニキは丸め込まれて、ミシャグジさまはニシシと笑った。
「まぁ、俺様の加護と言えど最初は【マジカルチンポ(微)】からスタートさ、頑張ってスキルを磨くんだな」
「ちなみに、どんな効能でしょう?」
「(微)が付いている現在だと、最低レベルのサキュバス/インキュバスと同程度だな。【未覚醒】者が相手なら快楽で縛って洗脳まがいのことも可能だが、【覚醒者】や悪魔が相手なら単に身体の相性が良くなる程度か。あっ、兄弟は馬の因子が強いから、射精量が馬並になるぞ。汁男優としてやっていけるな」
ちなみに、人間の一回の射精量が3ミリリットル、馬が30~100ミリリットルと言われている。
「それと、北欧神話のエッセンスが少し薄まった分、レベルの上がりにくさが少しだけ緩和されるぞ。じゃあな兄弟、精進しろよ!」
「……唐突に来て唐突に去っていったな、ミシャグジさま。あーでも、最後のは有り難い」
霊界通信による啓示が終わり、改めて周囲を見渡す馬ニキ。失神した鬼女紅葉がぴくりとも動かないことに気づいて肝を冷やしたところで、彼の仲魔である道敷大神が紅葉の頬を軽く叩いた。
「ほれ、目を覚ませ」
「……ん、んん……」
黄泉神イザナミの別側面である道敷大神により再誕を促され、紅葉が息を吹き返す。
馬ニキが安堵のため息をついたところで、手桶にお湯と手ぬぐいを持った見慣れぬ悪魔が2体、紅葉に近づいて身体を清めようとする。
「ん? 君たちは?」
ぱっと見ると【鬼女ヨモツシコメ】、どちらもLvは5程度と大したことはない。ヨモツシコメなら道敷大神の配下だろうが、なんとなく違和感がある。
「わたくしは月夜、紅葉様の侍女にございます」
「同じく紅葉様の配下、お万!」
「ああ、伝説の再演ということで、紅葉の味方として顕現したのか」
確認するように紅葉の方を見ると、彼女は一つ頷いた。
「配下ともどもの黄泉返り、道敷大神にはただならぬ助力を賜った」
「よいよい、同じ仲魔であろ」
道敷大神は何でもないと軽く手を振り、鬼女紅葉はその意を受けて大袈裟にせず目礼のみとした。
「月夜とお万も込みで、今後ともヨロシク。まぁ、主従ともども枕を並べて討ち死にした仲ゆえに……」
紅葉はふと思いついたように、言葉を切った。そしていかにも人を食ったような(比喩)表情を作る。
「
「え? もしかしてセックスバトル継続?」
「はいはい、わたくしも主様の鬼討伐に助太刀しますわ~っ!」
シキガミの<ヒメ>が勢い良く手を上げる。ネペレーが馬ニキの肩をポンと叩いた。
「これは仲魔の総出で乱交パーティーの流れだね! マジチンの加護が早速役立つよ!」
「ええー、もうちょっと情緒というものを大事にしないとー」
馬ニキの反論はネペレーのキスで物理的に封じられ、彼は否応なしに過酷なバトルへと突き落とされたのであった。
合掌。
平田維茂(ひらた・これしげ) 男・23歳 転生者 Lv41/??(SSR)
ステータスタイプ:【体】寄りのバランス型
耐性:破魔無効、火炎耐性(装備)、呪殺耐性(装備)
スキル:パトラ(真5仕様)、デクンダ、ディアラマ、ディアラハン、ハマ、トラポート、テトラジャ、チャクラウォーク(劣)*1
汎用スキル:房中術、相撲*2
称号:馬背神の加護(中)、スケベ部幹部*3、小泉小太郎*4、ガイア連合派出所管理人、前世はロキ、マジカルチンポ(微)*5
後天的デビルシフター:聖獣スレイプニル Lv24/?? パトラ、ハマ、ディアラハン、体当たり、ヒールドロップ、破魔無効、火炎弱点*6
仲魔1:シキガミ<川上 姫> Lv41/??(SSR)
ステータスタイプ:パワー型前衛
耐性:物理・火炎・氷結・衝撃・電撃耐性、呪殺・破魔・精神状態異常無効
スキル:かばう、プリンセス☆パンチ(貫通撃互換)、挑発、チャージ、食いしばり、勝利の息吹、防御形態*7、一分の活泉、二分の活泉、三分の活泉(装備)
汎用スキル:会話、食事、性交、相撲
仲魔2:鬼女 〈好色な〉紅葉 Lv5/50(R)
耐性:物理耐性、破魔弱点、呪殺無効
スキル:アギ、ディア
汎用スキル:性交、詩歌、音楽
仲魔3:女神 道敷大神 Lv36/??(SSR)
耐性:破魔耐性、氷結・呪殺無効、火炎弱点
スキル:ジオンガ、マハジオ、リカーム、デカジャ、ムド、電撃ブースタ
仲魔4:女神 〈淫乱な〉ネペレー Lv31/??(SR)
耐性:氷結・衝撃耐性
スキル:霞駆け*8、淀んだ空気*9、誘惑の霧(劣化)*10
汎用スキル:性交、牧畜
仲魔5:妖魔 ヴァルキリー<アグネス> Lv34/??*11(SR)
耐性:火炎吸収、電撃・破魔無効、呪殺耐性、毒・精神弱点
スキル:ジオ、突撃*12、馬は蹄の音を立て*13、英雄狩り*14、物理ブースタ
仲魔6:国津神 タケミナカタ Lv19/??(SR)
耐性:火炎弱点、雷撃耐性
スキル:ジオンガ、反撃、静天の会心*15
仲魔7:鬼女ヨモツシコメ<お万> Lv5(UC)
耐性:火炎弱点、精神無効
スキル:ペトラアイ
仲魔8:鬼女ヨモツシコメ<月夜> Lv5(UC)
耐性:火炎弱点、精神無効
スキル:借金*16
仲魔9:屍鬼 〈淫乱な〉ボディコニアン Lv5(C)
耐性:火炎弱点、破魔・呪殺耐性
スキル:ナイトフィーバー*17