新潟某所。ここは新潟の重工業を一手に引き受ける技術部のうち、銃器に関する研究・開発ラボが置かれている。
このラボでは、黒札・武田観柳から依頼されて
「ガトリング砲の次はアームストロング砲、作りてぇな……」
アームストロング砲は幕末~明治初期を描いた某漫画においても、志々○真実一派の鋼鉄艦「煉獄」に搭載されていたり、鯨○兵庫が右腕に装着して使用していた。
ガトリング砲を製造したことで、彼ら技術者たちは浪漫を拗らせていた。
「でもよぅ、腕に装着するなら宇宙海賊コ○ラのサイコガンの方が取り回し良いし……」
「新潟・佐渡を往復するフェリー艦*2に乗せるにも、19世紀の兵器じゃ時代遅れも甚だしい」
流石に需要のないものを製造するほど良心を失っていないようで、彼らは失意の底に沈んでいるようだ。
「救いは…… アームストロング砲に救いはねぇのか!? オレらこのまま
「
突然現れて管を巻く技術者連中を一喝する男、それはたまたま新潟に立ち寄った宮城支部所属の技術者、鬼鮫ニキ*3である。
「アームストロング砲に需要がないなら、作る! 馬でリヤカーを牽く黒札がいるんだろう?! そいつに試作品供与と称して渡すんだ!」
すると今まで力なくへたり込んでいた
「戊辰戦争・上野寛永寺の戦いで使われたような、車輪で移動させるタイプ……!」
「9ポンド騎兵砲……! いや、
鬼鮫ニキの言葉に蒙を啓かれたとばかりに、彼らはおいおい泣きながら希望を語り始める。
「合金樹*4素材をまた…
「
「特殊なギミック──
「
「いろんな属性弾、
「
自信満々に返答する鬼鮫ニキを救いの神とばかりに崇め始めるモブ技術者たち。
こうして彼らの新しい挑戦が始まったのだ。
*
「──で、
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか。完成度高けーなオイ」
【ガイア連合】特製リヤカーに追加オプションがあると聞いて出向いた馬ニキが見せられた物は、砲身全長180cmほどの卑猥な造形だった。
「こうしてリヤカーに固定して、後装式だから砲弾はこう込める。きっちり栓をしないと暴発するから注意」
「なんで菊門を模した装填口と、イチジクの実を模した弾丸なんですか?」
「発射!」
馬ニキの疑問には答えず、アームストロング砲の使い方を実演して見せる鬼鮫ニキ。
「思ったより音がしないだろ? 見た目は睾丸っぽいけど
「その代わり、砲口からこぼれる白煙が、想像してたより粘度高いですね。どう見ても精子です、本当にありがとうございました」
ちなみにこのアームストロング砲、ミシャグジさまが気に入って、馬ニキに夢で啓示が与えられたようである。